日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

医療保険の趣旨崩れる/健康保険法改定案 辰巳議員に参考人/衆院厚労委

2026年04月22日

衆院厚生労働委員会は21日、医師が処方する医療用医薬品のうち市販薬と同等の効能を持つ「OTC類似薬」の患者負担を一部保険外しとする健康保険法改定案について参考人質疑を行いました。

 

全国保険医団体連合会の中村洋一理事・政策部部長は意見陳述で、改定案63条2項の文言により、保険給付外しの範囲をOTC類似薬などの薬剤費にとどまらず、診察、検査、処置といったあらゆる医療行為まで広げることができると指摘しました。

 

政府の判断で疾患を保険から外すことができるようになり、「一般的な採血、水分点滴や皮下注射、簡易な外科処置などさまざまな医療が重度な疾患治療ではないとして給付が制限されていく」と警告。さらに、保険外しの対象拡大は、国会審議を経ない大臣の決定による省令で実施できると批判しました。「公的医療保険制度の運用を根底から覆す制度改変だ」と強調し、法案から削除するよう求めました。

 

日本共産党の辰巳孝太郎議員は、保険適用除外を薬剤以外にさらに広げることによる患者と医師への影響を質問しました。中村氏は「同じ病気であってもお金を持っている人と持っていない人で治療の差が出てくる」とし「公正で公平な医療を提供するという医療保険の趣旨が崩れてしまう」と批判。臨床現場では、経営の厳しい医療機関の医師が稼ごうとして「インチキな治療がはやってしまうことが想定される」と危惧しました。

 

しんぶん赤旗2026年4月22日

 

