日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

カジノ 無法な大阪構想 売り上げ年3800億円 膨大なカネ巻き上げ

2019年03月05日

参院予算委 辰巳議員が追及

「カジノは一晩で全財産を失う恐ろしい賭博行為だ」―5日の参院予算委員会で日本共産党の辰巳孝太郎議員は、安倍晋三首相が固執するカジノ開設の中止を強く求めました。


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(写真)質問する辰巳議員=5日、参院予算委

客の75%日本人 万博と一体

安倍内閣は国民の不安や反対の声にこたえず、日本のカジノの具体的姿を提示しないまま、既成事実を重ねています。

辰巳氏は、日本のカジノがどんなものになるのか、カジノ誘致で先走っている大阪府・市が2月に策定した「基本構想(案)」で示しました。

政府は「単なるカジノ解禁ではなくIR(統合型リゾート)だ」と主張しています。

辰巳氏は、大阪府・市「構想」で、IR全体の年間売り上げ4800億円のうちカジノの売り上げが3800億円を占める(パネル1)としていることをあげ「8割がカジノだ。会議場だ、ショッピングだというが、それらはカジノに誘い込むための付属施設にすぎない」と追及しました。

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(写真)「大阪IR基本構想(案)」から辰巳事務所作成

カジノの「売り上げ」は、カジノが賭博のテラ銭(賭けられた金額からカジノが払い戻した金額を引いたもの)として、客から巻き上げた金です。辰巳氏はパチンコ店の粗利(あらり)との比較で示しました。

大阪府内に805店あるパチンコ店の粗利2150億円の1・7倍、近畿2府4県1716店舗全体の4500億円との比較でも85%にあたる巨額のテラ銭をたった一つのカジノで稼ぐというのが大阪府・市の計画です。

辰巳氏は「これだけの金を奪うカジノを日本国内に三つもつくる。しかも事業者として想定されているのは外資企業だ」と首相の認識をただしました。

安倍首相は「カジノは収益面でも原動力となる」と認めました。

辰巳氏は、政府が「日本のIRの手本」とするシンガポールのカジノを調査してきたことを紹介。

シンガポールでは自国民のカジノ入場を厳しく規制し、さまざまな個人情報が分かるIDカードで入場管理をし、独立した行政組織である国家賭博問題対策協議会が国民の入場を制限、禁止する権限をもっています。

日本では日本人の入場管理にマイナンバーカードを使うとしていますが、シンガポールのIDカードのような個人情報の把握はできません。実際の入場規制もカジノ事業者まかせです。

シンガポールではカジノ客の大半は外国人客なのに、大阪府・市の「構想」ではカジノ客の75%を日本人と想定しています。

辰巳氏は「これでどうして世界最高水準のカジノ規制ができるのか」と追及。安倍首相は「包括的な依存症対策をすすめている」と答えました。

辰巳氏は「最大のギャンブル依存症対策はカジノ解禁を撤回することだ」と強調しました。

辰巳氏は2025年の開催が決まった大阪万博の会場が同市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で、大阪府・市のカジノ予定地の隣であることをあげ、「万博とカジノは一体だ」と批判。世耕弘成国際博覧会担当相は「まったく一体ではない」と答えました。

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(写真)出典:ラスベガス・サンズホームページ

辰巳氏は、大阪進出に意欲的な米国のカジノ事業者ラスベガス・サンズが万博開催決定で出した声明(パネル2)を示し、万博に必要なインフラ整備をカジノ事業者が行うなど「カジノのための万博になっている」と批判。日本国内にカジノを開設することの無法と危険性を指摘して、中止を強く求めました。

 

2019年3月6日赤旗より転載

 

