○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎です。
まず、大臣にお聞きしたいと思うんですが、先ほど大臣、十四日に現地にも視察に行かれたと、戻ってきてすぐに会議を招集して三点の指示をしたと、こういう話があったんですが、大臣、あの熊本地震の際、二〇一六年の四月の十五日に、これ発災しまして翌日現地に行っているんですよ。
大臣、今回なぜすぐに現地に行かなかったんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 熊本地震のときも通常国会の最中でございまして、週末を利用して熊本の地に行ったところでございます。
今回も、七月の十四、十五、十六という、たまたま土日月、三連休でございましたので、それぞれ広島県、岡山県、愛媛県の視察をさせていただいたところでございます。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、何で先週行かなかったんですか。すぐに行かなかったんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 先週末は、まさに発災している途上でございましたので、行くような状況ではなかったというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 カジノがあったから行けなかったと言ったらいいと思うんですよね。まさにそういうことですよ。
西日本豪雨災害で、西日本各地の多くのため池が決壊する被害が生じております。七日夜には広島県福山市のため池が決壊し、あふれた土砂が付近の家屋を押し潰し、三歳の女の子が犠牲になりました。
東日本大震災では四千か所のため池が被害を受け、被害額は四百億円、八人の死者も出ました。それを受けて、農水省は全国ため池一斉点検を行っております。
農水省、今日お越しいただいておりますが、これ、全国のため池の件数と、防災重点ため池に選定されたため池の件数とその内訳を述べていただけますか、簡潔に。
○政府参考人(奥田透君) お答えいたします。
全国にはため池が約二十万あるというふうに承知しております。ただし、その中にはなかなかデータがないものもございまして、私どもは、平成二十三年の東日本大震災を受けまして一斉点検をいたしました。その結果が、受益面積〇・五ヘクタール以上のため池を調べたわけでございますが、その総数は約九万六千に上がっているところでございます。そのうち、対策を重点的に進めるべきため池を防災重点ため池といたしまして、これが約一万一千でございます。
以上です。
○辰巳孝太郎君 確認しましたところ、防災重点ため池は一万か所、一万一千か所なんですね。このうち、地震に対する詳細調査を実施したのは四千四百四十四か所、もう半分以下ですね。そのうち、耐震不足を確認したのが二千四百三十四か所なんです。そのうち、この耐震の対策を完了しているのは二百九十五しかないんですね。今のは耐震ですね。
豪雨に対する詳細調査、調査を実施したのは三千六百三十四か所なんです。そのうち、豪雨対策が必要だと、こうされたのが千三百九十九か所あるんですが、対策が完了しているのは六百五十三か所ですから、これやっぱり半分以下なんですね。
この防災重点ため池のうち、ハザードマップ作成をして地域の住民の皆さんに見ていただいているのは五千四百四十一か所ですから、一万一千か所のこれまた半分以下になっているわけなんですね。
確認しますけれども、今回女の子が犠牲になった福山市のため池を含めて、今回の豪雨で決壊した、七か所あるんですが、このため池はそもそも防災重点ため池に選定されていたんでしょうか。
○政府参考人(奥田透君) お答えいたします。
委員御指摘の今回の豪雨の際の決壊したため池でございますが、昨日時点で十九か所に上がっております。そのうち、防災重点ため池であったものは四か所というふうになっているところでございます。
○辰巳孝太郎君 十九か所決壊をして、四か所が選定されていたのみで、あとの十五か所は選定されていなかった。これは何でですか。なぜですか。
○政府参考人(奥田透君) お答えいたします。
この防災重点ため池でございますが、選定の考え方は、国の方で都道府県に基本的な考え方を示します。これを各都道府県が、地域の事情を勘案いたしまして、市町村と協議しまして、最終的にその県の防災重点ため池の基準を決めまして、防災重点ため池を選定して国に報告するということになっておるところでございます。
ただし、今回のため池の決壊におきましては、委員御指摘のように、防災重点ため池ではないため池の多くが決壊しておりますので、私どもの方としては、農林水産省内に新たなため池検討のチームをつくりまして、ため池決壊の原因でありますとか要因を分析して今後の対策を打っていきたいというふうに考えてございます。
○辰巳孝太郎君 つまり、選定の考え方そのもの、国の基準そのものも変えていく必要があるということだと思うんですけれども。
しかし、防災重点ため池に仮に選定されたとしても、広く選定したということになっても、先ほど紹介したように、実際に耐震対策とか豪雨対策が、これ、されていないわけですよ。完了していないわけですよね。これ、進まなきゃ意味ないわけですね。先ほど見たように、一万ある防災ため池のうち、対策が完了しているのは僅か数百か所なわけですね。
確認しますけど、この対策ですよね、豪雨対策、耐震対策、これ、計画をそれぞれ持っているんですか、いついつまでにやると。そういうのを示しているんですか。
○政府参考人(奥田透君) お答えいたします。
防災重点ため池におきますいわゆる整備を行うハード対策につきましては、なかなか予算の制約もございますので進まないというふうなところでございます。その分、ソフト対策、例えばハザードマップとか地域の連絡体制を整備するとか、このようなソフト対策を進めるのが肝要と考えておりまして、私ども、このソフト対策につきましては、土地改良長期計画に基づきまして三十二年度までに全ての防災重点ため池で整備していこうというふうに考えてございます。
