大企業への配慮が突出 GX推進法等改定案 辰巳氏が反対 衆院本会議で可決
![]() (写真)反対討論に立つ辰巳孝太郎議員14日、衆院経産委 |
「GX(グリーントランスフォーメーション)」推進法等改定案が15日の衆院本会議で、自民、公明、立民、維新、国民民主などの各党の賛成で可決され、日本共産党とれいわ新選組などは反対しました。
日本共産党の辰巳孝太郎議員は14日の衆院経済産業委員会での討論で、欧州連合(EU)など各国では二酸化炭素(CO2)排出量規制の総量(キャップ)の定めがあるのに、同法案には定めがないと指摘。事業者の排出量上限にもさまざまな上乗せを認めており「極めて不十分な日本の削減目標でさえ達成する裏付けがない」と批判しました。
また、法案が具体化する「成長志向型カーボンプライシング構想」が原子力や石炭火力の延命を含め、大企業などに20兆円をばらまく財源づくりを目的としており、「各国の制度とは似て非なるもの」で、炭素価格が安価になり、必要な排出削減をもたらさない可能性が高いと指摘しました。
さらに、大企業・財界の要求に沿って、排出削減のため化石燃料輸入事業者に課す賦課金の減額規定を設けており、事業者負担額が経産省の裁量で決まる問題を告発しました。
辰巳氏は質疑で、「経済成長と両立する形で排出削減に向けた取り組みを進める」などと賦課金減額規定を正当化した内閣官房の畠山陽二郎GX実行推進室長に対し、「これでは大量排出は止められない。大企業への配慮ばかりが突出して気候危機対策が正面に据えられていない」と断じました。
2025年5月16日(金)付け「しんぶん赤旗」より引用
○辰巳委員 日本共産党でございます。
まず、本題に入る前に、大阪・関西万博について冒頭聞きたいと思います。皆さん、期待されておられるようなのでね。(発言する者あり)大丈夫ですか。そうですか。
まず、大臣、この間何度も、我が党の機関紙であるしんぶん赤旗が、当初は記者証が発行されないというところから、過去の様々な事例ということで、あるいは実績、それも踏まえて検討ということで、ワンデーパスが発行されるということになり、ただ、そのワンデーというのも、それはおかしいじゃないか、排除じゃないかという議論もこの間何度かさせていただいた結果、実績あるいは取材の期間等を出していただければ検討しますということを、前回の当委員会で経産省の方から答弁をいただきました。
ちょうど月曜日に、我が党の機関紙、赤旗の方からは、求められた資料は全て出したということになっております。
大臣、通期証、AD証ですね、これを発行という流れでよろしいか、確認したいと思います。
○国務大臣(武藤容治君) 今日が水曜日ですね。事務方を通じて博覧会協会に確認したところ、同協会において、しんぶん赤旗に対し通期パスを出す方向で作業を進めているとの報告を受けているところであります。
○辰巳委員 ようやくでございます。これで、心置きなく万博の表から裏まで取材ができるのかなというふうに思っておりますので、様々な問題があればきちっと報道するというのがジャーナリズムの使命だというふうに思っておりますので、引き続きこの点で奮闘をしていきたいというふうに思っております。
それと、もう一点だけ。赤旗はということですけれども、当然フリーランスも含めてきちっと、規則にのっとった形ではありますけれども、取材、通期証を含めて発行していただきたいということも申し添えておきたいというふうに思います。
さて、GX推進法について聞いていきたいと思うんですが、産業構造審議会の意見聴取規定についてまず確認をしたいと思うんですね。
大臣は、排出枠の割当てに関する実施指針を定めて、その際に、事業所管大臣、環境大臣との協議とともに、産構審の意見聴取、これが定められているわけですね。産構審、実際にはその下に置かれる分科会や小委員会などで議論することになると思うんですけれども、このメンバーの選定について確認をしたいと思うんですね。
この間、エネルギー基本計画の改定の際、審議会とかあるいは調査会、分科会、この委員の構成をめぐって、化石燃料や原子力を重視する一部の産業界、電力業界に偏った審議会ではないかなどとして、市民参加の機会がほとんどないんだと市民団体から様々な指摘がされてきました。あるいは、メンバーは原発推進派ばかりというような疑問を呈する報道もあったかと思います。
大臣、この産構審のメンバー選定において、産業界や電力業界に偏らない構成にしていくことと、市民の参加、とりわけ、やはり気候危機の問題ですから若者の参加、これも含めて進めていくという考えはあるかどうかを確認したいと思います。
○国務大臣(武藤容治君) 今おっしゃっていただいたようなエネルギーの調査会の基本政策分科会では、いろいろな御意見があったということも承知をしているところです。
