日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

生活保護・住宅扶助削減で44万世帯が影響受けることが明らかに 削減は撤回せよ

 

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以下、しんぶん「赤旗」記事を転載します。

2015年4月8日(水)

生活保護 家賃扶助減で転居も

44万世帯影響 辰巳議員が撤回要求

参院厚労委

写真

(写真)質問する辰巳孝太郎議員=7日、参院厚労委

生活保護世帯の家賃にあたる住宅扶助の削減によって44万世帯が転居を迫られる恐れが、7日の厚労委員会で日本共産党の辰巳孝太郎参院議員の質問で明らかになりました。

住宅扶助基準が下げられようとしているため、現在の家賃より同基準が低い場合、転居を余儀なくされることになります。

辰巳氏は、生活保護の住宅扶助を190億円、冬季加算(暖房費)を30億円削減する政府の姿勢を批判し、「厚労省の審議会でも引き下げへの懸念が相次ぐなか強行しようとしている」と述べ、住宅扶助削減で影響を受ける世帯数を質問。厚労省の鈴木俊彦社会・援護局長は「44万世帯」と答弁しました。

辰巳氏は「(生活保護世帯全体の27%にあたる)3~4世帯中1世帯が転居を迫られる」と批判し、削減計画の撤回を求めました。

生活保護世帯の最低居住面積水準達成率は単身世帯46%、2人以上世帯67%と一般世帯と比べて20~30ポイントも低くなっています。

辰巳氏は「住まいの確保は基本的人権であり、政府は最低居住面積水準を定め、水準未満の早期解消を掲げている」と指摘。「住宅扶助を削減して達成率をどうやってあげるのか。住宅の質の低下をもたらすのは明らかだ」とただしました。

塩崎恭久厚労相は「劣悪な住居に住んでいるのであれば転居を指導する」と答えました。

辰巳氏は、新たな家賃上限を超えて転居を余儀なくされた場合、住居を確保できるのかと質問。鈴木社会・援護局長は「経過措置もある」と、釈明を繰り返しました。


住宅扶助 健康で文化的な生活水準の保障を理念とする生活保護法にもとづき、地域と世帯人数ごとに決めた基準額を上限に、家賃の実費を支給しています。上限額は最も高い1級地(東京都23区など)の単身者で月5万3700円。


