低所得者の影響大きい 「消費税増税中止を」

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日本共産党の辰巳孝太郎議員は4日の参院経済産業委員会で、消費税増税が個人消費に与える影響を指摘し、10%増税中止を求めました。

辰巳氏は、2014年の増税前と比べ、実質消費が1世帯当たり年間26万円も落ちていることを指摘。消費税増税が与える個人消費への影響について政府の認識を問いました。

世耕弘成経産相は「税率引き上げに伴う価格上昇が実質所得を目減りさせ、個人消費を大きく減少させた」と答弁しました。

辰巳氏は、個人消費の中でも低所得者への影響が大きいと強調しました。総務省の家計調査によると、低所得者は駆け込み需要があまりなく、増税後の落ち込みは大きかったことを指摘。消費の平準化対策は高所得者向けになり、低所得者の消費低迷は避けられないと、消費税増税の中止を求めました。

世耕経産相は「前回は大きな影響があったので、今回は幼児教育の無償化や、プレミアム商品券、ポイント還元など対策を行う」と答弁。辰巳氏は期間限定の対策などでは意味がないと述べました。

2018年12月12日(水)赤旗より転載

議事録を読む
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
まず、外国人労働者の拡大問題について聞きます。
特定技能を新設しようとする新制度において、政府は五年で三十四万人以上の外国人労働者を受け入れようとしております。ところが、三重県、シャープの亀山工場で、一年間で外国人労働者三千人が雇い止めされるという事態が今起こっております。昨年大幅に従業員を増やしましたが、アイフォンの減産の影響だといって大幅な雇い止めを行っている模様であります。雇い止めした会社は、シャープの三次下請とも五次下請とも言われております。シャープは、業務委託した一次下請が適正な人員を準備することになっていると他人事のように言っているわけであります。
さて、経産大臣にお聞きするんですが、経産分野でも、人員不足を理由に今回新たな制度で、電気・電子情報関連産業などの分野で五年間で三万人以上の外国人労働者を受け入れようとしております。これ、三千人が切られたわけですね。一体どこが人手不足なんですか。切られちゃっているじゃないですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今のシャープの亀山工場での件、報道の件でありますけれども、この御指摘の報道はよく承知していますけれども、経産省としては、個別の工場において雇い止めに至った経緯を具体的に把握はしていませんので、労働組合等から担当労働局に告発状が提出されているというふうに認識しています。
これは、シャープの亀山工場はスマートフォンの電子部品が生産をされていて、そのスマートフォンの受注減少に伴って報道にあるような雇い止めにつながっているものだと推察をされます。
しかし、これはもう個社の事情によるところが非常に大きい、どこと取引しているかとかですね、そういったものによる部分が多いわけでありまして、幅広い電子部品を含む電気・電子情報関連産業全体としては、足下では自動車向けの電子部品などの需要が高まっていて、厚生労働省の雇用動向調査によれば、現時点で約七千人の人手不足が生じているというふうに推計をされています。
さらに、統計データといった客観的指標に基づいて、個社や一時的な景況あるいは取引状況によらない五年後の労働需要の拡大等を分析をすれば、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況だと見込まれていると認識をしております。
○辰巳孝太郎君 まあ個社の話ということなんですけれども、改めてこの対応については認識を後ほど大臣に聞きたいと思うんですが。
この間、大手の電機企業では、違法な退職強要を含めて三十八万人にも上るリストラが行われてきたわけであります。ところが、政府は、まともな手当ても手だても講じずに放置、黙認をしてきたわけですね。まさに今回の事態は、外国人労働者が雇用の調整弁として使い捨てられているということにほかならないわけですね。電機産業でも重層下請構造があるわけです。下請がやったことだから知らぬということでは、私は大企業の社会的責任は果たせないと思うんですね。
今回のケースは悪質です。今回、二か月で契約更新を何度も何度も繰り返すわけですね。これは、社会保険逃れ、あるいは有給休暇を取らせない、それをさせないというためにこういうふうにやっていると言われております。いつでも首が切れると。