その中で、今回、産構審のメンバーについてのお尋ねでございますけれども、今回の法案では、排出枠の割当ての具体的方法ですとか上下限価格、今日もいろいろ議論をいただいていますけれども、これを経済産業大臣が定める際に産業構造審議会の意見を聞くことを求めているところであります。
これらの事項を議論するに当たりましては、諸外国における制度の導入事例等を参考としつつ、脱炭素化に向けた企業の投資行動にまさに与える影響ですとか産業、国民生活への影響等、これを見極めながら検討することが必要であって、このため、委員には極めて専門的で技術的な知見が求められることとなるという中で、例えば環境経済学ですとか産業政策、金融分野における専門的な知見を持つ有識者等を選出することが極めて重要であるというふうに認識をしているところであります。
その上で、委員おっしゃられるように、これはさっきのエネルギーの分科会もそうだったんですけれども、パブリックコメントの実施による様々な意見の取り込みですとか、産構審の検討過程における様々な立場の団体へのヒアリングの実施などを行い、市民の方々とか若い世代の方はもちろんですけれども、幅広い人々の意見を参考にしながら制度の詳細を決定していくことになるんだろうというふうに思っております。
○辰巳委員 大臣、それでは不十分なんです、それでは不十分なんですよ。パブコメ、ヒアリングではなくて、産構審のメンバーに若者あるいは市民の方を入れるということを、これは気候危機の問題なんですから、やはり若者、市民団体ですよ。それは、専門的な話もする、必要ですよ。だけれども、それだけでやられるんじゃなくて、この産構審のメンバーあるいは分科会のメンバーに市民、若者世代、これをやはり検討してください。もう一度答弁をお願いします。
○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。
繰り返しにはなってしまいますけれども、やはりこの議論においては専門的、技術的な知見がどうしても必要でございます。
一方で、若い方々を含めた様々な意見、市民の方々の意見、こういったことを取り入れることもすごく大事だと思っておりまして、そういう意味で、その審議会の場にきちっとお呼びをして、それで、そこで意見交換をし、議論を重ねてきたというのが、エネルギー基本計画を作ったときのそういう経緯でございまして、その意味では、同様に、どれぐらいの頻度でやるのかとか、そういったことというのはいろいろあり得ると思いますけれども、しっかりと、若い方々を含めた広い方々の御意見を頂戴しながら検討を進めていきたい、このように考えております。
○辰巳委員 まさに語るに落ちるとはこのことで、エネルギー基本計画の中身が、これはおかしいぞ、原発推進に偏っているぞということで、市民参加をしてくれということが意見として出ているわけですよ。エネルギー基本計画のやり方と同じように、ヒアリングはします、メンバーには入れませんという話を今されたわけで、それじゃ駄目だから今のこの提案をしているわけです。
大臣、やはり政策決定の在り方、変えていきましょうよ。若者参加、これは審議会のメンバー、市民団体を含めて検討するということを答弁いただきたい。
○国務大臣(武藤容治君) 今のお話もございましたように、いわゆる専門的な知見というものが要る会合になるんだと思います。これは様々に官邸でもいろいろな有識者会議等々をやっていますけれども、ここに、今おっしゃられるように、一般の方々を広く応募しながら入れていただいて協議を進めるというのは、私は、国民の多様性というのは十分認める中で、正直言って、意思決定機関の一つとしてそれをやるのは大変厳しいものかというのが正直な気持ちであります。
今後いろいろ検討しますけれども、是非、委員のおっしゃられるような、パブコメの中でそういう広く多くの方の御意見を賜るような形で調整をしていきたいなというふうに思っています。
○辰巳委員 パブコメがどうこういうことではないですけれども、やはりメンバー、別に若者が専門的じゃないという話はちょっと違うと思うんですよ。それは、このことを専門にしている市民団体、その中で働いている若者は幾らでもいるわけですから。そういうことも含めて検討するということを少しおっしゃったので、これは是非検討をしていただきたいと思うんですね。
次に、二〇二八年度から導入することとしている化石燃料賦課金の減額規定について確認をしていきたいと思います。
まず、この化石燃料賦課金の目的を述べていただけますか。
○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。
今、化石燃料賦課金の目的とおっしゃいましたけれども、減額の目的でいらっしゃいますでしょうか。(辰巳委員「いや、そもそもの目的と、減額も言っていただいて結構です」と呼ぶ)失礼いたしました。
