日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

ふるさと納税、税の公平性を毀損 政府の対応ただす

2025年03月11日

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(写真)質問する辰巳孝太郎議員=11日、衆院総務委

日本共産党の辰巳孝太郎議員は11日の衆院総務委員会で、ふるさと納税制度について政府の対応をただしました。

ふるさと納税により単身の場合、年収300万円なら2万8000円の個人住民税の控除と9000円の価値の返礼品が、年収2500万円なら85万5000円の控除と28万5000円の価値の返礼品を受け取れます。辰巳氏が「税の公平性を毀損(きそん)し、高額所得者ほど優遇される制度だ」とただしたのに対し、総務省の寺﨑秀俊自治税務局長は「所得にかかわらず個人住民税所得割の2割が控除上限」だとのべ、優遇の実態を認めました。

同制度の経費は寄付金の5割以内に収められています。返礼品の基準は3割以内とされていますが、送料や仲介サイトへの手数料には基準がありません。

辰巳氏は、仲介サイトへの手数料に規制がない理由を質問。寺﨑局長は「寄付金の少なくとも半分以上が寄付先で活用されるよう基準をつくった」と答弁しました。辰巳氏は「寄付金が最大限使われることを期待し行うのが寄付だ。寄付金の半分が経費で消える制度でよいのか」と批判しました。

また辰巳氏は、会員企業に大手仲介サイトを含む「ふるさと納税協会」が、国会議員のパーティー券を買っていたとの報道にふれ、村上誠一郎総務相のパーティー券も含まれているのかと質問。村上総務相は含まれていないと否定しました。辰巳氏は「利益相反になる。企業・団体によるパーティー券購入は全面禁止に」と主張しました。

