処遇改善は「重要」/会計年度任用職員/辰巳氏に総務相答弁/衆院総務委
2025年12月11日
地方公務員の「給与改定費」確保のための費用など、2025年度補正予算で増額された地方交付税を措置するための改正地方交付税法が16日に可決・成立しました。日本共産党は賛成しました。同党の辰巳孝太郎議員は11日の衆院総務委員会で、自治体の非正規公務員「会計年度任用職員」の処遇改善を求めました。
林芳正総務相は、女性が多くの割合を占める会計年度任用職員の処遇格差について「処遇を改善していくことは重要な課題だ」と答弁しました。
総務省は昨年度から補正予算で「給与改定費」を設けていますが、4月に遡及(そきゅう)して改定した自治体は1338にとどまり450自治体が遡及改定していません。
理由について「システム改修の必要性」などをあげた総務省自治行政局の加藤主税公務員部長に対し、辰巳氏は「そうではない自治体もある。給与改定費の適切な見積もりをしたのか。厳しい財政運営を強いられている実態を総務省は把握すべきだ」と批判。住民サービス削減を理由に職員給与を遡及改定しない自治体や、財政調整基金の枯渇を理由に給与改定条例案を提出しない自治体もあるとし「財政難が原因で会計年度任用職員の給与改定が実施されないことがあってはならない」と迫りました。
林総務相は「実施時期を含め常勤職員に準じた改定が基本であり適切な対応を促したい」と答えました。
辰巳氏は、業務量は変わらないのに勤務日数や勤務時間を削減するなど事実上のサービス残業を押し付ける事例を示し「あってはならない」と追及。林総務相は「適切に時間外勤務手当を支給するのは当たり前だ」と答弁しました。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
本法案は、二〇二五年度中に増額となった地方交付税について、給与改定経費の確保、原油価格対策、能登半島地震などの災害に算定するなど、その全額を地方自治体の財源として交付、活用するものとなっておりまして、我が党としては賛成ということになります。
ところで、政府は、この巨額の財源不足が継続する状況においては、調整額の復活に要する額と追加的に発生する財政需要への財源を除く残余の地方交付税分を、翌年度の交付財源とするために繰り越すということを基本として、これは歴代大臣もその旨の答弁を重ねてまいりました。
しかし、この間、地方財政は、歳入では、物価高を反映して、地方交付税法定率の増額分も含め、臨財債の新規発行額が、二〇二五年度にはゼロになる、来年度もゼロになる見込みが示されております。
大臣に確認したいんですけれども、巨額の財源不足が継続する状況とはもう言えなくなっている、こういう話でよろしいですか。
○林国務大臣 近年では、この巨額の財源不足、これを臨時財政対策債などによって補填していた状況を踏まえまして、国の補正予算に伴って年度途中に地方交付税が増加する場合には、補正予算において追加的に発生する財政需要等への対応に必要な財源を確保した上で、その残余を翌年度の地方交付税の財源として活用するために繰り越すことを基本としてきたところでございます。
今回の補正予算では、地方交付税の総額が一・五兆円、先ほど申し上げたように増額することとなりましたが、経済対策に伴う地方負担など年度途中の追加的な財政需要等への対応として一・三兆円を交付する必要がある一方で、令和七年度におきましては臨時財政対策債の発行額がゼロとなって、八月に公表した仮試算におきましても、令和八年度においても臨時財政対策債に頼らない財政運営ができる見込みとなっていること、そういうことから、翌年度への繰越しは行わない、こういうことにしたわけでございます。
○辰巳委員 つまり、今までとは状況が変わってきているということを総務省も認めているということだと思うんですね。
続けて、大臣。
そうなりますと、私たちとしては、地方交付税というのは地方固有の財源ですから、地方交付税法第六条の三第一項の趣旨に立って、増加した交付税は年度中に全額交付することを基本とすべきだと考えているんですけれども、もう、増加した交付税は年度中に全額交付することを今後は基本にすべきだというふうに考えますけれども、いかがですか。
○林国務大臣 地方交付税法の第六条の三の第一項に、普通交付税の総額が各地方団体の所要額を上回る場合には、当該年度の特別交付税の総額に加算する、こういうふうに規定をされているところでございます。
先ほど申し上げたように、近年は、巨額の財源不足が生じていたことを踏まえて、先ほど申し上げたような翌年度への繰越しを行っておりまして、そのために必要な法律改正を行ってまいったわけでございます。
