日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

家事支援サービスの国家資格化/介護保険給付削減招く/衆院厚労委 辰巳氏

2026年05月29日

日本共産党の辰巳孝太郎議員は5月29日の衆院厚生労働委員会で、政府が検討している家事支援サービスの国家資格化は介護保険給付の削減につながると追及しました。上野賢一郎厚労相は「給付縮小は考えていない」と答弁しました。

 

辰巳氏は、財務省や経済産業省が「介護保険外サービスの活用」により介護保険財政の効率化を図る方針を示しているが、「介護保険を重度者に重点化して、生活支援などを外していく呼び水になる」と批判。生活援助が保険外サービスに置き換えられれば、低所得高齢者の生活が脅かされると指摘しました。

 

その上で、「介護保険事業者も保険外サービスを担うのも民間事業者で、保険外サービスの利用が進み、収益化が進めば、ますます介護人材の不足に拍車がかかる」と警告し、ベビーシッター利用支援策についても、「税制優遇は高所得者ほど恩恵が大きい」と批判。すでに小学校3年生まで使えるサービスがあるのに、「すべての子育て世代が利用できていないことが問題だ」として、既存制度の改善こそ必要だと主張しました。

 

辰巳氏は、政府が検討している中身ではあまりにも負の影響が大きすぎるとして、検討は立ち止まるべきだと求めました。

 

しんぶん赤旗 2026年6月1日

 

