日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

生活保護「水際作戦」許されない 

2014年04月07日

20140407辰巳議員(決算)

しんぶん「赤旗」の記事を転載します。

生活保護 「水際作戦」許されない

参院決算委 辰巳議員が調査要求

日本共産党の辰巳孝太郎議員は7日の参院決算委員会で、「水際作戦」など行政の不適切な対応により、生活保護の申請を認めない「申請権の侵害」が横行している問題について質問しました。生活保護費全体に占める不正受給の割合がわずか0・5%程度であることを確認し、「保護を必要とする人が利用できなくなるような運用は正していかなければならない」と迫りました。

辰巳氏は、大阪府枚方市で2011年に明らかになった不正受給184件のうち収入の無申告・過少申告が103件あり、そのうち高校生のアルバイトの無申告が4分の1にあたる27件だったことを紹介。「高校生自身がアルバイトをしていることを親に黙っており、世帯主が知らなかったということや、そもそも高校生のアルバイト収入を申告しなければならないことを知らなかったという人も少なくない」と指摘し、ケースワーカーの人員を増やし、個々の実態に即して柔軟に対応するよう求めました。

辰巳氏は、京都府舞鶴市に住む50代の男性が、生活保護の申請のため3度も市役所に出向き、申請の意思を明確にしたにもかかわらず、市側が申請させなかった事例を提示。同市が面接相談記録に申請意思確認欄を設けていなかったことを指摘し、「水際作戦」を許さないためにも各地の実態を調査し、確認欄の設置を徹底させるよう求めました。

田村憲久厚労相は「相談に来られた方が保護の適用にならない場合もある」として、本人の意思を確認する前に、保護の要件などの説明を徹底させる考えを示しました。

 


