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国会会議録

SNSデマ 責任問え 衆院総務委 辰巳議員、政府ただす

 

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(写真)質問する辰巳孝太郎議員=20日、衆院総務委

日本共産党の辰巳孝太郎議員は20日の衆院総務委員会で、SNSにおけるデマや誹謗(ひぼう)中傷の拡散についてプラットフォーム(SNSなどのサービス提供者)の責任を問うべきだとし、政府の認識をただしました。

辰巳氏は、「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏が兵庫県知事選で根拠のないデマを発信し、SNSを通じて拡散された問題をあげ、「アテンションエコノミー(情報の正しさより人びとの関心・注目を重視する経済)が前提となったSNSの言論空間でファクトよりも刺激的な打ち出しが優先される」とし、SNSの収益構造、ビジネスモデルが被害拡大の一端を担っていると指摘しました。

村上誠一郎総務相はこれに同意し、「クリック数に応じて収益が発生するSNSのビジネスモデルは、その負の側面として過激なタイトルや内容の記事を生み出し、偽・誤情報の拡散を招く構造を有している」と懸念を示しました。

辰巳氏は「フェイク(虚偽)やデマを拡散する土台をつくっているプラットフォームにフェイクの拡散を防止する責任がある」と主張。村上氏は「プラットフォーム事業者には偽・誤情報等の低減に向けて社会的責任がある」と答えましたが、「主体的取り組み」を期待すると述べるにとどまりました。

辰巳氏は、利用者の行動履歴を分析するプロファイルに基づかない選択肢を用意するようプラットフォーム事業者に義務づけるなど、欧州連合(EU)の厳しい規制や罰則を紹介。総務省の玉田康人総括審議官は「日本では類似の制度はない」と答えました。

2025年2月21日付「しんぶん赤旗」より引用

20250220総務委員会配付資料

議事録を読む

○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今日も、地方の問題、兵庫を発端にした問題を取り上げてまいります。SNSにおけるデマや誹謗中傷の拡散について、今日は、プラットフォームの責任を問う、そういう質問をやりたいと思います。
十八日の質疑でも取り上げた兵庫県知事選挙では、脅迫とも言える行為も行われていました。NHKから国民を守る党党首である立花孝志氏は、わざわざ百条委員会の委員長の自宅の前で、聴衆の前で演説をして、出てこいとインターホンを鳴らして、余り脅しても、自死されたら困るので、このくらいにしておきますと述べました。また、委員長は、大変強い恐怖心を覚え、家族にも避難をしてもらった、日常とは違う生活をせざるを得なくなり、いろいろな業務に支障が出たと語っております。
また、先日取り上げた、亡くなった竹内英明元兵庫県県議に対しても、家に行くぞと立花氏が配信したところからSNSでの誹謗中傷がひどくなったと伝えられております。立花氏は、要は一人狙い撃ち、いじめの原則、いじめるときはいっぱいいじめたら駄目、誰か一人にいく、周りがびびってひっくり返るとも語っています。
昨年の知事選挙において選挙結果に大きな影響を及ぼしたと考えられるこの立花氏のユーチューブ投稿は百本以上、再生回数は一千五百万回。また、立花孝志氏の公認の切取りチャンネルは一千三百万回。芸能人やジャーナリストの投稿も注目を集めたということであります。
その中で、真偽不明のデマも流されて、誹謗中傷も行われました。亡くなった元県民局長に対しては十人との不貞行為があったと言いながら、選挙が終われば、根拠は薄いと、平然と撤回をしております。余りにもひどい言動だと言わなければならないと思います。立花氏は、竹内元県議が亡くなった後も、港湾利権がある、元県議が何らかの犯罪で任意の取調べを受けていたことは間違いないなどとした、陰謀論の類いの根拠のないデマを発信して冒涜しております。
警察庁に聞きますけれども、兵庫県警の本部長は一月二十日の県議会で、これらの発信は事実無根と、立花氏の発言を否定しております。どのような判断でこういう発言を行ったんでしょうか。
○政府参考人(松田哲也君) お答えいたします。
本年一月二十日に行われた兵庫県議会警察常任委員会において、兵庫県警察本部長がお尋ねの答弁をしたことは承知しております。
一般論として申し上げれば、警察においては、事件に係る情報の公表ということにつきまして、公表することによって得られる公益と関係者のプライバシー等の権利利益、公表が捜査に与える影響等を個別の事案ごとに総合的に勘案して、公表の適否、公表の内容を判断しております。
お尋ねの警察本部長の答弁につきましては、議会での質問に対しまして兵庫県警察本部長としての考えを述べたものと承知しておりますが、これは今申し上げた諸事情を総合的に勘案した上でのものと認識しております。

