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国会会議録

行政書士法改正案/国民の権利救済に資するものに/衆院総務委/辰巳氏が要求

2025年05月29日

行政書士が受任できる行政不服審査申し立て業務の範囲を広げる行政書士法改正案が5月29日の衆院総務委員会で、全会一致で可決しました。

 

 

日本共産党の辰巳孝太郎議員は、法案提案者に「見直しによって何ができるのか」と質問。上野賢一郎衆院議員(自民)は、行政書士が事前に受任した許認可だけでなく、本人申請による事後の代理申し立ても可能になると答弁しました。

 

 

辰巳氏は、2019年度の行政不服審査で申し立てが認められたのは国で5・1%、都道府県では4・7%、それ以外はほとんどが却下または棄却だと述べ、「行政書士の関与があれば認められたと考えられる事例はどれくらいか」と質問。奥野総一郎衆院議員(立憲民主)は「把握できていない」としつつ「要件を満たす資料の不足を理由にした棄却や、申立期間の経過が理由の却下は減るのではないか」と答えました。辰巳氏は、制度のあり方の検討のためにも実態把握が必要だと指摘しました。

 

 

さらに辰巳氏が、今回の改正で行政書士以外の業務受任を禁じる規定に「如何(いか)なる名目によるかを問わず報酬を得て」と書き加えることで「違法の範囲が広がるのか」とただすと、長谷川淳二衆院議員(自民)は「現行法の解釈を明確にするもの」で「違法・合法の線引きは変わらない」と答弁しました。

 

 

辰巳氏は、法改正が国民の権利利益の救済や行政に対する住民の要望活動や行政運営の改善に資するようにすべきだと求めました。

 

しんぶん赤旗 2025年6月4日

 

議事録を読む

議事録PDF

 

○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
行政書士が行う不服審査請求については、二〇一四年の法改正により、行政書士会連合会が定める研修の修了と、試験に合格し特定行政書士として登録されれば、官公署への許認可申請等についての事前手続での依頼人の意向を踏まえて、事後の不服申立てでも審査請求書の補正や反論書の作成ができるということになっております。
本法案では、行政書士が行える業務について、行政不服審査の申立てを受任できる範囲を見直すことになります。まず、確認をしたいと思います。この法改正が行われ、業務の範囲の見直しがされると、特定行政書士は何ができるようになるんでしょうか。
○上野委員 現行法におきましては、特定行政書士が不服申立ての手続につきまして代理し、及びその手続について提出書類を作成することができる範囲が、行政書士が作成した書類に係る許認可等に関するものに限られております。そのため、個人が生活保護給付金、保育所の入所等の申請をする場合ですとか、あるいは事業者が補助金等を申請する場合につきましては、申請者本人が申請書類を作成することが多いと考えられます。現在は、このように申請者本人が申請書類を作成した場合に、特定行政書士がその不服申立て手続について代理等を行うことはできないということになります。
今回の改正によりまして、特定行政書士が不服申立ての手続について代理し、及びその手続について提出書類を作成することができる範囲が行政書士が作成することができるものに拡大されることによりまして、申請者本人が当初申請書類を作成した場合の不服申立て手続につきましても特定行政書士が代理等を行うことができるようになるものであります。国民の権利利益の保護に資するものと考えております。
○辰巳委員 つまり、本人によってなされた許認可申請が、事前に受任していなかった案件についても代理ができるようになる、こういうことであります。
行政不服審査請求についてなんですが、二〇一九年度公表分で、裁決された総数は、国で二万七千三百六十二件、都道府県、政令市で九千七百六十六件、そのうち不服申立てが認められたというものが、国で一千三百九十五件、全体の五・一%、都道府県、政令市で四百六十三件、四・七%となっておりまして、それ以外ではほとんどが却下若しくは棄却ということになっております。そこで、聞きたいんですけれども、行政書士が関与していれば不服申立てが認められた、認容されたと考えられる事例は一体どれぐらいあるんでしょうか、つかんでおられるんでしょうか。
○奥野委員 今の数字を伺うと、ほとんど認容されることはないという残念な結果だと思います。少しでも行政書士が関わることで認容の率が上がっていく、あるいは時間切れ等で却下されてしまったものについて救済できればという趣旨なんですが、残念ながら現在行われているわけではないので、全ての案件について網羅的に調べて、この案件ならばというようなことはなかなか難しいということで御理解いただきたいと思います。
その上で申し上げると、例えば、申請者が申請に必要な要件を満たすことを示すような資料を、提出時にはあったんだけれども時間がたって散逸させてしまった、どこかへ行ってしまったような場合について行政書士に依頼して、行政書士さんは許認可申請手続には詳しいのでその経験を生かして代替的な資料を、なくしてしまった資料に代わるものを収集することで許認可が得られたというような事例があるというふうに伺っております。このような事例においては、仮に申請者本人が申請書類を作成し、申請要件を満たすことを示す資料が足りないというような理由で棄却された場合について、特定行政書士がその不服申立て手続に関与できるようになることで不服申立てが認容されるんじゃないかということも考えられる、こういった事例はあります。
ほかに、却下も多いんですが、不服申立てが却下された事例のうち不服申立て期間の経過が理由であるものについては、適切な時期に特定行政書士に相談があれば少なくとも却下となることはなくなる、そうした件数が減るんじゃないかというふうに考えているところでございます。御理解いただければと思います。
○辰巳委員 おっしゃったように、誰が代理するにせよ、不服審査で行政庁の判断が覆ることは今のところはそう多くないというのが実態だというふうに思います。同時に、誇大広告とか過大請求とか説明不足による行き違いなどが起きないように注視する必要があるんじゃないかと思います。
また、全国に五万一千人を超える行政書士がおられまして、そのうち法定研修を修了した特定行政書士は二〇二三年度末で五千五百八十人と聞いております。特定行政書士制度ができて十年以上になるわけですので、今後の制度の在り方についても検討していく上でも、実情について把握していくべきだというふうにも考えております。
最後にですけれども、改正案第十九条は、行政書士の業務を他人の依頼により行政書士以外の者が報酬を受け取り業として行うことについて禁止するという規定なんですけれども、この改正案では、いかなる名目によるかを問わず報酬を得てというふうに新たに書き加えております。確認したいと思いますけれども、今回の法改正によって違法とか合法の範囲を広げたり狭めたり、あるいはラインを動かしたりするということなんでしょうか、どうでしょう。
○長谷川(淳)委員 お答えいたします。
今回の改正で、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得てとの文言を追加する趣旨でございますが、どのような名目でありましても、行政書士や行政書士法人でない者が他人の依頼を受け書類作成の役務の提供に対する対価を受領して業として官公署に提出する書類等を作成することは違法であるという現行法の趣旨を条文に明示することにより、行政書士や行政書士法人でない者による違法行為の更なる抑制を図るものでございます。
したがいまして、今回の改正は、行政書士や行政書士法人でない者による業務の制限について現行法の解釈を明確化するものでありまして、違法、合法の線引きを現行法から変えるものではございません。
○辰巳委員 確認をいたしました。
行政不服審査は、国民の誰もが行政庁が行った処分又は不作為に不服があった場合に不服の申立て、審査の請求を行うことができるものであります。このことによって、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保するというものになります。そういう意味では、今回の法改正が行政に対する住民の要望活動あるいは行政運営の改善を求める運動などに影響を及ぼしてはならないということも改めて述べさせていただいて、私からの質問を終わりたいと思います。
以上です。