「民泊」について取り上げ、TPPがすでに日本の政策決定に影響を与えていることを暴露

2016年11月21日  

 

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日本共産党の辰巳孝太郎議員は21日の参院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会で、日本で活動する外国企業に対する規制がTPP批准・発効前から緩められつつあることを、「民泊」を例に告発しました。

住宅を使い宿泊サービスを提供する民泊を安倍政権は積極的に推進。4月には旅館業法にある簡易宿所の要件を緩和しました。

辰巳氏は、世界最大の米仲介業者だけでも日本に4万5千件の登録物件を有しているのに、要件緩和後の許可件数が51件にすぎないことを追及。大部分が違法営業になっている問題に加え、ごみや治安、騒音などの問題が多発していることを紹介しました。

辰巳氏は、民泊の法制化を議論していた政府の検討会が、2015年12月の報告では規制の実効性を高めるために外国企業に対し事業所の国内設置を義務づけるべきだと提言していたのに、今年5月の報告ではこれを削除したと追及。外国企業への「現地拠点設置要求」を禁止したTPPの先取りではないかとただしました。

豊田俊郎内閣府大臣政務官は答弁不能に陥り、たびたび審議が中断。22日のTPP特委冒頭で回答することになりました。

辰巳氏は、政府の事前の聞き取りではTPPに抵触することを削除理由にしていたと指摘。「TPPで安全や衛生など必要な規制措置ができなくなっている」と迫ると、石原伸晃TPP担当相は「(政府説明が事実なら)委員の指摘は正しい」と認めました。

辰巳氏はさらに、外国の仲介業者が法令違反を起こした場合の対処を質問。田中良生国土交通副大臣は「日本国内に実体を持たない仲介業者に対する立ち入り検査や罰則の執行は困難を伴う」と述べました。

辰巳氏は、外国企業だけが罰則から逃れる仕組みだとし、「TPPで競争条件が同一になるといってきたが、そうなっていない」と強調。石原氏は「政府内で整理し、いまの点も含めて答弁したい」と述べました。辰巳氏は「これでは多国籍企業優遇だ」と批判しました。

