国の責任は免れない JR北海道

 

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(写真)質問する辰巳孝太郎議員=7日、参院国土交通委衆

日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は7日の国土交通委員会で、事故が相次ぐJR北海道の安全問題をとり上げ、国が同社への監督・指導を強化し、同社の経営にも責任を持つべきだとただしました。

辰巳氏は「輸送の安全・安心が確保されるまで監督指導を強化すべきだ」と強調。太田昭宏国交相は「監査や改善指導など必要に応じて判断し、続けたい」と答えました。

辰巳氏は、国交省が同社への監査で毎年「安全管理が現場任せだ」と繰り返していたこと、補修が必要なレールの存在を見逃したことを指摘し、人員増員など監査体制の見直しを求めました。国交省の竹内健蔵鉄道局長は「監査のあり方を十分検討する必要がある」とのべました。

辰巳氏は「問題のおおもとには、国の責任を放棄して事業者任せを進めた国鉄分割・民営化と安全の規制緩和がある。それらを改めて検証し、国が直接経営を管理、運営することも含めて抜本的な見直しが必要だ」と主張しました。

2013年11月13日(水)赤旗より転載

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○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
JR北海道は、公共交通機関、公共交通を担う鉄道事業者として利用者、国民の命と財産を安全に輸送する責任があります。JR北海道の安全を軽視した経営、そしてそれに続く一連の事故の一義的な責任はJR北海道の経営陣にあると考えます。したがって、今回、JR北海道の社長を参考人として招致し、改めて私は集中審議を行うべきだということを求めて、質問に入ります。
太田国土交通大臣は、十一月の一日の衆議院の委員会でも、安全運行が持続されることが一番大事だと述べておられます。そして、今後の対応について、広範にわたって全体像をつかんだ上での対策が必要で、分析を鋭意行っていると、今後も安全確保のために必要なら改善を指示したいと、その上で問題全体の整理や分析を早急に行うとともに抜本的な対策の検討を進めていきたいと述べておられます。今後も安全上の問題があればその都度改善を指示していくと、これ非常に私も大事なことだと思います。
そこで、大臣に質問をいたします。
特別保安監査や追加監査、それに基づく改善指示などを継続し、そして国交省としてJR北海道の輸送の安全、安心が確保されるまでこの監督指導をより強化、徹底するということ、そしてその取組状況を利用者や国民に広く知らせることが私は不可欠だと思いますけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 方法論はいろんなことがあろうと思います。しかし、最終的にJR北海道が国民の皆様に安全で安心だという走行が常にできるようにというところまで持っていくというのが目的でありますから、その間、保安監査あるいは改善指示、いろんな形があろうと思いますけれども、随時必要に応じて、判断をしたならば、そうしたことをやり続けたいというふうに思っています。
○辰已孝太郎君 今後も強化していっていただけるものだと思っております。
さて、私は国の監査の問題について質問をしたいと思います。
国土交通省はJR北海道に対して、二〇一一年、この石勝線の脱線火災事故に対する業務改善命令始め改善指示、勧告などで行政指導を行ってきております。しかし、一向にJR北海道の安全軽視の経営は改善をされておりません。
先日もNHKが報道しておりますけれども、JR北海道は、四年前から毎年、安全管理が現場任せだと国の監査で繰り返し指摘をされてきたということであります。四年前の平成二十一年の十月には、その前年に起きた信号システムのトラブルについても、概要を現場に送付するのみで、本社から特段の指示はなく、再発防止策を実施していなかったと、こういう指摘をされておりますけれども、毎年安全管理が現場任せだと指摘をしてこられたのはこれ事実でしょうか。
○政府参考人(瀧口敬二君) 私どもの保安監査というものは、先ほども御紹介を申し上げましたが、鉄道事業者が自らの法令に従いまして、それぞれの路線が敷設されている状況に従って安全に列車を運行しているということを前提にしております。そのために、基本的に法令違反がないかということを見るというのが主眼でございました。このような定期的な保安監査というのは、年度ごとの計画を定めまして、中小鉄道事業者につきましては数年に一回、また、JRにつきましては、規模が大きいことから路線や部門を選ぶということもございますけれども、原則毎年入ると、こういったような監査をやってきております。