議事録を読む

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
政府は、生活保護のうち住宅扶助、そして冬季加算合わせて、それぞれ百九十億、そして三十億円の削減を、社保審生活保護基準部会でも引下げの懸念が相次ぐ中で強行しようとしております。まず私は、この住宅扶助の引下げについてお聞きいたします。
今回の見直しで、限度額の影響を受ける世帯は幾らあるんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今般、住宅扶助基準につきましては、各地における家賃額の実態を踏まえまして、より適正な水準となるように見直すということにいたしております。
お尋ねのありました件でありますけれども、予算積算上の粗い推計でございますが、生活保護の受給世帯百六十万世帯のうち、住宅扶助の上限額が減額となることにより影響を受ける世帯数、約四十四万世帯というふうに見込んでおります。
ただし、今回の住宅扶助基準の見直しに当たりましては、最低限度の生活の維持に支障がないように経過措置を設けることにいたしております。具体的には、世帯の自立助長の観点から、現にお住まいの住居に引き続き居住することが必要であるというふうに認められる場合には引下げ前の額を適用することができるというふうにいたしております。したがいまして、この引下げ前の額が適用される世帯数がどのぐらいかと見込むことは困難でございますけれども、こうした措置によりまして、実際に住宅扶助上限額の減額の影響を受ける世帯は四十四万世帯よりは少ないのではないかというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 経過措置といいましても一部でありますし、一過性のものでありますから、百九十億円の削減をしようと思えば四十四万世帯が、最大で、転居を迫られると。これ、三世帯から四世帯に一世帯の割合ですからね、もう驚愕の数字であります。
住まいの基本というのは、この確保ですね、基本的人権であり、平成二十三年三月十五日に閣議決定された住生活基本計画でも、住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保といった目標の達成をするために最低居住面積水準というのが定められて、これを満たしていないところは早期に解消することが目標として掲げられております。この最低居住面積水準というのは、例えば水洗トイレとか台所とか浴室とかということがあるということが前提に、単身世帯では二十五平米以上、二人世帯では三十平米以上のお住まいのことであります。
今回の報告書なんですけれども、生活保護基準部会での報告書でも、生活保護受給世帯の住宅水準は一般世帯に比べると低いということや、最低居住面積水準の達成率は、一般の世帯で、単身で七六%、二人以上世帯で八六%、一方で生活保護世帯では、単身で四六%、二人以上世帯で六七%であるということからして、生活保護世帯においてより適切な住環境を確保するための方策を検討することが必要であると、報告書にはここまで書いてあるわけですよ。
それでは厚労省に聞きたいと思うんですが、今回の住宅扶助を削減し、最低居住面積水準の達成率はどうやって上げるんですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。
今回の住宅扶助基準の見直しでございますけれども、住宅扶助の上限額につきまして、各地域における家賃実態を踏まえまして、最低居住面積水準、今御指摘のございましたものでございますけれども、これを満たします民間借家等を一定程度確保可能な水準として設定すると、こういう考え方でございます。
具体的には、現行の住宅扶助の上限額、これが最低居住面積水準を満たします民間借家の家賃額を低い方からカバーする率、これの率の全国平均値一三%、これを基準といたしまして、この率が地域ごとにばらつきがございましたので、このカバー率のばらつきを是正する、こういった見直しを行うこととしているところでございます。
お尋ねの点でございますけれども、こうした住宅扶助基準の見直しに併せまして、生活保護の受給世帯におきましてやはりより適切な住環境を確保するための取組、これも進めていかなければならないと考えております。
具体的には、劣悪な住宅に居住している場合には、より適切な住宅への転居を指導する、そして、転居する必要が生じた場合でございますけれども、民間の不動産賃貸情報などを活用いたしまして適切な住宅の情報を提供する、そして、必要に応じまして不動産業者などに同行して居住先の確保を支援する、あるいは公営住宅でございますとかURの賃貸住宅への入居につきまして選択肢として提示する、こういったような支援を通じまして生活保護の受給世帯におきます最低居住面積水準の達成率の向上を図ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 達成率は上げていくと、上がるんだと、こういう説明でありました。
ということは、今お住まいの生活保護の方々、面積水準が今未達成の住宅から、この引下げによって達成の住宅への転居となると、こういうことですね。未達成から転居となるということじゃないとこれ達成率というのは上がらないわけですよ。
ということになりますと、転居前の住宅というのは、面積水準は未達成であるけれども、しかし相場の家賃よりは高いと。今回の適正化というのは、これは家賃のCPIを引き下げることによって相場に戻していくということも含まれていますからね。ということは、転居されるという方は相場の家賃より高いということになるわけなんですね。
じゃ、聞きますけれども、これは報告書にありますからちょっと聞いてみたいと思いますが、そもそも、生活保護世帯の家賃額が近傍同種の住宅家賃と比較して高くなっているんでしょうか。報告書にあるとおり答えてもらえますか。その疑義ありの数字を答えてください。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今の御指摘にありました報告書でございますけれども、近隣同種の住宅の家賃と比較いたしまして明らかに高額な家賃が設定されております疑義がある場合、これは〇・六%になっております。そのほか、判断ができない割合というのが九%ございまして、この中には、住宅の質に家賃額が見合っていない住宅も含まれているというふうに考えられるところでございます。
