日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

リストラから労働者守れ ラピダス支援法案 

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(写真)質問する辰巳孝太郎議員=9日、衆院経産委

日本共産党の辰巳孝太郎議員は9日の衆院経済産業委員会でラピダス・半導体産業支援法案を巡り、政府の支援を受けながら違法性の高いリストラを推進して大きな利益をあげている半導体企業ルネサスエレクトロニクス社の実態を示し、理不尽なリストラから労働者を守るよう求めました。

辰巳氏は2011年に国連で全会一致で支持された指導原則が「人権を保護する国家の義務」「人権を尊重する企業の責任」などを定めていることを指摘。武藤容治経済産業相は、「従業員がいきいきと働ける労働環境整備は大変重要だ」と答えました。

しかしルネサスは、人員削減の対象者を選別指名して解雇する、違法性の高い「指名解雇」を行っており、しかも経産省の野原諭商務情報政策局長は、ルネサスに18年度以降計300億円弱の公金が投じられていることを認めました。

辰巳氏は、15年前に4万8000人だった同社の従業員数が2万1000人に激減していると指摘。独自に入手した同社の最高経営責任者(CEO)のメール(24年11月)の内容を示して実態を告発しました。

同メールは、24年に全従業員の2・1%(438人)がリストラ対象者になったが、退職者数が329人(全従業員の1・6%)にとどまったことは「複雑な思い」と述べ、「会社の財務への効果を高めることに重きを置かざるを得ない」として、全従業員の5%、約1000人の削減計画をつづっています。

辰巳氏は、同社は23年に営業利益が3907億円、営業利益率26・6%と「大黒字」なのに「黒字リストラ」だと批判。理不尽なリストラをする企業は支援の対象とならないと発信すべきだと主張しました。武藤氏は「同社から状況をうかがうことも含めて対応する」と述べました。

2025年4月10日(木)付「しんぶん赤旗」より引用

議事録を読む

○辰巳委員 日本共産党でございます。
大臣は、三月二十五日の本会議における私の質問に対して、こう答えました。
我が国の半導体産業の凋落と、そのことによる人材、技術の流出については、貿易摩擦の結果として締結した日米半導体協定など、政府の政策にも一定の責任があると考えており、真摯に反省しております。
しかし、凋落したから技術の流出が起こったということではなくて、技術の流出をさせてしまったので凋落をしていったという面にも着目する必要が私はあると思います。
三月の二十八日のラピダス小池社長は、半導体産業のためにも雇用は守らなければならないというふうに述べました。まあ当然のことだと思うんですね。大臣の答弁では、同時に、企業がコストカットに注力をし、設備投資や人への投資を抑制したということに対して否定的に述べておられるわけですね。しかし、そのまさにコストカットが理不尽な形で、しかも現在進行形で進められているのが我が国の電機産業であります。
今日は、この半導体企業であるルネサス、大臣も成功例として先日取り上げておられましたけれども、この企業を取り上げたい、振り返りたいと思います。
三菱電機及び日立製作所から分社化してできたルネサステクノロジと、NECから分社化してNECエレクトロニクス、これの経営統合によって、ルネサスエレクトロニクスは二〇一〇年四月に設立をされました。経営悪化の後、二〇一三年に、出資金の大半を政府が出資している産業革新機構の傘下となりました。その後、黒字になりまして、二〇二一年における半導体企業売上高ランキングでは、これは全世界ですね、十五位ですね。日本国内では首位の売上げということになっております、二〇二二年の時点ですが。
二〇一一年、これは大臣に確認したいと思います、ビジネスと人権に関する指導原則が全会一致で国連で支持をされました。ビジネスと人権に関する指導原則、これは、国連の人権理事会で全会一致で支持をされたものですけれども、人権を保護する国家の義務、人権を尊重する企業の責任、救済へのアクセス、この三つから構成をされております。
大臣、この原則に沿った行動が国及び企業に求められるということでよろしいですね。
○国務大臣(武藤容治君) サプライチェーンにおける人権尊重の重要性が高まる中、国連の、今先生がおっしゃられたビジネスと人権に関する指導原則、この下で、国家の人権保護義務及び企業の人権尊重責任等を規定しており、我が国もこれを支持しているところであります。
日本政府としても、関係府省庁連絡会議において、サプライチェーンにおける人権尊重のための業種横断的なガイドラインも策定をしながら、企業の取組を促しているところであります。
○辰巳委員 大臣、続けて聞きたいと思うんですが、半導体製造にとって、そこで働く技術者あるいは労働者が生き生きと働ける、安心して働ける職場をつくることこそ、半導体製造にとっても重要だと私は思うんですけれども、いかがですか。

