日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

「賠償が最優先」 東海第2再稼働支援 許されない

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日本共産党の辰巳孝太郎議員は、5月29日の参院経済産業委員会で、日本原子力発電(原電)東海第2原発の再稼働に東京電力が資金支援を行うことは許されないと追及しました。

原電は東海第2原発の再稼働に必要な安全対策工事費1740億円を自力調達できず、電気料金前払いや債務保証などの資金支援を東電に要請。東電は3月30日に支援を表明しました。

辰巳氏は「東電が支援しなければ再稼働しない。東電が原発を動かすことと同じだ」と追及。東電の小早川智明社長は「低廉で安定的かつCO2(二酸化炭素)の少ない電気を届けることが電気事業者としての責務。東海第2発電所からの受電は有望であると判断し資金支援を表明した」と答えました。

辰巳氏は「福島事故を起こした東電に他社の原発再稼働を支援する資格はない」「賠償と廃炉の責任を果たすべきだ」と強調。「福島原発事故への対応こそが東電の原点であり、福島への責任を果たすために存続を許された」と指摘し、「最優先すべきは福島の賠償。原電の支援は許されない」と政府に迫りました。

世耕弘成経産相は「東電経営陣が経営上のメリットなどを総合的に勘案し判断した」と容認。辰巳氏は「福島の方々は絶対に納得しない」と批判しました。

2018年6月5日付赤旗より転載


議事録を読む
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 まず、五月十六日に取りまとめられました第五次エネルギー基本計画案について質問をいたします。
計画案では、原発依存度について可能な限り低減させるとする一方で、原発を長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源であると位置付け、二〇三〇年のエネルギーミックスにおける電源構成比率である原子力二〇%から二二%の実現を目指し、必要な対応を着実に進めると明記をいたしました。
世耕大臣は、先週の衆議院の経済産業委員会で、我が党の笠井議員の質問に対して、機械的な試算としながら稼働率を八〇%とし、運転開始から四十年未満の炉、全てが稼働すると原発比率は一七%、四十年超の炉を全て運転延長すると二八%となる、安全最優先の再稼働と一部の炉の運転期間延長により達成は可能と答弁をいたしました。
今日、資料にお付けいたしましたけれども、過去四十年間の原発の設備利用率、つまり稼働率の推移をまとめたものでありますが、これを見ると、これまでの稼働率の総合平均というのは六七・五%であります。大臣おっしゃるように、二八%のうち一一%、これは四十年超の炉を運転延長するという計算になって、これ実に四割ということになります。四割もの炉が四十年超の老朽原発ですよ、老朽原発。しかも、これまで平均六七・五%しか稼働できていないのに、これ八割の稼働といって大丈夫なんでしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
まず、大前提といたしまして、先ほど大臣が御答弁いただいたとおり、このミックスは安全性の確保を大前提に三つの具体的な目標を同時に達成するということで導き出したものでございます。したがいまして、具体的な稼働率を設定したりしたものではなく、個別の原発の再稼働の状況を積み上げて策定したものではございません。
稼働率八〇%につきましては、例えばでございますけれども、アメリカで、一九七九年のスリーマイルアイランドの原発事故の反省を踏まえて、事業者が集まって安全性、信頼性の向上を目的とした組織を設立し、こういった枠組みの中で、現場における良好な取組事例の共有や改善点を相互に指摘するといったような活動を続けることによりまして、大きなトラブルの発生件数が十分の一に減少し、一九八〇年代には五五%であった稼働率が二〇〇〇年代には九〇%まで向上したといった事実もございます。
こういった認識の中で、我が国におきましても、産業界におきましては、こういったアメリカの取組なども参考にいたしまして、原発の安全性、信頼性を向上させていくために、現場やマネージメントの取組につきまして、原子力事業者間で相互のレビューと指導を行う原子力安全推進協会、いわゆるJANSIを創設し、また、先進的なリスク評価手法の研究開発と原子力事業者への導入の支援を行う原子力リスク研究センター、いわゆるNRRCを創設するなど、産業大で信頼性向上につながる共通の課題を設定いたしまして、効果的な対策を検討、普及させていく新たな組織づくりを進めるなど、自主的な取組も進められている状況でございます。
こういった安全性、信頼性の向上を目指す取組を続けていくことによりまして、稼働率を八〇%に向上させていくことは可能だと、このように考えてございます。