2016年11月22日付「しんぶん赤旗」より引用


以下、配布資料です

①協定文-001➁第Ⅰ期報告書-001③第Ⅱ期報告書-001④民泊報告書-001⑤PEとは-001 ⑥OECDモデル-001 ⑦BEPS最終報告書-001


議事録を読む

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
TPPへ参加すれば、今後、我が国の法制度に対しても大きな影響があるということになりますけれども、実はこのTPPを批准、発効する前から既に我が国の政策決定に影響を与えているという問題について今日は取り上げます。また、後半では、TPPが多国籍企業の租税回避を助長するものになるのではないかということを指摘していきたいと思います。
このTPPでは、WTOのGATSにはない規定が第十章、国境を越えるサービス貿易に盛り込まれております。どのようなものですか。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員がお示しをいただきましたTPP協定の第十章六条でございますけれども、TPP協定第十章における六条は、この委員が線を引いてくださっておるところを読ませていただきますと、「いずれの締約国も、他の締約国のサービス提供者に対し、国境を越えるサービスの提供を行うための条件として、自国の領域において、代表事務所若しくは何らかの形態の企業を設立し、若しくは維持し、又は居住することを要求してはならない。」と規定されております。すなわち、当該規定は、他国においてサービスの提供を行うに当たりまして、現地に拠点を設置したり、あるいは居住することを要求することを禁止するものであると解釈させていただいております。
第十章の第一条に定義されます国境を越えるサービスの提供に当たり、現地に拠点の設置を要求してしまうと、結局、実質的に国境を越えるサービスの提供を禁止したことと同様の効果が生じてしまうと。そのため、サービス貿易を制限する目的で現地拠点を設置要求されないことを確保するために本規定が設けられたものと承知をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 この規定はいわゆる現地拠点設置要求の禁止と言われるものでありまして、これ、NAFTAにおいては導入された規定でありますけれども、これは九〇年代以降、海外への投資の自由度を高めるために置かれてきた規定でありまして、主に多国籍企業、大企業ですけれども、が発展途上国への進出の際に求めてきた規定でもあります。
そこで、このTPPへの参加をにらんで政策決定がゆがめられてきた典型的な例を今日は紹介をしていきたいというふうに思います。
これが民泊新法というものであります。この民泊について、まず、どういうものかということを説明いただきたい。
○副大臣(田中良生君) お答えいたします。
現在、法律においてはこの民泊というものは定義されているものではないと承知をしております。他方、法律以外では、本年六月二日に閣議決定されました規制改革の実施計画において、民泊サービスを住宅を活用した民泊サービスの提供と定義をしております。
国土交通省としては、関係省庁また関係者間の意見調整進めつつ、次期通常国会にこの法案提出へ向けて準備を進めていきたいと、そのように考えております。
○辰巳孝太郎君 民泊というのは、住宅、戸建て住宅や共同住宅の全部又は一部を活用して宿泊サービスを提供するものであります。インターネットを通じて空き家を短期で貸したい人とそして旅行者をマッチングする、こういうビジネス、いわゆるシェアリングエコノミーの一業態だと言われているものであります。
ところが、この民泊には法令違反も含めて様々な問題が起こっている、指摘をされておりますけれども、どういうものでありますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 民泊についてのお尋ねがございましたが、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業を行う場合には、原則として旅館業法に基づいて旅館業の営業許可を取得する必要がございます。したがって、住宅などを活用したいわゆる民泊サービスであっても、現状では、旅館業の許可を得ずに宿泊料を受けて人を宿泊させる営業を行えば、旅館業法に違反、無許可営業というふうになると考えられるわけでございます。
○辰巳孝太郎君 通常であれば、ホテルや旅館であれば旅館業法に基づいた許可ということになりまして、感染症や伝染病などについても対応すると。また同時に、建築基準法や消防法、これに準じたものにホテルや旅館というのはしていくわけでありますけれども、民泊ということになれば、そういう許可は得ていないということになりますと、建築基準法、消防法にも違反するということで、ホテル、旅館業界から様々な反対の声が出されているわけであります。