議事録を読む

○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
三月二十日の予算委員会で、私は生活保護の問題を取り上げまして、大阪市が介助扶助から支給されるはずの福祉用具の購入などのお金を生活保護利用者に自己負担できないかと、こういう確認をケアマネジャーなどを通じてしているということを取り上げました。生活保護費というのは最低生活を保障するものでありますから、基本的には、保険料であるとかまた医療費、介護保険とか、自己負担はできないということから医療扶助、介護扶助というのが出ているわけでありますが、この二十日の予算委員会の質疑では、大臣は、大阪市は現在はそのような取扱いはしていないということで、改めて調査はしないということで、調査については明言をされなかったということでありますが、私、やはりこの問題、生活保護の根幹を揺るがす大問題だと思うんですね。
改めて、やはり大阪市に、この問題、調査すべきじゃないかと私は思うんです。厚労省として、大阪市のこの実態を調査するおつもりはありませんでしょうか。どうでしょう。
○国務大臣(田村憲久君) 今言われました介護扶助は、当然、これを自己負担化すればこれは法律に違反するわけでございまして、その旨、大阪市にお伝えをさせていただいて、通知を事務連絡という形でそれぞれの福祉事務所の方に発出をいただいたということであります。その後、このような取扱いはないというふうに確認をいたしておりますので、改めて調査をするというよりかは、もうそのような形でしっかりと対応していただいておるというふうな認識であります。
○辰已孝太郎君 大臣、そもそも、では、なぜこのような取扱い、不適切な取扱いが大阪市で起こったというふうにお考えですか。
○国務大臣(田村憲久君) 十分に趣旨が伝わっていなかったのであろうというふうに思います。本来の生活保護法、どういうような内容であるかという趣旨をしっかりと御理解をいただかなければならぬということでございますので、そのような案件が出てまいりましたから、こちらの方からそのような形でしっかり助言をさせていただいたということであります。
○辰已孝太郎君 先ほど大阪市は事務連絡でこのような取扱いをしないようにという話がありましたが、大臣、この事務連絡、御覧になりました。
○国務大臣(田村憲久君) 熟読まではしていませんけれども、一通り目は通させていただきました。
○辰已孝太郎君 このA4の紙で三ページあるんですね。三ページ目は半分ですけれども、この介護扶助の自己負担について書いてある文言というのは、たった三行なんですよ。しかも、こう書いてあるんですね。介護給付付きの福祉用具購入や住宅改修に係る費用の介助扶助は、給付券の活用の有無にかかわらず自弁の可否は扶助決定の要件とはなりませんので御注意くださいと、こういう話なんですよ。
そもそも大阪市で行われていたというのは、この介護扶助を自己負担できないかということで、預貯金の確認までケアマネジャーを通じてしていたということなんですね。私は、こういう事務連絡で済ませるんじゃなくて、是正通知のようなものをきちんと分かる形で、表題もそういうことで、こういう取扱いがあった、絶対許してはならないということで、前面に出してやるべきだと思うんですけれども、これはたった三行なんですよ。これ、熟読してもなかなか間違い分からないんですよ。
私は、先ほど理解していないという話がありましたけれども、介護、まあ保険料も含めてですが、生活保護の方に自己負担させない、できないというのは、これはもう常識なんですね。ケースワーカーであれば当然分かっていなければならないことで、常識では考えられないことが起こったと私は思っております。
それで、大阪社会保障推進協議会の調査では、この法令違反、大臣も法令違反とおっしゃいましたけれども、これ一人二人じゃないんですよ。複数人で、しかも複数の行政区にわたってこういう不適切な法令違反が行われていたということがこれ調査で分かっております。組織的に行われた私は可能性は否定できないと思うんですね。ですから、法令違反だと大臣認めながら、私、調査しなければ、実際にこのような法令違反、不適切な取扱いで福祉用具などを自己負担させられた人が一体どれだけいるのか、また自己負担しなければならないと、本当はケアマネジャーなどが必要だと言っていた福祉用具の購入をやめてしまう人がどれだけいたのか、これ分からないわけですよ。
私は、厚労省でも、もちろん大阪市でも結構ですが、きちんとそういう人がどれぐらいいたのかということを調査すべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(田村憲久君) これ、私は意識持っているから分かったのかも分かりませんが、この事務連絡読まさせていただいて、ここだなというのは理解をいたしました。その上ででありますけれども、その後ちゃんとした対応していただいておるということでございますので、そこは確認いたしておりますので、そういう意味では、大阪でそのようなことはもうないんであろうということだと思います。
全国の担当者の会議等々もございますから、そういう場で改めて、このような案件も含めて、適切な運用、こういうものを我々としても説明をさせていただきたい、周知をさせていただきたい、このように考えております。
○辰已孝太郎君 これから適切な扱いというのは当然のことなんですよ。だけど、自己負担させられた人がいるかもしれないということは、私は、もう最低、厚労省の責任としてするべきだということをこの問題では訴えておきたいと思います。
続いて、不正受給の問題に絡んで、高校生のアルバイト収入の認定についてお聞きしたいと思います。
不正受給の件数、直近の数で結構ですが、全国でどれぐらいあるのか、件数と金額についてお願いします。
○政府参考人(岡田太造君) 平成二十四年の不正受給金額は全国で百九十億五千四百万円でございまして、生活保護費総額に占めます割合は約〇・五%でございます。