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○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
五人の参考人の皆さん、貴重な御意見、本当にありがとうございました。
まず最初に、中村参考人にお聞きをしたいというふうに思います。
私も、先日の当委員会で、今回の法案の中でOTC類似薬の一部保険適用除外ということがやられようとしているんですけれども、ただ、この健康保険法改正の中で、条文を読めば、法文を読めば、一部保険適用除外というのは薬以外も対象にすることができるんだと。政策的にはやらない、今はやりませんよ、現行は考えていませんよと言うんですけれども、法文上はできるようになる。つまり、診療とか診断とか処置とか手術とか在宅、入院、健康保険法第六十三条第一項で定められている、療養の給付で掲げる範囲も給付制限することができるんだ、このことを明らかにしました。
OTC類似薬の保険適用除外、今回、一部、多大な影響が出るということなんですが、もし今のような、それ以外にも広げる、保険適用除外というのを更に広げていくということで、混合診療という話もありますけれども、もちろん患者としては負担が増えるんですけれども、臨床の医療の現場として、どんどんどんどん保険適用除外になっていくことでどのような臨床の現場での影響が出てくると想定されるのかということを是非教えていただけたらというふうに思います。
○中村参考人 御質問ありがとうございます。
まず、自己負担が増えるというのは、それは大問題でして、同じ状態であっても治療の差が出てくるということになって、やはり、お金を持っている方は自費部分として出せるけれども、持っていない方は治療を受けられない、そういう国民の間に分断を引き起こすということになって、医療保険が担っている公正で公平な医療を提供するというその趣旨からしてもう崩れてしまうのではないかというふうに思っております。
また、我々医療者側は、今診療報酬が低いので、ある程度自費もあっていいんじゃないかという議論をする人もいます。しかし、歯科医師の現状を見てもらえば分かりますけれども、歯科医師は、義歯とかいろいろなことが自費になってしまいました。そのために、彼らの収入は一定の制限がかかってしまって、現在の個人の歯科医療機関の平均での収入は、中央値で一千万を割っております、年間ですよ。歯医者さんは決してお金持ちじゃないんですよ、インプラントをやっている人はお金持ちですけれども。
つまり、そういう、非常に経営が厳しくなってしまうということになってしまいますので、そうすると、医者の方も欲が出てきて、これを稼ぐためにはこうやってやろうというふうな、いかがわしい、インチキな治療もはやってきてしまうということが想定されます。
ですから、やはり皆保険制度を守って、きちっと医療は提供するという体制を保ってほしいと思っています。
○辰巳委員 よく分かりました。
患者側にとっても、医療機関側にとっても、臨床の現場でも、いいことが起こることはないということだったというふうに思います。
続けて中村参考人にお聞きしたいんですけれども、今日の資料の中で、三ページ、四ページ目ですかね、乱用市販薬ということでお示しをいただいているんですけれども、私、このグラフといいますか、見て、本当に驚きました。乱用市販薬、要するに、市販薬ですから、買えるお薬ということですよね。とりわけ若年層、十代にこういった乱用が広がっているということが示されていると思うんですけれども、このオーバードーズ問題がなぜ起こっているのかということですね。
市販薬の取扱いについて問題があるということなのか、あるいは、その解決のためには、オーバードーズ問題、乱用問題をどうすればいいのかということを、御意見を聞かせていただければと思います。
○中村参考人 スライドの三番にありますように、乱用市販薬人気ランキングというのがあります。この中にコデイン類というのが入っております。せき止めです。これを買う彼女、彼らは、コデインが覚醒剤のような雰囲気になるということをよく知っているんです。そのことは多分、高校の中で共有されちゃうんでしょうね。具体的な医薬品名でいえば、パブロンゴールドです。皆さんも風邪薬として飲むかもしれませんが、それを薬局に行って買う。小児科から情報をちゃんと得ておりますけれども、買う際に、お母さんに買ってきてと言われたからと買うんですね。じゃ、そうすると、薬局にいる薬剤師さんはそれをうのみにして売る。また別の薬局に行って、また買うということになって。
実は、この問題、次の四ページのところに十代の薬物乱用、依存患者数のグラフがあります。二〇一六年から右肩上がり、ウナギ登りです。現在、数字でいうと、百三十のラインに到達していますね。これが依存して、自殺に進んでしまったり、重度の依存症なんですが。
この二〇一六年の前に、二〇一五年、薬局における薬剤師の管理が緩和されたんです。したがって、緩和されたために買いやすくなっちゃったんですね。買いやすくなったということが二度あったんです、二〇一八年にもあったんです。したがって、そういう買いやすくなった状況がこのような社会現象を起こしていて、これが更に増えていくだろうというふうに思います。
十代の若者は昔から日本では自殺率が高いんですけれども、そこら辺は、家庭環境の問題、社会環境の問題、教育の問題、いろいろあると思いますけれども、やはりそこに手を出しやすくなったという状況が一つの要因だろうというふうに思います。
右のグラフを見ていただきますと、七〇%が市販薬によるオーバードーズです。ここを何とかしていかないと、我々の未来はなくなってしまうんじゃないかというふうに思います。
○辰巳委員 よく分かりました。