議事録を読む
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
昨年七月、豪雨で西日本が大きな被害が出る中で、カジノ実施法が強行的に可決をされました。刑法で禁じられた民間賭博であるカジノを日本で初めて解禁するものであります。
しかし、昨年七月二十四日の産経新聞の世論調査では、IRに期待しないが六二%、読売新聞が昨年大阪で行った世論調査でも、IR賛成は三二%に対して反対は五五%、国民の多数は反対であります。
総理、なぜこれだけの国民がカジノに反対していると思いますか。
○国務大臣(石井啓一君) 政府といたしましては、議員立法で成立をいたしましたIR推進法においてカジノを含むIRの整備推進が国の責務とされたことから、同法に基づいて具体的な制度設計の検討を進め、国会における御審議を経てIR整備法が成立をしたところであります。
IRにつきましては、カジノに関して様々な弊害を心配する声があることは承知をしております。
この要因といたしましては、国民の皆様の声に対して、依存防止対策、犯罪・治安維持対策、青少年の健全育成対策を重層的かつ多段階的に講じたクリーンなカジノであることや、日本型IRの実現が観光や地域振興、雇用創出など日本の成長戦略に資する大きな効果を生むものであることについて、まさにこれからIRの整備が行われることから、現時点において実感を持ってイメージしにくいこと等が考えられます。
政府といたしましては、IR整備法の策定に当たりまして、その制度の大枠についてパブリックコメントや説明会を実施をしまして、国民の意見を丁寧に伺う機会を設けてきたところですが、引き続き、依存防止、犯罪、治安維持や青少年の健全育成のために講じられている対策の内容や、日本の成長戦略に資する経済効果が期待されることも含め、国民に日本型IRのイメージを具体的に共有していただくため、広報の取組を積極的に推進してまいりたいと存じます。
○辰巳孝太郎君 大臣、クリーンなカジノと言うんですけど、公営ギャンブルやパチンコなど、既にギャンブル大国となっている日本でこれ以上の賭博は要らないということなんですよ。
実施法によれば、日本にはまず三つのカジノをつくるという。申請主体は四十七都道府県と二十政令市であります。政府はこれらの自治体を対象にカジノ誘致についての意向調査を昨年実施いたしました。誘致表明をした自治体はどこですか。
○国務大臣(石井啓一君) IR本部事務局におきましては、IR整備法が公布されたことを受けまして、昨年九月から十一月にかけて、全ての都道府県及び政令指定都市に対し、IRの区域整備計画の認定申請について予定や検討しているかどうかアンケート調査を行ったところであります。
この調査は、IR整備法の公布を受けて、都道府県等における検討が始まったばかりの段階における意向や準備状況等について全体としての傾向を把握するために実施したものでありますが、公表しないことを前提に調査を行ったことから、回答内容について公表は差し控えさせていただきます。
○辰巳孝太郎君 我々の調べでは、明確に申請すると表明をしたのは大阪、和歌山、長崎だけです。都道府県、政令市六十七のうち、これ、たったの三つなんですね。検討中は北海道、東京、千葉、愛知などあります。沖縄ははっきり、申請はしない。これ、余りにも不人気で手を挙げられないということなんですよ。
IRというんですけど、これカジノなしでは成り立ちません。大阪府・市は、人口島である夢洲に世界最大規模のカジノをつくるということでIR基本構想案を策定をいたしました。私は、この計画見て本当に恐ろしくなりました。一体どういうものがつくられるのか、パネルで出します。(資料提示)
大阪の想定しているIRの全体の年間売上げは四千八百億円なんですね。そのうちゲーミング売上げ、GGR、これ、つまりカジノですね、三千八百億円で、これ全体の八割なんですよ。三千八百億というのは、これ純粋にお客が負けた金額のことです。
総理、IR全体の八割の売上げをカジノが占めるわけなんです。カジノは面積はたったのIRの三%だけなんだと、会議場もある、エンターテインメント施設もある、ショッピング施設だと、これいろいろ言ってきているわけなんですが、それらは結局このカジノへ誘い込むための附属施設ということじゃないですか。
○国務大臣(石井啓一君) 大阪府及び大阪市が公表しました大阪IR基本構想案の内容につきましては、特定の自治体による個別の検討内容であるため、コメントは控えさせていただきます。
IRは、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力となるカジノ施設などが一体的に整備されることによりまして、これまでにないスケールとクオリティーを有する総合的なリゾート施設を整備をし、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現しようとするものであります。
