脱法ハウス問題で追撃

2014年4月3日  

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大手ネットカフェ「脱法ハウス」物件貸す

参院委 辰巳氏が是正求める

居室が異常に狭く危険な「脱法ハウス」を運営し、消防法や建築基準法違反が指摘されてきたネットカフェ大手「マンボー」が、東京都豊島区に「プライベートルーム」と称して類似施設を貸し出していることが3日の参院国土交通委員会でわかりました。日本共産党の辰巳孝太郎議員が告発したものです。

問題の物件は個室スペースが2畳ほどで窓はありません。共同で使えるシャワー、トイレ、キッチン、ランドリーを完備しています。

辰巳氏は「中に入って確認したが、これまで問題になった『脱法ハウス』と一緒だ」と指摘。「調査し、是正指導を行っているのか」とただしました。

国交省の井上俊之住宅局長は「豊島区が立ち入り調査を要請したが、相手方が拒否した。その後、接触していない」と答えました。

辰巳氏は、国交省の「脱法ハウス」調査では調査対象1801件のうち765件に建築基準法などの違反が判明しながら、是正されたのはわずか11件だと指摘。「調査人員の確保を含めて国交省が指導性を発揮すべきだ」と求めました。

辰巳氏は、敷金・礼金が高く、保証人が見つけられずに、「脱法ハウス」から抜け出せない住人を行政が支援する仕組みが必要だと指摘。太田昭宏国交相は「離職して入居の初期費用が払えない人には、何らかの支援を検討すべきだ」と答えました。辰巳氏は、それだけでは“住まいの貧困”はなくせないと指摘。「民間住宅の借り上げや家賃補助制度にまで踏み込むべきだ」と強調しました。