○国務大臣(武藤容治君) 私もずっと商売をやっていましたので、企業の経営者からしてみても、半導体製造企業にかかわらず、これはもう、人材は企業活動の基礎であり、そして、御指摘のとおり、従業員が生き生きと働くことのできる労働環境を整備することは、企業経営上大変重要なことだというふうに承知しています。
今先生おっしゃられた我が国の半導体産業、ルネサスの話もありましたと思いますが、この復活に向けて、半導体人材は競争力の源泉であって、その育成や労働環境の整備を含めて、適切な処遇が確保されることは重要と考えておるところであります。
○辰巳委員 まあそうだと思うんですよ、私も。
改めて、ちょっと、このルネサスなんですけれども、この間ルネサスに入っている公金、補助金含めてですけれども、累計で幾らぐらいになっていますでしょうか。
○政府参考人(野原諭君) ルネサスエレクトロニクスですが、経済安全保障推進法に基づく車載用マイコンの国内生産能力の強化に関する設備投資に対しまして、最大約百五十九億円の支援を決定するなど、これまで設備投資、研究開発等の支援を行っております。
文書の保存期限との関係で確認できる範囲で確認をいたしますと、平成三十年度以降、同社に対して交付決定、採択した補助金等の合計額はおおむね三百億円弱というふうになっております。
○辰巳委員 それだけの公金が投入されている企業で、今、事実上の指名解雇が行われております。
指名解雇というのは、人員削減の対象者を選別、指名をして解雇するもので、違法性が高いものです。この人員削減の内容、対象者、条件を隠蔽した、まさに暗闇リストラであり、会社を辞めなければ、コーヒーの栽培とかあるいは職場に追い出し部屋というようなところで配属されるなど、現場からは人権侵害ではないかというような声も上がっております。
厚労省、来ていただきました。改めて、解雇四要件、簡潔に説明いただけますか。
○政府参考人(尾田進君) お答えいたします。
整理解雇の有効性につきましては、裁判所においては、人員削減の必要性、解雇回避努力の履行、被解雇者選定基準の合理性、解雇手続の妥当性、この四つの事項が考慮され判断されていると承知しております。
○辰巳委員 二〇一三年当時ですけれども、ルネサスは違法な繰り返しの退職勧奨も行っておりました。
一九八〇年七月十日に出された最高裁判決ではこうあります。「ことさらに多数回、長期にわたる退職勧奨は、いたずらに被勧奨者の不安感を増し、不当に退職を強要する結果となる可能性が高く、退職勧奨は、被勧奨者の家庭の状況、名誉感情等に十分配慮すべきであり、勧奨者の数、優遇措置の有無等を総合的に勘案し、全体として被勧奨者の自由な意思決定が妨げられる状況であった場合には、当該退職勧奨行為は違法な権利侵害となる。」とあるんですね。
当時、事業者側が退職を迫る根拠としていたのが、人員削減を完遂しなければ産業革新機構からの融資を受けられない、そういう脅しのようなものを言っていたんですね。
ルネサスは、十五年前、四万八千人だった従業員、これが今や二万一千人です。もう半減以下になっているんですね。今、ルネサスは大黒字を上げながら、この間リストラを敢行して、強行しております。
二〇二四年十一月に従業員に送られたCEOからのメールメッセージというのを私は入手いたしました、これですけれども。ここにはどうあるか、人員削減についての記述があるんです。二〇二四年は、全従業員の二・一%、四百三十八人が対象となり、社内異動を含む取組などを行い、結果として、退職者数は合計で三百二十九名、全従業員の一・六%と当初の想定を下回る規模となった、こうあるんです。
正直なところ、私としては複雑な思いでこの結果を振り返っています、一人でも多くの同僚に活躍の機会を提供できたことは喜ばしいことですとしながら、会社の財務への効果を高めることに重きを置かざるを得ないと書いてあるんですね。つまり、もっとリストラをやるよ、こういうメッセージなんですよ。今年は全従業員の五%に当たる約一千人の人員削減というのを計画をしていると。
メッセージの最後には、本CEOメッセージに記載した内容は、当社の重要な経営施策に関する秘密情報です、複製、配布、公表及び他者への開示は一切禁止します、これらの情報を漏えいすることは会社規則に抵触すると。これは労働者への脅しとも取れる文言だというふうに思います。
このルネサスの業績がそんなに苦しいのかということなんです。業績はもう抜群と言っていいわけです。売上高は二〇二三年で一兆四千六百九十四億円、営業利益三千九百七億円、営業利益率二六・六%。これは、同じ年、他社と比べますと、村田製作所は一三・一、安川電機一一・五、富士電機九・六、ソニー九・三、日立製作所七・八ですから、二六・六というのは抜群なんですよね。内部留保は、一兆六千二百億円にも上ります。まさに、実態としては、黒字リストラになっちゃっているんですね。