IR整備法におきましては、IR事業者がカジノ事業の収益をIR施設の整備や事業内容の向上等に充てるよう努めることが義務付けられているところであり、カジノ事業の収益をIR施設の整備、運営に活用することによってIRの魅力の向上を図り、幅広く世界中の観光客を引き付ける施設の整備を目指すものであると考えております。
○辰巳孝太郎君 スケールが大きいとかリゾートとか、ばくちの施設が八割なんですよ。これ、お客の負け三千八百億円がいかに莫大なものか、パチンコとちょっと比較をしてみたいと思うんですよ。
今回、大阪のカジノ施設は関西一円からの集客を想定をしておりますが、パチンコ店舗数は全国に約一万五百九十六店舗あります。近畿二府四県でいいますと一千七百十六店舗なんですね。大阪でいうと八百五店舗です。
業界誌DK―SIS白書が公表している粗利計算で計算しますと、パチンコですね、近畿二府四県、今申し上げました一千七百十六店舗の粗利、つまりこれ客の負けたお金ですね、これ四千五百億円に上るわけなんです。大阪は八百五店舗で二千百五十億円なんですね。
つまり、カジノの施設たった一つでお客が負けるお金というのは、近畿一円のパチンコ店一千七百十六店舗で客が負けるお金の八五%に匹敵するんですよ。大阪八百五のパチンコ店舗で負ける二千百五十億円の一・七倍をたった一つのカジノで負けるということなんですよ。これ、個人の損失で見ても、カジノはパチンコと比べ物にならないほどギャンブル性が高い。これ、のめり込めば一晩で全財産を失う恐ろしい賭博なんです。
〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
これ、総理、これだけのお金を奪うカジノをこれから日本全国で最大三つつくるというんでしょう。しかも、事業者として想定されているのは外資の企業ですよ。この認識が総理にありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、それは大阪の例をお示しでございますが、このIR誘致に向けた特定の自治体による個別の検討内容について政府としてコメントする立場にはないわけでございまして、この日本型IRにつきましては既に石井大臣から御説明させていただいているとおりでございまして、魅力的な日本型IRを実現するため、国際会議場や家族で楽しめるエンターテインメント施設と収益面での原動力のあるカジノ施設が一体的に運営されることが必要と考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 総理、ごまかさないでいただきたいんですよ。もう大阪は先走っていろんなものを出しているんです。
総理、逆に、先ほど三千八百億円、これだけの金額をカジノが稼がなければ、ほかの先ほどのエンターテインメント施設等々は成り立たないと、IRというのはそういうものだと、そこは認めていただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 収益面での原動力となるというふうに申し上げているわけでございまして、カジノ施設はですね。しかし、その中で今一体的な運用がなされると。大規模な国際会議、大規模な国際会議を日本も誘致をしているところでございますが、その中におきまして、大規模な国際会議場を持つこととなるIR、そしてもちろんカジノもあること等によってこうした国際会議も誘致しやすくなっていくのではないかという期待もしておるところでございます。
○辰巳孝太郎君 総理認めたわけですよ。
これだけの莫大なもうけを出すカジノには当然利権が絡んでまいります。公務員とカジノ業者との接待は禁止するんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) IR整備法におきましては、都道府県等が民間事業者を選定するに当たっては、公正性や透明性を確保する観点から、恣意的に特定の事業者を選定することなく、広く公募の方法により民間事業者の選定を行うことが義務付けられております。
また、IR整備法の国会審議の際の附帯決議におきましても、「国、都道府県等は、海外のカジノ事業者が民間事業者に選定されることを目指した働きかけに対し、収賄等の不正行為を防止し、選定の公正性・透明性を確保すること。」とされているところであります。
IRを誘致しようとする都道府県等においては、こうしたことを踏まえて、民間事業者の公募、選定を公正かつ透明に行っていただく必要があり、選定プロセスの公正性や透明性に疑念を抱かれることのないようにしていただく必要があるものと考えております。