○辰巳委員 今ありましたように、公益性などを勘案してという話でございましたので、つまり立花氏の発言を否定することは社会全体にとって有益であり、逆に放置することは社会にとって有害である、看過できないということだったということだと思います。
県警の本部長は、県警幹部が否定したというようなことでは拡散は止まらず、トップである自分が議会の中で答弁する方が効果的、合理的だと考えたということで、今日おつけしている資料でもメディアのインタビューにも答えております。しかし、同時に、そこまでしなければこういったデマ、誹謗中傷の類いの拡散を止められなかったということも言えると思うんですね。
大臣は、十八日の質疑の中で、正論や本音が言えなくなるんだ、民主主義の危機だ、こう答弁されたわけです。私もそのとおりだと思うんですね。
議会制民主主義は、選挙の際、国民が投票する際に判断材料とするための情報を自由かつ均等に取得して選挙権が行使できる、これが大前提だと思います。だからこそ、二馬力選挙というのが問題になるわけです。デマやフェイクというのは、選挙権を適切に行使するための判断材料を与えるどころか、それをゆがめて、そしてそれが選挙結果にも影響し得るという意味において民主主義の脅威となると私は思います。あるいは、民主主義の土台となる選挙プロセスそのものが破壊をされてしまう、ここに問題があるというふうに思います。
本来SNSは人々がつながり合えるツールのはずなんですが、人々を傷つけて分断するツールにもなっております。立花氏の言動は絶対に許されない。しかし、同時に、立花氏の発信を信じ込み、あるいは彼の犬笛に反応してネットリンチに参加をしてしまうユーザーもいるわけです。その責任も問われるべきだと思います。だけれども、ではなぜこういうことが起きるのか、そのようなデマやフェイクや誹謗中傷の舞台を提供しているプラットフォームに責任はないのか、私はここを問いたいんですね。
総務省に確認しますけれども、情報通信白書二〇二三年版ですけれども、今日資料にもおつけしております。アテンションエコノミーが広がり、それに伴いフィルターバブル、エコーチェンバーといった現象が起きる、それが社会の分断を誘引して民主主義を危険にさらす可能性もあり得るという記述があるんですけれども、これは一体どういう記述なのか、詳しく説明していただけますか。
○政府参考人(玉田康人君) お答え申し上げます。
まず、アテンションエコノミーと申しますと、情報過多の社会におきまして、供給される情報量に比して人々が支払えるアテンションないし消費時間が希少となることから、それらが経済的価値を持って市場で流通するような経済モデルを意味すると承知いたしております。
次に、フィルターバブルですけれども、アルゴリズムによってインターネット上で利用者個人のクリック履歴に基づく情報が優先的に表示されるという結果、自身の考え方や価値観に近い情報ばかりに囲まれる、いわば泡の中に包まれるような状態を意味すると承知しております。
さらに、エコーチェンバーとは、自分と似た興味、関心を持つユーザーが集まる場でコミュニケーションする結果、自分が発信した意見に似た意見が返ってきて、特定の意見や思想が増幅していく状態を意味すると承知しております。
社会的分断や民主主義を危険にさらすという記述がございますけれども、これは、先ほど申し上げた現象を背景としまして、人々が多様な情報を受信できずに適切な判断を下すことが困難となり、インターネット上で集団の分極化が進み、結果として社会経済の混乱や民主主義への悪影響をもたらす可能性があるということを意味するものと承知しております。
○辰巳委員 アテンションエコノミーが前提となったSNSの空間において、ファクトよりも刺激的な打ち出しが優先をされる、フィルターバブルでそれに対抗する言論は入ってこずに、エコーチェンバーでデマや虚偽が固定化されてしまう。今回は、立花氏だけではなくて、同様の主張をいわゆるインフルエンサーや地上波テレビでも目にするジャーナリストが行って、デマや真偽不明の事柄を信じ込んでしまう人が出たということだと思います。
もちろん、言論そのものに権力、政府が立ち入ることは許されません。同時に、アテンションエコノミーが支配するネット空間において言論の自由、思想の自由、知る権利が保持されるために、有効なルールも必要になってきているのではないか。虚偽の情報の方は、そうではない情報と比較して速く拡散されるという研究もあります。つまり、アテンションエコノミーが前提となるネット空間においては、広告収入目的で事実は二の次、虚偽あるいは刺激的な内容のものがより確信犯的に発信をされるということになるわけです。