○辰巳孝太郎君 いや、私は、可能かどうかというよりも、これ要するに、より危険な原発を動かしていくということなんですよ。アメリカの例をおっしゃいましたけれども、二〇〇〇年代という話ですが、これ世界的にもちろん、電力会社からすれば稼働率は高い方がもうけが出るわけですよね。もう日本だってそれはやってきたわけでしょう。だけど、二〇〇〇年代、これ日本で見てもやっぱりこれ七割なんですよ、せいぜい。平均してみると。ですから、これ八割目指すと政府が言うってことは、より危険な原発を動かしていくという宣言に私はほかならないと思います。これとんでもない話だと思うんですね。
大臣、計画案では、これ二〇五〇年のシナリオについて、再生可能エネルギーや水素、CCS、原子力など、あらゆる選択肢を追求する、エネルギー転換、脱炭素化を目指した全方位での野心的な複線シナリオを採用するなどとしております。これは、要するに、三十年後も原発を維持するという可能性を残したということではないですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 新たなエネルギー基本計画の素案においては、二〇五〇年に向けた原子力については、経済的に自立し脱炭素化した再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原子力依存度を低減するとお示しをしております。
まず、再エネについては、FIT制度による補助からの早期自立、送配電ネットワークの再構築、水素、蓄電、デジタル技術による調整力の脱火力依存といった本質的な課題に対応することによって、経済的に自立し脱炭素化した主力電源を目指すことにしています。
一方で、原子力については、福島事故を経験した我が国としては、安全を最優先して、再エネの拡大を図る中で可能な限り依存度を低減するとの方針は維持しながら、実用段階にある脱炭素化の選択肢として、社会的信頼の回復に向けて人材、技術、産業基盤の強化に直ちに着手をして、安全性、経済性、機動性に優れた炉の追求、そしてバックエンドの問題の解決に向けた技術開発を進めるべきとなっているわけであります。
このように、再エネ、原子力を含むあらゆる選択肢について技術、イノベーションの可能性を追求していく必要がありますけれども、その帰趨、結果がどうなるかというのは、現段階では、二〇五〇年、まだ不明確なわけであります。よって、こうした各選択肢の開発目標や相対的重点度度合いについては科学的レビューをしっかりと行って、見極めた上で判断していくということにしています。
いずれにしても、この素案の方向性について、五月十六日の審議会ではおおむね認識が共有されて取りまとめが行われ、現在パブコメに付しているところでございます。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、可能性は残したということだと思うんですね。可能な限り低減というんだったら、もうゼロにすべきですよ。政治がやっぱり原発ゼロをこれやっぱりもう決めていくと、これがやっぱり求められているわけで、これは可能性を残しているからこそ、例えば本年三月三十日の第八回エネルギー情勢懇において、日立会長の中西宏明委員、中西さんは次期の経団連会長に内定をされている方でありますけれども、以下のように述べておられます。福島は大変に重い現実であるということを否定は一切しませんけれども、もうそろそろ好きだ嫌いだというような観点で議論するのから脱したい、原子力は可能な限り低減するという制限は、私はやっぱりちょっと非常に抵抗感感じますと、これ委員が言っているんですよ。だから、可能な限り低減どころか、福島事故の被害とか賠償とかを事実上脇に置いて、福島事故の原因究明もまだ途上な中で、原発推進を加速、継続しようという意図があからさまに表れた重大発言だと思うんですよね。
政府が後押しするイギリスへの原発輸出プロジェクトを進めているのも、これ中西さんが会長を務める日立であります。今日の報道では、このプロジェクトに対して、資源エネルギー庁が日本政策投資銀行に七百五十億円の出資を要請したということも報道されているわけですね。
こうした中で、政府は二〇三〇年の位置付けも変えずに、さらに二〇五〇年も事実上原発実施という計画案を示したわけであります。これ、私は、こういう二〇五〇年の、二〇三〇年、五〇年も含めたエネルギー基本計画はこれ絶対決定すべきでないということをきちっと言っておきたいというふうに思います。
この政府の原発固執、再稼働推進のメッセージに呼応して、特に最近再稼働をどんどん進めているのが関西電力であります。関電は、今年に入ってから、三月に大飯原発三号機を、今月四号機を再稼働させました。昨年再稼働した高浜三、四号機と合わせて、福井県内で隣接する四基が同時に運転することになります。新規制基準の下で再稼働した五原発八基のうち、関電の原発が半数を占めるということになります。