今年度については、先ほど答弁したとおり、年度途中の追加的な財政需要の対応、そして地方財政の状況を勘案して、翌年度への繰越しは行わないということにいたしました。
今後、国税の増収に伴う地方交付税の増額が生じた場合の対応については、地方財政の収支の状況、そして国の経済対策、また、先ほど来御議論がありましたけれども、災害対応の必要性、その時点の状況を踏まえるとともに、地方団体の御意見も伺いながら、その都度適切に判断してまいりたいと考えております。
○辰巳委員 是非、法の趣旨に沿って、原則的に地方にちゃんと使ってもらう、そういう姿勢に立ち戻るべきだということを言っておきたいと思います。
巨額の財源不足が継続的に生じている状況にはないという話ではあるんですけれども、一方で、一般財源の同水準ルールによって、事実上、地方財政、地方自治体の一般財源の基準というのは抑制をされてきました。その結果、自治体の業務量というのは増えているんだけれども必要な財源は不足をしているという状況がずっと起きてきているわけなんですよね。
その中で、今回、去年に引き続いてなんですけれども、給与改定費というものが設けられたわけでございます。会計年度任用職員の二〇二四年度の給与改定費の実績については、総務省の調査で、遡及改定した自治体は一千三百三十八となっているんですね。じゃ、残りの四百五十もの自治体はなぜ遡及改定ができなかったのかということだと思うんです。
大臣、その要因は何なのか。財源不足から遡及改定ができなかった自治体がやはりあるんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。総務省、どうですか。
○加藤政府参考人 会計年度任用職員の給与についてでございますが、遡及改定を実施しなかった自治体の理由といたしまして、例えば、任用時に勤務条件を既に示しており、年度途中での変更が困難であること、あるいは、システム改修が必要であること、そういった事情があるというふうに承知しております。
○辰巳委員 四百五十もの自治体全部がその理由ですか。全部つかんでおられるんでしょう。どうですか。
○加藤政府参考人 先ほど申し上げました例は、幾つか大きな、大きなといいますか、多数挙がったものについて説明させていただいておりまして、そのほかにも様々、その団体の事情に応じた例が挙げられているというふうに承知しております。
○辰巳委員 そのほかの団体のことが気になりますね。何か、システムが駄目だからシステム上の問題で遡及改定できなかったんだみたいなことを総務省はしきりにおっしゃるわけなんですけれども、そうじゃない自治体もあるということをたくさん私たちは聞いております。
総務省はいろいろな助言をしてきているわけですね。ただ、多くの自治体が遡及改定に応えられなかった。私は、その要因を総務省はしっかり把握すべきだと思うんです。
地方財政審議会は、十一月二十一日の令和八年度地方税制改正等に関する意見の中でこう言っています。
地方財政は、歳入においては、足下で経済の好調を背景に税収が伸びているものの、歳出においては、物価高や人件費、金利の上昇などが顕著となっている、地方団体は厳しい財政運営を迫られていると改めて指摘をしているわけなんですね。
そもそも給与改定費に適切な見積りをしたのかということですよね。財源不足から遡及改定ができなかった事態もあるんじゃないかというふうに思っております。この給与改定費の実施を通じて、自治体が厳しい財政運営を強いられているという実態をやはり総務省自身は把握をすべきだと私は思います。
二〇二五年度の遡及改定に向けても自治体で検討されてきてはいるんですけれども、例えば、住民サービスをカットするので職員もといって遡及改定しない姿勢を示す自治体や、財政調整基金の枯渇、これを理由に、遡及改定をせずに、十二月議会に給与改定の条例案を提出しない、そういう自治体も出てきているというふうに聞いております。
大臣、やはり自治体現場の実情をちゃんと把握をして、会計年度任用職員の給与遡及改定、これは全ての自治体できっちり実施されることが求められると思います。財政難が原因として会計年度任用職員の給与の遡及改定が実施されないことがあってはならないと、大臣、はっきり言っていただきたい。どう責任を持って対応していくのか述べていただけますか。
○林国務大臣 会計年度任用職員の給与改定でございますが、改定の実施時期を含めて、常勤職員に準じて改定することが基本である、そういうふうに考えておりまして、その旨地方公共団体に助言しておるところでございます。