大臣にお伺いするんですけれども、利用者の広告効果を最大化させるというアテンションエコノミーによるアルゴリズム、利用者の行動データに基づいてどういうコンテンツを配信するのか決定するルールのことをアルゴリズムといいますけれども、これがフェイクニュースや誹謗中傷をする投稿が拡散されてしまう根底にあるということであれば、SNSの収益構造、ビジネスモデルそのものが被害拡大の一端を担っている、こういうことが言えるんじゃないですか。
○国務大臣(村上誠一郎君) 私も辰巳委員と同じような認識を感じております。
クリック数に応じて収益が発生するSNSのビジネスモデルは、情報通信白書で指摘しているように、その負の側面として、過激なタイトルや内容の記事等を生み出し、偽・誤情報の拡散等を助長させる構造を有しているというふうに考えております。その危険性は非常に大きいと心配しております。
○辰巳委員 危険性が大きいということなんですけれども、だとすればですよ、大臣、だとすれば、こういったフェイクやデマを拡散させてしまう土台をつくっているプラットフォーム自身にフェイクの拡散を防止する責任があるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(村上誠一郎君) おっしゃるとおりで、偽・誤情報の中には、明らかに他人の権利を侵害するような情報もあれば、直ちに偽かどうかが分からない情報も含まれていると思います。
憲法上、今委員も申されたように表現の自由が保障されておりますので、そもそも利用者が投稿したどのような情報に対してプラットフォーム事業者がどう対応すべきかは、事業者側の情報の真偽の判断能力も含め、大変難しい課題であるというふうに認識しております。
一方、私としましては、デジタル空間における情報流通の主要な場であるSNS等を提供するプラットフォーム事業者には偽・誤情報等の低減に向けて社会的責任があり、各事業者が実効性のある取組を進めていくことは重要である、そのように考えております。
例えば、国民一人一人のリテラシーの向上のため本年一月に立ち上げた官民連携プロジェクトでは、プラットフォーム事業者が、意識啓発に加え、信頼性の高い情報をSNS等のサービス上で優先表示するといった工夫を実施するなど、主体的な取組を行うことが期待されております。
総務省としましては、インターネットの偽・誤情報について、引き続き、国際的な動向も踏まえつつ、表現の自由に十分配慮しながら、総合的な対応を積極的に進めていきたいと考えております。
○辰巳委員 本当に実効性があるのかということが問われると思うんですね。社会的責任がある、そのとおりだし、自主的な取組、しかし、自主的な取組で誹謗中傷やデマやフェイクというのがなくなっていないから問題になっているわけですよね。ここにどう取組を強化させていくかということが問題になるというふうに思うんです。
海外での規制や対策というのはどうなっているのかということなんですが、EUは大規模なオンラインプラットフォームなどに対して、偽・誤情報を含む違法で有害なコンテンツを拡散する際に生じる重大な社会的リスクに応じて、より厳しい対応を求めています。例えば、違法コンテンツの拡散や人権などの基本的権利、表現の自由等への悪影響に関するリスクの分析と評価、そしてそのリスクの軽減措置というのをEUでは求めているんですけれども、日本には今、現行法上、同様の規定はあるんでしょうか。
○政府参考人(玉田康人君) お答え申し上げます。
EUにおきましては、委員から御指摘がありましたように、利用者の保護あるいは安全なオンライン環境の構築を図ることを目的に、デジタルサービス法が昨年二月から本格実施となっております。
この法律は、オンラインプラットフォーム事業者による違法コンテンツの削除要請に対する受付体制の整備、あるいは削除等の基準、その運用状況に関する公表を含めたルールを幅広く定めておりまして、このような規律につきましては、昨年我が国で成立した情報流通プラットフォーム対処法においても類似の制度が定められております。