○辰巳孝太郎君 相場の家賃より高いと思われる、そういうところに住んでいる生活保護世帯というのはたった〇・六%しかないということであります。ですから、厚労省が言っているのは、こういう人たちが転居することによって達成率は上がると言っているんですよ。たった〇・六%しかないんですよ。これ、世帯数からすれば九千六百世帯しかないんですよ。だけれども、上限の引下げで動かざるを得なくなる人というのは四十四万世帯もあるということですよ。これは上限を引き下げれば達成は絶対できないと、むしろ引き下がるということになるわけですよ。私、これ荒唐無稽な話だと思うんですけれども、厚労省、どうですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 具体的に今上限額の中で家賃が設定をされているわけでございますけれども、家賃の設定の中において、今設定されている額が必ずしも住居環境に見合った額かどうかという問題は別途あろうかと思います。そういうところを一つ一つ丹念に見取って具体的により良い環境のところに移っていただくように指導をしていく、こういったことを通じまして、必ずしも上限額を下げたからといってこの達成率が下がってしまうということにはならないのではないかというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 いや、あなたは達成率は上がると言っていたわけですからね。しかし、結局これは上がることはないわけですよ。むしろこれは絶対に下がるということになるわけです。
住生活基本法では、これは早期に解消するということが求められると書かれているわけですけれども、これ、管轄する国交省、どうなんですか、こういう政策認めていいんですか。
○政府参考人(海堀安喜君) お答えいたします。
御指摘の点の住宅扶助の見直しについてはお答えする立場にございませんが、住生活基本法の第十五条におきまして、住生活基本計画に定めるべき事項として、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する目標が規定されており、御指摘の最低居住水準未満の世帯の早期解消もその目標の一つとして定めております。これらにつきましては、関係省庁と連携し、目標の達成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 いや、じゃ、連携してこれをストップさせてくださいよ。これ絶対に下がりますよ、水準は。
厚労大臣、私、聞きますけれども、やっぱり今回の上限の引下げは住環境の、政府で決めた閣議決定ですからね、これ、厚労省も含めて達成率は向上させていこうと言っているわけですけれども、これと全く矛盾するんじゃないですか、これ認めるべきじゃないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これまで住宅扶助基準の見直しというのはずっとやってこなかったことで、抜本的な検証は初めてこれやるわけでございます。
今回の住宅扶助基準の見直しでは、住宅扶助上限額について、各地域における家賃実態を踏まえ、最低居住面積水準を満たす民営借家等を一定程度確保可能な水準として設定するということになっておるわけでございまして、先ほど来申し上げているように、具体的には、現行の住宅扶助上限額が最低居住面積水準を満たす民営借家等の家賃額を低い方からカバーする率の全国平均一三%を基準として、地域ごとのカバー率のばらつきを是正するということの見直しを行おうというものでございます。
また、住宅扶助基準の見直しに併せて、生活保護受給世帯においてより適切な住環境を確保するための取組も進めていくことになっておるわけでございまして、先ほどもお話が出ていますけど、具体的には、劣悪な住宅に居住している場合にはより適切な住宅への転居を指導すると。転居する必要が生じた場合は、まず民間の不動産賃貸情報などを活用して適切な住宅の情報を提供する、それから必要に応じて不動産業者等に同行して居住先の確保を支援する、あるいは公営住宅やUR賃貸住宅への入居、先ほど来も出ておりますけれども、選択肢として提示をすることを通じて、生活保護受給世帯における最低居住面積水準の達成率の向上を図っていくというのが今回の見直しの意図でございます。
○辰巳孝太郎君 大臣、全く理解をされておられないというふうに私は思います。
これ、でも絶対に水準は、達成率は上がることはないんです。絶対に下げられるとこの数字が物語っていますし、報告書の中でも次々とその懸念が出されているわけであります。
それでは厚労省に聞きますけれども、これで本当に利用者は、転居せざるを得なくなる人というのは住宅を確保できるんですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今申し上げましたように、具体的に上限額の引下げを行いますけれども、その際に、まずは家賃の改定時期まで待つという措置をとるわけでございます。
その上で、まずは、その家賃が地域の実勢に応じて適切かどうかということで、場合によって家賃を引き下げるという場合もあるかと思いますけれども、それがかなわない場合には転居をするということでございますが、その際に、転居について具体的な住居が確保できるように福祉事務所がきちんと指導、支援をするということでございますし、また、具体的に、例えば病気の場合ですとか、あるいは障害によります通院とか通所をしているような場合、あるいは就労や就学で必要があるような場合、さらには高齢者の方で生活状況あるいは支援状況を見て、やはり自立のために今の住居に住むことが必要であるというような場合にはそのままにしておくわけでございますし、そうしたようなきめ細かな措置を講ずることによりまして、具体的な住居の確保に欠けるといったことが起こらないようにしてまいりたいというふうに思っております。
○辰巳孝太郎君 経過措置のことをおっしゃっているんだろうと思いますけれども、全体では移転される住宅は最大で四十四万ですから、もう大変大きなものであります。