そこで、厚労省、厚労副大臣にお聞きしたいんですが、この二か月という短期の契約を結んで、後はグループ内の別の会社に転籍をさせるという、しかも職場は一緒なんです、やっている仕事も同じなんですね。これ、社会保険加入を逃れて、有休も与えない、そして、いつでも首を切れるような短期の契約を何年も結んでいく。このような行為はこれ許されない、脱法行為だと思うんですけど、一般的でも結構ですから、どうですか。
○副大臣(高階恵美子君) お答えいたします。
一般論としてお答えさせていただきますが、仮に自らの支配下に置いた労働者を短期間の雇用関係、今二か月という御指摘でしたけれども、複数の雇用主の下で転々と働かせることによって、例えば労働者の意に沿わないような強制労働あるいは中間搾取が行われるとなりますと、これは適切な労働者保護が図られていないのではないかという、こういう御指摘かと存じます。
そのように受け止めますと、幾つかの論点が見えてまいります。
一つは、契約上請負とされているものの、請負業者ではなく発注者が労働者に指揮命令を行っており、実質的に労働者派遣事業が行われていると認められる場合、こういう場合には労働者派遣法に違反するという、いわゆる偽装請負の問題がございます。
次に、労働者派遣とは異なる形態で、自己の支配下にある労働者を他の指揮命令下に置いて労働に従事させている場合、この場合には、職業安定法上許容されない労働者供給事業に該当し得るという問題が出てまいります。
いずれにいたしましても、法令に違反するおそれのある事案を把握した場合には、都道府県労働局におきまして必要な調査を行い、その上で、違反が認められれば指導をし是正に取り組むといったようなことで、確実に労働者の保護を図ってまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 これ、きちんとやっていただきたいと思うんですね。
世耕大臣にもう一度お聞きするんですけど、シャープも亀山工場も、この間いろんな税の優遇を受けてきたわけなんですね。私は、このやっぱりシャープの責任は重いと思うんです。先ほど、他委員の質問で、正社員で生産性向上を図っていく、中小企業は大事だという話があったわけなんですけど、この人たちは正社員じゃないですよ、だけど便利な雇用の調整弁として使われているわけですよ。
繊維の業界では、これは技能実習の問題ですけれども、大臣は協議会までつくって是正させていくという、非常に前向きな是正するという姿勢を見せたわけなので、私は、やっぱり電機産業、大企業の社会的責任としても、ちゃんと大臣が注視していく、不当な雇用の切捨てさせないという姿勢をきちんと発信していくことが大事だと思うんですけど、最後、いかがですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 繊維産業については共産党からも国会で御質問いただいて、これは本当にひどい実態がいろんな意味で確認ができましたので、私も、これきちっと是正をすべきだということで業界に取組を求めているわけであります。
今日報道されている事案については、これは、まずは一義的にはこれは労働法規上の問題でありますから、厚生労働省において判断、対処されるべきだと考えますが、業を所管する立場として、厚生労働省やシャープなどから事実確認を行った上で、例えば法令上の違反とかそういったことが認められれば関連法令の遵守を指導するなど対処してまいりたいと思っています。
○辰巳孝太郎君 外国人は物でも材料でもありません。外国人労働者の基本的人権が守られない中で受入れの拡大というのはもってのほかだということを申し述べておきたいというふうに思います。
以上で、厚生労働副大臣、退席していただいて結構です。
○委員長(浜野喜史君) 厚労副大臣、御退席いただいて結構でございます。
○辰巳孝太郎君 消費税についてお聞きをします。
来年十月の消費税増税、これは日本経済のためにも国民の暮らしのためにも絶対にやってはならない暴挙であります。GDPの六割占める個人消費が振るいません。それは消費税増税が原因であることは明らかであります。
内閣府に聞きます。平成三十年度年次経済財政報告で個人消費についてどのように述べておりますか。紹介してください。
○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。
委員御指摘の平成三十年度経済財政白書におきましては、以下のように分析をしております。以下、読み上げさせていただきます。