私は、昨年十二月に福井県に行きまして、大飯、高浜原発の立地自治体、周辺自治体であるおおい町、高浜町、小浜市、若狭町の住民の方々から直接話を伺ってまいりました。口々に語られたのが、立地自治体ではないが、原発に近接をしており、事故が起きたら直接被害を被る周辺自治体住民の皆さんからの再稼働反対の声であります。
小浜市の内外海地区は、おおい町にある大飯原発から半径五キロ圏内にあり、若狭湾の対岸挟んで原子炉の屋根がくっきりと見えるほどの近さにあります。東京新聞が今月の大飯原発四号機再稼働前に小浜市で原発から半径五キロ圏、PAZ内にある全戸を対象に実施した意識調査、今日二枚目の資料に付けましたけれども、ほぼ半数が再稼働に反対をされております。八割以上が廃炉を求めているということも分かりました。反対理由は、やっぱり避難計画に不安があると挙げた人が最も多かったわけなんですね。こういう小浜市のような立地自治体ではないんだが原発に最も近い住民の声というのは、これ反映させる、再稼働駄目だといってもそれを反映させる仕組みそのものがないということなんですね。
三月の二十九日に、日本原子力発電、原電は、東海第二原発の再稼働や運転延長に関し、東海村のほか半径三十キロ圏内の五市から事前同意を得るとする新たな安全協定をこれ締結をいたしました。立地自治体だけではなくて、これ五市の一つでもこれは反対すれば、これ再稼働が事実上できないということになるんですね。
大臣にお聞きしたいと思うんですけど、先ほど触れた東京新聞の意識調査に対して、これ小浜市の七割近くの住民がこの同意権が必要だというふうにも答えているんですね。東海第二原発の例のように、これ少なくとも、緊急時の避難計画の策定が義務付けられるような半径三十キロ圏の住民に再稼働の同意権を与えるのは私は当然だというふうに思いますけど、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 先日の東海第二原発に係る安全協定は、電力会社と自治体が任意に締結したものであると認識をしております。
安全協定の考え方としては立地自治体の立場が尊重されることが基本と理解をしていますけれども、各原子力発電所ごとに各地域の経緯や事情は様々でありまして、地域によっては以前から実質的な事前了解の対象に三十キロ圏内の周辺自治体も含むケースがあるなど、その内容や範囲は必ずしも一律に定まっているものではないというふうに認識をしています。
したがって、今回の東海第二原発のケースが特別というわけではなくて、電力会社と自治体の信頼関係の下、その地域の実情に応じて新たに安全協定等を締結したものと認識をしています。なお、地元自治体の同意は、法令上、再稼働の要件とはなっておりません。
いずれにせよ、各電力会社においては、自治体との信頼関係を大切にしながら必要な対応を誠実に行うことが重要だと考えております。
○辰巳孝太郎君 いや、少なくともこれ本当に必要だと思いますよ。
今、関電は、建設から四十年を過ぎて原子力規制委員会が二十年の運転延長を適合とした高浜一、二号機についても、来年秋の再稼働を目指して対策工事を進めております。
二〇一六年の八月の二十七日に実施をされた、大量の放射性物質が放出される過酷事故を想定した広域避難訓練、これが行われたんですけれども、ここでとんでもないことが起こっちゃったわけですね。ヘリコプター二機による訓練を予定していたんですが、これ悪天候によりまして、このうち一機がこれは出動できないということになっちゃったわけですね。陸上自衛隊のヘリが飛ばなかったと、船も動かなかったと。道路を使うということになりましたけれども、結局これ原発に向かって避難すると。これ、半島の付け根部分に高浜原発がありますから、これ道路一本しかないというとんでもない事態が起こってしまったわけであります。
その二か月後の十二月の十八日にこの音海地区の自治会は、一自治会ですよ、一、二号機の運転延長に反対する意見書を採択をして、関電と町、県に提出をしたわけであります。これ、もう避難訓練そのものがもう成り立っていないわけですよ。これは不安だと、これ当然の話だと思うんですね。
政府に聞きますけれども、避難訓練を受けて、二〇一七年の十月の二十五日に、この高浜地域の避難計画を取りまとめた緊急時対応というのが改定をされました。今日、三枚目の資料にも付けておりますけれども、まあ大失敗だった、機能しなかった音海地区に関係する部分でどのような改定が行われたのか、紹介してください。
○政府参考人(山本哲也君) まず、訓練でございますが、平成二十八年八月に実施した訓練、これは三十キロ圏が三つの府県にまたがりますので、福井、滋賀、京都、それから私ども内閣府が共同して実施を、高浜発電所を対象に実施したものでございます。
