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国会会議録

国保逃れは違法行為/辰巳氏 維新議員の未加入追及/衆院厚労委

2026年04月10日

日本共産党の辰巳孝太郎議員は10日の衆院厚生労働委員会で、日本維新の会の地方議員らが関与した「国保逃れ」は違法行為であり、厳格に対応するよう求めました。

 

個人事業主が一般社団法人の役員などに形式的に就任して社会保険に加入し、本来支払うべき国民健康保険料(税)の負担を逃れる国保逃れが問題となっています。

 

辰巳氏は「応能負担が原則の保険で、高額所得者が保険から出ていけば、残った人たちの保険料が引き上がる。社会保険制度そのものを揺るがす不正だ」と強調。上野賢一郎厚労相は「制度に対する国民の納得感や公正性を損なう」と応じました。

 

厚労省は3月、国保逃れについて、使用実態のない被保険者資格の取得の届け出は違法だと保険者に通達しました。辰巳氏が、今回の問題を受けたからではなく「これまでも違法だったのか」とただしたのに対し、厚労省の三好圭年金管理審議官は「以前から健康保険法に違反する」と答弁。辰巳氏は「今回の国保逃れは脱法ではなくて違法行為だ」と強調しました。

 

さらに、法人役員ではなく法人従業員として雇用して社会保険に加入させる新たな国保逃れの手口があると告発。「これも脱法的だ。放置は許されない」と厳しい対応を求めました。

 

日本維新の会の党内調査では首長を除く全議員の45%にあたる364人が国保に未加入です。辰巳氏は、問題になった仕組みでの「国保逃れ」以外に、議員自身が代表を務める法人や支援者などが運営する民間の社会福祉法人などの理事などに就任し、報酬を受け取って社会保険に加入していると推察できると指摘。「名目的な形で理事に就任している場合は国保逃れとして違法の可能性がある」と述べ、政党としての対応も問われると強調しました。

2026年4月11日 しんぶん赤旗

 

議事録を読む

会議録PDF

 

