日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

介護保険法違反の疑念/衆院厚労委/改定案に参考人 辰巳氏が質問

2026年05月20日

衆院厚生労働委員会は20日、社会福祉法・介護保険法等の改定案について参考人質疑を行いました。

 

意見陳述でNPO法人暮らしネット・えんの小島美里代表理事は、改定案が中山間地や人口減少地域を対象に「特定地域サービス」を設け、同地域の介護施設の人員配置基準の緩和を盛りこんだことについて「労働環境が悪化し、休みも取れない状況が起きることが明白だ」と指摘しました。

 

「特定地域サービス」でもサービス提供が困難な地域は、要介護1~5の在宅介護サービスを「保険給付」から外して、自治体が地域支援事業として在宅介護サービスを実施する仕組みも創設します。小島氏は「暮らす地域によって、受けるサービスが違ってくるのは、全国標準の保険としてはあってはならない」と強調し、改定案は「要介護状態または要支援状態に関し、必要な保険給付を行う」とする介護保険法2条に違反する疑念があると厳しく批判しました。

 

 

日本共産党の辰巳孝太郎議員は、今回の改定案には盛りこまれなかったが、政府は介護保険の利用者2割負担の対象拡大を2026年度までに結論を得るとしていると指摘し、2割負担の対象拡大がもたらす影響を質問。小島氏は、物価高騰や年金が上がらない中、「利用控えが起きる」と警鐘を鳴らしました。

 

辰巳氏は、改定案の「頼れる身寄りがいない高齢者等への相談支援機能等の強化」について、必要な支援に結びつくのは大事だとしつつ、担い手にかかる負担を質問。大阪府豊中市社会福祉協議会の勝部麗子参与は、「地域包括支援センター」は今でも業務の負担が重いとし「報酬が少ないのが問題だ。包括支援センターを撤退する社協が増えている」と述べ、報酬引き上げを求めました。

しんぶん赤旗 2026年5月20日

 

