森友公開文書/政治家接触部分が欠落/情報公開と真相解明を要求/衆院総務委
日本共産党の辰巳孝太郎議員は22日の衆院総務委員会で、森友学園への国有地売却問題を巡る公文書改ざんを強いられ自殺した近畿財務局職員の妻の赤木雅子氏に財務省が開示した2200ページの文書から安倍晋三元首相の妻の安倍昭恵氏や与党政治家の関与を示す記録が欠落している問題に言及し、公開と真相解明を求めました。
辰巳氏は、公文書改ざんは国会と国民を冒とくし民主主義をじゅうりんするものだと指摘。村上誠一郎総務相は「為政者は権力を抑制的に行使しなければならない」と述べました。
辰巳氏は、公開文書から政治家との接触記録がなぜ、誰の指示で欠落したのかと追及。財務省の石田清理財局次長は、近畿財務局が本省理財局の指示をうけ、政治家との応接録を廃棄した過程で欠落したと考えられると答弁。廃棄の主たる目的は、国会審議で森友事件の質問につながる材料を極力少なくするためで、「理財局長が方向性を決定づけた」と述べました。
辰巳氏は、近畿財務局を訪れた同学園の籠池泰典元理事長と昭恵氏が並んでいる写真を示し、昭恵氏が「いい土地ですから、前に進めてください」と述べた2014年4月28日の応接録も欠落していると指摘。この日を契機に事態が急展開し、異例の契約締結になったとして、「契約の締結に昭恵氏の影響があったのは疑いない」と強調しました。
また、財務省には改ざん当時の佐川宣寿理財局長の処分が明らかになったあとに調査報告書を出したいとの思惑があり、実際にも同氏が不起訴となってから報告書が出たと指摘。「官邸、財務省、法務省、検察が連絡を取り合って動いていると言わざるを得ない」として、関連文書の提出を重ねて要求しました。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今日は森友事件について聞きます。
なぜ夫は死ななければならなかったのか、真実を知りたい、これが夫を亡くした赤木雅子さんの一貫した思いであります。
公文書の改ざんをさせられた赤木俊夫さんは、自分の雇用主は国民と言っていました、そして、公務員という仕事に誇りを持っていたと語っています。彼は公務員として優秀だったからこそ、公文書の改ざんを行った良心の呵責にさいなまれました。そういう優秀な公務員を失った、これは国家的な損失であると私は思います。
四月、財務省が検察に任意提出し、そして返還された資料、約十七万ページの一部、二千二百ページが公開されました。しかし、政治家に関連する部分は欠落をしたままであります。この間、雅子さんは情報公開請求で関連文書の開示を求めてきました。政府は文書の存否すら明らかにせず、不開示決定を続けてきました。
情報公開・個人情報保護審査会が昨年三月、存否を明らかにせず不開示としたのは不開示要件に該当せず、存否を明らかにして改めて開示決定すべきとの答申を出しました。並行して行われていた訴訟でも、財務省の存否すら明らかにしないという決定を一月の大阪高裁判決は違法だといたしました。政府は、判決を受け入れる方針を明らかにして、文書の存在をようやく認めて、四月、一部を開示したということであります。
大臣にお伺いします。公文書の改ざんは、国権の最高機関である国会、立法府と国民を冒涜し、民主主義をじゅうりんするものであります。政府の間違った方針によって優秀な公務員が命を落としました。そして、政治家の関連した資料はいまだ欠落したままであります。大臣は、一連のいわゆる政治家の政治の私物化を許せないということも、この間、語ってきたと思います。その気持ちは今も変わらないでしょうか。
○村上国務大臣 辰巳委員にお答えいたします。
お尋ねの私の発言については、どのような場面で申し上げたものであったかは定かではありませんが、大臣就任前に一政治家として申し上げたものと存じます。
本日は、総務大臣としてこの場に立っておりますので、一政治家としての発言の内容についてはお答えすることは差し控えたいと思います。
その上で、一般論を申し上げれば、上に立つ者というか為政者は権力を抑制的に行使しなければならない、こういうふうに考えております。
○辰巳委員 まさにそのとおりでありますけれども、そうはならなかった、だからこそ優秀な職員が命を落としてしまったということであります。
赤木雅子さんの訴訟を認諾して裁判を強制的に勝手に終わらせて、本来裁判など経なくても提出しなければならない文書をこれまでさんざん拒否してきたのが財務省であります。雅子さんの闘いの結果、今回、文書の公開ということになりました。これは当然でありますけれども、安倍、菅政権であれば絶対に公開することはなかったとも私は思わざるを得ません。