○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今日は、いわゆる国保逃れについて質問をいたします。
昨年、勤務実態がないにもかかわらず、一般社団法人などの役員に会費を払って就任をして、最低限の報酬を受け取ることで社会保険に加入をして、本来支払うべき国民健康保険料等の負担を回避する国保逃れが全国的に行われていることが明るみになりました。
例えば、年齢四十歳以上の年収一千三百五十万円の大阪市会議員の場合、二〇二五年度、国民健康保険料は最高額の百九万円となるわけなんですが、この問題のスキームで最低等級の社会保険に加入した場合、法人との折半になりますので、負担する社会保険料は最低で年間四万一千百六十八円となります。つまり、その差額、百四万八千八百三十二円のちょろまかしということになります。
また同時に、納める厚生年金保険料、これも、法人との折半ということになりますと、月額八千五十二円、年額で九万六千六百二十四円。一方、国民年金保険料は、昨年度ですけれども、月一万七千五百十円、年額二十一万百二十円ですから、その差額、十一万三千四百九十六円のちょろまかし。
健康保険、厚生年金合わせて年間百十六万二千三百二十八円のちょろまかしということになります。報酬を引いた会費、会費を負担しますので、この負担分を考慮したとしても、年間百万円前後が不当に軽減をされるということになります。仮に、配偶者を三号加入させて、本来負担すべき国民年金保険料が免除となっていれば、ちょろまかしは二十一万二百十円、もっと増える、こういうことになるわけですね。
大臣、応能負担が原則の保険で、例えば市会議員であれば高額所得者、高額国保の負担者ということになるわけですが、こういう人たちが保険から出ていくということは、残った人たちの保険料を引き上げるということにもなるわけですね。社会保険制度そのものを揺るがす不正であると言わなきゃならないと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○上野国務大臣 一般論になりますが、本来、被用者保険への加入が認められていない者が不当に加入し、国民健康保険の適用を免れている状態は、制度に対する国民の納得感や公正性を損なうことにつながるものであると考えております。その意味でも、高額所得者であるか否かにかかわらず、加入すべき保険に加入しないということは決して看過できないことだと考えています。
○辰巳委員 そうですよね。私も本当にそう思うんですよ。
本年三月十八日、この国保逃れについて、厚生労働省は通知を出しました。全国健康保険協会、健康保険組合、日本年金機構に対して、実態がない場合は違法行為であるとして資格喪失など厳格な対応を取るよう求める、そういう旨の通知であります。
厚労省、この具体的な中身を説明していただけますか。
○三好政府参考人 お答え申し上げます。
法人の役員に係る社会保険の適用につきましては、一般的に、役員としての業務が経営参画を内容とする経常的な労務の提供であるとか、そして、役員としての報酬が業務の対価としての経常的な支払いであるか、こういった観点を総合的に勘案して判断をするということでございます。
今般、今議員から御紹介がございましたけれども、個人事業主やフリーランス等を対象に、一般社団法人の役員として加入させることで、社会保険に加入できて保険料の削減が可能となっているとうたっているような事例があることを踏まえまして、三月十八日付で通知を発出しまして、こうした法人の役員に係る取扱いを改めて明確化をして、被保険者資格の適用の可否をより適切に判断できるよう、法人との使用関係や業務実態の判断に資する具体例も示しまして、使用実態のない資格取得の届出は違法であるという旨を明確化したところでございます。
○辰巳委員 今厚労省の方からありましたけれども、違法という話がありました。これは脱法じゃないんですね、違法なんですね。
今回、この国保逃れビジネス、これは、広く知られることになったので初めてこれは違法としたわけではなくて、厚労省、確認しますけれども、これまでも違法であった、こういう認識でいいですよねということと、あと、本来この要件に満たないにもかかわらず社会保険に違法に加入していた場合、誰がどの程度罰せられることになるのか。この二つについて聞かせてください。
○三好政府参考人 お答えします。
まず、前段の違法の関係でございますけれども、法人の役員に係る社会保険の適用につきましては、これは従来から、使用関係の実態のない役員については社会保険への加入は認められていないということでございまして、仮に、使用関係の実態のない届出により健康保険、厚生年金保険の適用を受けていたと判断される場合には、健康保険法第四十八条あるいは厚生年金保険法第二十七条の届出規定に違反する。これは通知発出前、後、関係なく、こういうことでございます。
また、正当な理由なく届出をしない、あるいは虚偽の届出を行った事業主に対しましては、健康保険法第二百八条あるいは厚生年金保険法第百二条に基づきまして、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金という罰則規定が適用される可能性がある。個別の事案次第ではございますけれども、あるということでございます。
○辰巳委員 これは懲役がかかってくる可能性もあるということなんですよね。非常に重いと言わなければならないと思います。
