「副首都」維新の我田引水/辰巳議員 「都構想のため」通用せず/衆院特別委
2026年07月14日
衆院地域・こども・デジタル特別委員会は14日、与党提出の「副首都」法案を審議しました。日本共産党の辰巳孝太郎議員は、大阪市を廃止し特別区に分割する「都構想」に固執する日本維新の会の「我田引水」の法案だと追及。法案が「副首都」に指定される要件を「特別区の設置」に限定しなくなったことを取り上げ、「副首都のため、都構想が必要だという維新の言い分は全く通用しない」と指摘しました。(関連記事)
辰巳氏は、今年2月に大阪府と市がとりまとめた「大阪の副首都構想」が、都心部のまちづくり強化支援やカジノ税制・管理規制の緩和などを求めており、法案の狙いは「不要不急な大型開発やインフラ整備を『大規模災害のための副首都』を口実に、国と一体で推進しようとするものではないか」と迫りました。
維新がまとめた法案の骨子は特別区の設置を副首都の指定要件にしていたのに、法案が特別区の設置なしでも副首都に指定され得る内容に変わった理由を問いました。
法案提出者の宮下一郎議員(自民)は「特別区設置がなくても(道府県と政令市の)連携協約などでも、実効性ある一体化された行政体制を組むことは可能」と答弁。提出者の高見亮議員(維新)も一体的な行政体制は「連携協約でも可能だ」と認めました。
辰巳氏は、すでに大阪では府市の一体条例に基づき副首都推進本部を設置していると指摘。「今後住民投票が行われても、副首都のために都構想が必要だという言い分は全く通用しないことが明らかになった」と強調し、法案は廃案にすべきだと主張しました。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
本法案が進めるのは、首都機能の移転でもありません。あるいは、首都機能の分散でもありません。首都中枢機能を代替する機能を持つ都市をつくるものであります。
このように明確に副首都を置いている例というのは、少なくとも主要国にはありません。法案の一番の狙いは、インフラ整備などにかかる金を国から引っ張ろうとするものであります。だからこそ、各首長がこぞって副首都に手を挙げております。
本年、大阪府市の副首都推進本部が作成をした大阪の副首都構想なる資料には、露骨なおねだりメニューが並んでおります。例えば、国に求める具体的措置として、うめきた二期などの大阪駅周辺地域、大阪城公園周辺地域、新大阪駅周辺地域、夢洲、ミナミ(難波・湊町・天王寺・阿倍野)といった都心部における東西、南北軸の拠点などについて、町づくり強化のための支援、これを国に求める、あるいは、広域的なインフラ整備や町づくりの権限を広域に集約化するための関係法令の改正を求めるとあります。極めつけは、カジノ税制やカジノ管理規制についての緩和も、副首都になって国に緩和を求めるということになっております。
提出者に聞きますけれども、結局、この副首都というのは、これら不要不急な大型開発やインフラ整備を、大規模災害のための副首都、これを口実にして、国と一体に推進しようとするものではありませんか。
○岩谷議員 副首都は、一定期間、首都中枢機能の全部又は大部分を代替する機能とともに、多極分散型経済圏の形成の中核となる機能を果たすことで、我が国全体の経済の成長に資することを目的として設けたものであります。
この目的を達成するために、本法案では、政府において策定する基本方針や、基本方針に即して推進本部において策定する副首都整備方針に基づき、首都中枢機能の代替のための国の機関等の拠点の整備、交通施設の整備及び都市機能の増進に寄与する町づくりの推進に必要な施策等を講ずることとしております。
なお、提出者といたしましては、副首都の指定要件に人口及び経済の集積に係る要件などがあることから、これらの要件を満たす道府県を指定することで、当該道府県内に所在する既存のリソースを活用して、副首都が担う機能を発揮するための整備費用の縮減を図ることが可能だと考えております。
○辰巳委員 私の、不要不急な大型開発やカジノの緩和規制、これを国と一体で進めようとするものではないかという質問に対しては全く答えない、否定もしなかったわけですね。
元々、維新の会は、副首都は大阪のみで、東京都との二極を狙ったわけですが、自民党などからの反発があり、これは頓挫しました。
一方、自民党が掲げてきたのが、分散型国づくりというものであります。自民党の政務調査会が二〇二四年五月に発表した提言には、首都直下地震や富士山噴火などに備え、社会機能移転分散型国づくりが掲げられ、税制優遇が提案をされており、これらは今回の副首都法案にも組み込まれております。