最近の個人消費の動向について、長期的な消費と各要因の関係を示す消費関数を推計することにより所得面と資産面それぞれの寄与を確認すると、二〇一三年度以降の株価の上昇を背景とした資産価格の増加が個人消費を安定的に押し上げる中、二〇一五年度以降は所得の増加も個人消費の押し上げに寄与している、ただし、所得や資産の伸びに比べると、個人消費の伸びは緩やかにとどまっている、この一因としては、消費税率引上げ前の消費の駆け込み需要とその反動減の影響や、消費税率引上げに伴う価格上昇による実質所得の減少が挙げられると分析をしております。
○辰巳孝太郎君 資料一を見ていただきたいんですけれども、この消費支出なんですね。二〇一七年の十月から二〇一八年の九月、直近一年間の一世帯当たりの実質家計消費支出の平均年額換算は三百三十八・二万円なんですね。増税直前の駆け込み消費が始まる前の二〇一三年の平均三百六十三・九万円と比べて、これ二十六万円も落ち込んでいるわけなんです、消費が。
大臣、大臣ね、これ、消費税の増税、二〇一四年の、これの影響が個人消費に影響を与えているというのは、これ明白ではないかと思うんですけど。
○国務大臣(世耕弘成君) 前回の消費税率の引上げは、耐久財を中心に駆け込み需要と反動減を生じさせました。そのほか、消費税率引上げに伴う価格上昇が家計の所得を実質的に目減りさせる効果から、個人消費を大きく減少させ、そこからの回復力も弱めたというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 先ほど平準化という話があったんですけど、駆け込み需要、反動減、これ平準化すると。いろいろなポイント還元とか皆さん考えておられるということなんですが、これ平準化すればええという問題では私ないと思うんですね。
もう一回内閣府に確認しますけど、二〇一五年の年次報告で、その前回八%の引上げが低所得者に与える影響、どのように見ていますか。
○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。
委員御指摘の平成二十七年度の経済財政白書におきましては、総務省家計調査を用いて所得階層別の消費支出の動きを見ると、低所得者層、ここでは低所得者層と申しますのは、所得階層五分位のうち第一分位と第二分位、年間収入が約四百五十万円未満の世帯でございますけれども、この低所得者層の消費支出が消費税率引上げ後に相対的に低い水準で推移したと、このように分析をしております。
○辰巳孝太郎君 低所得者層がしんどいと、いじめた結果、日本経済の消費が落ち込んだ、私は、それが経済の低迷につながっていると、そういうことだと思うんですね。
資料の二を見ていただきたいんです。今言っていただいたことが如実に表れていると思うんですが、これ、総務省の家計調査、二人以上世帯ですね、五分位のデータを消費者物価指数で実質化した値の対前年同月比増減率であります。これ、オレンジが低所得者ですね、その上がそうではない方々ですね。
これ、比較しますと何が分かるかと。高所得者では増税前に大きな駆け込み需要がまず発生するわけですね。増税後には落ち込んでいくんですけど、これは比較的ちっちゃいわけなんです。で、短期間に回復をしていくわけですね。ところが、オレンジの線の低所得者は、この駆け込みというのは相対的には高所得者よりちっちゃいわけです。増税後の落ち込みはしかし大きくて、これ長期化していくわけなんですね。
このオレンジでいいますと、低所得者は、三月の駆け込みと言うんですけど、これ、二月に消費ががくんと落ち込んでいるわけなんですよ。ですから、この三月の駆け込みというのも、二月の消費を抑えて、抑えて回復した分も含まれているように見えますから、これ、純粋な駆け込みと言えるかどうかは分からないわけなんですね。つまり、低所得者は毎日の買物に大変ですから、何か直前の三月になって高いものを買おうというような、そういう駆け込み需要が要するに起こらないということなんですよ。
つまり、低所得者にとっては駆け込み需要も反動減も相対的にはやっぱり低いわけなので、政府が幾ら平準化対策をするといっても、これ結局、必然的には高所得者向けとなるわけなんです。
大臣ね、大臣、これ対策打ち出すというんだったら、私は、消費の低迷という形でもう長期間にわたって大きな影響を受ける低所得者への本当の対策、つまり、これ、消費税増税を中止することが一番の対策になるんちゃうかと私は思うんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 私はそうですと言うわけにはいかないわけでして、ただ、我々も、五%から八%に上げたときに、今低所得者への影響を御解説いただきましたけれども、消費に大きな影響を与えた、これをもう繰り返してはいけないということで、今回八から一〇に上げるに当たっては、今までと違う、この間とは違う対策を幾つも盛り込んでいるわけであります。