つまり、この建築基準法、消防法など様々な条件をクリアすることによって営業を認められているのがホテルや旅館であって、他方、民泊はそれらの条件なしに営業するわけですから、競争条件、これが不公正だというような声が出ているわけですね。
本年四月に、この民泊営業のために必要な旅館業法上の簡易宿所とするための要件が緩和をされました。許可件数というのは今現在どれぐらいになっているでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 民泊サービスが旅館業法の許可の下に適切に提供されるように、本年四月に旅館業法施行令を改正をいたしました。簡易宿泊所営業の面積要件を緩和をいたしまして、営業許可を取得しやすくいたしたところでございます。この要件緩和に伴う簡易宿所営業の許可件数は、五月末現在で五十一件でございます。
その後の状況については現在調査中でございますけれども、引き続いて増加をしているというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 五十一件しかないということなんですね。
このシェアリングエコノミー、民泊の世界最大の仲介業者であるエアビーアンドビーという会社がありますけれども、ここは二百か国近くで二百万件を超えるリストを保有する仲介業者であります。日本では四万五千件がこのエアビーアンドビーというところに登録をされているわけです。
先ほどあったとおり、民泊をやろうと思えば簡易宿所としてのそういう許可を受けなければなりませんけれども、しかしそれが五十一件しかされていないということでありまして、今実態としては、日本で民泊が行われているそのほとんどが違法営業ということになるのではないかというふうに思います。
京都市が公表した民泊施設実態調査においても、京都市内の民泊施設数二千七百二件のうち旅館業法上の無許可と推測される施設は千八百四十七件もあって、約七割が無許可でやっていたということであります。
マンションの一室を使った民泊が横行して、ごみ収集日ではない日にごみが出されているとか、オートロック機能の意味がない、鍵を渡すわけですからとか、騒音がひどいとか、見知らぬ人が敷地内に出入りして不安だなどの声が出されております。
この民泊は、世界においても大きな問題が起きております。
ニューヨーク市は、二〇一四年、このエアビーアンドビーによる民泊営業の実態に関する報告書を発表いたしました。報告書では、エアビーアンドビーにリストされている物件のおよそ四分の三がニューヨーク州の集合住宅法とニューヨーク市の建物用途指定条例、ゾーニングローといいますけれども、これに反した違法営業だと断定をいたしまして、この違法営業によってホストが得た収入の総額は三億四百万ドル、約三百億円に及び、エアビーアンドビーも約四千万ドルの手数料収入を得ていたということを明らかにいたしました。
世界で規制強化の動きが次々と起こっておりまして、シェアリングエコノミー発祥の地と言われているサンフランシスコでは、宿泊できる日数を当初の年間九十日から六十日に制限しようとしております。スペインのバルセロナでは、これも取締りを強化すると。ドイツのベルリンでは、民泊が急増することによって、逆にアパート、これが不足するということになりまして、大家さんが全部民泊に登録しちゃって、長期で借りたいという、こういう賃貸が不足するという事態になりまして、ベルリン市では民泊の原則禁止を今年決めたということであります。
我々は、シェアリングエコノミーというこの考え方そのものに反対するわけではありません。しかし、今旅館業法を遵守することで防災や衛生面がホテルや旅館ではクリアされるということになっているわけで、とにかく観光客二〇二〇年に四千万人というような掛け声の下で国民の安全や衛生の規制が緩和されていくということには我々は反対をしなければならないと思っております。むしろ、安全ルールの確立こそがこの分野では必要ということであります。
そこで、ここからが本題なんです。政府は、この間、この民泊規制について議論を重ねて、昨年の十二月の十日に内閣官房IT総合戦略室は、IT利活用を行う新たなサービス(シェアリングエコノミー)ですけれども、の適正な運営の確保のための対応を中間整理としてまとめております。シェアリングエコノミーの適正な事業運営の確保のためのルール整備の在り方、どういう中間整理が出されたのか、紹介してください。
○大臣政務官(豊田俊郎君) お答えを申し上げます。
昨年十二月、内閣官房IT総合戦略室が開催してきたITの利活用に関する制度整備検討会において、シェアリングエコノミーの適正な事業運営の在り方について中間整理としてまとめ、公表したところでございます。
この中間整理の内容については、シェアリングエコノミーの適正な事業運営の確保に当たり、消費者保護を図る観点から、一つ目として、既に業法の規制がある分野についてのルール整備の必要性、二つ目として、サービス利用者や第三者からの苦情相談窓口の設置、三つ目として、事業所の国内設置を含めた海外事業への域外適用の在り方等について提言をいただいたものでございます。