○辰已孝太郎君 不正受給はあってはならないことでありますし、特に暴力団が関わっているケースであるとか貧困ビジネスということも当然許されません。ただ、先ほど〇・五%という話がありましたが、九九・五%は逆に言うと適切に運用されているということも見ておく必要があると思っております。ですから、この不正受給の問題は、生活保護を利用できる要件のある人、つまり生活保護制度が必要な人が利用できなくなるようなこういう運用というのは、私は正していかなければならないと思っております。
この不正受給に関しては稼働収入の無申告というのがこれ一番多いわけでありますが、そのうち、高校生のアルバイトの収入申告漏れというのはどれぐらいあるのでしょうか。
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘の高校生のアルバイト収入の申告漏れについてのちょっと件数は、把握していないという現状でございます。
○辰已孝太郎君 厚労省、把握していないということなんですが、例えば大阪府の枚方市というところでは、資料の要求しますと出てまいりました。不正受給によっていわゆる七十八条、返還ですね、これが適用された件数というのは二〇一一年で百八十四件ありました。そのうち、働いて得た収入の無申告、過少申告が百三件で半分以上を占めております。その中で、高校生のアルバイトの無申告というのが二十七件で二六・二%、つまり四人に一人が高校生の収入の申告漏れということだったんですね。
これには、高校生自身がアルバイトをしていることを親に黙っていたり、また、ですから世帯主が知らなかったというケースとか、そもそも高校生のアルバイト代を収入申告しなければいけないということを知らなかったという人も少なくありません。その背景には、ケースワーカーの不足、多忙化によって周知徹底されていないということも指摘をしたいと思うんです。
ところで、この四月から高校生のアルバイトに関して実施要領の変更があったと聞いておりますが、具体的にはどういうものなのかということと、その目的ですね、これをお聞かせください。
○政府参考人(岡田太造君) 高校生の就労収入につきましては、従来の取扱いは、基礎控除、それから未成年者控除のほか、生活保護の高等学校等就学費の支給対象となりません修学旅行費などの経費については、収入認定から除外して保護費を減額しないという扱いを従来から行ってきたところでございますが、本年度から、この四月から新しく、高等学校など卒業後の具体的な就労であるとか早期の保護脱却に関します本人の希望や意思が明らかであること、それから具体的な自立更生計画を福祉事務所が事前に承認していることなどを前提にいたしまして、自動車運転免許などの就労に資する技能を修得する経費、それから就労に資する資格を取得することが可能な大学などに就学するために事前に必要な入学金などの経費などについても収入認定から除外をしまして、保護費を減額しないという取扱いをすることにしたものでございます。
今回の取扱いによりまして、生活保護世帯の高校生が就学に資する資格を取得するなどによって就労につなげること、それから本人の自立、貧困の連鎖の防止に有効のみならず、世帯の自立助長にもつながっていくものというふうに期待しているところでございます。
○辰已孝太郎君 子供の貧困の連鎖断ち切るためにと、これ大賛成なんです。ただ、高校生に将来進学するという自立更生計画を書いてもらう、それを認めるということで貯金を認めるということなんですが、やはり様々な理由で途中で進学を諦めざるを得ないという高校生も出てくるだろうと思うんですね。私は、この運用に関しても、実態に即して是非柔軟に対応していくことを求めたいと思うんです。
現場は今、人手不足で手いっぱいなんですね。丁寧な対応をするためにも、ケースワーカーなどの人員を増やして対応するということが大事だと思いますし、せっかくのこの制度ですから、逆に高校生の自立の助長を妨げるようなことがあってはならないというふうに思います。
この問題に関しては、そもそも学びたいという学生を応援するのは厚労省だけの問題ではなく、文科省の問題でも、役割も大きいと思っております。高校生が大学などの進学のために学費を捻出するため、勉強時間を削ってアルバイトをしなければならない、私、このことそのものがやっぱりどうなのかなというふうに思うんですね。ですから、大学等に進学を希望する学生が経済的な理由で進学を諦めざるを得ないということがないように、私は文科省、国がこういう学生たちをもっと支援するべきだと思うんです。
大臣にお聞きしたいんですが、とりわけこの生活保護世帯や低所得者世帯に対して、高等教育への進学のための私は予算が少な過ぎると思っております。日本の大学の入学料、授業料の引下げ、無償化に私は踏み出すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(下村博文君) 予算が少ないというのはそのとおりだというふうに思っておりまして、特に若い人たちに対する教育というのは未来に対する先行投資ですから、これからいかに予算を増やすかということは、どんな家庭の子供、生活保護家庭だけではありませんが、意欲と志、能力を持っている学生に対して広くチャンス、可能性を提供するということは我が国にとって大変重要なことで、位置付けだというふうに思います。
そのために、今年の四月から、高校授業料の無償化、見直しをいたしまして、特に生活保護世帯の家庭においては給付型奨学金を導入することを初めて決定をいたしました。これは、その子供が行っている学校によって違いますが、三万円台から多い家庭の子供では十三万円台の、年間、給付型奨学金を支給するということをこの四月から創設をしたわけでございます。
大学については、学費を下げるというのはこれはなかなか難しい問題がございます。まずは、できるだけそのような奨学金制度を充実させると。取りあえず今年は、大学生においては無利子奨学金の貸与者数を二万六千人増員をいたしまして、またその事業費でも対前年度比で百五十六億円増の三千六十八億円を計上いたしました。