議事録(脱法ハウス部分は後半)を読む

○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
 今回、建設業法等の一部を改正する法律案、またこれから提案されます品確法の一部を改正する法律案は、ダンピング受注や下請いじめの抑制、建設業界における若者の確保、公共工事の品質確保などのためのものであります。今日は、それらを一体的にどう運営し、また実効性のあるものにしていくのかということで、国交省の姿勢などを問うていきたいと思います。
 とりわけ、品確法の改正案には、基本理念に、公共工事の品質確保に当たっては、ダンピング契約の排除、下請契約を含む請負契約の適正化、公共工事に従事する者の賃金その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境改善、調査、設計の能力を有する者の活用促進等に配慮するということが加わりました。これは私たちも求めていたものですので、前進だと考えております。また、同時に、受注者の責務に関しては、若年技術労働者等の育成、確保と、これらの者の賃金その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の改善、適正額での下請契約での締結に努めることといたしました。これらをどう実効性のあるものにしていくのかということが一番重要だと思います。
 言うまでもなく、建設業界、人手不足であります。とりわけ若者離れは深刻でありまして、全就業者数というのはピークが六百十九万人で、現在は四百九十九万人と。ところが、二十九歳以下だけで見ますと、一割に過ぎないわけですね。この若者離れのやはり大きな原因、要因の一つに挙げられるのが、建設業界における賃金の低下だと言われております。二〇一二年の全産業の男性労働者の平均賃金が五百二十九万円であるのに対し、建設業であれば三百九十一万円で、百三十八万円も低くなっております。
 これらを補おうと、設計労務単価がこの間、引き上げられていますけれども、まず大臣にお聞きしたいんですが、この設計労務単価の引上げ、また今回の法律の改正で、本当に現場で働く労働者の賃金は上がっていくんでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 現場で働く人たちの処遇の改善ということが人手不足の一番大事なことだというふうに思います。この職場が若い人にとりまして、処遇という、賃金が安いと、しかもきつい。最近の若者は休みがきちっとないというのは困ると、イレギュラーなのはということもあったりします。その上に、俺はやったぞ、私はやったぞという、こういう胸の中に誇りがなければ仕事がないということからいきまして、公共事業は無駄であり悪玉であるという大合唱の中では、なかなかそういう誇りは生まれないということもあると思います。
 雇う側にとりましては、先ほど質問の中にもありましたけれども、いわゆる景気対策の調整弁のような形で急に予算が上がったり下がったりというようなことではなくて、企業経営からいきますと、ずっと安定的に持続的に見通しが利くということがあって初めて人を入れられる、そして育成ができる、期間が掛かりますということだと思います。
 労務単価の引上げはその一環としてやらさせていただいておりますが、労務単価というものは先行的に上げるものではありませんで、市場の中で現状この賃金がどうなっているかということを的確に反映して、労務単価として表現するということです。それがずっと滞ってきたということは、賃金が下がり続けてきたから。この下がるという、そこを調査してまた下がるという、こうした賃金が下がっていくというスパイラルに陥っていたのを、やっとここで少し上がっていくということに転じてきた状況だと思います。
 私は、これが、労務単価を引き上げたというこの率がそのまま現場の一番最前線で働いている人にしっかりと還元されるように、そして社会保険に入っていただくということの中で安定した職場であるということの両面に、しっかり現場に還元されていくということを口を酸っぱくして企業に申し上げていることでございますが、徐々に上がってきていることは間違いない事実だと思います。
○辰已孝太郎君 今、労務単価の話がありましたけれども、これまでの労務単価でいえば、今回は社会保険の分もきちんと加味して入れたということだと思うんですね。逆に言えば、これまでは社会保険などのそれらの必要経費というのが余り加味されていなかったということで、不当にそのものが引き下げられてきたということでもあると思うんです。
 私、本当に現場の実態というのをしっかり見ておく必要があると思っておりまして、例えば、神奈川県の建設労働組合連合会が去年の九月に県の公共工事の現場での賃金調査を行っております。ある道路改良工事では設計労務単価よりも二千七百円から六千七百円ほど低いと、賃金がですね、こうなっているわけですね。ある高校の整備事業などでも五千円から一万二千円も低いと、こういう実態となっております。本当にこの末端の労働者の賃金が確実に上がっていくという政策、これがなされることが何よりも重要だと思うんです。
 今回、入契法という法律の改正も出されております。この中で、ダンピングの防止というのが盛り込まれておりますけれども、このダンピングというのは、ダンピングが行われればそのしわ寄せが労働者に回ってくる、賃金の引下げになってくるということで、このダンピングの防止、これが盛り込まれましたけれども、じゃ、このことで賃金が適切に支払われることになるんでしょうか。その辺はどうでしょう。
○政府参考人(毛利信二君) 今回の提案させていただいております法案の中で、御指摘のとおり、入札契約適正化法第一条の目的の中にダンピング防止を明文化をいたしているところでございます。