これだけ政府からの、大臣もそうですけれども、賃上げしてくれという要請が度々行われているにもかかわらず、定期昇給などの引上げというのもこの間見送ってきたということであります。ちなみに、このルネサスのCEOの報酬は、トヨタの会長よりも多いんですよ。
政府は、半導体産業振興のために今国会で兆円単位の支援を進める、こういうことになっていますけれども、大臣、こういう指名解雇、やはり、法令に違反すると疑われるようなことは、半導体産業のためにもあかんでというメッセージを私は大臣の方から発するべきだというふうに思いますけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(武藤容治君) ルネサスエレクトロニクスが、変化の激しい半導体産業の事業環境に対応するため、全従業員の定期昇給の見送りと五%未満の人員削減を行う予定であるということは、今先生おっしゃられたとおり、承知をしているところであります。
個社の経営判断の妥当性について、これはコメントは控えさせていただきたいとは思いますが、一般論として申し上げると、厳しいグローバル競争に勝ち、中長期的に国内において生産基盤を確保する、こういう、時に厳しい判断も必要になる場面もあるものだということも承知をするところですが、一方で、人材、これはまさに企業活動の基礎であり、半導体産業の再興に向けて、人材の育成、確保やそれを通じた生産性の向上は重要であるということも認識をしているところであります。
人員削減を行うに当たっては、労働組合との協議ですとか労働者への説明、そして使用者による一方的な解雇を回避するための措置を尽くすことが重要であるということも、当然ですけれども認識をしているところであります。
経産省としては、引き続き状況を注視してまいりますけれども、必要があれば同社から状況を伺うことも含めて適切な対応を行いたいと思っています。
○辰巳委員 是非、大臣自身が聞いてほしいんですね。ルネサスの工場が群馬県にあるんですけれども、山本一太県知事は同社に話を聞いたというふうに答弁もされていますから、是非聞いていただきたいというふうに思います。
続いて、PFASについてお聞きしたいと思います。
熊本、菊陽町のTSMCの工場の運営法人であるJASMは、昨年末、十二月に量産を開始をいたしました。その後、今年一月二十七日、同社は、熊本工場で使用しているPFASの種類について、経産省を通じて私に回答をいたしました。その使用している三つのPFASの種類というのは、PFBS、PFPeS、PFBAですね。
これは、三月の二十六日に熊本県は、TSMCの進出を受けて独自に実施している水質調査において、工場での量産が始まって以降、初めての調査結果を公表をいたしました。
経産省、このJASMが用いている三つの種類のうち、PFBSとPFBAについて数値の上昇が見られたということなんですけれども、調査の中身を報告していただけませんか。
○政府参考人(野原諭君) 熊本県が半導体関連企業の集積に伴う環境変化をモニタリングしておりまして、三月の調査結果、委員から御指摘ありましたが、PFBS、PFBA濃度がJASM一号棟の稼働前と比較して上昇していたということでございます。
具体的には、JASMの稼働前後におきまして、PFBSの濃度が一リットル当たり五十二ナノグラム増加しておりまして、PFBAについては、稼働前の数値は検出されませんでしたが、稼働後は一リットル当たり十五ナノグラムが確認されていると。
外部有識者から成る、熊本県が公表している環境モニタリング委員会の概要によりますと、数値が上昇した理由について、今回一回目の調査であり、この結果をもってJASMの稼働によるものか季節変動等の別の要因によるものかを判断することは困難であるとされております。
PFBSとPFBAは、水道水、排水等に関する規制の対象ではございませんが、JASMとしては、使用したPFASは回収し、産業廃棄物として専門の外部業者に引き渡しているほか、工場で使用した水は活性炭等を活用してろ過した上で排水するなど、適切な対応を取っている、そういうふうに報告を受けております。
政府としては、引き続き、法令遵守、環境対策の確保に取り組んでいただくよう求めてまいります。
○辰巳委員 稼働後に測った、稼働前にはなかったものが稼働後に出てきたということですから、これは可能性としては極めて高いということだと思うんですね。これはごまかしてはならないと思うんですよ。