しかし、相変わらず有利子奨学金の方が多いわけでありまして、できるだけ有利子奨学金を無利子奨学金にすると。そして、是非、二十七年度辺りから、大学生における給付型奨学金制度も創設することによって、どんな家庭の子供であってもチャンス、可能性を切り開いていくような、そのような支援を是非考えていきたいと思っております。
○辰已孝太郎君 ヨーロッパの先進諸国では、大学入学費も含めて授業料無償化というのが当然ですから、貧困の連鎖断ち切るためにも予算の増額を強く求めたいと思います。
最後に、生活保護に戻りますけれども、水際作戦について改めてお聞きします。
二〇一二年、京都の舞鶴市に住むC型肝硬変のために働くことができない五十代の男性が、生活保護課に三度申請に行っても、その場で口頭で生活保護の申請させてくださいと言ったけれども申請させない問題がありました。この男性、申請の意思を明確にしたにもかかわらず申請させなかったことを不服として審査請求を行いました。当初、京都府は男性の訴えを棄却しましたが、その後の再審査請求で、今年ですね、二月の十四日、これは大臣裁決において男性の訴えを全面に認めて、口頭での生活保護の申請を認めました。私、この舞鶴市の対応は駄目だと大臣が裁決したことは重要だというふうに思います。
私は、このような水際作戦、申請の意思を示しても申請書が渡されないと、申請できないということを、もう許さない、起こさないためにも、申請書を誰でも取れるところに設置すべきだというふうに思いますが、その点についてどうでしょう。
○国務大臣(田村憲久君) 窓口に常備配置はしてあるわけであります。ただ、おっしゃられるとおり、自分自身ですぐ取れるところに置いてあるかどうかはこれは別でありまして、置いてあるところもありますけれども。
なぜそこまで我々が指導していかないかといいますと、一つは、本来、相談に来られた方が実際問題、保護の適用にならない方々もおられるわけでありまして、そこはちゃんと相談をしていただいてやらないことには、結局、手続やり出したら、途中であなたは適用されないという話になっては時間が掛かり過ぎる、また、福祉サービス等々を適切に対応すれば、それで生活保護を受けなくても自立ができるというような場合もあります。
それも、やはり手続に入ってしまいますと、いろいろとその手続の時間を取るわけでございますので、福祉サービスにうまく早く手が届いていかないという問題もありますし、本来、生活保護を受ける方々が、それによって時間的に、他の方々でありますけれども、遅れてしまうということもあるということで、そこでやはり面談をしっかりやっていただくということで、面接相談という形の中において、そこは適切に御意思を確認すると同時に、その前にしっかり生活保護の適用の要件等々も含めて御説明をいただくということ、他の福祉サービス、どういうものがあるかということも御説明をいただくということをやっていただくのがまず一番であろうということであります。
ただ、その説明の上でも、やはり自ら申請の意思があれば、それは当然のごとく、それからは申請の手続に入っていかなければならぬわけでありまして、その点が抜けておるということであれば、これは適切に対応するように全国会議も含めて我々としてはしっかり周知をしてまいりたい、このように考えております。
○辰已孝太郎君 申請の意思があっても申請書を渡さないという事態がここで批判されているわけですね。で、大臣裁決で駄目だと。
京都府の特別監査でも、これは厚労省の局長通知で、きちんと面接相談記録の中に申請の意思を確認する欄、申請の意思ありましたか、マル、なかった、バツ、こういう欄を設けなさいということが求められているわけですね。この舞鶴市では、そういう欄そのものが設けられていなかったということで、ちゃんと欄を設けなさいということになったわけですよ。
私、この問題、非常に大事だと思っていまして、申請の意思を確認する欄、これがない自治体がほかにもあるんじゃないかと。これなければ、結局、申請の意思、表明した、いや、していない、水掛け論になるんですよ。私、この欄が設けられているかどうか、これ全ての自治体にもう一度確認をして、設けられていないところがあれば設けるように厚労省が指導すべきだと思いますけれども、どうですか。
○政府参考人(岡田太造君) 保護の申請権を侵害しないことはもとより、侵害していると認められるような行為も厳に慎んで、適切な窓口対応を行うように全国の自治体に通知しているところでございます。
国や都道府県が行っています監査におきまして、具体的に面接相談の手順をまずヒアリングするとともに、面接記録票などにより個別のケースの検討を行いまして、申請意思を確認しているかどうか、保護申請に当たって、事前に関係書類の提出を求めることなく保護申請書を交付しているかなどを確認させていただいているところでございます。その上で、不適切な事例があった場合には是正を求め、その結果を報告するなどの指導を行っているところでございます。こういった監査の機会におきまして、相談者の申請意思が面接記録票に記載しているかどうかというのを今後も確認していきたいというふうに思っています。
御指摘の局長通知で様式を示しておりますが、それはあくまでも標準的な様式でございまして、具体的には各自治体にいろんな工夫をしていただくということで認めていますので、これは実際にそういうことがされているかどうかということが重要だと思いますので、監査の機会などを捉えてやっていきたいというふうに考えているところでございます。
○辰已孝太郎君 監査は全部やるわけじゃないんですから、監査で分かってから事後対応じゃなくて、これ、欄を設ける、設けなさいということはもうこれすぐにでもできる話だと思いますので、是非やっていただきたいということを、水際作戦も許さないという対応でしていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。