国庫負担増額さらに/国保料巡り辰巳氏求める/衆院厚労委
2026年04月17日
日本共産党の辰巳孝太郎議員は17日の衆院厚生労働委員会で、国民健康保険料(税)を抑制するため、国保の財政安定化基金を活用できるよう、さらなる国庫負担の増額を求めました。
都道府県が設置する国保の財政安定化基金は、予期せぬ保険料収入不足や保険給付費の増加による財源不足を補うもので、積み立ての総額は増加傾向にあります。健康保険法改定案は、この本体基金分を保険料抑制のために取り崩すことを認めるとしています。
辰巳氏は「高い国保料を引き下げるのは切実な要求だ」と強調。しかし、取り崩し分は翌年以降に保険料で返済する仕組みのため、「引き下げ効果は一時的なものにとどまる」と指摘しました。「返済財源として公費や国庫負担の投入が必要だ」と述べました。
市町村の国保の特別会計上で生じた決算剰余金を積み立てた基金も増加傾向で、これを保険料抑制に使えるかと質問。厚労省の間隆一郎保険局長は「市町村の条例の目的の範囲内であれば活用可能だ」と答弁しました。
政府が狙う都道府県内の自治体すべてで同じ保険料率とする「統一保険料」を大阪府と奈良県は先駆けて実施しています。辰巳氏は、保険料が統一された県でも、市町村は基金を保険料抑制に活用できるかと追及。間局長は「想定していない」としつつ「都道府県内で統一的な扱いで保険料抑制に活用するなど都道府県と市町村が議論してほしい」と答えました。
辰巳氏は、保険料として集めて余ったものは保険料の抑制に使えるのが筋だと強調。自治体独自の軽減措置を抑える「国保の都道府県化はやめるべきだ」と訴え、払える国保料にするため国保への国庫負担を増やすよう求めました。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今日は、都道府県や市町村に積み増しされている国保の基金についてお尋ねしていきたいというふうに思います。
かつて政府は、国保の構造的課題の解決のためとして、二〇一五年に国民健康保険法を改正しまして、都道府県単位化を行いました。政府は、年齢構成が高く、医療費の水準が高い、所得水準が低い、保険料負担が重い等を挙げて、国保の構造的な課題としておりました。保険料収入不足や保険給付費の増加に伴う財源不足が生じた場合に活用できるとして、都道府県に設置されたのが国保の財政安定化基金であります。
今回、改正案では、この本体の基金部分について、これまで認められてこなかった保険料の抑制のための取崩しを認めるとともに、従来の積み戻し期間、三年だったわけですけれども、これよりも長い期間での積み戻しを可能とする、こういう改正の中身になっております。
確認しますけれども、今回なぜ財政安定化基金の本体基金部分について、これまで認められてこなかった保険料抑制のための取崩しを認めようとしているんでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
財政安定化基金のうち、今委員正しく御指摘になられたように、本体基金部分ですが、保険料の収納不足等に伴う財源不足が生じる場合に、一般財源からの補填等を行う必要が生じないよう、国費により都道府県に設置されたものでございます。
この基金については、保険料の収納不足が実際に生じた場合等にのみ活用することが可能であり、そのような事態が発生しない場合には基金が活用できない仕組みとなっておりました。
本法案におきましては、自治体の意向を踏まえつつ、あらかじめ保険料の抑制のために基金を取り崩して活用できるよう、その使途を拡充する見直しを行うこととしてございます。
例えば、国民健康保険では今、都道府県内の保険料水準の統一を進めておりますけれども、これを行う上で、市町村によっては保険料の上昇を伴いますことから、その上昇幅の抑制に活用することでありますとか、例えば、災害の翌年度に従来の保険料水準で賦課することが難しい場合等に取り崩して活用することを想定して、このような御提案を申し上げているところでございます。
○辰巳委員 二〇一八年から始まりましたこの都道府県単位化以降も、コロナ禍で減った二〇二〇年度を除いて、これは増え続けているんですね。やはり、高い国保料を引き下げるというのは切実な要求だと思います。国保料は高くなり続けているわけですね。
今日、資料につけましたけれども、都道府県の安定化基金のグラフでございます。赤部分ですね。本体部分への支出、二千億円の国からの拠出が終わったのが二〇一七年、ここががばっと増えているわけですね。ただ、それ以降も大きく積み上がってしまっておりまして、今や四千四百六十三億円ということになっております。これは、制度開始後から一貫して増加傾向なんですね。これは、都道府県の国保特会が基本的には黒字基調だということを意味しているわけです。
厚労省、確認したいと思うんですね。