化石燃料賦課金は、前回、二年前、このGX推進法案で、成長志向型カーボンプライシング、十年間二十兆円の政策支援によって官民でGX投資を百五十兆円引き出すということを支援と制度面でやるということでございまして、この支援をする一方で、これはGX経済移行債という財源つきの国債を発行してその財源といたしますので、二〇五〇年までにこれを返す、そういうことにいたしました。その返すためにカーボンプライシングを徐々に入れていくということにいたしまして、その一つが化石燃料賦課金でございます。
これは、化石燃料の輸入事業者等にCO2の排出量に応じた形でかかる格好になってございまして、これを二〇二八年度から導入するということが法定をされておりまして、今回の法律案におきましては、その詳細規定を決めているところでございます。その中の一つに減額規定というものがございます。
この化石燃料賦課金の導入に当たりましては、エネルギーに係る負担に伴う我が国経済への影響、特に国際競争を行う業種が製造拠点を海外移転させるリスクを踏まえる必要がある、このように考えております。
また、代替技術がない分野に対して一律のカーボンプライシングを課しても、効果的な対策を取ることができず、技術開発への投資余力をそぐことや、仮に生産拠点を他国に移転するとなると、それはカーボンリーケージのことですけれども、そうしますと、世界全体での排出削減につながらないおそれもある、このように考えております。
類似の制度であります、先ほど言及しました石油石炭税では、こうした視点を踏まえた上で減額の措置が講じられているところでございます。
また、制度対象者の事務負担軽減ですとか、あるいは必要な事務を担う執行関係事業者の執行可能性の観点も踏まえつつ、化石燃料賦課金の減免につきましては、地球温暖化対策税の部分を含め、石油石炭税と同一の扱いを講ずべく、詳細な制度設計を更に進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○辰巳委員 今ありましたように、石油石炭税の規定とそろえるという話なんですね。この石油石炭税というのは減額、減免もあるんですが、これは対象は法律で決まっておりますが、化石燃料のこの賦課金は、本法案では具体的な定めはなくて、政令委任というふうになっておりますので、私は、やはり経産省の裁量で甘くなっていく、この懸念が拭えないと思っております。
そもそもなんですが、我が国の産業活動に与える影響というお話も少し出ましたけれども、そういうことを考慮していて、本当に、二〇三〇年までの国際公約、CO2の削減ですね、これと整合するだけの化石燃料の利用が減らせるのかということなんですよ。CO2削減のためには、私は、減免規定は要らぬのとちゃうかと思うんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(畠山陽二郎君) お答え申し上げます。
我が国は、経済成長と両立する形で排出削減に向けた取組を進めていくということにしたいと思っております。
この点、先ほど申し上げましたように、代替技術が存在しないなどの事情がある場合に、その化石燃料の利用に化石燃料賦課金の負荷を課すことはカーボンリーケージを生じさせる懸念があることから、こうした政策目的を達成できないと思っております。なお、このような配慮は諸外国でも行われているものと承知しております。
加えまして、こうした減免措置を講じたとしても、我が国における化石燃料利用に伴う二酸化炭素排出の大半は引き続き化石燃料賦課金の適用対象となることから、幅広い主体にGXに向けた行動変容を促すことができる制度である、このように考えております。
また、こうした必要な減免措置を実施し、事業者に過度に負担を課さないよう配慮することで、むしろ、脱炭素のための大胆な投資を可能とし、排出削減を進めていくことが可能だ、このように考えているところでございます。
○辰巳委員 いや、私は、結局、ありましたように、経済成長と脱炭素との両立、これがGXの基本になるわけなんですけれども、これの看板の下で、CO2の大量排出がやめられない一部の大企業への配慮ばかりが突出をして、気候危機対策が正面に据えられていかないんじゃないか、こう言わざるを得ないと思うんですね。
持続可能な脱炭素社会実現を目指す企業グループで、リコーや住友信託銀行、武田薬品、大和ハウスなど二百二十九社が参加する日本気候リーダーズ・パートナーシップは、去年七月に出した提言でこう言っているんですね。一・五度目標に整合した目標設定を求めて、定めて、官民が中長期的な見通しを共有することで、企業は確信を持って取組を進めることができるんだと。本当に、経団連に加盟しているような企業ですら、ちゃんと目標を定めてやってくれという要望をしているんですよね。それでなければ世界で日本が戦えないよ、こういう提言もあるということ。
二〇三〇年の目標達成のために、我が党は、制度設計の抜本的な見直しをここでも求めておきたいというふうに思います。
