核燃料サイクル 一貫し反対/辰巳氏が党の立場強調/衆院原子力特委
2025年06月10日
日本共産党の辰巳孝太郎議員は10日、衆院原子力問題調査特別委員会で、核燃料サイクル政策に一貫して反対し、断念を求めてきた日本共産党の立場を改めて強調しました。
政府は、原発から出る使用済み核燃料をすべて再処理し、取り出したプルトニウムを再利用する核燃料サイクル政策に固執しています。
辰巳氏は、核燃料サイクル施設の受け入れを当時の青森県知事が表明した1985年4月9日の県議会全員協議会で、日本共産党の木村公麿議員が受け入れに反対したと指摘。木村議員が「県民の大多数は不安を表明し、反対する運動を進めている」ことや「安全性は世界的に確立していない」こと、核積載攻撃機が配備された米軍三沢基地近くの立地が極めて危険なことなどを、全面的に明らかにして反対の論戦を行ったと辰巳氏は説明しました。
その上で辰巳氏は、同県六ケ所村で建設中の日本原燃・再処理工場が竣工(しゅんこう)時期が27回も延長され、プルトニウムを利用するとした高速増殖炉「もんじゅ」も廃炉に追い込まれるなど「核燃料サイクルの破たんは誰の目にも明瞭だ」と述べ、この政策に反対してきた青森県はじめ、共産党の運動と論戦には重要な意義があったと強調しました。
この問題をめぐって、れいわ新選組の佐原若子衆院議員は、3日の同委員会で「青森県の県議会で、核燃サイクルが全員一致で通ってしまった」と発言。10日の委員会で「日本共産党、社会党が反対したにもかかわらず、事実を正確に反映せず、誤解を招く表現になった」と述べ、訂正し謝罪しました。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
まず、質問に行く前に一言申し上げたいと思います。
我が党は、核燃料サイクル政策に一貫して反対をし、断念を求めてまいりました。一九八五年、青森県知事が核燃料サイクル施設受入れを表明した四月九日、県議会全員協議会では、我が党の木村公麿議員が登壇をし、県民の大多数は不安を表明し、反対する運動を進めていること、安全性は世界的に確立していないこと、核積載攻撃機が配備された米軍三沢基地近くの立地が極めて危険であること、地域振興にも効果がないこと等を全面的に明らかにして、反対の論戦を行いました。
再処理工場の二十七回にも及ぶ竣工延長や高速増殖炉「もんじゅ」の失敗など、核燃料サイクル政策の破綻は誰の目にも明らかであります。青森を始め我が党の核燃料サイクルに反対する運動と議会の論戦は重要な意義があったと考えております。
加えて言いますと、二〇一一年の東京電力福島第一原発事故の前から我が党の吉井英勝元衆議院議員は、津波の押し波とともに引き波の影響で原発の冷却機能が失われる危険性を指摘し、さらに、巨大地震で原発の外部電源や非常用の内部電源を喪失すれば炉心溶融を引き起こすという最悪の事態を想定せよと迫っておりました。政府の答弁は、そういったことはあり得ないだろうというぐらいまでの安全設計をしている、現実にはあり得ない、頭の中の話という姿勢でありました。
安全神話に縛られた原発行政の転換を訴えた我が党の論戦の意義を改めて確信しつつ、今後も原子力規制の在り方を我が党は厳しくただしていく決意であります。
それでは、原子力規制委員長に改めて確認をしたいと思います。
五つある原子力規制委員会の活動原則のうち、独立した意思決定とは具体的にどのようなことか、説明をしていただきたい。
○山中政府特別補佐人 お答えいたします。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省と教訓を踏まえて、推進と規制の分離を図るため、独立した三条委員会として設置が行われました。発足の経緯から、私どもは、何物にもとらわれず、科学的、技術的な見地から、独立して意思決定を行うこととしております。御指摘の活動原則は、その趣旨で掲げているものでございます。
○辰巳委員 まさに今あったように、規制委員会が、原子力産業界あるいはその意を酌んだ特定の政党の要求にくみして国民を原発事故の危険にさらしてはならないということだと思います。これを貫けるかどうかが問われております。