国土交通省といたしましても、民間事業者の公募、選定の具体的な在り方について今後基本方針において定めることとしておりまして、公正性や透明性を確保した上で実施されるようにしてまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 昨年、大阪府・市に事業者の選定や契約に関するアドバイスを行う民間コンサルト会社がカジノ事業者から接待を受けていたということが分かりました。これ、コンサルタントは事業者の公募に影響を与えるわけですね。国は、コンサル会社と大阪府・市が作成する区域整備計画を認定する立場であります。その大前提であるこの公平性の担保が疑われる計画を、これもう認定などできないんじゃないですか。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど御説明したとおり、IRを誘致しようとする都道府県等においては、IR整備法において公募による事業者の選定が義務付けられていることや、附帯決議の趣旨を踏まえて民間事業者の公募、選定を公正かつ透明に行う必要があり、選定プロセスの公正性や透明性に疑念を抱かれることのないようにしていただく必要があるものと考えております。
○辰巳孝太郎君 つまり、大阪の場合は、これは公平性と透明性に欠けたことが起こったということでよろしいですね。
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘の大阪府、大阪市の事例は、IR整備法に基づく事業者の公募、選定等のプロセスに先立ち都道府県等において検討が行われている段階であると承知をしており、現時点では国としてコメントする立場にはございません。
○辰巳孝太郎君 ちょっと待ってください。
このコンサルは、今回構想案を出したコンサルなんです。これから恐らく、そのコンサルが大阪府・市と契約が続けばですよ、区域整備計画が出されてくるんですよ、このコンサルが作ったものが。これ、どうなんですか。これ、いいんですか。保たれるんですか。既にもう接待は事実として報道もされているんですよ。大臣、どうなんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど申したとおり、現段階では国としてコメントをする立場にはございません。
〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕
○辰巳孝太郎君 大臣、そこは駄目だって言わないと駄目なんですよ。何で言えないんですか。これ、接待やり放題ということになるんじゃないですか。これ、事業者にとっては日本は巨大なカジノ権益ですよ。そんな大臣の立場では、これ癒着がはびこると言わざるを得ないですよ。
総理、どうですか、総理。大阪で既に報道されています。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今既に大臣から答弁させていただいたとおりでございますが、IR区域の整備については、都道府県又は政令指定都市が公募により選定したIR事業者と共同で区域整備計画を作成し、国土交通大臣の認定を受けるとともに、当該IR事業者がカジノ事業の免許を受けることとしているところでもございまして、IR事業者の公募、選定手続については、都道府県又は政令指定都市において公正性や透明性を十分に確保することが必要であると考えております。
○辰巳孝太郎君 ですから、総理、既にもう接待を受けてしまっているんですよ、この業者は、コンサル会社は。それは駄目でしょう、総理。
○国務大臣(石井啓一君) 具体の地方自治体の案について、私どもはコメントする段階にはないということであります。
○辰巳孝太郎君 何でこれが言えないのかということなんですよ。全く意味不明ですね。
これ、政府は、日本のカジノ規制は世界最高水準だと、あるいはシンガポールの制度も参考にすると言ってきました。私は今年一月にシンガポールに調査に行ってきましたが、シンガポールでも依存症が社会問題になっております。日本はそのシンガポールの規制にもはるかに及ばないということを確信いたしました。
まず確認しますが、シンガポールの規制の特徴はどういったものでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) シンガポールにおける入場規制につきましては、問題ギャンブル国家評議会、NCPGに対する本人、家族の申出に基づく入場排除、入場回数制限、NCPGがギャンブル等によって経済的に劣悪な状況にさらされていると判断した者等に対する入場排除、入場回数制限、破産者等を対象とした法令上の規定による入場排除等があるものと理解をしております。
このうち、NCPGがギャンブル等によって経済的に劣悪な状況にさらされていると判断した者に対する入場排除等については、カジノの訪問頻度や経済状況、負債状況等を考慮してNCPGが判断するものと承知をしております。
○辰巳孝太郎君 今大臣少し紹介していただきましたけれども、シンガポールの場合、自動排除というのがあるんですが、これどういうふうに判断するんですか。
○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
先ほど石井国務大臣の方から御答弁申し上げましたように、シンガポールのカジノ由来の依存症対策につきましては、シンガポールのカジノ管理法において様々な措置がとられているわけでございます。
