2015年度補正予算案に対する反対討論 欺瞞に満ちた補正予算に反対

2016年1月20日  
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○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
会派を代表して、政府提出の二〇一五年度補正予算二案に反対の立場で討論を行います。
まず冒頭、十五日未明に起きた長野県でのバス事故において十五名の尊い命が失われたことに心からのお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。
運行管理や安全対策に関する問題、バス会社が法定運賃未満で受注していたことなどが明らかになっています。更なる事故原因の真相究明とともに、大本にあるバス事業参入の規制緩和とバス運転手の長時間労働を抜本的に見直すことが必要です。このような事故が二度と起こらないよう、国会がその責任を果たすことを強く求めるものであります。
日本共産党は、昨年、戦争法、TPP、テロ対策、沖縄新基地建設、原発再稼働問題など、国政、外交の山積する問題をただすため、野党議員と共同で憲法五十三条の規定に基づき臨時国会開会を求めました。ところが、安倍政権は明確な理由なくこれを拒否しました。集団的自衛権を認める違憲立法のためには国会を延長し、都合が悪くなれば臨時国会召集をしない。まさに憲法無視の体質をむき出しにしたのが安倍政権です。
我が党議員が委員会質疑で指摘したオスプレイの佐賀空港配備や佐世保における水陸機動団の陸自、海自一体の新たな基地計画など、戦争法具体化の一切を安倍政権はやめるべきであります。
日本共産党は、米国の無法な戦争に加担するための戦争法を廃止するため、党派を超えた共闘を進め、学生やママたち、学者、文化人、宗教者など、広範な市民の皆さんと結び付いて最後まで闘い抜いてまいります。
この間の予算委員会の審議を通じて、安倍政権の国民生活軽視の政治姿勢はより一層明らかになりました。総理は、アベノミクスで経済の好循環が生まれ始めた、第二ステージに進むとし、一億総活躍社会なるものを実現し、今回の補正予算はその皮切りとなると表明しましたが、暮らしや経済の実態は好循環とは程遠いのが実態です。
国民生活基礎調査では、生活が苦しいと答えた人は六二・四%で、年々悪化しています。現在の税率から一%も下げないのに、軽減などと国民をごまかしながら消費税増税を強行すれば、家計に深刻な打撃を与え、内需を更に冷え込ませ、日本経済を悪化させるのは明らかです。政府も、消費税率を上げれば上げるほど逆進性が強まることを認めました。逆進性の緩和を言うのなら、一番の有効策は消費税増税を中止することであります。
しかも、審議を通じて、これまで一世帯当たり三万五千円と説明していた増税時の負担増は、実際は倍近くの六万二千円になることを政府は認めたのです。国民を欺いて増税するなど、これほどの背信はありません。消費税増税は中止しかありません。
一方、大企業には相変わらずの大盤振る舞いです。
安倍政権の下で実施してきた企業減税は、復興特別法人税の一年前倒し廃止や法人税率引下げなどで年間三兆円にも上り、来年度以降はこれに一兆円が加わります。しかし、減税分は賃金には回らず、その大部分が海外投資家への配当へと流れ、大企業の内部留保はとうとう三百兆円を超えました。トリクルダウンの破綻は明らかであります。
また、経団連が政治献金の呼びかけを再開し、二〇一四年、自民党が受け取った企業献金は二十二億円を超えました。自動車産業など法人減税の一番の恩恵者からの多額の政治献金は、まさに税金の還流であり、経済の好循環は自民党にもたらされたということではありませんか。政治を金でゆがめる企業献金をなくすとの口実で導入された政党助成金との二重取りも許せません。
そして、極め付けは、低所得者の高齢者一千百万人に対する三万円の臨時福祉給付金です。安倍政権は六月までに配り終えるとしております。税金を使った露骨な選挙対策ではありませんか。本会議で安倍首相は、一回だけなのでばらまきではないと答弁しましたけれども、一回だけだからばらまきなのです。苦しい年金生活者の暮らしを気遣うのなら、マクロ経済スライドを撤回し、最低保障年金制度の創設に踏み出すべきではありませんか。
次に、軍事費の問題です。
補正予算案と本予算案を合わせると、過去最高の五兆一千七百十八億円となりました。軽装甲機動車三十八両、九六式装輪装甲車八両、NBC偵察車一両の購入など、補正予算と一体に二〇一六年度本予算が増強され、極めて異常な軍拡補正予算となっております。国民の多数の反対を押し切って強行採決した戦争法を財政面から支えるものであり、到底認めることはできません。
さらに、辺野古新基地建設問題です。
普天間基地をより一層危険にしているのは、県民の暮らしや安全よりも米軍の運用を最優先させる日本政府の態度であり、解決するためには、移設条件なしの撤去以外にありません。政府は、沖縄県民の総意である建白書を受け入れ、基地政策の転換を図るべきであります。
次に、TPPです。
本会議代表質問で、我が党の井上議員が、政府が大幅譲歩し、国会決議をほごにし、協定案全文の日本語版すら公表していないと、その姿勢を追及いたしました。政府は直後に暫定仮訳版を公表しましたけれども、TPPの全容を知る上で欠かせない附属書などが訳されていないことに加え、交渉経過の詳細も国民に明らかにされておりません。
日本共産党は、農業関係者の反対の声を押し切り、自民党自身の公約もほごにして大筋合意したTPPの批准、署名に断固反対するとともに、TPPからの撤退を求めるものであります。
最後に、社会保障費の削減と格差と貧困の問題です。
小泉政権では、消費税は増税しないので痛みに耐えよと、毎年二千二百億円の社会保障費自然増抑制を強行いたしました。ところが、安倍政権においては、消費税増税に加え、社会保障費自然増抑制は小泉政権時をはるかに上回るものになっており、その結果、医療崩壊、介護難民をより深刻にしました。最後の命綱である生活保護費も無慈悲に切り下げ、来年度は、年金給付の引下げ、福祉給付金の半減、診療報酬の減額など、更なる改悪のオンパレードです。
そんな中、格差と貧困が広がり、とりわけ女性と子供の貧困は深刻です。一人親家庭の子供の貧困率は五四・六%で、OECD加盟三十四か国で最悪です。就労世帯ほど貧困率が進むという、世界でも類のない異常な状態です。
ところが、安倍政権は、こうした貧困の解決を口では掲げながら、現実から目を背け、貧困率改善の数値目標さえ掲げておりません。貧困問題を自助努力で解決することはできません。格差と貧困は政治がつくり出したものであり、解決する責任は政治にある、この立場に立ち切ることができるのかが問われているのです。