JR北海道に対する保安監査でございますが、過去五年間の平成二十年度から二十四年度までを見てみますと、毎年度この保安監査というものを何らかの形で実施をしていると。さらに、この間、四回文書で改善指導をいたしております。当然この中には個別の問題点もあったわけでございますが、本社が現場の状況を把握できていないというような状況がございましたので、平成二十二年二月の改善指導では全社的な安全管理体制の強化ということ、そして、ただいま御指摘のございました石勝線の事故を受けました平成二十三年六月の改善指導では技術管理体制の確立、強化ということと併せまして社内の安全管理体制の確立ということ、そしてまた最近では、二十四年六月の改善指導では全社にわたる安全管理体制の構築といったものを指導してきたところでございます。
○辰已孝太郎君 要するに現場任せになっているということなんですね。
ところが、この国の指摘は、例えば四年前であれば電気施設と運行管理、三年前が車両整備、また去年は土木分野と、個別の部門に問題点というのは、指摘というのは限られていたと。そのため、会社全体として抜本的な対策というのが取られないままだったと思います。
この九月の貨物列車脱線事故後に発覚した補修が必要なレールがそのまま放置されていた問題でも、これ国交省は去年の十二月にJR北海道に対して通常の監査を行っていたのに、レールの安全管理は対象としていなかったために見抜けなかったということであります。つまり、監査に入っても肝心なところは見抜けずに、そして毎年同じような指摘をしても会社全体として改善をされない。これでは監査に入った私は意味がないと思うんですね。
そこで、もう一度聞きたいんですが、なぜ見抜けなかったのか、そしてなぜ指摘されたことが改善されないのか。この点、国交省としてどう考えているのか、お聞かせください。
○政府参考人(瀧口敬二君) まず一点確認を申し上げたいと思いますが、ただいま申し上げました三つの安全管理体制の問題というのは特定の分野だけの安全管理体制ということではございませんで、今委員御指摘の電気関係、車両関係あるいは土木関係といったところを主眼にして入ったわけでございますが、そういったところを通じて全社の問題として本社が現場を十分把握していないという問題意識で、全社の問題として改善措置を求めたものでございます。一部この辺りを誤解をした報道があったというふうにも承知しておりますが、まず事実関係としては、私どもは全社の安全管理体制を個別の分野の問題を取り上げながら指摘をしてきたというのが第一点でございます。
しかしながら、委員御指摘のように、これだけ度々全社の安全管理体制を指摘しながら、なぜそれが改善されていなかったのかということが実は大きな問題だろうと思っております。
特に、この中で一つが平成二十三年の石勝線の事故以降に入りました保安監査でございまして、このときには安全管理体制の徹底的な見直しという改善指示が出ておりまして、これを受けてJR北海道では行動計画をその年の九月に策定し、一年余り後、昨年の十一月に安全基本計画というものを策定いたしまして、非常に網羅的な安全管理体制の構築に向けた計画というものを作っているというような状況でございました。そして、私どもとしては、昨年十一月に策定されましたその安全基本計画が着実に取り組まれ推進されるだろうということを実は期待をしておったわけでございますが、残念ながら今年に入って多様なトラブルが発生してきておると、こういったような問題でございます。
まさに、いろいろな私どもが指導をし、JR北海道も計画であるとかいろんな対策を講じてきているのですが、それが本当に実行されていたのか、こういったような問題意識を持っているところでございます。今回の特別保安監査におきましても、そういった点については十分問題意識を持っておりまして、二回の特別保安監査でもその点についていろいろな調査をし、現在、全社的な問題として分析を進めているところでございます。
なお、個別の問題でございますが、今回の発端となりました九月十九日のJR貨物の脱線事故にかかわりまして、基準を超える軌道変位が放置されていたという問題がございました。これについては、御指摘のように、過去五年間でも毎年、実は毎年度入っておるわけでございますけれども、その中でこういった軌道変位のものをあったかといいますと、残念ながら見付け出すことはできておりません。ただ、軌道関係では、その軌道の下のバラストの状況が悪いといったような問題については指摘をしたことがございます。しかしながら、残念ながら軌道変位自体については指摘をしたということはございませんでした。これは、この私どもの行っております保安監査、これは定期だろうが、基本的には、特別保安監査であろうが、サンプリング調査というものを行うわけでございます。したがって、サンプリング調査でそういったものを見付け出すことができるかといったような問題であろうかと思っております。