 今回の改正では、これを目的の中に追加するだけではなくて、具体化させるために、まず建設業者に対し入札金額の内訳の提出を求めることとしております。これによりまして見積能力がないような業者は排除する、こういったことでダンピング防止には一定の効果があるというふうに考えております。
 加えまして、ダンピング防止の実効性を更に確保するためには、発注件数の多くを占めます地方公共団体にダンピング防止の取組を促していくと、こういうことも非常に重要でございます。このため、改正法が施行されますと、入札契約適正化法の権限に基づきまして、ダンピング防止の必要性の認識と対策の強化につきまして総務省とともに連名で公共団体への要請を強く行っていきたいというふうに考えているところでございます。これによりましてダンピング防止を盛り込んだ改正法の趣旨が達成される、これによって現場の労働者の方々の賃金の上昇につながっていくものというふうに期待をしているところでございます。
○辰已孝太郎君 ダンピングの防止というのは当然でありまして、むしろ私もこのような条文がこれまでなかったということの方が不思議に感じております。
 あわせて、今回の入契法の改正では、施工体制台帳の作成や提出義務、これが広げられます。この目的については何なのかということをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(毛利信二君) 御指摘の施工体制台帳でございますが、現在、建設業法によりまして、公共工事に限らず三千万円以上の下請契約を締結した場合にはこの施工体制台帳の作成を求めておりまして、入札契約適正化法の方は公共工事について、さらに作成だけではなくて提出を求めているところでございます。
 今回の改正におきましては、近年、工事一件当たりの規模が小さい維持修繕工事の割合が増加いたしているところでございまして、こういった小規模な工事につきましても、下請契約の金額を問わず施工体制台帳の作成、提出を求めることによりまして、小規模な工事において施工体制の確認が可能となるだけではなくて、公共工事における元下間の契約内容ですとか、あるいは下請企業の社会保険加入状況等も確認できるという効果が見込まれまして、こういった狙いでもって改正を提案しているところでございます。
○辰已孝太郎君 非常に大事なことだと思うんですね。
 ただ、では、この施工体制台帳の提出義務が広げられたと。では、その下請、元請間できちんとそれに見合った賃金が支払われているのかどうかというのはこれで確認できるんでしょうか。そこ、どうでしょう。
○政府参考人(毛利信二君) 施工体制台帳は、適正な施工体制の確保という目的から、元請に一定の義務付けをしているものでございます。したがいまして、現場におきます賃金の具体的な支払状況まで、これを元請に責任を持って記載させるということは、これはなかなか難しいという問題があるところでございます。
○辰已孝太郎君 やはりもう一歩私踏み込んで、発注者がそういう賃金が適正に支払われているかどうか把握して、そして指導する権限というのを持たせていくということも私は必要ではないかなというふうに思っております。
 今回、この建設業界の問題に関しては、やはり社会保険料の未加入問題というのが深刻だと思っております。まず、年金、医療、雇用のこの三保険全てに加入している業者、労働者の割合というのを、ちょっと報告お願いします。
○政府参考人(毛利信二君) 社会保険の加入状況でございますが、企業別の加入状況、これは三保険全てで見ますと、三保険全てでは八七%、これが加入をいたしております。これを労働者別に見ますと数字が変わってまいりますけれども、三保険全体で見ますと八七%の企業が何らかの形で加入をいたしているというふうになっております。ただ、これは労働者別で見ると、また下請状況によっては変わってくるという状況でございます。
○辰已孝太郎君 元請が七九%で、労働者別ですと、一次下請が五五、二次下請が四六、三次が四八ということで、だんだんだんだんやっぱり下がっていくわけですね。なぜ下がるかといえば、やはり結局負担ができないということでありまして、やはりここには、重層的な下請構造の下で、労働や材料費に見合う額での受注が下請企業にはなかなかできていないということの反映だと思っております。
 今回、法定福利費が、社会保険等のですね、法定福利費が確実に確保されるために、社会保険等の内訳を明示した標準見積書、これが下請から、下から元請に提出されることになりました。これ昨年の九月から始まったということでありますが、全ての直轄工事でこの標準見積書は出されているんでしょうか。どうでしょう。
○政府参考人(毛利信二君) ただいま御指摘のありました標準見積書と申しますのは、御指摘のとおり昨年九月末から、この法定福利費というのが内訳としてまず明示をされないで、言わば丼で見積りが出てくる中で支払が行われてはよく分からないということで、下請団体がそれぞれの様式で作成しているものでございまして、現在は、その見積書を下請が元請に提出する取組というのを官民一体で取り組んでいるという状況にあります。したがいまして、まだ直轄全てにおきましてこの見積書の採用を義務付けているという状況ではございません。
○辰已孝太郎君 どれぐらい出されているかということは調べるつもりはありませんか。調べる必要が僕はあると思うんですけれども、どうでしょう。
○政府参考人(毛利信二君) 標準見積書の意義というのは非常に大きなものがございまして、まず標準タイプで、下請が個別には元請に物が言いにくいという中にありますが、標準的なものだということでその利用を促進するという大きな効果があると考えております。
 ただ、その標準見積書におきまして、今どのような使用状況にあるのかという段階のまだ前で、まだ昨年九月末からこれを取組を推進しているという状況でございますから、もう少し定着を見ながらその活用状況を把握してみたいというふうに考えております。