それでは、この違法行為に対して、じゃ、違法ですよというふうに指摘をされた場合、どうなっていくのか。加入されていた一般の方々がどうなっていくかということを続けて聞いていきたいんですけれども、大臣に聞きたいと思います。
まず、健康保険の方から。
違法に加入していた場合、これは遡って保険資格の取消しということになると思うんですよね。その場合、遡って資格を取り消される期間というのはどれぐらいなのか。そして、改めて遡って国民健康保険に入り直す必要があると思うんですね。その場合、遡って国民健康保険料を、あるいは国民健康保険税というところもありますけれども、納められる期間はどれぐらいなのか。これは大臣に、大事な問題なので、確認したいと思います。
○上野国務大臣 まず、日本年金機構による事業所調査により健康保険、厚生年金保険への加入が適切でないことが確認された場合には、当該事業所に指導をし、その資格を喪失させることになります。その際、どの時点から加入が適切でなかったかについては、健康保険ですね、健康保険の被保険者資格を有さないことが客観的事実に基づき明らかになった時点まで遡ることが基本となります。個々の事案における実態を総合的に勘案し、個別に判断することになります。
また、健康保険の被保険者資格を喪失した期間は、遡及して国民健康保険に加入していただくこととなりますが、これは、保険料の賦課決定の期間制限との関係から、国民健康保険料の場合は最大二年、国民健康保険税の場合は最大三年まで遡って納めていただくことになります。
○辰巳委員 例えば、国保逃れを十年前からやっていたという方の場合、十年前に遡って社会保険の資格は取り消されるということになるわけです。十年前に遡って国保に加入ということになるんですけれども、納められる国民健康保険料は二年間なんです。つまり、その前の八年間というのは保険料を納めていないという扱いになるわけなんですね。
保険料を二年間遡って、最高額だったら二百万円を超える保険料を負担するということになるんですけれども、十年ちょろまかしていた、二年間保険料を払いました、だけれども、それより前の八年間というのは無保険の状態ですから、もし、その八年間の間に医療を受けていた、あるいは高額医療を受けていたという場合は、十割負担ということになるわけですね。これは大変なことが起こると思いますよ。
続けて、年金、厚生年金の方ですね。これも大臣に確認したいと思います。どれぐらい遡って資格が喪失されるのか。保険料を、国民年金、どれぐらい遡れるのか。いかがでしょうか。
○上野国務大臣 厚生年金保険の被保険者資格を過去に遡って喪失をした場合に、その期間は遡及して国民年金に加入していただくことになります。保険料の徴収権等の消滅時効との関係から、最大二年まで遡って国民年金保険料を納めていただくことになります。
○辰巳委員 資格の喪失は健康保険と同じで、違法なことが分かったところまで遡る、十年やっていたら十年まで遡るということなんですけれども、この国民年金保険料についても、遡って保険料を納めることができるのは直近の二年間ということになるわけですね。つまり、十年やっていたけれども二年間しか払えないということは、その前の八年間の保険料を払えないので、これは、将来年金を受け取るときに、年金額が減らされたまま、亡くなるまで年金額は減らされたままということになるわけですね。永遠に年金額が減少するということになります。
つまり、今回の国保逃れというのが、脱法ではなくて違法行為、これは答弁がありました。それだけではなくて、それをやっていた代償も、将来亡くなるまで続くということが分かりました。これは本当に重大なことだというふうに思うんです。
今、実はいろいろ調べてちょっと分かったんですけれども、国保逃れのために、今、冒頭、厚生労働省が網をかけるというふうにやってもらいました。ところが、法人役員とか理事ではなくて、法人の従業員として雇用して社会保険に加入させると同時に、会費は同じ法人グループ内の別法人に支払わせて、結果としては同じような、国保逃れの効果を得るようなビジネスが実はもう存在をしているんですね。これはもう完全に脱法的と言わなければならないと思うんです。
大臣、これはやはり、こういう新たなといいますか、同じような結果なんですけれども、こういう手法も厳しく私は厚労省は対応していくべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか。
○上野国務大臣 まず、一般論でございますが、法人の役員ではなくて従業員として雇用して社会保険に加入させている場合であっても、法人に使用される者に該当しないと判断される場合は、当然、社会保険の適用は認められないわけであります。
今御指摘の事例が問題があるものかどうかというのは、個々の事例の実態に基づいて判断をする必要がありますので、一概にお答えすることは困難でありますが、やはり社会保険料納付に対する納得感が損なわれないように制度を適切に運用していくということが重要でありますので、今般の通知に基づく対応を進める中で得られる知見も活用して、適正な制度運営の観点から更にどのような対応が必要なのか、可能なのか、検討していきたいと考えています。
○辰巳委員 いや、もう是非やってくださいよ。同じようなことが繰り返されて、おかしいと思います。これは絶対放置しない、放置することは許されないと言いたいと思うんですね。
私は、やはり最も批判されなければならないのはこういうことを勧めた人たちだと思うんですね。今回違法が指摘をされた、国保逃れを行った事業所の中には、残念ながら、維新の会の国会議員の秘書を務めて、それを宣伝文句に会員を集めたという人もおられた。また、議員自身が当該スキームを広げていった事例もあったと聞いております。