この間、この委員会でも与野党から、特定重大事故等対処施設、いわゆる特重施設の設置期限の見直しを求める国会質問というのが行われております。改めて、特重施設とは何なのか、説明していただけますか。
○山中政府特別補佐人 お答えいたします。
特定重大事故等対処施設は、重大事故等対処施設のうち、故意による大型航空機の衝突やテロリズムにより、炉心の著しい損傷が発生した場合においても、原子炉格納容器の破損による敷地外への放射性物質の異常な水準の放出を抑制するため、可搬型設備を中心とした重大事故等対策の信頼性を向上させることを目的として設置を求めたものでございます。
東京電力福島第一原子力発電所事故の重要な教訓の一つは、継続的な安全性の向上を怠ってはならないということでございます。特定重大事故等対処施設の設置は、重大事故対策の信頼性を向上させるという意味で、継続的な安全性の向上であると考えています。
○辰巳委員 今、特重施設の説明をしていただいたんですけれども、るる質問等であったとおり、猶予期間というのが設けられている。これはあくまで信頼性向上のためのバックアップなので、それがなくても稼働そのものは許されていますよという国会のやり取りというのがありました。
ただ、我が党は、原発の運転が始まったら、例えばテロを起因とするような事故の発生の猶予なんて取れないわけですから、猶予は考えられないわけですから、運転開始時までに本来は特重施設が設置されていなければならない、そうでなければ運転は認められないとするのが本来の在り方だというふうに思っております。
先ほどもありましたとおり、委員長にちょっと確認したいんですけれども、この猶予期限を延長してほしいというのが様々なところから要求として出されているんですけれども、例えば、二〇一九年四月に、先ほどもCNOという話がありましたけれども、電力会社が特重施設の猶予期限の見直しを求めていることに対して、例えば当時の更田委員長は、掘ってみたら岩が硬かったとか、そうであるのであれば、工事計画認可に対して工事計画の変更申請がまずあってしかるべきだ、こういうふうに答えております。これは要するに、延長の理由にはなれへんよ、こういう話ですわね。
それと、二〇一九年、平成三十一年のCNOとの意見交換の場で様々出ています。先ほどもありました。例えば、特重施設の設置場所の確保のため、山を切り開いて、工事用アクセス道路あるいはトンネル設置等をして、要するに、頑張っています、二十四時間体制で二交代制で頑張っていますねんと、これは九州電力ですけれどもね。それでも間に合いませんねん、こういう要求が出されたときにも、先ほど答弁であったように、それは要するに延長の理由にはなりません、ここで一旦もう議論されているような話は、もう延長の理由にはならないということを答弁されたと思います。
改めて確認したいと思います。そういうことでよろしいですね。
○山中政府特別補佐人 CNOとの意見交換については私も出席をしておりまして、私が直接、工事の困難さというのは延長の理由にはなりませんよというのは発言をさせていただいたところでございます。
○辰巳委員 工事が困難だというだけではなくて、例えば、労働力不足などで時間が間に合わない、こういう話も出ているわけですから、それも含めて、それは延長の理由にはならないということでよろしいですね。改めてもう一度。
○山中政府特別補佐人 現状で事業者から特段の延長の申出はございませんので、そのような議論というのはまだ委員会でしておりませんので、改めて、申請がもし出ましたら、意見交換をした上で、委員会としても議論をしてみたいと思います。
○辰巳委員 いや、私が確認したいのはこれからの話ではなくて、二〇一九年の四月、この中で、議事録を読みますと、二十四時間体制、二交代制で頑張っているんです、それでも間に合いませんねんと。だけれども、そういう要求があってもそれは認められないというのがこの二〇一九年の議論の結論だったねということを確認したいと思います。
○山中政府特別補佐人 お答えいたします。
CNOとの議論の中で、工事が困難であるということは当時もCNOから発言がございまして、それを委員会として議論いたしまして、経過措置の延長の理由にはならないという委員会としての結論は出ております。
○辰巳委員 確認しました。