○辰巳孝太郎君 これを資料に付けております。二でありますけれども、課題四への対応ということで下の部分にあるわけですが、今紹介をしていただきました事業所の国内設置をその要件とする等ということで、様々なトラブルに対応するために、つまり仲介業者は日本国内に事業所を設置するということが考えられてきたということであります。これは国民の安全や衛生の確保にとって必要だからこそ、この中間整理では事業所の設置を検討してきたということであります。
ところが、本年五月二十日の第二期中間整理では、これは資料三になりますけれども、事業所の設置などの方針はごっそりと抜け落ちてしまいました。これはなぜですか。
○大臣政務官(豊田俊郎君) お答えを申し上げます。
ITの利活用に関する制度検討会の第一期では、主に民泊を念頭に置きつつ、シェアリングエコノミー全般に係るルール整備の在り方について検討したところでございます。この第一期中間整理の公表後、民泊については、厚生労働省及び観光庁の検討会において特別の法整備を含め検討を行うことと政府内部で整理されたところでございます。
これを受け、第二期では、既存の業法と関係のないものを含め、現行法上適法なものを対象に検討することとしたところでございます。その上で、第二期では、業法と関係のないものを対象に、民間業者による創意工夫を阻害しないよう、自主的ガイドラインによる対応を前提として検討をいたしました。この民間団体等による自主的ガイドラインについては、国が一定の公権力をもって規制するものではないため、諸外国との主権関係について問題が生じるものでないことから、第二期では域外適用については整理の対象にならなかったものでございます。
○辰巳孝太郎君 事務所の設置がTPPの現地拠点設置要求の禁止に抵触するということでこの要項は削除されたということではないんですか。
○大臣政務官(豊田俊郎君) お答えを申し上げます。
先ほども申し上げましたとおり、民間団体等による自主的ガイドラインについては、国が一定の公権力をもって制限するものではないため、諸外国との主権関係について問題が生じるものではないことから、第二期では域外適用については整理の対象にならなかったものだと理解をいたしておるところでございます。
なお、昨年十二月、取りまとめた中間整理についてパブリックコメントを募集したところ、事業所の国内設置はTPPに反対する旨の意見が寄せられ、また同様の趣旨が報道されたことについては承知をしておりますが、自主的ガイドラインはあくまでも民間の自主的な取組であることから、TPPとは直接関係なく整理されたものと理解をいたしております。
○辰巳孝太郎君 それでは、続けて聞きますけれども、この国内設置、事業所の国内設置を残していれば、これTPPに違反するんじゃないですか。これ聞かせてください。
○委員長(林芳正君) どなたがお答えになりますか。(発言する者あり)
速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(林芳正君) それでは、速記を起こしてください。
○大臣政務官(豊田俊郎君) 不動産に関するものについてはという御質問として……(発言する者あり)その他のサービスということについてという、その他の、仮に駐車場の管理だとか賃貸だとか、もっと幅広く言えば、その他ということになりますと、子供の子守の見守りだとか、そういうものについてはTPPには関与をしないものと理解をいたしておるところでございます。
○辰巳孝太郎君 ちょっと変な限定を付けてあれですから、もう一度聞きます。
この仲介業者、エアビーアンドビーなどの民泊のシェアリングエコノミーに関して聞きます。もしTPPが結ばれていれば、先ほど中間整理にあったような事務所の設置するという要求はできないんじゃないんですか。どうですか。
○大臣政務官(豊田俊郎君) お答えを申し上げます。
旅館業法にマッチしたものであれば、これは旅館業法に基づく手続が必要だというふうに理解をいたしておるところでございます。(発言する者あり)
○委員長(林芳正君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(林芳正君) それでは、速記を起こしてください。
○大臣政務官(豊田俊郎君) 再度お答え申し上げます。
旅行業等に関しての規制であれば、これはTPP違反になるということになりますし、その他であれば、不動産等に関するものであれば、これは留保しておりますのでTPP違反にはならない。
○辰巳孝太郎君 具体的に聞きます。エアビーアンドビーというシェアリングエコノミー、民泊の仲介業者に関して日本国内の事務所設置を求めてしまうと、これはTPP違反になるんじゃないですか。はっきりお答えください。
○大臣政務官(豊田俊郎君) そのことにおいては、今制度設計を検討しているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(林芳正君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(林芳正君) 速記を起こしてください。