議事録を読む

○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
まず、労災保険から。
アスベスト疾患は、暴露してから発症までの期間が一般的に三十年から四十年と言われております。有害業務に従事したときから発症するまでの潜伏期間が著しく長期にわたるこの遅発性疾病について、新基準における労災の給付基礎日額は、暴露時賃金と発症時賃金を比べて高い方でこれからは計算される。一方で、既に旧基準で休業補償を受給している患者については不当に低いまま。これで取り残されてしまうというのは、私も問題だと思うんです。ただ、不服審査請求をした場合、労働保険審査官や労働保険審査会は、新基準で適用できる、そういう解釈で判断をしております。
厚労省として、旧基準で算定している低い休業補償や遺族補償年金の引上げをやはり図るべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○岸本政府参考人 お答えいたします。
御指摘の点、労働政策審議会の建議におきまして、有害業務に従事した最後の事業場を離脱した後、別の事業場で有害業務以外の業務に就業中に発症した場合における給付基礎日額の算定に当たりまして、疾病の発症時の賃金が、疾病の発生のおそれのある作業に従事した最後の事業場を離職したときの賃金に基づいた平均賃金より高くなる場合には、発症時の賃金を用いることが適当とされたところでございます。
その上ででございますが、一般的に、社会保障制度における制度改正の際の考え方といたしまして、事由発生当時の制度に基づくルールにのっとって適正に適用し決定したものに対して、ルールが変更された後に、旧制度で適正に決定されたものを遡って適用し直すということは制度の安定性の観点等々からいたしませんで、今回の考え方についても、改正後の制度は改正の施行後の事由に対して適用するということが基本的な考え方だろうというふうに考えております。
したがいまして、給付基礎日額、御指摘の点につきましては、事由が発生した当時の算定方法で適正に決定されたものでございますので、建議に基づいて給付基礎日額の算定方法を改める場合にも、既に決定した給付日額を算定し直すことはせず、施行日以降に発症した疾病を対象とすることを想定しておりますが、この詳細については今後労働政策審議会で議論をしていくこととなっておりまして、その議論を経てまいりたいと考えております。
○辰巳委員 厚労省は法律論をおっしゃるんですけれども、ただ、労働保険審査会は申請者の立場に立った判断解釈をもう既にしているわけですね。本来は厚生労働省がこの立場に立って、不服審査請求をしなくてもいいような、そういう扱いにすべきだということを言っておきたいというふうに思います。
さて、今日は家事支援サービスの国家資格化についても聞いていきたいと思います。
高市首相は二月の施政方針演説で、育児、子供の不登校、介護が原因の離職を減らすため、ベビーシッターや家事支援サービスの利用促進に向けた負担軽減に取り組むと述べました。しかし、介護保険の給付削減や介護分野からの人材の流出など、介護保険制度への負のインパクトは大きいと私は考えます。
大臣も、十五日の本委員会で、今回の国家資格化に当たりまして、介護保険制度の保険給付を縮小させることは考えておりませんと答弁をされているんですが、その答弁を額面どおり受け取ることはできません。
なぜなら、今日、資料にもつけていますけれども、財務省は、去年の財政審の建議でこうあるんですね。今後も増大し続ける多様な介護事業に対しては、介護保険事業のみで全て対応することは困難である、介護保険事業と介護保険外の民間企業による関連サービスで対応していくことが有益と。つまり、給付の効率化、適正化、すなわち給付抑制の施策として、保険外サービスの活用を提案しているわけなんですね。
去年の骨太の方針でも、ワーキングケアラーへの対応など官民連携による介護保険外サービスの普及が盛り込まれました。今年の骨太の方針に向けた議論でも、財務省は同様の提案をしております。
つまり、介護支援など介護保険外サービスの活用は、介護保険の給付抑制策として議論をされてきた、これがもう紛れもない事実なんですね。
そこで、大臣、介護離職を減らすため、介護支援サービスを活用するんだ、普及させるというんですけれども、介護支援の国家資格化、この理由ですね。同時に、財務省などの議論を見ていると、そういう政策の推進というのは、結局、介護保険を重度者に重点化して、生活支援などを介護保険の給付から外していくための呼び水になるんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○上野国務大臣 まず、家事等の負担軽減を図ることを通じて、育児や介護等による離職を防止をし、女性を含む多様な人材の労働参加を進め、活躍をしていただくことを推進する環境を整備することが重要であり、このため、家事支援サービスの品質向上や信頼性確保の観点から、家事支援サービスに関する国家資格の創設に向け、取り組んでいきたいと考えております。
今回の家事支援サービスの国家資格化に当たりまして、前回も申し上げましたけれども、介護保険制度の保険給付を縮小させることは考えておりません。
○辰巳委員 ですから、そうは言うんですけれども、財務省は、去年、二〇二五年五月の財政審でも、保険外サービスに携わることについて、事業者にとっても収益の多様化や経営の安定、職員の給与への還元につながると言っているんです。要は、介護保険とは別のところで稼げと言っているんですよね。
大手の介護事業所は、効率のよいところ、あるいは稼げるか否かで利用者を選別しているという声もあるんですが、財務省の言うとおり、もうからないところからはますます事業者は撤退をして、介護保険の空洞化が進んでしまうおそれがある。そうなれば、低所得高齢者や提供効率の悪い中山間地がますます切り捨てられるということになると思うんです。
経産省はもっとひどいですよね。
今日、二枚目の裏側の資料にもつけましたけれども、下の方の記述があるんですけれども、高齢者介護関連サービス振興を議論した検討会のまとめで、民間サービス普及の意義をこう言っています。公的介護保険制度に依存しない民間サービスが普及すれば、介護保険サービスの供給体制に余裕が生じる、その結果として、介護保険制度下ではより専門性の高いサービスの提供が可能となり、介護保険財政、ひいては自治体財政そのものへの貢献となり得ると。
