南海トラフ地震対策-堤防耐震化へ 国の予算確保を求める

2014年6月3日  

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私は昨年12月、南海トラフ地震対策として堤防耐震化が急務となっている大阪・西淀川地域を視察しました。→http://www.tatsumi-kotaro-jump.com/activity/4152

6月3日の海岸法改正案の質問では、緊急に南海トラフ地震対策が求められる大阪の実情を示しつつ、海岸事業費にあてられる国の交付金が減少していること、自治体の要望額に見合った予算措置がなされていない実態を告発し、堤防や防潮堤の老朽化、耐震対策の予算を十分確保するべきことを求めました。

私はまず、海岸保全施設の老朽化が深刻であることを指摘しました。現在、建設後50年以上経過しているものが約4割、2030年には7割に達します。2012年3月の時点で、海岸堤防等の耐震性なしが約1割、調査未実施が5割にも上っています。

ところが、都道府県が予定する事業費にみあった国の予算(交付金)が確保されていません。私の質問に対し、国土交通省の武藤浩官房長は、「全国からの要望のうち7割程度」しか措置されていないと答えました。

大阪府が昨年公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、30年以内の地震発生率は70%、死者は最大で13万人とされており、早急な対策が求められます。大阪府は、この地震に備えた防潮堤液状化対策のため、今年度140億円分の予算を組みましたが、国からの交付金配分は補正を合わせて40億円程度。大阪市も海岸事業で19億円、港湾事業で11億円の予算を計上しましたたが、国の内示額は5.1億円で、事業に遅れが出ています。