ところで、東京電力は、柏崎刈羽原発六号、七号機の特重施設の工事完了時期を遅らせた理由をこう言っています。これまでにない大規模な工事だ、審査の長期化、工事物量は原子炉建屋の数倍の規模、人手不足で工期短縮が難しい、なんですね。
今、二〇一九年、平成三十一年の話をされましたけれども、今私が申し上げたような東京電力の理由では、これは延長は認められないということになると思いますけれども、委員長、どうですか。
○山中政府特別補佐人 東京電力から直接、経過措置期間の延長については、何らかの申請があったわけでもございませんし、意見交換の申出があったわけではございませんので、その点については承知していないところでございます。
改めて、工事の困難さというものが経過措置期間の延長の理由に当たるというのは、委員会としては、当たらないという結論を出しているわけでございます。
○辰巳委員 山中委員長は、この間、他律的な要因において期限内に特重施設を設置することが困難であるとの特別な事情が出てきた場合におきましては、規制委員会としても、その内容を聞いて議論することは否定するものではございませんという答弁をされていますけれども、他律的な要因というのは一体何なんですか。
つまり、人手不足は当たらないというわけですよね。時間的な要因、そんなものはあかんよと。何か硬い岩盤が出てきた、そんなのもあきませんよと。ほとんどこれは排除されているじゃないですか。では、他律的なというのは一体どういうことですか。
○山中政府特別補佐人 御質問にございました他律的な要因については、これまで規制委員会で、何か委員会として組織的に議論を行ったということはございません。何らかの特定の要因を念頭に置いたわけではございませんので、前委員長の一般的な事柄として、国会の答弁の中で例を挙げられてお答えになったことがあるかと思います。
過去、規制委員会の議論の場におきまして、経過措置期間を見直すかどうかの議論の際の一つの話題として、委員から、自然災害とか、あるいは何らかの人為的な災害とか、そういったことで工事が遅れるといった、そういったことは特別な要因ということに当たるのではないかというような発言があったのは記憶しております。以上、具体的な議論を行ったわけではございません。
現時点で事業者からも特段の申出はございませんので、規制委員会としても、改めて経過措置期間の見直しについて提案があれば、意見交換を行った上で議論をしていきたいというふうに考えております。
○辰巳委員 意見交換するという話なんですけれども、二〇一九年の更田さんの発言からすれば、この他律的なという話もほとんど私は排除されると思いますよ。あくまで特重施設を造らないと稼働させない、私は、そういう立場を規制委員会が貫けるかどうか、これが今問われていると思うんですね。
四月十日の質問で、私は、電力事業者や原発メーカーから成る原子力エネルギー協議会、ATENAですね、これが、革新軽水炉の規制の予見性を高めたいとして、原子力規制委員会との意見交換を要求して、そして、それを受けて規制委員会が意見交換の場を設けたことは、これは規制側がそれこそ取り込まれて、規制のとりこになるんじゃないかということで、批判をいたしました。特重施設の猶予期限をめぐっても、私は同じ構図になるということを強く懸念をいたします。
山中委員長、もう一回聞きますけれども、この特重施設の猶予期限について、規制委員会の活動原則である、何物にもとらわれず、科学的、技術的な見地から、独立して意思決定を行う、この立場を堅持する、これをもう一度答弁いただきたい。
○山中政府特別補佐人 東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓と反省に基づいてできました活動原則、一番大切なところでございます。独立性を一番大切にした、我々の委員会として独立した意思決定を行うこと、これをお約束したいと思います。
○辰巳委員 最後になりますけれども、電力会社のとりこだったと厳しく批判をされた原子力安全・保安院の二の舞になっては絶対にならない、電力会社に取り込まれることにつながる意見交換そのものもやるべきではないということを強く求めて、私の質問を終わります。
以上です。