先ほど石井国務大臣の方からも御答弁ございましたように、本人の経済状況ですとか、あるいは負債状況ですとか、あるいはこれまでの債務不履行状況ですとか、そういった情報に基づいてNCPGが本人に対してカジノに立ち入ってはいけないという排除命令を出すという場合もございますし、また本人から自主的な申告を受けて本人をカジノの入場から排除するという仕組みもございます。また、家族が本人をカジノから排除してくれということで申請をすることにより、NCPGの判断で本人をカジノ場に立ち入らせないという判断をNCPGが行うこともございます。
また、最後に、今これが委員の御指摘のことだと思いますけれども、法令に基づく排除というものがございまして、シンガポールのカジノ管理法の百六十五A条というものに基づいて行われるものでございます。これは、利用者がシンガポールの社会助成プログラムですとか、あるいは公的な補助金スキームの下にある者ですとか、あるいは利用者が破産者であるような場合、こういう場合には法令に基づいてNCPGが強制的にカジノ場の入場から排除するということがございます。
以上でございます。
○辰巳孝太郎君 ですから、どうやって確認するんですか、それ。
○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
シンガポールにある二つの民間カジノ場の入場に当たりましては、シンガポールの内国民等はシンガポールの国民IDカードを提示して本人確認をした上で入場するということになってございますが、一方、先ほど石井国務大臣ないし私の答弁で御説明申し上げましたNCPGの排除の命令なり申請への許諾を判断する際には、シンガポールのカジノ管理法に基づきましてNCPGが、本人ですとかあるいは家族、あるいはカジノ運営者ですとか、あるいはその他法的な主体というふうに法律には書いてございますけれども、その他行政機関等そういう法的主体から、利用者の経済状況あるいは負債状況、債務不履行の状況ですとか、あるいはカジノの訪問回数ですとか、あるいはカジノにおけるギャンブルの状況などについて情報を収集いたしまして、そういうことに基づいて判断をしているというふうに想定をしてございます。
○辰巳孝太郎君 長く答弁されましたけど、要するに、シンガポールの場合は、カジノの入場にIDカードというものが必要なんですよ。このIDカードの中には、例えば指紋、各種社会保険、医療費どれぐらい使ったか、そして銀行口座残高、これ全部カードにひも付けられているんです。ですから、預金残高を含めて、これ偽ることが不可能になっているんですよ。
日本の場合、これマイナンバーカードを使うということになっているわけですね、入場のためには。これ、マイナンバーカードで預金残高などを把握することできるんですか。
○国務大臣(石田真敏君) カジノの入場管理におきましては、本人確認及び同一の者の入場回数を管理する手段として、マイナンバーカード及びそのICチップ内に搭載されている電子証明書が用いられることとされていると承知をいたしております。
電子証明書には氏名、生年月日、性別、住所等の本人確認の基本的な情報が入っているのみであり、マイナンバーは記録されておりません。このため、電子証明書の使用により、貯金、預金ですね、預金情報などのマイナンバーとひも付けられている各種情報を入手することはできないものと思います。
○辰巳孝太郎君 だから、できないんですよ。
大体、それぞれの国の入場規制の実施主体はどこですか。
○政府参考人(中川真君) 御答弁申し上げます。
シンガポールの場合は、先ほど来御答弁申し上げておりますように、このNCPGが申請を受けたり、あるいはそれを認定したり、あるいは独自の判断で命令を下したり、法令に基づく排除を行ったりということをやってございます。
一方、日本の場合は、昨年成立いたしましたこのIR整備法に基づきまして、まずこの免許を受けた、認定を受けた事業者である認定運営事業者、認定カジノ事業者が、この免許申請をする際の条件ともなっておりますけれども、どのようにしてこの依存の防止に取り組むのか、そういう依存防止規程を作らなければならないということが法律上義務付けられてございます。それに従ってカジノ管理委員会が、カジノ事業の免許審査時にその依存防止規程の中身もこれで十分ということになれば、それに基づいて認定運営事業者がこの取組もしていくということになります。
○辰巳孝太郎君 結局、これ規制するって言いますけど、これやるのは日本の場合はカジノ事業者なんですよ。これで世界最高水準の規制などできるはずがないんです。
しかも、二〇一〇年開業のシンガポールのカジノ客の多くは外国人客なんですね。一方、大阪で、先ほどありましたが、七五%が日本人のカジノ客の想定なんですよ。カジノがIRのほとんどの富を稼ぎ出す。裏返せば、カジノがなければIRは成り立たない。そのカジノで日本人をどれだけ負けさせるか、これが最大の焦点になるわけですから、これ依存症対策やるといっても、これカジノ業者がやるわけでしょう、これ外国資本ですよ、しかも。