○大臣政務官(豊田俊郎君) 旅行業に対してでございますけれども、厚労省、観光庁で民泊について検討をしており、海外事業者の取扱いについても厚労省、観光庁で検討しているものと承知をいたしておるところでございます。(発言する者あり)
○委員長(林芳正君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(林芳正君) 速記を起こしてください。
○大臣政務官(豊田俊郎君) 何回も大変どうも申し訳ございません。
民泊の設置に関する問題は、問題があることは承知をいたしておるわけでございますけれども、いわゆる現地拠点、現地に拠点を設置する義務でございますけれども、TPPで初めて約束するものではなく、これらについてはサービスの貿易に関する一般協定や我が国が結んだEPAに既に約束されているものであり、TPPがあろうとなかろうが、我が国として遵守すべき事項であると認識しているところでございます。
いずれにせよ、これらに抵触しないよう制度設計を進めてまいります。
○辰巳孝太郎君 今の答弁はちょっと違うと思います。
GATSの話をされたと思いますけれども、これはあくまでポジティブリストなんですよ。しかも、このGATSのときは、当然、このエアビーアンドビーのような業態は考えられていませんから、そこで留保もされていません。されていないんですよ。
これは、レクの過程で、IT戦略室がこの事務所の設置を求める中間整理を出した際に外務省に確認をすれば、外務省からこの事務所の設置はTPPに違反するので削除してください、駄目ですという、そういう答弁もらったから、IT戦略室は次の第二期で削ったとはっきり言っているんですよ。
外務大臣、そうでしょう、どうですか。外務省が言っているんですから。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のやり取りについて、済みません、私自身、承知しておりませんので、確認させていただきます。
○辰巳孝太郎君 今確認していただけますか。
委員長、今確認していただけるようにお願いします。(発言する者あり)
○委員長(林芳正君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(林芳正君) 速記を起こしてください。
○大臣政務官(豊田俊郎君) 大変貴重な時間を使っての答弁ということになりまして、大変申し訳ございません。
明日以降、時間を取った中で再精査をした中でこの質問にお答えをしてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
○委員長(林芳正君) それでは、政府におかれましては、整理の上、後刻改めて答弁を願いたいと思います。
○辰巳孝太郎君 先ほど申し上げたとおり、外務省の方は、TPPに抵触するから現地の事務所の設置要求はできないよということをちゃんと言っているんですね。まさにTPPの批准、発効前から政府の政策決定への影響が出ているということなんですよ。当初、政府が中間整理で仲介業者に求めた事務所設置は、これは、安全や衛生に関して必要だから事務所の設置を求めるということをやったわけですよね。それが取り払われちゃったわけですよ。
石原大臣、今の議論を聞いていて、これは、このTPPの規定によって安全や衛生などに関して必要な規制措置ができなくなったということをお認めになりますか。どうですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 民泊についての整理は、先ほど豊田政務官がお話をさせていただきましたとおり、省庁またがっておりますので、整理をして御回答させていただきたいと思います。
それともう一点、今外務大臣が確認をしていただいておりますが、委員が御指摘のとおり、外務省が仮にTPP協定に影響があるということでその文言を削除するようにということが、仮にそうだとするならば、委員の御指摘は正しいのではないかと考えております。
○辰巳孝太郎君 そういうレクを受けております。
この必要な事業所を置かせることができないがために適正な行政措置をとれないという事態も起こり得るんですね。
現在、政府は、民泊新法の次期通常国会への提出を検討しております。民泊サービスのあり方に関する検討会最終報告書では、民泊新法制定についての考え方が示されております。資料の四でございます。
ここでは、住宅提供者は行政庁へ届出、管理者は行政庁へ登録、仲介業者は行政庁へ登録することになっております。そして、仲介業者が法令に違反した場合は、行政庁による報告徴収、立入検査、業務停止、罰則などが科されることになっております。