さて、先ほど来、カーボンリーケージという話がありましたので、ちょっとこの点について確認をしたいと思うんですね。
要するに、カーボンリーケージというのは、CO2をがばがば出している国に、企業が日本の国からそちらに移転をされては、結局、世界に必要なCO2の削減が全体としてはできない、こういう話なんですよね。であるならば、問われなければならないのは、アメリカからのLNGの輸入拡大だと私は思うんですね。
アメリカのトランプ政権は、今年の一月、パリ協定の離脱を表明いたしました。翌月、二月に行われた日米首脳会談で、石破首相はこのことに対して何らの批判も行いませんでした。反対に、共同声明で、米国の低廉で信頼できるエネルギー及び天然資源を解き放ち、双方に利のある形で、アメリカから日本への液化天然ガス輸出を増加することにより、エネルギー安全保障を強化すると、アメリカからLNGを新たに購入する約束を行いました。
大臣、パリ協定離脱という形で気候危機打開の国際的取組に背を向けたトランプ大統領に、LNG購入という形であからさまに協力する姿勢は、国際社会の厳しい批判を免れないと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(武藤容治君) 共同声明には、両国それぞれが認められた場合というのがたしかあった、LNGの関係だったと思いますけれども。
今委員の御指摘の、このGXを推進する中で、LNGというのは、安定供給を確保しつつ、現実的なトランジションを進めることが極めて重要だというのが私どもの認識であります。LNGは、化石燃料の中で温室効果ガスの排出が最も少なく、再エネの調整電源の中心的な役割を果たしながら、カーボンニュートラル実現後も重要なエネルギー源と認識をしているところです。
米国における環境関連の許認可等を適切に取得し、生産されたLNGを活用してトランジションを図っていくことは、日本の二〇五〇年カーボンニュートラル実現の道筋ですとかパリ協定の考え方を踏まえたものであって、国際的な理解を得られないとは考えていないところであります。
○辰巳委員 ちょっとよく分からない答弁なんですけれどもね。LNGの多角化という話もちょっと出ましたけれども、それは多角化するんだと。今、日本のLNGの輸入元の第一はオーストラリア、豪州であります。
経産省、ちょっと確認しますけれども、このオーストラリアと米国では、排出量取引を含めた環境規制はどちらが厳しいんですか。
○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。
まず、LNGに関連する環境規制でございますけれども、一概にその規制の強度を比較することは困難であり、各国政府や各地方政府がそれぞれの国や地域の環境特性を踏まえて、必要な規制を行っていると認識をしてございます。
その上で、アメリカにおけるLNG生産設備の開発につきましては、これは、まず、連邦政府が定める国家環境政策法それから天然ガス法に基づきまして、エネルギー規制委員会から、建設、操業が周辺環境に与える影響や影響緩和可能な措置等について評価を受けまして、環境許認可を取得する必要があり、適切な環境審査の下で生産が行われていると認識をしてございます。
一方、豪州でございますけれども、連邦政府及び州政府がそれぞれ定める環境規制がございます。それらに基づきまして、温室効果ガスの排出、それから生態系、先住民の海洋資産への影響等の観点で審査を受けた上で、環境許認可を取得する必要があると認識をしてございます。また、改正セーフガードメカニズム法がございまして、ガス田やLNG生産設備からの温室効果ガスの排出量の上限が厳しく設定をされまして、その上限も年次で低減するという排出量の規制制度が導入されていると承知をしてございます。
○辰巳委員 はっきり、どちらが厳しいのかという答弁はなかったわけですけれどもね。そやけど、パリ協定を離脱したアメリカと今申し上げたような豪州、経産省は、豪州からLNGを一番輸入しているわけで、その下で、様々な政権が交代する中で、厳しくなっている、厳しくなっているということはもうずっと言うてはるわけですから、これはもうはっきりしていると思うんですよ。
オーストラリアは、排出量取引制度も二〇二三年に改正されておりまして、CO2の排出上限、今少し紹介がありましたけれども、キャップも設定をされておるわけですね。どっちが厳しいのかというたら、それはオーストラリアに決まっているわけですよ。誰が考えてもそうなんですね。
国内の法整備の下でちゃんとやりますというのは、それは当たり前の話であって、今、石破政権が約束しているのは、このアメリカからようさんLNGを購入しようじゃないかということだと思うんですよね。
これは、やはり輸出拡大、トランプ関税が話題になって以降、結局、米側が求める日本の貿易黒字削減に向けてどのような具体策を打ち出すかが焦点なんだ、対米黒字の圧縮に直結するLNGの輸出拡大は日本にとって有効な交渉カードになり得るんだ、こういう報道もあるわけですよね。