この調査そのもののずさんさというのも指摘しなければならないと思います。例えば厚労省は、住宅・土地統計調査によって、単身世帯が居住する最低水準を満たす民営借家のうち住宅扶助金額以下の住宅の割合は、先ほどもありましたとおり、全国平均で一三%だとしているということであります。しかし、この統計はあくまでストックでありまして、入居可能な借家のフローの状況を表しているわけではありません。このことは報告書でも指摘をされているわけですね。
それともう一つは、エリアの問題なんです。公正な家賃を決定するためには、エリアを設定して最低基準を満たす家賃はどれほどかを調査する必要があると。同じ行政区であっても、駅前とそうでない場合というのは家賃額に違いが出てくるわけです。ですから都道府県の級地別、各指定都市別、各中核市別の家賃相場の検証をやったわけですが、それに頼ったとしても、実際に転居を迫られる生活保護受給世帯の行政区には該当物件が全くないということが考えられるわけであります。
確認しますけれども、転居が必要な人が、同一行政区に適当な住宅がなく、隣の行政区に上限家賃の民間住宅がある場合、その行政区に転居するということになるんですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘のような事例が具体的にあった場合でございますけれども、それはいろいろな対応の仕方があると思います。
一つは、今先生御指摘のような行政区をまたいで転居するということもあろうかと思いますし、またもう一方では、より広いエリアでそうしたような、具体的に住宅の確保が困難な、新しい基準額では難しいといったような状況が見られる場合には、福祉事務所の判断によりまして特別基準というものの認定が可能であるという制度も設けておりますので、こうした様々な施策を活用することによりまして住居の確保に欠けることはないものというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 否定をされないわけですね。局長、これはUR住宅も含むということですね、仮に他行政区にURの住宅があれば。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 具体的にどの住宅がよくてどの住宅が駄目ということはございませんので、一般論で申し上げますと、UR住宅も含まれるということだろうと思います。
ただ、それぞれの住宅によりまして必要な手続というのはございますので、その辺りは個別に勘案する必要があろうかというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 UR住宅も含まれると。
それでは国交省にちょっとお尋ねしますけれども、UR住宅が生活保護者が入居する際に求める書類というのはどんなものがあるんですか。
○政府参考人(海堀安喜君) お答えいたします。
UR賃貸住宅でございますが、これは市場家賃で運営することが定められておりますので、委員御指摘のような、生活保護受給者が行政区をまたいでUR賃貸住宅に転居を希望される場合につきましては、入居後に市場家賃が支払えるかどうか、継続的な収入があるかどうかを確認させていただくために、一般的には、移転先の自治体の長によります生活保護の受給証明等を求めるというふうに聞いております。
○辰巳孝太郎君 移転先の受給者証明書。
それでは厚労省に聞きますけれども、移転先の受給者証明書は契約の時点で出せるんですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今先生御指摘のように、行政区をまたいだ場合、新しい行政区に行きますと、そこでの生活保護の認定というのがやはり基本的に必要になりますので、転居、直ちに生活保護の認定というわけにはまいらないと思います。
したがいまして、型どおりいきますと、今国交省の方から御答弁がありましたように、UR住宅におきまして保護受給証明書の発行というものを形式的にどうしても求めるということでありますと、一定程度どこかに一時的に移っていただいて、そこで保護の決定を待っていただいて、その上で必要があればURの住宅に移っていただくと、形式的にはこういう手続になろうかと思います。
○辰巳孝太郎君 出せないということですよ。つまり、生活保護世帯は基本的には同じ行政区内でしかURへの転居はできないということであります。他行政区へのUR住宅に転居できないんですよ。
UR住宅は、最低居住面積を満たす割合が極めて高くて、先ほどあったとおり、一三%の中にこれ入ってくるわけですね。つまり、引下げの方向にこれ動くんですよ、こういうものが数値の中に入っていれば。つまり、実際には転居が不可能な住宅をできるものとして統計に入れ込んでいるわけですよ。これ、統計の操作と違いますか。大臣、どうですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 統計の事務的なことですので御答弁申し上げます。
統計には入れておりますけれども、ただいま申し上げましたように、具体的にUR住宅に移るのにどういう手続が必要かということでございます。まだ今年七月からの施行でございますので、今御指摘のありました、例えば転居のために必要になります資料や手続、こういうものにつきまして支障がないように、国交省やURなどの関係機関とまた相談をしてまいりたいというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 私は、調査の中身、正当性、妥当性を聞いているのであって、書類のことを聞いているわけじゃありません。書類は出せないということじゃないですか。
今回の引下げでは、冬季加算も八・四%引下げということになっております。これ、議事録の中でも一貫して懸念が示されております。基準部会長の代理の岩田氏は、ある週刊誌のインタビューでこう言っております。実際の灯油代の消費量が調査されていないということを指摘しつつ、後でとんでもないことが起こったら私たちは責任を負うことができません、命に関わる支出です、安全に、慎重に検討してほしいと、こういうことまで部会長代理から発言が出ているわけであります。
このような改悪は撤回することを求めて、私の質問を終わります。

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