医療材料確保全力で/辰巳氏「根本解決は攻撃中止」/衆院予算委
2026年03月30日
日本共産党の辰巳孝太郎議員は30日の衆院予算委員会で、米国・イスラエルのイラン攻撃の影響で医療材料が深刻な供給不足に陥る危険性を告発し、医療機関への緊急支援を求めるとともに、根本解決には両国による違法な戦争を止めるしかないと強調しました。
辰巳氏は、ホルムズ海峡の事実上の封鎖で、石油化学製品の原料となるナフサが輸入停止となり、透析回路のチューブや血液を浄化する器具など人工透析機器の供給に懸念が生じていると指摘。「事態をどう打開するのか」と迫りました。
高市早苗首相は「異なるサプライチェーン間での石油製品の融通支援など安定供給を図る体制を立ち上げたところだ」と答弁しました。
「少しでも供給が滞れば、透析を制限できない患者にとっては命に直結する」と警告した辰巳氏は、透析回路の国内シェア5割を占める企業がタイやベトナムに置く工場では、早くて8月から日本への出荷が困難になることなどを伝えるロイター通信の報道を紹介。「安定供給を図る体制を立ち上げたというが、モノを作れなければどうしようもない。政府の対応は患者を安心させるものでない」と批判しました。
辰巳氏は、医療機器の価格も上昇していると指摘し、経営悪化対策として医療機関など影響を受けている事業者への緊急支援を要求。日本のナフサの調達先はほとんどが中東に依存しており、ホルムズ海峡通行についてイランと対話を始めるべきだと求めました。
高市首相は「事態の推移を見ながら判断する」と答弁。辰巳氏は「根本的な解決には米国とイスラエルが始めた違法な戦争を止めるしかない」として、政府がその立場に立つよう強く求めました。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
朝の理事会で委員長から、先日の私に対するスパイとの不規則発言について、自民党の国対の方で不適切な発言を慎むよう注意が行われたという報告がありました。委員長がこれを不適切な発言だと認めたということであります。
しかし、私が求めたのは、その委員からの発言の撤回と謝罪であります。声が小さくて特定できないというわけなんですけれども、不規則発言を行った本人は当然自覚があり、周りも聞いたはずであります。引き続き、私からは、本人からの謝罪と撤回を求めたいと思います。
今日は、医療関係について聞いていきます。
アメリカ、イスラエルのイランへの攻撃の結果、ホルムズ海峡が事実上封鎖され、ガソリンなど燃油の高騰、物流への深刻な影響が出ております。同時に、日本で使用するナフサの四割以上を占める中東産ナフサの輸入が停止していることは重大であります。
医療材料の不足を理由に、新規の患者を断る可能性があると提示する歯科医院、治療の延期を示唆する歯科医院も出てまいりました。ある販売業者は、手袋、エプロンなど歯科医療に欠かせない資材を、欠品を理由に販売停止、数量を制限する業者も出てまいりました。
医療機関でも、注射器、点滴バッグ、輸血バッグ、輸液チューブ、そして人工透析機器にもナフサ由来のプラスチック製品が数多く使われております。治療に不可欠で毎回交換となるダイアライザー、これは腎臓の役割を果たすものですけれども、血液回路も石油化学製品で構成をされております。ナフサがなければ作れないし、代替もできないものであります。
総理は昨日のXの投稿で、アジアから日本に輸入している製品のうち長期的な供給に懸念が生じている具体例として、透析回路用の医療用プラスチックや手術中に使用する廃液容器などを挙げました。透析患者にとって重大な事態が進行しているということであります。
総理、三十四万人もの透析患者の命の危険、これがさらされております。事態をどう打開するのか、答弁いただきたい。
○高市内閣総理大臣 透析回路用の医療用プラスチックですとか手術中に使用する廃液容器など、石油に由来する医療材料や薬などを供給する医療関係企業からも、現在、厚生労働省を通じて経済産業省にサプライチェーンに関する情報を集約し、また、国内の医療活動が停滞しないよう、異なるサプライチェーン間での石油製品の融通支援など、安定供給を図る体制を立ち上げたところでございます。
そしてまた、医療用のプラスチック製品に関しましては、外国で製造している、そういったケースもございます。東南アジアの国でございますけれども、その国に対しての石油の供給が滞らないように、先般、日本からも協力をさせていただいたところでございます。
○辰巳委員 いや、供給が滞らないようにというのではなくて、ナフサの供給がされていないわけですよね、東南アジアの国々。そういう国々からの医療器材の輸入というのを日本がやっているわけですよ。
それで、そもそもこれらの問題は、アメリカやイスラエルの攻撃が始まった段階で、医療器材が不足するんじゃないか、こういう問題は三月の初めから指摘をされていたことであります。今、体制を立ち上げたと言うんですけれども、今まで何をしていたのかと私は言いたいと思うんですね。
そもそも、安定的な体制、融通と言うけれども、その中身そのものが総理の昨日のXの投稿では全く分かりません。直ちに供給が滞ることはないということをXでも発信をされているんですけれども、しかし、それは一定期間の後には影響が出るということですよね。少しでも供給が滞れば、透析を制限できない透析患者の皆さんにとっては、命に直結することになります。
総理、各医療の器材について、いつまでもつのか、タイムラインはいつなのか、そういうことは具体的に把握されているんでしょうか。いかがですか、総理。
○上野国務大臣 先ほど委員から御指摘がありましたが、まず、医療機器や医療用医薬品につきましては、平時から、供給不安のおそれが発生した場合には、企業に対して厚労省への報告を求めております。