○辰已孝太郎君 是非調べていただきたいと思います。
 やっぱり、下請の代金が保障されることが何よりも重要だと思いますし、また、末端の労働者のところにまで賃金がきちんと保障されること、これなしには業界の人手不足、若者の業界離れというのは私は解消できないと思いますし、ひいては公共工事の品質確保にも、確保することはできないと思います。
 そういう意味では、やはり上からということじゃなくて、やはり現場で働く人たちの賃金、つまり、これ以下の賃金は駄目だよと規定する。今現在では全国十の自治体で公契約条例というのが制定をされていますけれども、私は、やはり国としても公契約法の制定に向けて、研究も含めて踏み出すべきだということを申し付けたいと思います。
 さて、今日はもう一点、建築基準法改正に関わって、違法貸しルーム、いわゆる脱法ハウスのことについて質問をしたいと思います。
 今の脱法ハウスの調査の最新の数字はどうなっていますでしょうか。
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 本年二月末の状況を御報告申し上げます。
 私どもの方で、民間の方からいろんな違法貸しルームの情報を寄せられました。この調査対象物件が千八百一件でございます。そのうち、調査中の物件が八百六十三件、建築基準法等の違反が判明した物件が七百六十五件、建築基準法等の違反がなかった物件、これが五十五件、それから、調査に行ったけれども、もう既に閉鎖をされていたとか、あるいは違法貸しルームのような用途ではなかった、こういうものが百十八件という内訳でございます。
 建築基準法等の違反が判明しました物件七百六十五件についてでございますが、このうち是正指導準備中、まだ相手方にこうしなさいということを言っていないものが五十五件、是正指導を既に行って対応を待っているものが六百九十九件、是正済みの物件が十一件、こういう内訳でございます。
○辰已孝太郎君 建築基準法違反が判明した数だけで七百六十五件あると。是正済みというのが十一件しかないわけですね。非常に私は、この脱法ハウス問題が発覚してもう一年ほどたちますけれども、なかなか進んでいないんじゃないかというふうに感じております。
 私は、体制の不十分さというのもやはりここで指摘しておきたいと思うんですね。例えば東京の豊島区のこの調査人員、調査する人の人員というのはたった二人なんですよ。課長を含めて三人の体制でやっているということなんで、私、これではなかなか追い付かないというふうに思いますし、やはり人員の確保を含めて国交省が指導性を発揮するべきだと思います。
 今日は、この脱法ハウス問題で少し新たな事実が分かったので取り上げたいと思うんですね。
 私は、この問題、昨年の臨時国会でも取り上げましたけれども、マンボーという会社が都内に幾つか持っている違法貸しルーム、脱法ハウスの一つに直接行きまして調査しまして、質問もここでさせていただきました。違法に人を住まわせていたということで、居住者は解約を迫られて退去せざるを得なくなったわけですね。居住者の一人に話を聞くと、どこに行ったのか聞くと、九割の人が、出ていった、出ていかざるを得なかった九割の人が同様の脱法ハウスに行っているということで、このこともこの委員会で取り上げさせていただきました。
 ところが、先日、このマンボーという会社が運営をする池袋の物件があるということが分かりました。現在ではプライベートルームと称しているんですけれども、ホームページを見ますと、二畳ほどのスペースに共同のシャワー、トイレ、キッチン、ランドリーが完備されていて、これまで脱法とされてきた物件と酷似しているわけです。というか、もうほとんど一緒なんですね、これ。
 この物件は、池袋の物件は以前から、これ問題になる以前から人を住まわせている物件だけれども、この物件に関して、先ほど調査の結果、数字を言っていただきましたが、これ是正の指導というのは行ったんでしょうか。行ったとすれば、どのような指導を行ったんでしょうか。
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 御指摘いただいた物件と恐らく同じ物件だと思います。区の方から事情を伺いました。
 この物件につきましては、昨年の四月にまず消防署が立入調査を実施しているということでございます。消防署の実施のときに区も一緒に入る旨通知をしたところ拒否をされたということでございます。その後、七月に豊島区の方が相手方に事情聴取をしまして、立入調査を要請したところ相手方は拒否をしたということでございます。拒否の理由は、事務所に使っているので住宅ではないという、よく報道等でも指摘をされたような言い方をしたようでございます。
 その上で、池袋消防署の方には、消防の指摘については是正をしましたと、一部閉鎖をしたということでございますけれども、豊島区にその後どうしたのかというふうに伺いましたところ、先ほどの御指摘もございました、人数が限られる中で、ほかにも多く物件があるので、スムーズに行くものをまず調査をしてからということで、この物件についてはその後は接触をしていない、これが現状でございます。
○辰已孝太郎君 いや、私、そんな悠長なことを言っていて本当にいいのかなというふうに思うんですね。もちろんこのマンボーという企業が非協力的だと、調査を拒否しているというのが一番の大問題でありますよ。
 先日、私、この物件に実際に行きました。中も入りました。全くこれまで問題になってきた脱法ハウスと一緒なんですね。貸し物件、オフィスだということを言うんですけれども、元々脱法ハウスというのは、賃貸で貸し出さずにオフィスとして貸し出して人を住まわせて、窓もないというところで住まわせるわけですから脱法ハウスなわけですよ。それが問題になったこの企業で、何の反省もなくそのまま同じようなことをやっているということで、私、本当に憤りを感じております。こういう脱法行為をもう許したらあかんと、駄目だというふうに思うんですね。