つまり、介護保険サービスが介護保険外サービスに置き換わるんだ、その結果として保険給付抑制される、こういう効果を経産省は語っているわけなんですよ。これは、大臣が何を言おうと、議論の中身というのは現行の介護保険給付の削減ということになっていくということですよね。
人材流出についても懸念ばかりであります。大臣は、家事支援サービスの国家資格化による人材流出が大幅に起こるということはないと答弁をしております。しかし、介護保険事業者も民間事業者ですね。保険外サービスを担うのも民間事業者です。場合によっては、同一人物が介護保険と介護保険外サービスの提供、両方に関わることもあります。
大臣、保険外サービスの利用が進んで、収益化が進んでいけば、ますます介護人材の不足に拍車がかかるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○上野国務大臣 まず、家事支援サービスと介護などの対人支援分野については、サービスの趣旨や目的、その対象となる利用者が異なりますので、例えば、介護分野において訪問介護員が行う生活援助が、今回の国家資格化により、家事支援サービスに単純に代替されるものではないと認識をしております。
今後とも、必要な介護人材の確保に向けては万全を期していきたいと考えています。
○辰巳委員 大臣、今日つけた一枚目のカラーの資料を見ていただきたいんですけれども、左下に図がありますよね。「介護保険事業者による保険内・外サービスの組み合わせの例」と書いてあるでしょう。ここには、上のところでは訪問介護サービスの提供、ヘルパーさんが介護保険サービスの提供をしている、終了後、介護保険外サービスの提供、こういう図があるわけですね。結局これは、同じ人が保険サービスと保険外サービスを提供するイメージというのをもう出しちゃっているんですよね。こうなりますと、収益の高い方に事業所も人も移動してしまいかねないと思うんですね。
大臣、流出は大幅には起こらないというだけであって、人材流出や人材の移動というのは私は避けられないと思います。
今回、ベビーシッター利用促進も同時に盛り込まれております。全国保育サービス協会が実施する企業主導型ベビーシッターの利用者支援事業というのが実はあるんです。これは、事業主からの拠出金を財源として、小学校三年生まで利用可能なんですね。一枚当たり二千三百円の補助を受けられる利用券を月に最大二十四枚、つまり最大で五万五千二百円、年間は、二百八十枚、六十四万四千円までの補助が受けられる事業というのが既にあるということなんですよ。
今回の新たな支援策というのは、既にあるこの事業に更に上乗せをするということなんでしょうか。お答えください。
○竹林政府参考人 お答え申し上げます。
仕事と子育てとの両立を支援するため、こども家庭庁におきましては、先生御指摘の企業主導型ベビーシッター利用者支援事業によりまして、福利厚生として従業員のベビーシッター利用援助に取り組む企業の支援を行っているところです。
その上で、ベビーシッターの利用拡大に向けた税制措置を含む新たな支援策の検討に当たりましては、この企業主導型ベビーシッター利用者支援事業との関係の整理にも留意していきたいと考えております。
いずれにせよ、こども家庭庁といたしましては、具体的な制度設計につきましては、現在実施しておりますベビーシッターの利用に関するニーズ調査の結果なども活用し、関係省庁と連携しながら検討を進めてまいります。
○辰巳委員 今答弁あったように、関係の整理という話がありましたけれども、今からそれをやるという話ですか。関係の整理をしなければならないような新たな制度がいきなり下りてきたみたいな、これで本当にええのかなと。既に小学校三年生まで使えるサービスがあるのに、その利用は、全国保育サービス協会に、就労している、そういう企業に申し込むことが必要で、これは企業負担も発生しているため、むちゃくちゃハードルが高いんですよね。
全ての子育て世代が利用できていないということこそが問題だと思うんです。あるいは、自営業者やフリーランスの利用というのも対象になっておりますので、何か別の制度をつくるとか、関係を整理せなあかんとかではなくて、今の制度があるわけですよ、この制度の見直し、改善こそ本当はやらなきゃならないと私は思います。
厚労省は、利用促進のため、税制措置なども検討しているということでございます。しかし、これも高額所得者優遇制度となる懸念がございます。
厚労省、確認します。
これは、税制ということになりますと、税額控除か所得控除かということになるわけなんですね。税額控除は、支払い税額が高くない低所得者では恩恵は大きくありません、大きくないですね。所得控除は、適用税率が高くなる高額所得者ほど恩恵が大きくなるということになります。元々利用が少ないと見込まれる低所得者に対する効果は、税制控除ということになりますと小さくなってしまうと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○上野国務大臣 まず、大変恐縮なんですが、税制の仕組みについては今後検討を深めていきたいと考えておりますし、当然、税制でありますので、例えば所得の低い方には効果が薄いのではないかという御指摘はあろうかと思いますが、税制のみならず、様々な経済政策を含めて今後の対応を検討していきたいと考えているところであります。
○辰巳委員 これからこれからという話ばかりなんですけれども、OECDは、家事支援サービスに対する政策支援の主な受益者は中所得者層から高所得者層であると指摘をしております。経済的な支援が講じられたとしても一定の自己負担は残るため、所得水準が高いほど利用しやすいともう既に指摘をされている制度なんですね。
ですから、今検討されている支援策、やはり低所得者には恩恵は期待できないと私は思いますし、生活援助サービスなどを、介護保険ですね、縮小してしまいかねないと思います。全額自己負担となる民間サービスを利用することで、あるいは政府が促進をすることで介護保険給付が縮小すれば、低所得高齢者の生活は私は破綻をするというふうに思います。
今回の家事支援サービス、家事支援の国家資格化、今の政府の検討している中身では余りにも負の影響が大き過ぎるということを言わざるを得ないと思います。立ち止まれということを最後に言って、私の質問を終わりたいと思います。
以上です。