先生御指摘のとおり、当日の天候悪化によりまして、特に音海地区につきましてはヘリ二機による避難訓練を予定していたわけでございますが、そのうち一機はもちろん飛んだわけでありますけれども、もう一機は飛ばずに、あらかじめ用意をしておりました代替手段で実施をしたものでございます。先生御指摘のように、いろいろ、避難手段というのは一つに頼るんではなくて、あらかじめ代替手段を用意をしてその状況に応じて選択をしていくということが極めて大事でございます。そういう観点から、この訓練においてもあらかじめ用意した代替手段で訓練を実施をさせていただいたものでございます。
それで、今御指摘の、その訓練の結果を踏まえてどう改善をしたかといったところでございます。これの訓練の成果報告書については、平成の二十九年の二月に取りまとめております。それを踏まえる形で、今御指摘ありましたように、平成二十九年の十月に高浜地域の緊急時対応の改定を行ったところでございます。
それで、特に先生御指摘ありましたヘリコプターの点でございます。当然、訓練の成果報告書の中では、ヘリの運用改善とか、さらにはそれらが難しい場合の屋内退避施設の充実などが課題として挙げられました。
そのために、この音海地区については、こういう実動組織の方々のヘリが早期にこの地域に近づくことができるように、必要に応じて警戒事態の早期の段階から原子力施設近傍のヘリポート適地、これは実際には若狭ヘリポートと呼びますけれども、こういったところにあらかじめ待機させることによって、天候が回復しましたら直ちにヘリポート、ヘリに飛来ができるという対応、体制を取ってまいります。
それから、もう一つは孤立化対策ということで、先ほど言いましたような天候悪化のためにヘリが来ない場合については、屋内退避施設を充実させるということでございます。これまでも既に音海小中学校を対象に放射線防護対策施設を用意をしてございます。これは町民の方々全員入れるぐらいの容量を持っておりますけれども、新たに一定の遮蔽効果のあるコンクリート建ての建物も追加をして、屋内退避施設の充実を取り組んでいるところでございます。こういった改定内容をいたしました。
さらに、このほかにも、先ほど御指摘があったこの音海から避難をするために、小黒飯というところに、発電所に向かって避難をする経路になるわけでありますけれども、そこで新たにトンネルを開通させる工事をして、今年度内にそのの開通を目指すというふうに承知しているところでございます。これによりまして、音海地区の住民の特に陸路による避難経路の充実強化が図られるということになるかと思っております。
それで、いずれにしても、この避難計画には完璧な終わりはございません。それで、今年の夏頃には大飯と高浜を対象とした国の訓練を実施することも予定してございますので、こういう訓練を通じて課題を抽出して、継続的な改善に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 まあ何か天候が回復したらとか、もうやっぱりこれ天候に左右されちゃうわけですよね、どうしても。
音海地区に屋内退避施設が一つ加わったと言いますけど、これ別に放射線防護施設でも何でもないですから、普通の小学校ですから、それ一つ加えただけでしょう。トンネルの話もありましたけれど、これトンネルの出口は原発近くですから、これ何も解決もない、対策にもならないと。自治会の皆さんの不安は全く払拭されないというのが実態なんです。
私は、避難計画改定から二か月後の二〇一七年の十二月に音海地区にも伺いました。直接住民の皆さんからお話も聞きました。皆さんは、高浜原発のすぐ真ん前の道路をバスで逃げなさいなんて、音海の人たちの気持ちを全く考えていない、あり得ない、船で逃げるにしても自衛隊の船が接岸できる岸壁がない、机上の空論などと、およそ現実的な計画ではないということで悲鳴の声が上がりました。意見書を提出した後、地区内には高浜原発運転延長反対と大きく書かれた看板が計四か所設置されておりますけれども、うち一か所は、つい先日ですよ、五月の十日に地区北部の釣り場に至る県道沿いに建てられたばかりであります。
大臣、このような、不安ばかりだと、避難計画があっても不安ばかりですよ、結局。実効性もないと。これでは自分たちの命が守れないとして、立地自治体の中の原発の一番近くの地区の住民が自治会ぐるみで反対をされています。このまま運転延長、再稼働なんて私はとんでもないと思うんです。
大臣、関電に対して、住民の同意のないまま再稼働しないように指導すべきじゃないですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 避難計画の実効性あるいは技術的な面については、これは内閣府防災あるいは規制委員会で判断されるものだと思いますけれども、その上で申し上げれば、原発の再稼働を含めて、原子力エネルギー政策についてはいろんな御意見があると承知をしております。