先ほど申し上げましたように、この辺りにつきましては監査のやり方というものにつきまして今後十分検討していく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○辰已孝太郎君 監査のやり方という、これやっぱり問題だと思うんですよ。今までは、監査に入っているけれども、それがきちんと指摘された問題が改善されたのかどうか、これチェックも何もしていないわけですよね。鉄道事業等監査規則第二条には、監査は、輸送の安全確保するための取組が適切であるかどうかについて監査することにより、輸送の安全を確保し、利用者の利益を保護すると、これしっかり書かれているわけで、私は、やっぱりここでの国のその監査の問題、責任の、指摘はするけれども後追いしていないと、ここをやっぱり指摘しておかなければならないと思います。
最後に、国の責任についても少し質問をしたいと思います。
自民党の石破茂幹事長が二日の札幌市内の講演で、株主としての責任をどこまで果たしたのかを国が問われなければならないと述べています。JR北海道の経営などにも国が責任を持つべきだという認識を石破幹事長は示したわけですけれども、この発言について大臣、どう思うかお聞かせください。大臣、大臣。
○委員長(藤本祐司君) 大臣に答弁を求めていらっしゃいますが。
○政府参考人(瀧口敬二君) 一点、前に。
○委員長(藤本祐司君) まずは、じゃ、局長から。
○政府参考人(瀧口敬二君) 今委員の方から、私どもが保安監査で行った結果についてチェック、フォローアップがなされていないのではないかという御指摘がございました。
私ども、JR北海道については度々、過去五年間でも四回の改善措置を求めているわけでございますが、その後の監査の際に改善状況のフォローアップを行うということになっております。これら四回の文書による改善指導につきましては、それぞれその後の保安監査、あるいは今回も特別保安監査入っておりますけれども、そういった中で全てをフォローアップを行っております。
例えば、一点御紹介申し上げますと、平成二十四年の六月の改善指導では、実はその前の二十三年六月の石勝線の際の安全管理体制の徹底的な見直しということを指示したわけでございますが、なおこういった問題があるということで、二十四年六月の改善指示といたしまして、安全性向上のための行動計画、これは石勝線を受けて策定したものでございますが、を策定している中、組織全体で事故防止に取り組む安全管理体制が不十分なので見直しなさいということをやっております。
こういうことで、決して言いっ放しということではございませんで、それぞれの段階で必要な指示というものを行ってきたところでございます。
○国務大臣(太田昭宏君) いろいろ指摘をしたこと、それについては今申し上げましたようにフォローをしていると。そして、国としては事業計画等の認可もしている。そして、その事業認可の中には、安全ということにもこうやります、ああやりますということが明確に書いてある。だけれども、物の本質は、そうした言ったこと、指摘したことがなぜできないのかということが大事なので、そこのところを我々としては保安監査等を行って指摘をさせていただいているということでございます。
○辰已孝太郎君 先ほど局長からありましたけれども、監査をしても、これ結局サンプル調査でしょう、サンプルでやるわけですよ。それが結局、二百七十か所も後から分かるわけですけれども、監査そのものの人員体制も含めて不十分だということを私は言っているわけであります。
最後ですけれども、石破幹事長についての発言、これどう思うかということを大臣にお聞きしたいので、よろしく。
○国務大臣(太田昭宏君) 幹事長がどういう発言したのか、私は内容について十分承知をしておりません。
○辰已孝太郎君 やはりこのJRの問題については、国の責任というのは免れないと私は思います。先ほど大臣からありましたけれども、いわゆるJR会社法第七条においては、JR各社がそれぞれ事業計画を毎年定めることになっていると。それを、その事業計画を認可するのは国土交通大臣ですよね。それで、会社の代表取締役の選任、解任、この決議の効力は誰の認可で生じるかということに関しても、これは国土交通大臣なんですね。ですから、もちろん一義的にはJR北海道の問題ありますが、国の責任というのは私はもう決して免れるものではないと考えます。
最後に、今回の問題の大本には、国の責任を放棄して事業任せを推し進めた国鉄の分割・民営化と安全の規制緩和があります。JR北海道など三島、貨物会社は、発足当初から厳しい経営が想定をされていました。人員も半減し、輸送の安全確保に支障を来すことも懸念されていたわけです。完全民営化したJR東海など本州三社との格差やひずみも顕著になっております。
鉄道事業を輸送の安全と国民の足を守る公共交通として再生させるためには、人口減少の現実化など社会情勢の急激な変化も踏まえて、国鉄分割・民営化と安全の規制緩和を改めて検証し、これ、国が直接経営を管理、運営することも含めて抜本的な見直しが必要であるということを述べて、私の質問を終わります。