ちなみに、世界最大のこのエアビーアンドビーという会社ですけれども、本社はアメリカ、そして営業拠点はアイルランドに置いてありますので、ゲストやホストはアイルランドの法人と契約することになるんですね。ちなみに、アイルランドという国は法人税の低い租税回避地と言われております。
そこで、聞きますが、拠点を日本に持たない外国法人の立入検査というのはできるんですか。
○副大臣(田中良生君) お答えいたします。
委員御指摘の点につきましては、一般的には、海外に事業所またサーバーがあったりして日本国内に実体を持たない仲介業者に対して、立入検査や罰則の執行を行うことはやはり困難を伴うものと考えられます。
一方、本年六月に取りまとめました民泊サービスのあり方に関する検討会、この最終報告書においては、外国法人に対する取締りの実効性確保のために、法令違反行為を行った者の名称ですとか違反行為の内容等を公表できるようにするということが盛り込まれております。
これらを踏まえて、法案、検討を進めてまいりたいと思います。
○辰巳孝太郎君 今、立入検査はできないということを認めたわけですね。
逆に、仲介業者というのは外国法人ばかりではありません。日本の法人、日本の会社もあるわけですね。この日本に拠点のある仲介業者、日本法人は、これ、罰則、立入検査も含めて行政措置は滞りなく科されるということになるわけですね。だから、そもそも政府が当初中間整理で考えていた事務所の設置をさせていれば、こういうことにはならなかったわけであります。これは、TPPをにらんで事務所の設置を置けないことで派生する問題だと、こう言わなければなりません。
石原大臣、ちょっとお聞きします。
政府は、TPPではイコールフッティングを実現するものなんだと、こう言ってきたわけですね。イコールフッティングというのは、双方が対等の立場で競争が行えるように、そういう条件を同一にすることだということを政府言ってきたわけですよ。これ、イコールフッティングと違うじゃないですか、どうですか。
○国務大臣(石原伸晃君) この問題は、先ほど豊田政務官がお話をさせていただいたとおり、各省にまたがっておりまして、そしてまた塩崎厚労大臣の御答弁の中にありましたとおり、また委員の御指摘のとおり、京都でも無届け業者みたいなものがはびこっていると。また、ベッド数からして、先方の言っているベッド数と我々が把握しているものには大きな乖離があると。そこにやはり問題がありますので、これは政府としてしっかりと、どのようにあるべきかということは、今ちょっと秘書官に話をしておきましたので、関係省庁の意見を取りまとめてこの委員会でも報告をさせていただきます。
○辰巳孝太郎君 質問に答えておりません。
もう一度言いますね。外国法人は日本法人が科せられるような立入検査は科されることはないんです。これはイコールフッティングとは違うんじゃないですかということを言っております。
○国務大臣(石原伸晃君) ですから、この民泊をめぐって、シェアリングエコノミーをめぐっては問題が多々あります。それはもう既に厚労大臣の答弁の中にも、届出しているものと実体数に乖離がある以上は様々な問題がございますので、整理して今の点も含めて御答弁をさせていただきたいと話をさせていただいているところでございます。
○辰巳孝太郎君 民泊にも問題は確かにあります。しかし、私が申しているのは、大臣言っているように、それを民泊の問題ということではなくて、私が言っているのは、TPPの問題、イコールフッティングの問題ではないかということを言っているんです。外国法人は罰則が十分に科されない、日本法人は科されてしまう。これはTPPの問題じゃないですか、根源的な問題じゃないですか、イコールフッティングじゃないんじゃないですか。お答えください。
○国務大臣(石原伸晃君) 今委員が、アイルランドに本籍地を置いている企業の代表がある場所は違う、税率が低い、こういうことを含めてここには多くの問題がある。今日も御議論いただくBEPSの問題にしても、そういうものをどうやって開示をしていこうか、こういうところから世界各国が始めている取組でございます。こういうことを考え合わせたときに、政府として、TPPよりも、この民泊を結んで様々な問題、そしてまた自由化との間で様々な問題が起きておりますので、政府として責任を持って御答弁させていただきたいと思っております。
○辰巳孝太郎君 まあ正面から答えないわけですね。
これは、TPPの大原則である内国民待遇というのがありますね。これ、自国民と同様の権利を相手国の国民や企業に対しても保障すると。これ、こんなことになりますと多国籍企業優遇じゃないですか、内国民待遇じゃないじゃないですか。規制のための、安全、衛生のための拠点設置の要求であるにもかかわらず、その拠点を求められないからこういう矛盾が起こってしまうんです。まさにTPPの欠陥だと言わなければなりません。
実は、冒頭申し上げたように、私は、今日の質問で租税回避の問題も取り上げようということで質問も用意しておりましたけれども、麻生大臣にも来ていただきましたが、これは次回の質問に移らさせていただくということで、私の質問をまず終わりたいと思います。