万博協会提供リストに未払い業者 辰巳氏追及 経産相認める 衆院経産委
2025年11月26日

(写真)質問する辰巳孝太郎議員=26日、衆院経産委
日本共産党の辰巳孝太郎議員は26日、衆院経済産業委員会で、大阪・関西万博の海外パビリオン建設工事の未払い問題を巡り、経産省の責任を追及しました。万博協会が海外参加国に提供していた事業者リストに、未払いを起こした悪質業者が入っていたと指摘。赤沢亮正経産相は、問題の業者の一部がリストに掲載されていたと認めました。
辰巳氏は、ルーマニアなど4カ国のパビリオン建設で未払いのあるGLイベンツ社について、追加契約を交わさず下請け業者にやり直し工事を繰り返させ、その費用も一切負担していないと指摘。建設業法違反にあたるとして、政府の見解をただしました。
国土交通省の藤田昌邦大臣官房審議官は「元請けが合理的理由なく一方的に変更契約を行わない行為は同法違反だ」と答弁。「追加工事費用を下請けに負担させることも違反の恐れがある」と説明しました。
GL社は来年開催の愛知・名古屋アジア大会の会場設営業務も随意契約で請け負っており、辰巳氏が契約の経緯と金額を質問。清水真人文部科学政務官は、同社が「最上位のプレステージパートナー」として契約の優先権を有していたと答弁し、スポーツ庁の籾井圭子審議官は契約額は630億円だと報告しました。
辰巳氏は、プレステージパートナーになるには22億円の協賛金が必要だと指摘。未払い被害者によると、GL社がこの協賛金の支出を理由に「資力はない」と述べていることを告発しました。赤沢氏は、個別の事業者や訴訟事案についての答えは差し控えると答弁。辰巳氏は「630億円の巨大案件のために下請け業者が未払いで泣かされているのは許せない」と強調しました。