この調査を行ったモニタリング委員会の篠原亮太委員長は、TSMCの稼働と因果関係を認める発言も行っているわけなんですね。委員長は、直近で見れば安心できるレベルだが長期間になると分からない、十分過ぎるぐらい下げるのがいいと指摘をして、何らかの企業努力を促すよう行政が求めていくべきではないかというふうに求めております。これは当然の認識だと思うんですね。
この調査を受けて、我が党の熊本県委員会と熊本地方議員団は、熊本県に対して、予防原則の立場に立ってPFASの使用中止をJASMに求めるということを内容とする申入れを行いました、県に。ところが、驚いたことに、熊本県は可能性があるとすら認めなかったわけですね。
私は、経産省、大臣、これはやはりJASMに対して、どういう排水を行っているのか、どういう処理を行っているのか、なぜ稼働後にこれらの値が急上昇したのかということを、経産省自身が、大臣自身が聞き取りをするべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(武藤容治君) 今回数値が上昇したPFBSとPFBAですけれども、さっきも事務方から話がありましたけれども、規制の対象ではないということは承知をしているところであります。
当該調査を実施した熊本県の環境モニタリング委員会ですけれども、数値が上昇した理由は、今回一回目の調査だった、ここら辺も、この結果をもって、JASMの稼働によるものなのか、季節変動等の別の要因か、これを判断するのは困難だという報告であると思っています。継続的にこれはモニタリングをしながら、しっかりと検証を行っていかなくてはいけないと思います。
熊本県の対応を注視するとともに、引き続き、我々、JASMに対しては、法令遵守、環境対策、しっかりと取組を求めてまいりたいというふうに思っております。
○辰巳委員 今の大臣の答弁には、端的に言って、二つの問題があると思います。
まず、日本では規制されていない、だけれども海外では規制されているんですよね。海外では規制されているものが、日本では規制が緩いがために、今は規制がされていないということなんです。今、今回一回目だから、二回、三回、どれぐらいか分かりませんけれども、海外で規制されている、危険性がある可能性のあるものを、一回、二回、三回とやっていたら、ずっと出続けるじゃないですか、たまるじゃないですか。やはり予防原則に立って、これはもう出ているのは間違いないんだから、そして、JASMがそれらのPFASを使っているということを認めているわけだから、きちっと政府が責任を持って対応するべきだ、聞くべきだというふうに思います。
最後に、大臣、ラピダスですね。
小池社長は、これからテストということで、どういうPFASを使うのかということを明言はされなかったんですけれども、今回、JASMが使用しているPFASの種類を私に答えたことによって、調査の結果、これはJASMからではないかという話ができているわけなんですよ。
私は、これは北海道との関係ということを様々言われるわけですけれども、当然、いや使いませんというんだったらいいですよ、だけれども、PFASを使うというんだったら、やはり、その使う種類、それをラピダスに公表するよう大臣自身が求めるということをやるべきではないかと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(武藤容治君) 参考人質疑でもその話を、委員から御質問があったというふうに承っておりますけれども、いずれにしましても、PFASの関係については、北海道庁との間で自主測定等に関する協定を締結している、これを遵守していくということがまず表明をされていると承知しています。
こうした自主的な取組をしっかり講じていくものと承知していますし、規制対象外のPFAS、これはもう今先生も、いろいろありますけれども、PFASを使用した部素材メーカー等の競争上の地位、これもこれまでの答弁で申していますが、営業の秘密を阻害するおそれがあって公表を求めることは困難なものもあるということも、これも事実だと思います。
いずれにしましても、我が省としましても、北海道との協定を含めて、ラピダスが関係法令等を遵守しながら、地域住民に対してPFASに係る説明責任をしっかり果たしていかなくてはいけない、こういう指導を、引き続き指導していきたいというふうに思っております。
○辰巳委員 PFOAとかPFOSとか、日本で禁止されているものが使われない、それは当たり前なんですよ。だけれども、それ以外を使うというんだったら、それは企業のいろいろな秘密があるというんだったら、だったらTSMC、JASMはどうなんだ、ここはちゃんと言っているわけですよね。やはり、ラピダス、そういう真摯な態度で地域住民の心配、懸念にも応える、それぐらいはやはりやるべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
以上です。