この令和七年の人事院勧告などを踏まえました会計年度任用職員の給与改定所要額については、全ての地方公共団体への調査の結果に基づきまして、今回の補正予算による地方交付税の増額等によって適切に措置しているところでございます。
各団体に対して、引き続き、ヒアリングの機会などを活用して、会計年度任用職員の給与改定について適切な対応を行うように促してまいりたいと考えております。
○辰巳委員 大臣からも答弁ありました。総務省も、やはり、単に財政上の制約を理由にして、新たに期末手当を支給する一方で給料や報酬について抑制を図ることは改正の趣旨に合わない、こうも通知をしているわけですね。要するに、財源不足を理由にして処遇改善が妨げられてはならないということだと思います。ところが、財政不足や財政危機を理由に、やはり今申し上げたようなことが自治体で起こっているんですね。
例えば、期末・勤勉手当を常勤職員と同じ月数へ改善することと引き換えに一日当たりの勤務時間を従来の七時間半から七時間にすると提案している自治体があるわけなんですね。また、図書館司書が、七時間三十分の所定勤務時間外に、超過で、一千冊を超える蔵書の修理など膨大な業務に応えるために無給で超過勤務を行う、サービス残業ですね、こういう実態があるわけです。要は、勤務時間設定を短くして、事実上のサービス残業を押しつけるということですね。
大臣、こういうことは、総務省、大臣の立場としては、あってはならないということをはっきり言っていただきたい。
○林国務大臣 基本的には、会計年度任用職員を含む地方公務員の勤務時間については、各自治体において、職務の内容そして量などに応じて適切に設定していただくべきものであります。
総務省として、委員今御指摘のあった事例は承知はしておりませんけれども、ICカードなどの客観的な記録を基礎とした勤務時間の把握について、各自治体に対して助言を行っているところでございます。
また、正規の勤務時間を超えて時間外勤務命令を発して勤務させた場合においては、適切に時間外勤務手当を支給する必要がある、当たり前のことだ、こういうふうに思っております。
総務省といたしましては、引き続き、先ほども申し上げましたが、ヒアリングの機会などを活用して、制度の適切な運用が確保されるように、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○辰巳委員 最後になりますけれども、昨年、この臨時国会で、今日も座っておられます村上誠一郎前総務大臣に質問を、会計年度任用職員についてやったんですけれども、村上大臣は、会計年度任用職員の雇用の安定性にやはり問題があるという答弁をしていただきました。これは非常に画期的な答弁やと私は思っております。是非そういう姿勢で臨んでいただきたいと思うんですね、引き続き。
今年三月十四日の参議院の本会議では、女性が多くを占める会計年度任用職員については、処遇の改善をしていくことは重要な課題であると考えておりますという答弁もしております。六月の骨太の方針二〇二五では、「会計年度任用職員の処遇改善」という文言が初めて明記をされました。これは初めてです。
最後に、大臣に聞きたいと思います。
やはり、女性が多くの割合を占めているというのが会計年度任用職員なんですよね。住民サービスの重要な業務を支えながら、任用、給与を始めとする大きな格差の下に置かれている会計年度任用職員、これはやはりジェンダー不平等を象徴するものではないかと私は思います。
そういう意味でも、ジェンダー不平等を解消するためには、会計年度任用職員の処遇改善が必要だと私は思っております。大臣の認識を問いたいと思います。
○林国務大臣 今御指摘のあった会計年度任用職員の男女比でございますが、令和六年四月一日現在、任用期間が六か月以上で一週間の勤務時間が常勤職員の半分以上の職員は、男性が二四・二%、女性が七五・八%、こういうふうになっております。
職員の任用については、もう当たり前のことですが、地方公務員法に定める平等取扱原則及び成績主義の原則に基づいて行われておりますが、女性が多くの割合を占める会計年度任用職員については、その処遇を改善していくことは重要な課題であると認識しております。
このため、期末手当に加えて勤勉手当の支給を可能とする法改正を行うなど、適正な処遇の確保、改善に取り組むとともに、能力実証を経た、会計年度任用職員の常勤化に資する事例集、これも取りまとめて、取組の普及促進を図っているところでございます。
今後とも、会計年度任用職員が十分に力を発揮できるように、公務現場に即した制度の運用に取り組んでまいりたいと考えております。
○辰巳委員 是非、ジェンダー不平等解消のためにこの処遇改善を進めていっていただきたいというふうに思っております。
以上です。終わります。