その上で、今般も、必要な医療機器、あと医薬品、医療用物資の安定的な供給がなされているかを積極的に確認をする観点から、三月より、今月から、現在、業界団体の協力も得ながら、製造業者、販売業者等と緊密に連絡を取りまして継続的に確認を行っております。そうした中で、先ほど総理からもお話がありましたが、直ちに供給が滞るという報告はございません。
ただ、先ほどもお話のありましたとおり、長期的な供給の懸念が生じている透析回路あるいは手術中に使用する廃液容器など、アジア各国で生産している部分について懸念が生じている状況でありますので、これにつきましては、経済産業省と密接に連携を取って、必要な対応が取れるように取り組んでいきたいと考えています。
○辰巳委員 報道では、人工透析に使うチューブなどの透析回路国内シェアの五割を占める、タイの企業、ベトナム工場へのナフサ供給の不足によって早いもので八月から国内出荷が困難になるんだ、手術中に使用する廃液容器の国内シェア七割を占める企業のタイ工場へのナフサ供給が四月半ばまでに終了するとされているわけですね。安定供給体制と言うんですけれども、そもそも物がないと。物がなければどうしようもないわけであります。
今、国内のエチレン製造設備は、十二基のうち六基が減産、三基が停止、フルで動いているのは三基のみということになっています。今の政府の対応は、患者を安心させるものには全くなっていないと言わなければなりません。同時に、医療機関に納入される医療器材、機器の価格も上昇しております。影響が当然出ているわけですね。
これはもう厚労大臣に聞きます。
燃油支援だけではなくて、経営悪化の対策として、医療機関など影響を受けている事業者への緊急支援が必要なんじゃないでしょうか。
○上野国務大臣 医療機関への御支援につきましては、先般の補正予算、また今般の診療報酬改定等で必要な対応を行っているところであります。
今般の影響につきましては、その状況をしっかり注視をして、必要な対応があるのかないのか、そうしたことも含めて検討する必要があろうかと考えています。
○辰巳委員 いや、もう出ているんですって。高いんですよ。高くなっているんですよ、医療器材が。
診療報酬等と言いましたけれども、去年の補正予算だって過去の物価分に対する手当てですよ。診療報酬だってそうですよ。過去のものなんです。これからどうするのか、今起こっていることに対してどう対応するのかということが今求められているわけですよね。これは迅速な支援をやらなきゃなりません。やってください。
ただ、この事態は、多角化とか融通とか、それだけでは到底しのげない問題ですよね。日本のナフサの調達先の四五%が中東です。四〇%が国産というんですけれども、それも中東からの原油から精製されるものですから、実質は中東にそのほとんどを依存しているわけです。他国からナフサを融通と言いますけれども、どこも逼迫しており、簡単ではありません。
セアダット駐日イラン大使は、二十六日、ホルムズ海峡については、国際社会の一員として、日本からの何らかの提案があれば喜んで検討する用意があると語りました。総理、日本として、イランとの対話を始めるべきではないですか。これは総理。
○茂木国務大臣 イランとは既に様々な対話を行っております。アラグチ外相も、日本関係の船舶の通過については認める可能性がある、こういった発言もしている、このように承知をいたしております。
○辰巳委員 何でこの問題に総理が答弁しないんですか。国民の命の懸かっている問題じゃないですか。イラン側と総理が個別で、ホルムズ海峡を通してくれと、総理自身がイランに対して対話を求めるべきじゃないですか。総理、どうぞ。
○高市内閣総理大臣 先ほど外務大臣が答弁をしましたが、日本関係船舶の通過を認める可能性についてアラグチ外相は言及しておりましたが、具体的な協議に既に入っているといった事実はない、そういうふうに述べられた事実はないということです。
今日の委員会でも累次にわたって答弁をいたしましたが、どのタイミングでトップ会談をするか、首脳会談をするかということについては、これは、事態の推移も見ながら、国益に資するようにしっかりと判断をさせていただきます。
○辰巳委員 結局、根本的な解決には、アメリカとイスラエルが始めたこの違法な戦争を止めるしかありません。政府がその立場に立つことを強く求めて、私の質問を終わります。
— 反対討論 —
○辰巳委員 私は、日本共産党を代表して、二〇二六年度暫定予算に反対の立場で討論をいたします。
そもそも、予算の年度内成立が困難になったのは、高市総理が、党利党略で通常国会の冒頭で衆議院を解散・総選挙を強行したからであります。
政府が編成した予算案を徹底審議するのは、国会の国民に対する責務です。国会の充実した審議を保障するため、暫定予算を組むのは当然のことです。
にもかかわらず、政府が国会運営に介入し、予算審議を大幅に省略し、年度内成立を迫って、国会審議を形骸化してきたことは、議会制民主主義を根底から破壊する暴挙です。政府・与党の責任を改めて厳しく指摘をするものであります。
本暫定予算に盛り込まれている、生活保護費などの社会保障費、災害復旧事業、地方交付税交付金などは、当然必要な経費です。加えて、高校無償化、小学校給食無償化、中学三十五人学級などの経費も必要な措置と考えます。
しかし、米軍への思いやり予算や次期戦闘機の共同開発、武器輸出拡大のための経費が含まれています。約四億円の米軍思いやり予算、基地負担軽減を口実に米軍の訓練費用を肩代わりする訓練移転経費約五十五億円、次期戦闘機共同開発のための政府間機関への分担金約一・五億円、地対空誘導弾等の性能試験約十四億円などは到底認められません。
本暫定予算は、物価高騰と暮らしの悪化に背を向ける一方で、軍事費を九兆円と突出させた、大軍拡、財界・大企業優先、対米屈服の二〇二六年度予算と一体を成すものであり、賛成できません。
以上、反対討論を終わります。(拍手)