これで、総理、本当に世界最高水準の規制、できると思いますか。できないでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府においては、IR推進法の附帯決議を契機として、IR整備法を待つことなく、本人、家族申告によるアクセス制限措置、全国における相談、治療拠点の整備、学校教育、消費者教育における指導、啓発等の包括的な依存症防止対策を順次実行に移してきたところであります。
今後は、昨年成立をしたギャンブル等依存症対策基本法に基づき内閣に設置されたギャンブル等依存症対策推進本部において、関係者会議の意見を適切に聴取しつつ、基本計画を本年五月までに策定するなど、対策を一層総合的、計画的に推進していきます。
また、IR整備法では、依存防止対策について厳格な入場制限を始めとする重層的かつ多段階的な取組を制度的に整備しており、その運用に万全を尽くしてまいりたいと、こう思っております。
○辰巳孝太郎君 いや、だから、できないと言っているんじゃないですか。
大阪で始まった依存対策、これ問題ですよ。これ、こう書いてあるんです。「将来、ギャンブルにのめり込まないために」、パンフレットが高校生に配布されています。そこには、ギャンブルとの付き合い方として、「ギャンブルは、生活に問題が生じないよう金額と時間の限度を決めて、その範囲内で楽しむ娯楽です。」と書かれています。
総理、高校生には、ギャンブルの付き合い方ではなくて、ギャンブルやめておけと言うべきじゃないですか。
○国務大臣(石井啓一君) 今お示しいただいた大阪府・市で作られた資料の内容については、その適否をお答えする立場にはございませんが、一般論として申し上げれば、ギャンブル等依存症に関するリスクを普及啓発することは重要であると考えています。
○国務大臣(柴山昌彦君) まず、大前提として、ここに今お示しをいただいた資料に書かれているギャンブルというのは、様々な要件をクリアしてまさに健全な娯楽として楽しめるような性質のものであるということは、これは大前提として押さえて是非いただきたいと思います。
その上で、文部科学省としては、将来的に子供たちがギャンブルなどにのめり込むことによって日常生活又は社会生活に支障が生じることのないように、ギャンブル等依存について、若年の段階から、欲求やストレスが心身に及ぼす影響ですとか適切な対処が必要であることなど、依存症について適切に理解し、行動できるようにすることが重要である、そういう趣旨から学習指導要領にも書かせていただいているということでございます。
○辰巳孝太郎君 せめて文科大臣ぐらいギャンブルやめろと言ってくださいよ。結局、最大の依存症対策はカジノ解禁を撤回することだと言っておきたいと思います。
二〇二五年の万博、決定しました。我々、万博一般に反対するものではありません。しかし、万博の隣で営業しようとしているのがこのカジノであります。これ、万博の精神にも反すると思います。
万博のテーマとサブテーマは何ですか。
○国務大臣(世耕弘成君) テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」であります。サブテーマは「多様で心身ともに健康な生き方」及び「持続可能な社会・経済システム」となっております。
○辰巳孝太郎君 健康な生き方、カジノ、相入れないんじゃないですか。
○国務大臣(世耕弘成君) それは、私、経産大臣あるいは国際博覧会担当大臣としてコメントする立場にないと思います。
○辰巳孝太郎君 大臣、万博とカジノは一体じゃないんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 全く一体ではありません。
その証拠に、二〇一七年九月二十五日に博覧会国際事務局、BIEに提出をいたしました立候補申請文書、これビッド・ドシエと申しますけれども、そのビッド・ドシエの中に、当時、一部報道等がありましたので、このビッド・ドシエの中に、本万博とIRは全く別のプロジェクトであり、この点は両プロジェクトを推進する地元自治体も同様の認識であると明記をさせていただいているところであります。
○辰巳孝太郎君 だから、それは大臣が言っているだけの話じゃないですか。別物と考えているのは政府だけなんです。
万博決定後、カジノ業者はこう言っています。パネル。ラスベガス・サンズはこれまで二〇二五年万博のオフィシャルパートナーとして支援してきました。大阪・関西万博は、大阪が掲げる統合型リゾートと密接な関係があります。いずれも建設地は夢洲であり、公共設備やインフラを必然的に共有することになるでしょう。したがって大阪・関西万博は、統合型リゾートを世界に紹介するプラットフォームにもなると考えております。
大阪万博の客をカジノに呼び込もうということじゃないですか。むしろカジノのための万博ですよ。
こういう万博の横にカジノをつくる、これは世界最大級のカジノ解禁、これは絶対に許されないということを言って、私の質問を終わります。