一方で、EUのデジタルサービス法では、超大規模オンラインプラットフォーム事業者や超大規模検索エンジン事業者に対し、委員御指摘のようにリスク評価、軽減措置を義務づけております。リスク評価は、これらの事業者のサービス、アルゴリズム等の関連のシステムの設計、機能等に起因するリスクを自ら特定、分析、評価するものであって、このリスクには違法コンテンツの拡散や表現の自由に対する悪影響なども含まれるというのは御指摘のとおりと承知しております。また、軽減措置につきましては、このような特定されたリスクに応じて、例えばサービス設計や機能の調整、利用規約とその実施方法の調整などを行うことが求められております。
このようなリスク評価、軽減措置につきましては、日本では類似の制度がないものと承知をしております。
○辰巳委員 ですから、EUは一歩踏み込んでいる部分がやはり日本よりはあるということなんですね。しかも、EUは、DSA、デジタル・サービス・アクトという法律ですけれども、違反をすればそのプラットフォームの全世界の売上げの最大六%を課徴金として支払わなければならない。全世界の売上げですからね、物すごい金額になる、それだけのものをやっているということなんですね。
罰則だけではないんです。例えば、透明性の確保、あるいは意識、規制が強いのもEUの特徴なんですね。EUのレコメンダーシステムについての規制がどのようなものか、どう把握しているかをお答えください。
○政府参考人(玉田康人君) お答えいたします。
利用者の行動履歴などに応じて、その利用者に最適な情報を推奨するレコメンダーシステムは、多くのプラットフォーム事業者が導入しているものと承知をしております。
デジタルサービス法におきましては、プラットフォーム事業者に対しまして、自社のレコメンダーシステムで使用される主な基準、すなわちパラメーター、また、この主なパラメーターを利用者が変更できる選択肢などを平易かつ分かりやすい言葉で利用規約に定めることを義務づけております。
また、超大規模オンラインプラットフォーム事業者や超大規模検索エンジン事業者に対しては、自社のレコメンダーシステムについて、利用者の行動履歴などを分析するいわゆるプロファイリングに基づかない選択肢を用意するよう義務づけていると承知しております。
日本では類似の制度はないと認識をしております。
○辰巳委員 つまり、フィルターバブルやエコーチェンバーの作用を弱める、そういう選択肢を利用者に提供しているというのがEUなんですね。これは非常に参考になると思います。
いま一つ重要になってくるのが、やはりリテラシーの問題だと思うんですね。
白書の中に、日本とアメリカとドイツと中国の四か国の調査を行っているんですね。そこで、検索結果やSNS等で表示される情報が利用者自身に最適化、パーソナライズされていることを認識しているかどうかを聞いたところ、日本では知っていると回答した割合が四四・七%、他国は八割から九割に上るんですね。あるいは、お勧めされるアカウントやコンテンツはサービスの提供者が見てほしいアカウントやコンテンツが提示される場合があるということについて、日本では知っているという回答が四割弱、他国は七割超なんですね。自分に近い意見や考え方に近い情報が表示されることについても、日本では知っていると回答した割合が四割弱、他国では七割から八割。これらの点で、圧倒的に日本のデジタルリテラシーは諸外国に比べて低いということが分かると思います。
今日は文科省にも来ていただいているんですけれども、これについて、情報リテラシーをどうやって高めていくのか、答弁いただけますか。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。
学校教育における情報モラルの指導に当たっては、情報技術やサービスの変化等に対応できるよう、情報技術の特性についての理解に基づく情報モラルを身につけさせることが重要と考えております。
このため、情報技術の特性として、例えば、エコーチェンバーやフィルターバブルといった現象の理解、インターネット等で得た情報の真偽を確かめることの大切さを学ぶ動画コンテンツの提供や、教師を対象としたオンラインセミナーの実施により、学校における指導の支援に努めているところです。
○辰巳委員 SNSを利用した誹謗中傷や扇動は、社会を揺るがして分断して、民主主義の土台を掘り崩すおそれがあります。本来SNSが持つ、人とつながれる、ネットワークを広げられる、あるいは新しい情報に触れられる、そのような機能がより享受できる環境整備がされることを期待して、私の質問を終わります。