議事録を読む

○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今日は、五人の参考人の皆さん、本当に貴重な御意見、陳述、本当にありがとうございました。
今日の参考人の皆さんのお話を聞いていて、それぞれの皆さんの介護あるいは事業に対する情熱がいかほどかということを思い知らされましたし、それに対して、やはり、今回のこの社会福祉法改定案ですけれども、何本もの法案を束ねて審議しているわけなんですよ。それこそ、本来は一本一本単体で審議しなければならないものを、先週審議入りして、今日皆さんにお話を聞いて、金曜日、あさって質疑終局という形になろうかと思うんですけれども、これはそれでいいのかということを本当に改めて思いましたし、重要広範議案でもないんですよ、この法案が。ちょっとあり得ないなというふうに改めて思いました。
先ほど参考人の方から、効率化、効率化を求められるという話があって、本当に現場は苦労されていると。効率化というのは、需要と供給双方がニーズが満たされてウィン・ウィンの関係、それが本当の効率化ができているという話なんだということは、本当にそのとおりだなと思いましたけれども、じゃ、今、介護現場で起こっている効率化という名の下にやられているものというのは、利用者もサービスが削られるわけですよね。そして、事業者も大変な苦労をされている。全然、ウィン・ウィンでも何でもない。結局、効率化という名の下にやられているのは、やはり介護に対する国の支出の削減なのではないかということ、私自身はそう思いました。
この間議論していた全ての前提になる議論は、要するに、高齢者はいろいろ国からの支出が多いので、それを、割を食うている現役世代に回さなきゃならないという話なんです。しかし、先ほど松原参考人からも少し、日本の社会保障の給付の負担というのは、OECDの平均と比べてもまだ低いんだと。
私、先日やったんですけれども、実は、厚生労働省の役人自身が、二〇四〇年の高齢化の一番ピークのときであっても、OECDと比較して、GDP比でいうと日本の社会保障給付というのは数%しか上がらないんです、そんな、何かやいやい言う話ではないですよという話を、厚労省の役人が、事務方が現役のときに言っているわけなんですね。
じゃ、フランス並みに、フランスはもう三〇%を超えていますけれども、仮に日本がフランス並みに三〇%をやれば、どれぐらいの社会保障給付が増やせるのかと厚労省に聞いたら、厚労省は、今より四十三兆円増やせますと言ったんですよ。四十三兆円全てが介護ということにはなりませんけれども、こういう分野にもっときちっと手当てすれば、様々な問題、もちろん賃金の問題を含めて、できるんじゃないかということを改めて思いました。
そこで、今日は、小島参考人にまずお聞きをしたいと思うんです。
今回の法案には盛り込まれなかったんですが、政令で見直すことができるものの一つなんですが、いわゆる介護の利用者の負担。今は一割の方がいて、二割、三割の方もいますけれども、これの二割の負担拡大、基本、二割負担にしていきましょうみたいな、そういう議論が、二〇二七年度の第十期の介護保険事業計画までに結論を得る、つまり、今年度話し合って来年度という話になろうとしているわけなんですけれども、仮にそれが実施された場合の影響、これについてお話しいただけたらと思います。
○小島参考人 ありがとうございます。
私どもの自治体は、余りお金持ちのいない自治体なんです。非常にありふれた、港区だったり、そういうところとは違いまして。
ケアプランを作るときに、介護保険のサービスに使えるお金はこれぐらいというふうに、利用者さんあるいは家族さんからおっしゃられるわけです。それが、もう今作るケアプランに合わないんですね。少ないんです。もっと本当はきちんとしたプランを作りたいのに、医療系は高いから切るんだというふうなプランになってしまう。そういう方々が多い中で、例えば、二割負担標準化ではなくても、出ている二百三十万円というふうなところで区切られたとしたら、これは完全に控えますね、利用控えが起きます。
かつて、二割負担化になったときとは状況が違ってきています。あのときには、それほどの利用控えがなかったということになっておりますけれども、私どものところでも控えた方はいらっしゃいますけれども、そういうことになっておりますけれども、今回の、今の異常な物価高騰、そして年金は上がらないという状況の中で、介護保険の利用料が上がれば、それはそこを渋るということになるのは当然だと思います。
大体、私は専門家ではないから教えていただきたいんですけれども、社会保険料というのは、介護保険で所得に応じたはずの保険料を払っていますよね。ここも逆進性が高いと言われているんですけれども、それと同時にまた、ある程度お金があると利用料も倍にするというふうなことが社会保険の考え方として正しいのかどうか、知りたいなというふうに思っています。
ただし、港区の例を見ますとすごい数字が出てきていまして、例えば、百五十万から二百五十万の所得の方は、介護保険料、年間九万二千百六十円。一億円というのは多分日本中で港区だけではないかと思うんですけれども、一億円以上という区切りがございまして、四十七万二千三百二十円だそうです。
でも、考えてください。四十倍の所得差があっても何倍ですかというふうな、これをそのままにしてしまったら、そのままスライドしたら社会保険の意味がなくなるのも分かりますけれども、二百五十万、二百三十万の方たちが、苦しい思いをして介護保険料を払った挙げ句に、また利用料も上げるのかいというところは、本当にやめてほしいなというふうに思っています。
是非、やはり、標準一割負担化というところでお願いをしたいと思います。ほかのところで、私は、きちんと、例えば保険料のところで、先ほど申し上げたところを是正していくというふうなところを考えていったらいかがかなというふうには思っております。
足りませんが。よろしくお願いいたします。
○辰巳委員 ありがとうございます。