私は、南海トラフの巨大地震など地震による被害を最小限に食い止めるために、堤防や防潮堤の老朽化、耐震対策の予算を十分確保するべきことを求めました。

太田昭宏国土交通大臣は、「地方公共団体の取組を支援するためには必要な予算の確保に努めなくてはならない」と答弁し、予算を確保することの必要性を認めました。


議事録を読む

○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
 海岸保全施設の老朽化は深刻でありまして、現在、建設後五十年以上経過しているものが約四割、二〇三〇年には七割に達すると。しかし、二〇一二年三月の時点で、海岸堤防等の耐震性なし、これが約一割、調査未実施、これが五割にも上っております。速やかに調査を行って必要な耐震化対策を進めなければなりません。
 こうしたことから、二〇一三年十月に農水省と国交省が共同で海岸管理のあり方検討会を設置し、今年一月に今後の海岸管理のあり方についてが取りまとめられました。ここでは、こうあります。海岸事業費は一九九七年をピークに減少し、近年は半分以下になっている、都道府県が行う海岸事業に対する補助金は二〇一〇年に交付金化されたけれども、その全体額は公共事業関係の交付金の全体額の減少率よりも大きく減少していると、こうあるんですね。
 国交省にお尋ねいたしますけれども、なぜ交付金の全体額よりも海岸事業費が大きく減少をしているんでしょうか。
○政府参考人(森北佳昭君) 委員御指摘のとおり、公共事業費、減少する中で、海岸事業費についても減少してまいりました。平成十七年度から二十六年度まで十年間の海岸事業費を見ますと、平成二十二年度に補助事業の大半が交付金事業に移行したことによりまして大きく減少いたしております。また、社会資本整備交付金等のうち、海岸事業の執行状況について都道府県に調査した結果によりますと、平成二十二年度以降、交付金による海岸事業の執行額、減少いたしております。
 なお、東日本大震災以降は、全国防災事業も併せまして、防潮堤の耐震対策等に必要な予算の確保に努めているところでございます。
○辰已孝太郎君 やはり検討会の取りまとめでは、海岸事業は国民の生命、財産を守る事業であり、国土を保全する事業である、全国約九千六百キロメートルにも及ぶ海岸保全施設を維持管理、更新しつつ、このような海岸事業の特性を踏まえ、必要な整備を進める必要があると、こう強調しているわけですから、やはり予算を、これ下げるんじゃなくて上げていくべきだというふうに思うんですね。
 各都道府県が予定する事業に見合った、じゃ、交付金というのは確保をされているのかと。少し個別に見ていきたいと思うんですけれども、大阪府は、昨年、南海トラフの巨大地震の被害想定を公表いたしまして、三十年以内の地震発生率は七〇%、死者は最大で十三万人というものでありました。これ早急な対策が急がれるわけですけれども、実際は十分な予算が確保されていないということであります。
 国交省に聞きますけれども、二〇一四年度の防災・安全交付金の自治体からの要望額の総計は幾らあって、そして配分した、決定した配分というのは幾らあったんでしょうか。
○政府参考人(武藤浩君) お答えをいたします。
 まず、防災・安全交付金の予算総額に関してでございますが、平成二十六年度は、防災・安全交付金の一層の重点化を図るということで、国交省全体の公共事業関係費、これが対前年度比一・〇二倍でございましたが、これに比べまして一・〇四倍ということで、交付される交付金の総額は一兆八百四十一億円ということになっております。
 一方、全国からの要望総額につきましては、熟度などによりましてその精緻な数字を算定することは困難ではございますけれども、おおむね全国からの要望のうち七割程度が予算として措置をされているということでございます。
 引き続き重点的な配分に努力をしてまいりたいと思っております。
○辰已孝太郎君 要望の七割ということでありますけれども、この大阪府が発表している被害想定は津波などの浸水域を半減させるためには二千百億円の事業費が必要ということでありますし、同時に、津波の被害も甚大なんですが、その前に堤防が液状化で崩れて浸水することも指摘をされております。それだけに、老朽化した堤防施設等の対策が急務になっております。
 大阪府は、二〇一四年度の予算で防潮堤液状化対策に百四十億円の予算を立てたんですね。ところが、この全国防災交付金と防災・安全交付金の府市合わせての配分国費というのは、これ、補正予算を合わせても大体四十億円ほどでありました。大阪市でも海岸事業で十九億、港湾事業で十一億円の予算を計上しておりますけれども、国の内示額というのは五億円で、これらの事業に遅れが出ているということを聞いております。
 大臣にお聞きいたしますけれども、南海トラフの巨大地震など地震による被害を最小限に食い止めるために、やはり堤防や防潮堤の老朽化、耐震対策の予算を十分確保するべきだと思いますけれども、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 私は当然そう思っているわけです。しかし、国全体の財政制約、その優先の中に、私は、公共事業の中でも防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化ということをメーンストリームに置かなくてはいけないということをこの一年半もう言い続けてきまして、予算要望についてもそういうことを言わせていただいてきているところでございます。
 防潮堤の耐震、液状化対策、かさ上げ等、これ命に関わる問題でありますので、国の直轄で行うとともに、地方公共団体の取組を支援するためには必要な予算の確保に努めなくてはならないと思っているところでございます。