いわゆる規制緩和の流れの中で、こういうことが起こってしまう背景にあるんじゃないかということだというふうに思います。ありがとうございました。
続きまして、日本難病・疾病団体協議会、大黒宏司参考人からお話をお伺いしたいというふうに思っております。
先ほどのやり取りの中で、八回における専門委員会の中で議論をしてきたんだけれども、九回目に示された、結論的にはこれは提示されたという認識で、共同声明でもその旨声明を出したという話がありました。
私、昨年の衆議院での議論も思い出すんですけれども、それこそ当事者の皆さんが国会に来ていただいて、衆議院あるいは参議院で当事者の皆さんの声を聞かせていただき、そして衆議院でも修正、参議院でも修正ということで、昨年はこの高額療養費の見直しというのは凍結ということになったわけなんですよね。
今日も冒頭でお話があったと思うんですけれども、やはり改めて、今回の見直しによってどういうことが起こってしまうのか、いわゆる難病の当事者の皆さんがどういう思いを持っておられるのか、抱いておられるのか、懸念をされているのかということをいま一度示していただければと思います。
○大黒参考人 ありがとうございます。
今回、高額療養費の上限ということが引上げという御案内があったんですけれども、これが常態化する可能性があるという部分も含めて、今後のことも考えると、これが今回の第一段階だけでは終わらないで第二段階もあります、その後どうなるのかという状況の中で、じゃ、どういうふうに推移していくのかということも考えると、やはり不安が募るわけです。私たちの費用というのがどこまで上がってしまうのかということも含めて。
そうなりますと、実際、生活のプランが成り立たないという状況になります。本当に破滅的なという状態の医療支出という部分も出てきています。今現在でも出てきているという状況ですので、これが更に増えると、その一定割合で増えていくという状況ですので、それがどんどん広がっていくというのが、さらに、私たち患者団体が入った会合だから許されるんだというような話になってしまうと、これまた私たちも、実際は、こういう会議であれば参加できないという状態に陥ってしまいます。
ですから、やはり私たちの意見をきっちりと聞いてもらうという状況、本当にきっちりと聞くんだという。私たち、最初も言ったんですけれども、患者の納得という中で決めていただきたいというところがあります。今の現状では、納得というまではいかないという状況で共同声明を出したという状況になります。
○辰巳委員 ありがとうございました。
まさに、患者団体が専門委員会の中に入っているんだからというようなことを何か免罪符のようにして認められたというような様々なやり取り、答弁がこの国会でもありましたので、それは違うよというお話だったと思います。本当にそうだというふうに思います。
示していただいた資料の中で、医療費全体に占める高額療養費の割合というのは六・八%にすぎないという話もありました。占める割合を見てみますと、鈍化しているんですよね。ですから、今回の高額療養費の見直しということで何か医療費全体でどうなるという話でもないわけですし、当然、おっしゃっていただいたように、一回の療養をためらうことが命に直結するようなこともあり得るわけですから、これはやはり、私たちとしても、議員立法を今回提出しておりますので、負担の軽減に資するようにやっていきたいというふうに思います。
最後に、林参考人にお聞きをしたいというふうに思います。協会けんぽの国庫補助についてです。
今回、特例で、三年にわたって減額されるという話でございます。ただ、三年で終わるのかということについては、大臣折衝で、措置終了後、医療保険料率を含めた保険財政運営の在り方については、令和十年度までの間において、国庫補助率の見直しと併せ、持続的な保険財政運営の観点から必要な検討を行いということで、三年が終わった後もどうするかという話が出てきかねないと思っています。
中小企業の方々、労働者が加入する協会けんぽにおいて、改めて、国庫補助が財政安定化に寄与しているんだという話をお話しいただけたらというふうに思います。
○林参考人 お尋ねありがとうございます。
ほかの保険者さんと比べるのが適切かどうか分かりませんけれども、今、協会けんぽは大変準備金がたくさんあるんじゃないかというような御指摘をいただいているということを聞いておりますけれども、一人当たりに直せば、協会けんぽは十二万円、健保組合は二十三万円、共済組合でいけば十二万六千円ということで、そう変わらぬわけです。
今、たまたま、たまたまというか、毎年黒字で準備金が積み立っていますけれども、それは、国会議員の皆様方に一六・四%ということで決めていただいてから徐々に増えてきた、ようやく財政としては健全になったということで、それまでは毎年赤字、赤字、赤字ということで、大変な経営努力を、当該協会けんぽを含め、してきたわけでございまして、そのことは、すなわち受益者たる構成員の中小企業さんもそうですし、そこで働いている者たちも非常に不安に思う、負担が増していくのでは、現実に負担も増してきたわけですから。
そうしたことを考えますと、最低限、今の保険料率を保つためには、一六・四%をこれは何が何でも維持していただきたいというのが私どものお願いでございます。
以上です。
○辰巳委員 ありがとうございました。
国庫補助を下げる、引き上げるということになれば、今政府自身が掲げている社会保険料の軽減とか、そういうことにも反するんじゃないかというふうに思いますので、これは絶対に下げたらあかんという立場で論戦もしていきたいというふうに思います。
済みません、お二人の参考人にはちょっと時間の関係でお聞きすることができませんでした。貴重な御意見、ありがとうございました。
以上です。