維新の会の皆さんは、この問題を受けて調査を行って、六名を処分したと。首長を除く全議員、国会議員、地方議員の四五%に当たる三百六十四人が実は国保に加入していなかったという結果も出たんですね。私は物すごく驚きました。議員は当然、国民年金、国民健康保険に入っていると思っていたからなんですね。驚愕なんですよ。
ただ、私は、この全てが今回明るみになった違法スキームでの国保逃れをしているとは考えられないんじゃないかなというふうに思っています。つまり、例えば、議員自身が代表を務める法人や、自分の地域の支援者などが運営する民間の社会福祉法人などの理事や役員などに就任をして、僅かばかりの報酬を受け取って、そこで社会保険に加入している人が結構おられるんちゃうかなというふうに思っているんですね。
ここで、厚労省に確認したいと思うんですね。
社会保険への加入は、代表者や役員ならば、実態において、経常的な労務の提供、具体的な指揮監督や権限の行使が必要だとされていると思うんですね。どのような判断基準が示されているのか、少し紹介していただけますか。
○三好政府参考人 お答えします。
法人の役員の業務が経営参画を内容とする経常的な労務の提供に当たるかどうか、どのように判断するかという点で、これは個々の事案の実態に応じて個別に判断をするということではございますけれども、日本年金機構の内部の取扱いでは、例えば、当該法人の役員への連絡調整や職員に対する指揮監督に従事しているかどうかでありますとか、当該法人に応じて、求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか、こういったものも勘案して、実態を踏まえて判断をするというようなことも示されているところでございます。
○辰巳委員 つまり、議員が単に名誉職的な形で理事に就任している場合、実費弁償として、その程度の報酬しか受け取っていない場合とか、こういうときは、やはりこれは働いている労働者というふうにはみなされないということになって、違法の可能性があるということですね。
私はやはり、本来議員として仕事をしている者が、議員の仕事以外に経常的な労務の提供なんてできるのかなというふうに思うわけですよ。大臣、厳格にやはりこの問題もちゃんと運用するべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。
○上野国務大臣 あくまで一般論ではございますが、先ほど来答弁を申し上げておりますとおり、これはもう従来から、経営参画を内容とする経常的な労務の提供、業務の対価として経常的な支払いを受けているといった要件、これを満たさずに、使用関係の実態がない場合には、社会保険への加入は認められていないところであります。
適切な制度運営の観点から、今後とも、こうした基準に基づいて、個々の事案についてはその実態を踏まえて判断をしていくことが大切かと考えています。
○辰巳委員 私は、最終的に国保料を決めるのは自治体の議会や議員じゃないですか、応能負担原則を議員がやはり踏みにじってええのかというふうに思いますし、厳格な運用は当然だし、政党としての対応も私は問われるというふうに思います。
私は、問題は、何でこれだけ国保から逃げたがる人が多いのかということだと思うんですよ。それは、やはり余りにも国保が高いからですよね。
私の地元の大阪市の国保料は、四人家族で年収換算で四百万円の世帯で六十一万円ですから、年間。これは一五%ぐらいの負担率ですね。一方、会社員の社会保険というのは、保険料四十七万円なんですけれども、これは半分は折半しますので、実際はその半分ということになります。国保の場合は、負担率も年収換算一千万円で大体一一%ですから、これは、低所得者ほど負担率というのは重くなる、逆進的な構造があると思うんですね。
これはやはり、世帯に係る平等割、家族の人数に係る均等割という、所得に関係なく賦課される仕組みがあるためだというふうに思います。我が党は、この平等割及び均等割の廃止を求めています。
厚労省、確認します。
この平等割と均等割の廃止のために幾ら国費として財源が必要か、教えていただきたい。
○間政府参考人 お答えいたします。
国民健康保険は、無職の方も含めて多様な方が加入し、所得の形態も様々な中で公平性を確保するため、世帯の所得のほか、応益負担の観点から、世帯の被保険者の人数や世帯数に応じて一定の御負担をいただくことを基本としておりまして、そうした考え方から均等割、平等割を設け、また、低所得の方に対する軽減などの措置も講じております。
厚生労働省として、今委員が御指摘になられたような試算は行っておりませんけれども、その上で、参考として申し上げれば、令和五年度の医療給付費分及び後期高齢者支援金分の保険料算定額における均等割額と平等割額の合計額は、約一兆二千八百八十五億円となっております。
○辰巳委員 今、一兆二千八百億という話がありましたけれども、これは算定保険料でありまして、実際に住民が負担している保険料を基にすると、大体九千億円弱になると思います。これはやはり、地方でも国費投入による国保の構造的問題の解決を提起していると思います。
私はやはり、この高過ぎる国民健康保険料、これを是正することこそ、違法な国保逃れをなくしていく一番の方策になるということを最後に申し上げて、質問といたします。
以上です。ありがとうございました。