都道府県によって基金の額は当然違うんですけれども、どの程度、今回の改正で保険料引下げの財源として使えると見込んでいるのか、お答えいただけますか。
○間政府参考人 お答えいたします。
財政安定化基金、とりわけ本体基金の部分については、本来的には財源不足が生じる場合に備えるためのものであるという趣旨を踏まえまして、法律案の規定上、今回新設する使途による取崩しについては、従来の使途、これまでの使途に支障のない範囲においてのみ行えることとしております。その具体的な取崩しの範囲に関しましては政令で定めることとしておりまして、各都道府県の保有、活用状況も踏まえながら、引き続き検討していきたいというふうに思います。
ちなみに、委員が御提示いただきました基金の残高は、御案内のとおり、本体基金分と、それから都道府県の財政調整の分と合わさったものということを念のため申し上げたいと思います。
○辰巳委員 ただ、結局、これ、返さなあかんのですよ、六年とかで。積み増し、返済しないといけないので、やはりこれは、効果は一時的なものにとどまるんじゃないかと私は思うんですね。
やはり、せっかく国庫財源を保険料の抑制に充てるのであれば、その返済財源を、定率負担、国や県の調整交付金の対象にするなど、保険料抑制のために公費や国庫負担の投入が私は必要だというふうに思います。これはやらないという話だと思うので、もう改めて聞きませんけれども。
問題は、都道府県だけじゃない、市町村の基金も積み上がっている。これ、裏側につけておりますけれども、もう膨れ上がっていますよね。これは、やはり都道府県の統一保険料率は財政力が弱いところでも赤字とならないように高めの設定となりますので、どうしても取り過ぎとなって基金に積み増しをされてしまうんですね。私は、ここの活用、やはり推進していくべきだというふうに思うんです。
市町村の特会の決算剰余金が積み上がったこの基金、これも使えるということでよろしいでしょうか。いかがですか。
○間政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員から御質問いただきました市町村の基金につきましては、市町村において国民健康保険の特別会計上で生じた決算剰余金等を積み立てて設置している基金でございまして、地方自治法の規定に基づき、各市町村の条例に定める特定の目的のために活用するものでございます。
条例の目的の範囲内であれば、保険料の抑制に活用することも可能であると承知しております。
○辰巳委員 なるほど。ちゃんと条例で定めていれば、市町村で活用できるという重要な答弁だったというふうに思います。
同時に、保険料率の水準を統一している場合、今でいうと大阪と奈良だけになると思うんですけれども、そういう府県、あるいは、そこまではいっていないけれども、納付ベースの統一をしているケース、都道府県もあると思いますけれども、そういう府県についてもこの市町村にため込まれた基金を活用できる、保険料の抑制のために活用できる、そういう認識でよろしいでしょうか。
○間政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員おっしゃいましたように、国保で都道府県内の保険料水準統一を進めておりまして、今おっしゃるように、大阪、奈良が統一をできているということでございます。
こういう統一になりますと、同じ所得水準、同じ世帯構成であれば、どの市町村でも同じ保険料になるという公平性を図るとともに、小規模保険者における財政運営の安定を図ることとしております。
今、大阪府、奈良県のように都道府県内の保険料水準を既に統一している場合には、各市町村に設置されている基金を用いて市町村がそれぞれに保険料を抑制し、市町村ごとに保険料水準が異なる状態と仮になりますと、保険料水準統一という定義には適合しなくなるというふうに考えておりまして、そのような形での市町村の基金を活用することは想定していないところでございます。
そのため、こうした都道府県内の保険料水準を統一した場合における市町村の基金については、都道府県内で統一的な取扱いで保険料抑制に活用する、あるいは保険料抑制以外に活用するなど、都道府県と市町村がよく御議論いただきたいというふうに考えております。
○辰巳委員 局長、確認ですけれども、大阪、奈良はなかなか難しいという話と同時に、納付金ベースで統一、まだそこまではいっていない市町村であれば、きちんと条例で定めれば保険料抑制のために基金は使える、こういう答弁でよかったですね。短く。
○大串委員長 時間が経過しておりますので簡潔に、間局長、お願いいたします。
○間政府参考人 保険料統一という大きな目標に向かっておりますので、それへの支障がないかどうかということを都道府県、市町村でよく御議論いただきたいというふうに考えております。
○辰巳委員 もうややこしいことはやめて、統一化はやめろということを私は言いたいというふうに思います、保険料引下げのために。私たちは頑張ります。
以上です。