2025年3月16日付「しんぶん赤旗」より引用

20250311総務委員会配付資料

議事録を読む

○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今日は、ふるさと納税についてお聞きをいたします。
ふるさと納税は年々利用者が増えてきておりまして、二〇二三年度は寄附額が最高で、一兆一千百七十五億円となっております。住民税の控除額にしますと、七千六百八十二億円ということでございます。一兆一千百七十五億円を寄附されたうち、自治体に残るお金は五千七百五十億円と聞いております。つまり、返礼品とかポータルサイトとかあるいは配送料、半分は経費で消えているということでございます。
総務省に確認しますが、そもそものふるさと納税創設の目的あるいは趣旨をお答えいただけますか。
○政府参考人(寺崎秀俊君) お答え申し上げます。
ふるさと納税は、納税者のふるさとに対する思いを生かし、地方の活性化にも資する仕組みを税制上構築することができないかとの問題提起を受けまして、平成二十年度税制改正において創設されたものでございます。
本制度は、お世話になった自治体、応援したい自治体などへ感謝や応援の気持ちを伝え、納税者の意思で自らの税の使い道を選択することを可能とするものであり、寄附金の使い道に着目して行われることが意義のあることと考えております。
○辰巳委員 ふるさとを思う気持ちというのは別に否定はしないんですけれども、では一体どれだけの人がふるさと納税でそういう気持ちで当制度を利用しているのかということだと思うんですね。そもそも、別に、自分が生まれて育ったところに寄附をしなければならないということが制度利用上の条件にもなっていないわけですよね。
ふるさと納税は、寄附額から二千円を引いた金額が控除上限まで税額控除されるというものであります。ほぼ全ての寄附に付随するのが返礼品ということになっています。返礼品の価値が寄附金の三割までということでありますので、仮に五十万円を寄附して十五万円の返礼品を受け取るということであれば、二千円の持ち出しで十五万円の価値がもらえる、つまり十四万八千円を得するシステムということになり、官製ネット通販とやゆする識者もおられます。
そもそも、ふるさと納税を、寄附というんですけれども、寄附と呼んでいいものなのかということもあると思います。本来、寄附というのは対価を要求するものではないと思うんですよね。ただ、実態としてふるさと納税は、返礼品という強烈なインセンティブを推進力にして拡大し、様々なゆがみも生じさせてまいりました。この制度のゆがみを改めて今日は指摘していきたいと思うんですね。
ふるさと納税は、納税先自治体を選択することができるというものになっております。このことによって、税収の移転が自治体間で起こるわけです。
二〇二〇年六月三十日のふるさと納税訴訟最高裁判決における補足意見の中にはこうあります。もし地方団体が受け取るものが税なのであれば、地方団体がその対価やお礼を納税者に渡すなどということは税の概念に反している、こう述べているんですね。
この税収移動は、個々の自治体が持つ徴税権の侵害とも私は言えるんじゃないかというふうに思います。つまり、税収を奪われる自治体は、当該自治体での市民サービスやインフラ整備を削らなければならなくなる。こういうケースだって出てくると思うんですね。
総務省に聞きますけれども、個人住民税は、地域社会の費用の負担を住民が広く分かち合う、地域社会の会費的な性格を有する税だ、こう説明してきたと思います。つまり、居住自治体のサービスに対してそこに住む住民が応能負担ということで税を負担していく、こういう原則だと思います。ふるさと納税がどんどん進みますと、その説明が成り立たなくなるんじゃないですか。
○政府参考人(寺崎秀俊君) お答え申し上げます。
ふるさと納税の制度設計に際しましては、これは平成十九年十月のふるさと納税研究会の報告書でございますが、自治体に対する寄附は行政サービスの財源に直接充てることが可能な財源でありますこと、また、自治体に対する寄附が行われた場合は地方全体で歳入総額自体は減少しないということがございます。こういったことから、ふるさと納税は特に高い公益性を有すると評価されたところでございます。
一方、地域社会の会費、委員の御指摘のとおりでございます、こういった個人住民税の性格を踏まえますと、住所地の自治体に納付される個人住民税額が余りにも大きく減少することは適当でないということから、控除額の上限の必要があるということで、現在、所得割の額の二割を上限としているところでございます。
ふるさと納税制度の設計に当たりましては、こういった様々な要素を勘案して、個人住民税の大半は住所地団体に残るよう、応益性にも配慮した仕組みとなっておりますので、全体としては地方税の原則を曲げるものではない、矛盾するものではない、このように考えているところでございます。
○辰巳委員 今の説明でいうと、限られたものなのだという感じの説明だったのかなと思うんですけれども。
例えば、ふるさと納税によって当該自治体の税収が流出をした、雑誌などではいろいろ流出額ということでランキングみたいなこともやっているんですけれども、直近でいうと、川崎市などは百億円超が流出したと言われております。交付団体であれば四分の三が交付税で補填をされますけれども、川崎市なんかは不交付団体ですから、百億円の規模のお金というのはなかなか大きいと思いますよ。
出ていくという観点と同時に、入ってくる自治体が当然ある。私は、税収入のうち、どれぐらいのふるさと納税がそこの中で占めているのかと。依存率ということも、是非、総務省で調べてほしいと思いますよ。出ていくと同時に入ってくる、これが、ふるさと納税に余りにも過度に依存している自治体。仮に地元の産品などが何らかの理由でなくなった場合というのは、自治体によっては非常に困ることになるんじゃないかというふうに思うんですよね。是非調べていただきたいと思います。
それと、教育、子育て支援など、寄附者が税の使い道を選べるというのもこの制度の特徴になっているわけですよね。ただ、本来、居住する住民こそが当該自治体で行われる施策の可否や内容を選挙で選んだ議員で構成される議会を通じて決するのが議会制民主主義の当然の在り方であって、住民以外の人が施策を左右できる制度になっているというのも私はちょっと異質ではないかというふうに思います。