それでは、今回提出された、検察に任意提出し財務省に戻ってきたこの文書について、具体的に財務省に確認をしていきます。今回出された二千二百ページもの資料は誰が何のために作成をしたものなんでしょうか。
○石田政府参考人 お答え申し上げます。
提出の経緯については、委員の方から御説明いただいた内容に沿ってということでございます。
検察に任意提出した資料について四月以降順次開示をしているところで、まず、四月については二千ページ強の文書を開示させていただきました。
こちらにつきましては、近畿財務局管財部において森友学園に関する土地取引の案件を担当していた統括国有財産管理官部門というところがございまして、その職員が取りまとめたものでございます。
森友学園との土地取引につきましては、複数年にわたり行われていたものです。近畿財務局の職員の手控えという性質であるため、厳密に組織として管理したものではありませんが、おおむね三年間の土地取引の中で人事異動のタイミングなどの節目節目において経緯を整理するために作成し、最終的に土地取引が終了するまでの経緯を取りまとめたもの、そのように考えております。
以上です。
○辰巳委員 続けて確認しますけれども、今回出されてきたものには政治家との接触の文書が欠落したままになっています。なぜ政治家との接触の応接録が欠落をしているんでしょうか。
○石田政府参考人 お答えします。
平成三十年六月に財務省で取りまとめました森友学園案件に係る決裁文書の改ざん等に関する調査報告書におきましてお示ししているとおり、平成二十九年当時近畿財務局において本省理財局からの指示を受けて政治家関係者との応接録として存在が確認されたものを廃棄しております。この応接録の廃棄については、調査報告書でお示ししているとおり、国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中で更なる質問につながり得る材料を極力少なくすることが主たる目的であったと認められます。
平成二十九年当時本省理財局からの指示を受けて政治家関係者との応接録を廃棄した経緯、及び今回お示しした四月に開示した文書において欠落していると思われるものは政治家関係者に言及しているものが多くを占めていると推認されることを踏まえれば、欠落部分の大宗は応接録の廃棄の過程において欠落したというふうに考えられます。
○辰巳委員 続けて確認しますけれども、これは誰の指示で誰が抜いたのか、そのものは処分されたのかを確認したいと思います。
○石田政府参考人 お答えします。
欠落部分が生じることとなった文書廃棄の意思決定をした者、その点につきましては、調査報告書におきまして、応接録の廃棄を含む一連の問題行為について本省理財局において国有財産行政の責任者であった理財局長が方向性を決定づけたものであり、その下で総務課長が関係者に方針を伝達するなど中核的な役割を担った旨を認定し、関与した職員に厳正な処分を行っているところです。
なお、実際の廃棄という意味では近畿財務局職員が廃棄したものと考えておりますが、これはあくまで本省理財局からの指示を受けて行ったものです。
森友学園案件につきましては、本省理財局職員のほか、本省理財局からの指示を受けて一連の問題行為に関与した近畿財務局職員のうち幹部職員については処分を行っておりますけれども、配下職員で作業に従事した者の責任は問わないということとしているところでございます。
以上です。
○辰巳委員 二〇一四年の四月の二十八日、それまで十分な資料を示さず出さなかった森友学園への貸付契約交渉をいよいよ終わらせようと考えていた矢先に森友学園から示されたのが安倍昭恵氏と籠池夫妻とのスリーショットの写真であり、そのときに、いい土地ですから前に進めてくださいという言葉があったとされております。そこから急転直下、異例の契約締結に進んでいくわけであります。そして、その日の応接録というのは欠落したままであります。
確認します。この貸付契約の締結に昭恵氏の影響があったというのは疑いのないことだと思いますけれども、いかがですか。
○石田政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の平成二十六年四月二十八日の応接録につきましては、これまでも押収された文書の写しを入手するなど検察当局の協力も得てできる限りの捜索を行っておりましたが、発見には至らなかった旨、国会で財務省から答弁申し上げてきました。現在開示に向けて速やかに作業を進めているところですが、御指摘の文書は発見されておりません。