結局、この法案は、大阪以外も副首都となれる、多極となったわけなんですけれども、私は、維新と自民党のエッセンスが合体して、より悪いものになったと思います。
維新の会は、九月末にまとめた法案の骨子で、二重行政が解消されている、これを副首都の指定要件としておりました。元々、二重行政の弊害という概念は、私は、大阪市を廃止したい維新の会がつくり出したフィクションにすぎないと考えておりますけれども、本法案は、特別区の設置なしでも副首都に指定をされ得るということになっております。
自民党提案者に聞きたいんですけれども、なぜこういう中身になったんでしょうか。
○宮下議員 御指摘のように、この法律案でございますけれども、昨年の連立協議の中の十二項目の一つ、統治機構改革の実現、この項目を実現するために自由民主党そして日本維新の会代表者が集まって、そして統治機構改革協議体というものをつくり、十一回にわたる協議をしたわけであります。
その中で、それぞれ議論してきた法律案がありますけれども、そのエッセンスをどう融合させて東京一極集中是正、そして多極分散型国づくりにつなげていくか、その中で、副首都というものをどう位置づけるのか、そういう議論も行った上で、必ずしも特別区設置がなくても、連携協約等々の形でも、実効性ある一元化、一体化された行政体制を組むことは可能であろう、こういう結論に達して、そうした特別区限定ではなくて、ほかの連携協約による道も開くということに両党で決まった、それを法案に盛り込んだというのが実態でございます。
○辰巳委員 つまり、政令市を廃止をして、特別区を設置していなくても、実効性のある行政体制は連携協定で可能だという結論に達したということですよね。
もう一方の、維新の会の高見さんにもお聞きしたいんですけれども、昨日からいろいろありますけれども、なぜ特別区でなければならないのかということを維新はもうとにかく強調してきたわけなんですよね。権限を一体的にしないと経済政策ができなくなる可能性があるからだという答弁も今日されていたと思うんですけれども、高見さんはこの連携協定でそれがカバーできると考えておられるんですか。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
連携協約、どういう体制の連携協約を必要とするか、これはまた政令で定めることにはなります。
ただ、いずれにしても、副首都の権限をしっかり行使していく中で、一元的、一体的に事務を行使できる体制というのは連携協約の中でも可能だというのは考えておりますので、ただ、都市にとってどういう体制が一番最適かというのは、都市の特性ごとに変わると考えているところではございます。
以上です。
○辰巳委員 今、可能だとはっきり答弁されたわけですけれども、先ほど少し紹介されていましたけれども、既に大阪府市は府市の一体条例ということで、先ほど紹介した副首都構想という資料も副首都推進本部で作られているんですね。この副首都推進本部というのは、この府市一体条例に基づいて設置をされているんですけれども。
高見さんにもう一回聞きます。府市一体でやられているこの条例、これがあれば連携協定に足るものになるという判断をされているということでよろしいですね。
○高見(亮)議員 お答えいたします。
連携協約に対して、どういう連携協約が必要なのかというのはこれから政令で定めるものでございまして、現時点におきまして、今大阪がやっております、制定しております府市の一体条例がそれにかなうかどうか、それはこれからの議論によって変わるものと考えております。
以上です。
○辰巳委員 この条例の第二条に、府市が一体的な行政運営を推進することによって副首都大阪を確立すると言うてるわけですからね。もうこれが足り得ないということになれば、何が足り得るのかという話になると思うんですよね。つまり、都構想をしなければ、特別区を設置しなければ副首都ができないという元々の維新の話は、まさに我田引水だということだというふうに思います。
副首都も都構想も我々は反対なんですけれども、今後、住民投票が仮に行われたとしても、これは副首都のために都構想が必要だという言い分は全く通用しないということが明らかになったというふうに思います。
この法案、まだまだ審議しなければならないというふうに思っておりますので、我々としては、廃案を目指して引き続き審議に加わっていきたいというふうに思います。
以上です。