大臣、これは、やはり産業界からのコスト面の懸念、アメリカからのLNG、アラスカですよね、いろいろ産業界からも、これはコストが高くなるんちゃうかという懸念も出されております。もちろんCO2の削減にも逆行しかねない、米国からのLNGの輸入拡大を関税交渉のカードにするのはやめるべきやと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(武藤容治君) 米国LNGに対して今お話がございましたけれども、その具体的な検討内容とか、米国とこれから、どのような議論を行っているのかについては、今日もどなたかの委員の御質問に答えましたけれども、やはり外交上のやり取りですので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。引き続いて、あらゆる選択肢の中で、何が日本の国益に資するのか、何が最も効果的なのかを考えながら取り組んでいくんだろうと思っております。
米国のLNG、これも、今おっしゃっていただいたように、アラスカだけじゃなくて、今、南側、いわゆるメキシコ湾と、旧姓、言っています、トランプ大統領はアメリカ湾と言い出していますけれども、そういう形の中で今、現在も開発が進んでいるものもありますし、日本のトランジションの中で、大変、このLNGの調整というものも考えながら、考慮していかなきゃいけないところかなというふうに思います。
○辰巳委員 世界的なCO2削減に逆行するということは申し上げておきたいというふうに思います。
もう一点、LNGの調達に関わって確認をしたいと思います。
今日資料につけました、経産省が人材確保、学生向け採用のために作成をしたユーチューブ動画が本年三月六日に公開されました。
これは私、見たんですけれども、十分ぐらいのドラマ仕立てのものなんですが、これは、LNGの調達をテーマに、法案を次期通常国会へと言いながら、経産省職員が法案を練り上げていくというドラマなんですね。そうすると、上司から、この法案は機構がやるべき範囲を超えている、民間のやることやと異論が出されてしまって、頓挫をしてしまうんですね、一旦は。しかし、その後、先輩から、改正する法律を変えたらどうか、経済安保の文脈で再チャレンジしたらどうかなどとアドバイスをもらって、法案提出することができたというストーリーなんですね。これが今資料につけていますけれども。
確認しますけれども、この再現ドラマの内容、省内のやり取り、これは事実に基づいたものなのか、まずこれだけ確認します。
○政府参考人(片岡宏一郎君) お答え申し上げます。
まず、実際の政策を立案、実施していく過程におきましては、当省の中のみならず、国会議員の皆様方、様々な利害関係者の方々との議論、調整を重ねて進めていくものであることを認識してございます。
その上で、議員御指摘の採用広報動画、これにつきましては、実際に取り組んだ当省職員へのインタビューなどに基づきまして、経済産業省の仕事の内容あるいは組織文化、これを分かりやすく経産省を目指す方々に御理解いただくために発信したものでございます。
○辰巳委員 大体事実なんですよね。
実際、二〇二二年の通常国会で提出、成立した経済安保推進法の附則でJOGMEC法の改正も盛り込まれて、再現ドラマで取り上げられている制度、戦略的余剰LNG、これが創設をされているんですよ。
大臣、経済安保というものそのものの是非は取りあえずおいておいたとしてもですよ、経済安保という看板につけ替えたら、中身は一緒でも法案は通りますと。これはやはり、こういうものを学生向けの、新卒の採用のPR動画にする、私はちょっと軽過ぎるんちゃうかと思うんですよね。このドラマの中には、国会の話、一切出てきませんから、国会議員、一切出てきませんからね。経産省の中で看板をつけ替えたら法案が通りましたみたいな話になっているんですよ。
ちょっとこれは新卒向けのPR動画としてはいかがなものかと思うんですけれども、どうですか。
○国務大臣(武藤容治君) 委員からいろいろ御指摘いただきまして、ありがとうございます。
ちらっと私も昨日見させていただきました。ちらっと見させていただきました。
これは採用のいわゆるPR動画ということで、ううんというところもありますけれども、当省の業務内容また組織文化を……(辰巳委員「文化ですか」と呼ぶ)ええ、分かりやすくお伝えするべく制作したものだと思っています。
近年、経済安全保障分野、その重要性というのは確かに高まりが大変高うございまして、その業務実態を分かりやすく紹介しているところであります。
不適切な内容とは、正直、昨日の段階では私は思っておりません。
○辰巳委員 ちょっと文化というふうに聞いて、そうかと思ってしまいましたけれども、質問を終わりたいと思います。
以上です。