まず一つは、具体的には、この二%分引上げによる税収増の部分については、その半分を国民の皆さんに還元をして、幼児教育の無償化を行うなどとしているわけであります。さらに、低所得者対策としては、まず、軽減税率を導入をして、家計消費の四分の一を占める飲食料品について消費税率を据え置くことにしています。また、低所得者、子育て世帯の消費に与える影響を緩和するため、プレミアム付き商品券の発行、販売を検討しています。これに加えて、中小・小規模事業者を通じたポイント還元、これも、最初は消費税上げの二%という議論でしたが、今五%ぐらいできないのかという議論、これもまさに実質所得が減る分も埋めていこうという対策も考えさせていただいているところでございます。
もうあらゆる施策を総動員することで、個人消費を含む経済に影響を及ぼさないよう全力で取り組んでまいりたいと考えています。
○辰巳孝太郎君 しかし、いろいろやっても、短期間でやったりとか、これ問題は、実質賃金が、先ほど冒頭ありましたけど、下がっているということなんです。
資料三付けましたけれども、安倍政権前の二〇一二年の平均は三百九十五・四万円なんですね。直近一年間で見ますと三百七十八・九万円ですから、これ、十六万円も実質賃金で減少しているということが消費にマイナスの影響を与えているということは、もう言い逃れようのないことだと思います。
さて、中小・小規模事業者に与える影響について聞いていきます。
インボイスの導入の影響はどの程度だと考えておられるんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度を導入すれば免税事業者からの仕入れは仕入れ税額控除ができないことになりますので、取引から排除されるのではないかなどの懸念する声がある、これは認識をしております。
そのため、政府としては、こうした事業者の皆さんの懸念に対応するため、免税事業者が課税事業者への転換の要否を見極めながら対応を決めていただけるよう、軽減税率制度の実施からインボイス制度の導入まで四年間の準備期間を設けるとともに、そこから更に六年間、免税事業者からの仕入れについて一定の仕入れ税額控除を認めるという対応を取ることにしています。
こうした経過措置を設けたことによって個々の事業者への影響を極力緩和ができるのではないかと考えていますが、いずれにせよ、事業者の準備状況、事業者の取引への影響などを検証して、必要に応じて対応を検討してまいりたいと思っています。
○辰巳孝太郎君 本当にそうなるのかと。
今日、資料四で付けましたけれども、日本商工会議所が二〇一八年九月二十八日に行った中小企業における消費税価格転嫁及び軽減税率の準備状況等に関する実態調査、第五回なんですが、インボイス制度の導入後の対応について、こういう結果が出ているんですね。
課税業者の免税事業者からの仕入れの対応について。免税事業者との取引は一切行わない、これ七・三%。一部を除いて取引は一切行わない、二・八%。合わせてこれ一〇・一%であります。経過措置の間は取引を行う、これ六・七ですね。これ裏返せば、経過措置が終われば取引はしないと、こういうことですね。まだ分からない、これが最多で五九・八なんですね。そして、取引を行うか否かの判断はしない、つまり、ずっと免税業者であっても取引しますよ、関係ない、取引してあげますよというのが一八・五%なんですよ。
つまり、インボイスが完全に導入された場合でも、はっきり取引を継続すると今のところ判断しているのは二割に満たないということなんですね。その判断材料にしないと言ってくれているのは二割弱と。つまり、裏返せば、最大で八割弱で切ってしまう、もう取引しませんよと、こういう可能性があるということではないんでしょうか。大臣、これについてどういう見解お持ちですか。
○国務大臣(世耕弘成君) これは、もう既に所得税法等の一部を改正する法律の附則にもしっかりと盛り込んでいますけれども、ともかくよく状況を見て、取引への影響をよく見て、必要があると認めるときは、その結果に基づいて法制上の措置その他の必要な措置を講じてまいりたいと考えています。
○辰巳孝太郎君 状況を見て、中小業者の苦境がなくなるわけではありません。消費税増税はストップするべきだということも述べて、私の質問を終わります。