税の公平性を毀損するということも問題だと思うんですね。周知のとおり、高額所得者ほど優遇される制度になっております。総務省の資料によりますと、全額控除されるふるさと納税額の目安は単身で年収三百万円で二万八千円、年収二千五百万円で八十五万五千円。ふるさと納税の実態からいえば、この金額の三分の一の価値の返礼品を受け取っているわけですから、年収三百万の方で九千円、年収二千五百万の方で二十八万五千円もの価値の商品を受け取ることができるということであります。
総務省に確認しますけれども、高額納税者ほど優遇される制度だということはお認めになりますかね。
○政府参考人(寺崎秀俊君) お答え申し上げます。
ふるさと納税制度におきましては、先ほどから申し上げているとおり、地域社会の会費という個人住民税の性格を踏まえ、住所地の自治体に納付される個人住民税額が大きく減少することがないよう、住民税が軽減される額について所得の大小にかかわらず個人住民税所得割の額の二割が上限となっておりますことから、所得が大きい方につきましてはこの二割ということが適用されるということは御案内のとおりでございます。
なお、この上限につきましては、平成二十七年度税制改正において、地方六団体からの要望を踏まえ、引上げを行ったところでございます。
○辰巳委員 そういうことなんですよ、高額納税者ほど金額的には優遇されるわけですよね。
今ありましたとおり、高額納税者ほど優遇されるという制度をより強化したのが二〇一五年からの控除上限の拡大であります。返礼品競争の過熱もこれ以降に進んで、後に総務省は過熱を抑えるための基準を定めましたけれども、一部自治体との法廷闘争にもなっていきました。
このとき、高所得者への過度な優遇になると指摘をした総務官僚がおられました。今日の資料にもつけています。当時自治税務局長の平嶋彰英氏であります。問題を指摘して異例の人事が行われたと、この記事にはあるわけですね。過熱した返礼品競争への対応を結果的には総務省も迫られたということに鑑みれば、当時の平嶋氏の指摘は至極真っ当なものだったんじゃないかと私は言わなければならないと思います。
大臣、真っ当な指摘を行った者が人事上の不利益を得ることがあってはならないと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(村上誠一郎君) ふるさと納税制度については、平成二十六年当時、地方六団体から、その積極的な活用により地域活性化や人口減少対策などに資する効果も期待されていることから、控除額の上限と手続の簡素化について検討することとの意見が出されたものと承知しております。
こうした地方の声を反映させる形で、平成二十七年度の税制改正において、控除上限額の引上げと確定申告を不要とするワンストップ特例の導入が行われ、その後のふるさと納税の利用拡大につながったものと考えております。
なお、個別の人事につきましては、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあることからお答えは差し控えさせてもらいますが、適材適所で行っております。
以上であります。
○辰巳委員 なるほど。事の経過から見れば、この方は真っ当なことをおっしゃっていたと私は思います。
経費の大きさも問題であります。寄附金のおよそ半分が返礼品、送料、あるいは決済、ポータルサイトへの手数料で費やされております。総務省はこれらの経費について、返礼品は三割まで、経費全体で五割以内に収める規制も導入をしております。ではそもそも五割の根拠というのは何なのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(寺崎秀俊君) お答え申し上げます。
総務省といたしましても、ふるさと納税の募集に関しまして、自治体が過度な広報や宣伝を競い合うことなどによりまして多大な経費を支出することは、制度の趣旨に鑑みて好ましくないと考えております。
そのため、寄附金の少なくとも半分以上が寄附先の地域で活用されるよう、地方税法等により寄附金総額の五割以下という基準を作ったところでございます。
○辰巳委員 そもそも寄附というのは、寄附したものが最大限使われるということを期待して行うものだと思いますので、半分以上とかいうのは、半分までは経費で消えていいよということであって、私は、そのことでこの制度が正当化されるのか甚だ疑問であります。
今ちょっとポータルサイトの話をしましたけれども、今日、二枚目の資料でつけました。大手仲介サイトなどを会員企業とする業界団体として、ふるさと納税協会というものがあります。記事にはこうあります。税制改正に対応した政治、行政に対するロビー活動として、国会議員や自民党政策グループなどの政治資金パーティー券購入費が盛り込まれている、こういうことなんですね。そして、複数の国会議員のパーティー券を買っているということを認めたということであります。企業や団体がなぜ寄附やパーティー券を買うのかというと、議員や政党を取り込む、政策を左右したいということにほかならないと思います。
大臣、ふるさと納税を所管する総務大臣として、よもやこういう団体にパーティー券を買ってもらっているということはないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(村上誠一郎君) 事務所に確認したところ、よもやございません。
いずれにしましても、今後とも法令等に基づき適切に対応してまいりたい、そういうふうに考えております。
○辰巳委員 大臣はないということなんですが、結構なんですけれども、これからもそういう団体にパーティー券を買ってもらうことはないということでよろしいですか。
○国務大臣(村上誠一郎君) 当然のことであります。
以上であります。
○辰巳委員 非常に殊勝な姿勢だと思うんですよね。やはり利益相反ということになる。私は、政治がお金で買われる、それは寄附であれパーティー券でも同じ趣旨だと思いますので、全面禁止を求めたいというふうに思っております。
企業版ふるさと納税というのがあるんですけれども、今日はここにも触れたかったんですけれども、企業版ふるさと納税についても不正行為というものが国見町などで行われておりますので、私たちは企業版ふるさと納税に対しては廃止すべきだという立場を述べて、私からの質問といたします。
以上です。ありがとうございました。