○辰已孝太郎君 メーンストリームという話でした。大賛成なんですが、実際には、社会資本整備総合交付金には物流ネットワーク強化のための道路整備などの新規事業も盛り込まれております。私は、堤防や防潮堤の老朽化、耐震対策にこそ優先的に回すべきだということを言っておきたいと思います。
 続きまして、公共交通の在り方について二、三質問をさせていただきたいと思うんです。
 三月十七日の当委員会で、バス運転手についての労働条件等の悪化や改善基準告示を見直すべきではないかという質問もさせていただきました。大臣も、安全は一番大事であり、委員会等を通じて検討すると答弁されました。
 昨年の十二月から、バスの運転者の確保及び育成に向けた検討会が開催をされております。国交省にお聞きしますけれども、この検討会では長時間労働や低賃金の実情をどのように把握し、どのような議論になっているんでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) 検討会でございますが、これまで二回の会合を開催いたしまして、バスの事業者三十五社、運転者三百四十五名、また、今仕事を探されておられる求職者四百名などからヒアリングあるいはアンケートを取って、その結果をいろいろ分析をいたしております。
 また、他の業種におきます先進事例の調査結果など、さらに出席者から現場の声を基にきちっとした実情の把握などを行い、議論を行ってきているところであります。
 今、この検討会の場におきましては、若年層を中心に志望者あるいは採用者が減少しているという点、あるいは離職率が上昇してきているというところから労働者不足の問題が浮き彫りになっていると、このような議論を進めているところでございます。
 今後、いろいろ対策につきましては、若年層のバスの運転者の年収、これは全産業よりも高いという点がございます。こういう点をむしろアピールをしていくべき、あるいは、女性の採用拡大につきましても、いろいろ社内環境を適切に整備すれば十分に対応していくことが可能、こういうような議論を進めているところでございます。
 引き続き、今月中、予定をしております検討会におきまして具体策を精査して成果をまとめていきたいと考えております。
○辰已孝太郎君 若年者の給料は全産業に比べても高いということですが、しかし、そこで止まるんですね。全産業と比べて、やっぱり九十八万円、平均でいえばですよ、バス事業者は、運転手は安いわけですよ。で、長時間労働ですから、これでは魅力はそもそもないと言わなければならないと思いますし、有給休暇の取得は二〇〇二年と比べても三日減って十三日と、こういうことですね。ですから、年収も低い、労働時間も長い、雇用の形態全てで悪化しているのがこのバス業界であります。
 この検討会の趣旨には、地域の生活交通の維持や輸送の安全の確保の観点から運転者の確保及び育成は喫緊の課題となっているとしております。ところが、この安全運行に重大な支障となる動きが自治体で生まれております。
 大阪市の一〇〇%出資の外郭団体である大阪シティバス株式会社は、大阪市の委託を受けて市バスの運行をしております。今年の五月、賃金、労働条件等の見直しを行い、労働条件の切下げが労働者側に提示をされました。見直しの骨格として、勤務日数を成果とする成果主義賃金に改めると、こう書いてあるんですね。
 どういう成果主義賃金か。まず、自動車運転手は、現在十七万五千円の基本給から十四万五千円まで三万円減らされると。出勤日数に応じて、例えば出勤日数が二十一日ならばプラス二千五百円、二十二日だと二万円、二十三日だと三万円、二十四日だと三万二千五百円、以降一日につき二千五百円の業績給というのを支給するというものであります。つまり、休日出勤というのを奨励するようなものになっているわけであります。これでは、下げられた賃金をカバーするために休日に出勤せざるを得なくなると。また、逆に路線の縮小が続く中で出勤日数が減らされれば、たちまち収入は減り生活ができなくなる。
 昨年九月、同会社は、月二回しか休んでいなかった運転手が心筋梗塞で倒れ、そして五月には別の運転手が運行中体調不良で緊急搬送されました。これも心筋梗塞でありました。乗客が大事に至らなかったのは不幸中の幸いであります。
 当委員会は、五月の十三日の改正地域公共交通活性化・再生法の附帯決議の中で、地域公共交通ネットワークの充実と安全運行のため、運転者等交通手段の担い手である公共交通事業に従事する者の確保及び育成、労働条件の改善に十分配慮することと、これ全会一致で求めましたけれども、大阪シティバスの動きは、私はこれに逆行するものだと思います。
 国交省に聞きますけれども、労働条件が引き下げられることで長時間労働と健康悪化がますます進むのではないでしょうか。これでは、公共交通機関の一番の使命である安全運行は確保されないのではないでしょうか。どうお考えでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) 公共交通、このバスの運行に当たりましては、安全の確保というのが極めて重要で、基本でございます。安全運行がきちっと担保されるという前提で、私ども、事業の許可あるいは事業の運営につきまして指導しているところでございます。引き続きその方針で臨んでまいりたいと考えております。
○辰已孝太郎君 私、やっぱり看過できないのは、事業者側が、この労働条件の切捨てがバス事業の民営化のために必要だと、こう言っていることなんです。先ほど、公共交通の機関としてバスの現状がありましたけれども、民営化ということを口実に労働条件の引下げ合戦が行われているということであります。
 私は、長時間労働の改善、低過ぎる賃金の改善なくしてバスの運転者の確保はそもそもできないと思うし、乗客の安全も守られないと思っております。国交省としてこの点の改善策をこの検討会に提案するよう強く求めて、質問を終わります。