政府としては、様々な御意見にしっかりと耳を傾けながら、原発の重要性やその安全対策、原子力災害対策などについて皆さんの理解が深まるよう、様々な機会を利用して国民や地域の皆さんに対して丁寧に説明することが重要だというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 全く理解されないというのが実態だというふうに思います。
今日は、東京電力の小早川社長にもお越しいただきました。
昨年五月に東電が申請をし大臣が認定をした新々総合特別事業計画には、福島原子力事故への対応こそが東電の原点であり、福島への責任を果たすために東電が存続を許されたということは今後も不変である、東電はこの使命を肝に銘じ、福島始め被災者の方々が安心し、社会の理解得られるよう万全を期すとともに、廃炉も含めた事故の責任を全うしなければならないとあります。
ところが、本年三月三十日に、日本原電が有する東海第二原発の再稼働に当たっての新規制基準対応工事費用一千七百四十億円について、原電の筆頭株主である東電が資金支援を行う意向があると表明をいたしました。資料四と五に依頼とその回答を付けさせていただきました。
社長にお聞きしますけれども、これ結局、何で原電は支援が必要だということになっているんですか。これ結局、つまり東電の支援がなければ原電は東海第二原発を再稼働できないと、こういうことなんですか。
○参考人(小早川智明君) 御回答申し上げます。
日本原電さんが当社の支援がなければ再稼働できないかどうかは私がお答えするべき立場にはございませんが、経緯御説明申し上げますと、当社は、日本原電から東海第二発電所の新規制基準対応工事を実施するための資金調達を行う際に、資金支援をする意向を有している旨を書面で表明するように依頼を受けました。これに対しまして、当社は、お客様に低廉で安定的かつCO2の少ない電気をお届けすることが電気事業者としての大きな責務であると考えており、その責務を全うするための電源調達手段として東海第二発電所からの受電は有望であると執行側で判断し、取締役会への報告を経て、会社として東海第二発電所に対する資金支援の意向を文書で提出したものでございます。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、東京電力が原電を支援しなければ、これ、原発は動かないですよ。つまり、駄目なんですよ。規制委員会が、資金の援助ないと無理ですよと。つまり、これ、東電が原発を動かすことと同意なんですよ。同じことでしょう。東北電力と東京電力、東京電力は八割ですから、受電比率は。東電が支援しなければ動かないということは、東電が再稼働することと同じことじゃないですか。どうですか。
○参考人(小早川智明君) 繰り返しになりますが、当社は、お客様に低廉で安定的かつCO2の少ない電気をお届けすることが電気事業者として重要と考えており、その事業を全うするための電源調達手段先として東海第二発電所からの受電は有望と考えております。その趣旨から、電源を調達する手段として意向を表明したものであり、引き続き総合的に検討を行ってまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 いや、そういう、安くなるとか、そういう話じゃないんじゃないですか。これ、新々総特にあるとおり、国が東電の存続を許したのは、賠償と廃炉作業を進めて福島の賠償の責任を果たすためですよね。福島事故を起こした東電に他社の原発再稼働を支援する資格は私はないと思いますよ。これ、絶対許したらあきませんよ。
大臣、これ、私は、新々総特にも示されたとおり、これやっぱり最優先されるべきは福島の賠償だと思うんですよ。事実上のこれ国有化されていますからね。これ、やっぱり被災された方々の心の痛みにしっかり向き合って、これ、東電に対して原電の支援など許されないというメッセージ発するべきじゃないですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 東海第二原発への資金的な協力については、東電などの受電会社が自らの経営責任において判断すべきものと考えています。
今御指摘の新々総特においても、東京電力は、賠償や廃炉の責任を貫徹するためにも更なる経営の健全化を進めていくということが求められているわけであります。今回の資金的な協力についても、小早川社長を始め東電経営陣が経営健全化に取り組む立場から、経営上のメリット等を総合的に勘案し判断したものというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 そういう言い方は、納得、絶対福島の方はされないと思いますね。私は、再稼働に反対する多数の国民世論に応えて、今こそ原発ゼロにかじを切るべきだということを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。