続けて小島参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほど、介護保険第二条違反ではないかという話、介護サービスの切捨てといいますか、そういう話がありました。今回の改正でも、中山間地、人口減少地域で、地域支援事業の中に、日常生活総合支援事業、類似の事業を設けて、要介護一から五までの全ての要介護者の保険給付を事業に移行することを可能にする枠組みを設けたわけですね。これは、ただ、特定の地域であると。
同時に、全ての地域で要介護一、二までの総合事業化、これは政府はまだ諦めていないと思うんですよ。しかし、これがもし実施されたらどないなるのかと。今、現状起こっている実態の紹介と、小島参考人からの懸念を教えていただければと思います。
○小島参考人 ありがとうございます。
要介護一、二までの総合事業化というのはずっと出され続けて、何とか、これはやはり、自治体等からも無理ですという声が非常に部会なんかでも大きいというふうに伺っておりますけれども、本当に無理なんです。
私たちも、従前相当というところの要支援の方たちを受けていますけれども、それより安いところで受けてしまったら、給料をまともに払えないというか、最低賃金をクリアできないような事態になるんですね。それを拡大するのかい、それを公的な制度の中でやっていいのかい。
今だって介護保険は、下手すると、サービスによっては最低賃金ぎりぎりぐらいの話のところはよく聞きますので、そういうことをまたぞろやってくださるのかということと、引き受けてくださる団体がなかったから、要支援一、二までうまくいっていない。
私どもはボランティアから始めました。七十歳を超えました。あの頃はいい時代だったなと、今になれば思います。今、ボランティアでこうしたことを引き受けられる方たちはいないです。七十代の方たちがボランティアですね。この方たちも、介護職員と一緒で、いずれ消えていくというかな、だんだん自分たちが利用者になっていくというふうなところになります。
これをもし進めるとすれば、制度によるネグレクトが起きると思います。やる人がいないんです。今だって、もう既に、先ほど申し上げたようにお断りするようなケースがいっぱいあって、うちが断ったって、よそは受けてくれないんですね。
既に総合事業の方で、私はこういう話を地域の方から聞いてとても胸が痛かったんですが、九十歳を超える方が、大腿骨の骨折をされて入院しました。その後、リハビリをしました。三か月を過ぎて、家に帰りました。ヘルパーさんに少し来てもらえば、重い物を買ってきてもらえる、ちょっとは片づけてもらえる、申請をしました。要支援の人のところに行くヘルパーがいませんと言われたと。多分、いませんと言った事業所の一つにうちも入っている。そういうことです。
既にもうないんです。そういうところが全国的に、ちゃんとデータを取っていないから、ないがしろにされていますけれども、起きているんです。要支援一、二、結構きついんです、今。かつてだったら確実に要介護一になっていた人たちが、要支援一、二になっています。認知症の方もいます。
今回、要介護一、二になって、これは認知症の問題で、私、先ほど申し上げましたけれども、専門性を全く身につけないヘルパーだけではなくて、事業所そのものも専門性がないんです。
私たちの事業所は、介護福祉士を取っていて、何年以上の経験を積んでという基準があって、管理者になったり、サ責になったりできますが、そういう規定はなくなるんですね。そうすると、事業所の中に、認知症のことについて詳しく知っていて、これはちょっとこのケアじゃまずいよねと言える人がいない、そういうことが起きる、それでよろしいんでしょうか。それは先ほど申し上げたように、認知症基本条例をせっかく作ったのに意味ないじゃないというふうに思っております。
是非よろしくお願いいたします。
○辰巳委員 いや、本当に、現場で起こっている深刻な問題を、国や政府がきちんと、それをどう解決するのかということを示さないと本当に駄目だなということを改めて思いました。ありがとうございます。
次に、勝部参考人にお聞きしたいと思います。
重層的、包括的支援事業の担い手となっている地域包括支援センターの負担がとにかく重くなっているというふうに思うんですね。その辺りの実態をお聞きしたいと思うんです。
本改正案で、頼れる身寄りがない方への相談支援業務の強化のために、障害者相談支援事業などが新たな担い手として明確化されました。どこに行っても必要な支援に結びつくというのは非常に大事なことだと私も思います。
一方で、その担い手には重い負担をかけている、今も重い負担になっているんですけれども、更に負担になるのではないかという実態があるんじゃないかと私は思います。ですから、これをやったとして、要するにそれに見合う国からの支援がないのではないかとも私は思いますので、是非その辺りの実態を聞かせていただければと思います。
○勝部参考人 地域包括支援センターの業務は、本当に、啓発からケアプランを作るもの、それから、今は、こんな時期になると、エアコンをつけたら暖房をつけていて、部屋の中がすごく暑くなっていて熱中症で倒れるとか、テレビのリモコンがBSになっていてテレビがつかないみたいなことで大騒ぎになって電話がかかってくるというような、いわゆる身寄りのない、支える人が身近にいないことで、全てを包括支援センターや相談支援事業所がやっている。まだケアマネさんがいるところはケアマネさんになるんですけれども、予防のところはみんな包括にという話になりますので、非常に大変な業務になっています。そこに、今度は身寄りの窓口もやるという話が出てきていますので、過重負担がまた更になんですが。
包括支援センターの問題は、包括支援センターは、プランを作る、そして、自分たちの関連事業所の中に、特養だったり、箱物の持っていらっしゃる事業所があるならば、そこのちょっと営業的な役割も担えるというふうなことを前提につくっているのではないかなというぐらい、報酬が少ないです。
全国の社協の中でも、包括支援センターを撤退しているところがどんどん増えています。こんなことで本当にいいのかというのは、私たち現場でも非常につらい思いをしておりますので、包括支援センターの報酬改定も大きく考えていただきたいというのは切に思います。
○辰巳委員 全ての参考人の皆さん、今日は本当に貴重な御意見、ありがとうございました。
以上です。