 今年一月には横浜で、是正指導中の脱法ハウス、貸しルームで火災があったと。このビルは鉄筋七階建て、各階を五から八の部屋に区切りましてシェアハウスだと、合計四十六の部屋があって約四十人がそこに住んでいたと。この火災で男女五名が病院に搬送されたということなんですね。私、この問題はやっぱりもう本腰を入れて取り組まないと同様の事故が、事件が起こらないとも限らないというふうに思っております。
 今回の建築基準法の改正において、法令違反状態にある疑いが強い建築物に対して報告や立入検査を求め、そしてそれが拒否されるようなケースに対して罰則が強化されたということでありますけれども、具体的にはどのようなものなんですか。
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 特定行政庁が、違反状態にある建築物について是正命令などが必要だということで、報告徴収ないしは立入りをするという必要がございます。これにつきましては、従来から、拒んだ者につきましては五十万円以下の罰金ということが規定をされてございました。ただし、住居についてはプライバシーの問題等ございますので、これは承諾が必要だと。拒否できるというふうにも解せるわけでございますけれども、五十万円の罰金ということでございました。
 今回は、こういった安全の確保の取組を一層強化するために、調査円滑化という観点から、同じような形での法定刑を罰金五十万円を一年以下の懲役又は百万円以下の罰金というふうに強化をさせていただいております。
○辰已孝太郎君 こういう悪質なケースは、従わない場合にはより厳しい罰則で臨むべきだというふうに思います。また、一方で、国民のニーズが多様化する中で、新しい居住のスタイルを求める流れが若者の間では出てきております。健全なゲストハウス、シェアハウスを維持発展してもらうためにも、やはりこうした悪質な脱法ハウスをなくす手だてというのを取らなきゃ駄目だというふうに思います。
 じゃ、なぜこういう脱法ハウスにとりわけ若者が集まるのかということであります。脱法ハウスに居住をされている方に話を聞きますと、大体共通しているんです。それは、敷金、礼金が不必要、そして保証人が要らないということなんですね。ここに脱法ハウスに行かざるを得ない、とりわけ若い人たちの大きな理由の一つがあるというふうに思います。
 ここでやっぱり大臣に聞きたいんです。この脱法ハウスを出たい、また出なければならないという人に対して行政が応援する仕組み、そして、そもそもこのような居住の実態、住まいの貧困をなくすためには、敷金や礼金、保証人といった初期費用を行政が手当てする私は制度設計が急がれていると思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) かなり時代が変わって、これ、東京の方と大阪の方とかなり従来のシステムも変わっているというふうに思いますけれども、まずは、そうした時代の状況というものは、それなりの対応ということについては考えてきている状況だというふうに思いますが。
 そこで、この敷金、礼金、保証人をどうするのかという角度ではなくて、むしろ、本当に仕事が何らかの形でなくなった、そして保証人がいない、そうした状況の中での、広くそうしたことについて考えるというよりも、就労対策とか就労支援とかいうような一つの角度を付けていくということが大事で、それは、例えば公営住宅の目的外使用等によってサポートするというような方向性を出すということが私は大事なことだというふうに思っています。
 現在も、公営住宅の目的外使用につきましては、組織としての入居の、離職をして入居の初期費用が払えない人とか雇用を求めている人ということで公営住宅の目的外使用というものもありますし、そして就労支援のための住宅支給の給付というのを、これ厚生労働省の方でありますけれども、やっているというようなものがありまして、そうしたことを活用するということができるものというふうに承知をしています。
 住宅行政の観点から申し上げますと、広く民間賃貸住宅に対して敷金、礼金等について直接支援するということは、福祉や就労支援等の他の施策との整合性を図るという必要、というよりもそちらの方でやるということ、そして地方公共団体の取組や考え方を踏まえる必要があるということで、私は慎重に対応する必要があるのではないかというふうに思っておりますが、そうした離職をして入居の初期費用が払えないという人については何らかの支援をしていくということは必要なことであり、検討をすべきものであろうというふうに思っております。
○辰已孝太郎君 大臣おっしゃられたその就労支援という話なんですが、それはそれとして必要なんです。だけど、この脱法ハウスにお住まいの方というのは、別に仕事がない人ばかりじゃないんです。むしろ、仕事はあるんです。ただ、その仕事が派遣や様々なアルバイトという形で、脱法ハウスを抜けたいと思って次の家も探したいんだけれども、また、脱法ハウスというところは一時的な居住として住み始めたんだけれども、しかし、仕事はあるんだけれども、敷金、礼金、保証人がないのでそこに住み続けざるを得ないという人が多いのがこの脱法ハウスの問題ですから、もちろん各自治体でいろんな施策はあるんですが、やはりここは国交省が、住まいの貧困をどうするのかということを考えるならば、やはり前面に出て、国交省、厚労省、縦割りじゃなくて、住まいの貧困をなくすために公営住宅、建てられない、足らないというんだったら民間の住宅を借り上げて一時的にそこに住んでもらうであるとか、民間の家賃の補助制度、こういうところに是非踏み出すべきだということを訴えて、私の質問を終わります。