その上で、平成三十年に議論されていた際に当時の職員に確認した結果として、当該応接録の内容は財務省ホームページにおいて公表している改ざん前の決裁文書における経緯の部分に書かれている内容であった旨、国会で答弁申し上げてきました。
内容としては、打合せの際、本年四月二十五日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは、いい土地ですから前に進めてくださいとのお言葉をいただいたという旨の発言を森友学園側からなされていたという内容となっているところでございます。
○辰巳委員 ですから、安倍昭恵さんがまさにこの契約交渉のターニングポイントになったということですよね。
○石田政府参考人 本件土地取引の中で、貸付契約の部分について御質問いただきました。
こちらにつきましては、本省の承認を必要とする原則の三年を超える貸付期間を要望していたものです。既に平成三十年に本省相談メモを公表しているとおり、本省理財局において近畿財務局に対し適宜その方向性を示していたものです。
この際、理財局からは、国有財産の処分に当たっては公用、公共用を優先するという方針や、学校法人や社会福祉法人が土地を使用したいとしていることについてはできるだけ進めるように努力するという基本的な考え方をお示しして、それに基づいて近畿財務局からの相談に応じていたというふうに考えているところです。
○辰巳委員 いや、そうじゃなくて。出ている応接録で分かることは、それまでは、森友学園がいろいろややこしいことを言うてくる、要求した文書を全然出さない、三くだり半で契約交渉はもうやめようという相談までしているじゃないですか。安倍昭恵さんの一件がターニングポイントになって、本省がそれを引き取ってやるんだということは全部分かっているじゃないですか。今更そういうことをつらつらつらつらと述べていただきたくないんですよ。これははっきり認めるべきです。
今日、皆さんにおつけした資料があります。私たちが独自に入手した文書なんですけれども、見ていただきますと、裏面ですけれども、これは財務省と国交省がすり合わせをしたことを示すメモなんですね。
ここに何と書いてあるか。近畿財務局と理財局のやり取りについては最高裁まで争う覚悟で非公表と書かれてあるんですね。改ざん発覚後の話ですから、全く反省をしていないということだというふうに思います。
また、この応接録メモにはこう書いてあります。五月二十三日に提出することを前提に文書はこうつづられているんですね。
五月二十三日の後、調査報告書をいつ出すかは、刑事処分がいつになるかに依存している。官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れているが、刑事処分が五月二十五日夜という話はなくなりそうで、翌週と思われる。
つまり、財務省は、佐川氏らが不起訴になることを知った上で、不起訴処分が出たタイミングで調査報告書を出したいという思い、思惑をここで語っているわけですね。実際、不起訴処分は五月三十一日、調査報告書は六月四日に公表されました。まさに、官邸、財務省、法務省、そして検察が連絡を取り合って動いていると言わざるを得ないと思います。
法務省に来てもらっています。法務省、ここには、官邸が法務省に何度も巻きを入れている、こう書いてあるんですよ。当時、官邸から法務省は巻きを入れられていないんですか。
○吉田政府参考人 御指摘の文書については、その作成経緯や記載内容の趣旨等を把握しておらず、御質問についてお答えすることはできないことを御理解いただきたいと存じます。
○辰巳委員 財務省、国交省とのやり取りの文書、あるいは近畿財務局と本省理財局とのやり取りの文書、これを全部出していただけますね。
○石田政府参考人 お答えします。
まず、委員からお示しいただいた御指摘の文書については、財務省では作成しておらず、どのような文書なのかも分からない中で、その記載内容についてお答えは差し控えさせていただきます。
その上で、現在、森友学園事案に関して開示請求作業を行っているところですが、分量が相当量の文書について作業を進めているところです。その中に近畿財務局と本省とのやり取りも含めて開示作業自体はさせていただいているところですので、まず御遺族からの開示請求について精力的に進めていきたいというふうに考えております。
以上です。
○辰巳委員 森友事件はまだ終わっておりません。民主主義の根幹をじゅうりんするこの事件の真相解明を引き続き図っていくこと、これを決意して、質問を終わります。