○辰巳孝太郎君 ですから、それはソフトなんですね。ハードでいうならば、ないということなんですよ。
私、国土強靱化って国土交通省もおっしゃられますけど、ここは農水省管轄ですけれど、もうそれ言うんだったら、こういうところの整備をもう最優先でやるべきだと思いますよ。新たな高速道路とかリニア新幹線とか、そういうところの予算よりも、ここの予算を政府全体としてきちっとやるべきやということを私は言っておきたいというふうに思います。
さて、今日はIRだけではなくて国土交通大臣としての質問も震災関係でやっておりますので、私としても一問、大臣にお聞きしたいと思うんですね。
森友事件に関わって、六月の十八日に、我が党が入手した文書を取り上げました。これは、財務省と国交省が交渉記録の提出についてすり合わせた文書であります。そこには、近畿財務局と理財局とのやり取りについては最高裁まで争う覚悟で非開示とする、大阪地検の刑事処分についても、官邸も早くということで法務省に巻きを入れているとあるんですね。これが事実とすれば、法治国家としての前提を掘り崩すものであり、これ国会での徹底究明が不可欠であります。
大臣、当初、出典等が明らかでなく、どのような性格の文書か分かりかねるので確認を控えるというあり得ない答弁をされました。一週間後、二十五日の予算委員会では、これ変わりまして、どういった対応が可能か検討、答弁したんですね。ところが、検討から二週間たっても検討中と。七月の三日に、とうとう予算委員長から、国土交通省においては大臣ともよく協議した上でしっかりと対応するようにと異例の要請がありました。これ、事実上、確認、調査せよということであります。
大臣、この七月三日当日あるいは翌日に、国交省の事務方からこの予算委員長からの要請を知らされて、調査の指示をされたんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 本日はIR担当大臣として出席をさせていただいておりますが、災害関係、国交省所管の災害関係については国土交通大臣として答弁して差し支えないということでございます。
したがいまして、災害関係以外の国交省所管の事項につきましては答弁は差し控えさせていただきます。
○辰巳孝太郎君 これ、予算委員会やるしかないですね、だったら。これ、大臣の資質が問われている話なんですよ。こういう疑惑に対してどれだけ真摯に、立法府の求めですよ、求めに対して大臣が対応するのかということが求められているわけですからね。これ、大臣が率先して調査すべきなんですよ。これ、調査みたいな難しい話でもないんですよ、実は。この文書、国交省の誰が書いたんやと。鶴田参事官って名前、上にありますからね、鶴田さんに聞いてみたらいいじゃないですか、大臣。これ、本当に重大問題だと言わなければならないと思います。予算委員会、求めていきたいと思います。
カジノをなぜこれほどまでに急ぐのか。カジノ推進法を提出した自民党や維新の議員の皆さんが、カジノ業者からパーティー券を購入してもらったということが判明をしております。これ、何のことはない、観光立国とか観光先進国とかいうのは後付けでありまして、アメリカのカジノ資本の要求がバックにあるということであります。
今日は西村官房副長官にもお越しいただいておりますが、十二日に我が党の大門実紀史議員が求めた、この推進法の提案者である西村官房副長官、過去五年間のカジノ関連企業、関連コンサル、アドバイザーからの政治献金、パーティー券購入の有無と金額、委員会に提出いただいていないようですけれども、なぜなんですか。報告していただけませんか。
○内閣官房副長官(西村康稔君) お答えを申し上げます。
政治資金については、政治資金規正法に従って適切に処理をし、その収支を報告しているところでございます。
様々な会社にパーティー券などを購入してもらっているところでありますけれども、どの会社が具体的にどのような活動をしているか、逐一全て把握しているわけではございませんし、また、特にどの企業がどのカジノ事業者のアドバイザー、そもそもアドバイザーをやっているのかどうか、コンサルティングをやっているのかどうかも含めて承知していないところでございます。
いずれにしましても、仮にパーティー券の購入があっても、それがIR推進法やIR整備法案の立法過程に何か影響を与えたということは一切ございません。
○辰巳孝太郎君 いやいやいや、推進法の提案者であるあなたがカジノ企業からお金を受け取っていた。事実上の献金ですからね、パーティー券も。これは大問題、立法事実に関わる問題なんですね。
我々取り上げてきたのはシーザーズというところのカジノ企業なんですが、別の巨大カジノ資本、MGMリゾーツと契約しているGRジャパンというコンサル会社があるんですが、調べてみました。驚いたことに、このGRジャパンのスタッフには、元経産省の職員、元国会議員秘書、維新の会の元議員二名、自民党の比例代表の候補であった方もスタッフとして在籍をしているんですね。これはまさに政治への働きかけを目的とした人選、もう明らかだと思うんですよ。
西村さんに確認しますが、GRジャパンからの献金、あるいはパーティー券の購入、あるいは接待などはありませんか。
○内閣官房副長官(西村康稔君) お答えを申し上げます。
繰り返しになりますけれども、政治資金については、政治資金規正法に従い適正に処理をし、その収支を報告しているところでございます。
ちなみに、政治資金規正法上は、個人、企業からの献金、寄附金ですね、いわゆる寄附金については報告義務の基準は五万円超という取扱い、パーティー券の購入については二十万円超報告義務という取扱いになっております。こうしたことも踏まえながら、適正に処理をしているところでございます。
ちなみに、御指摘の会社についてですけれども、地域の経済団体が主催する会議とかIR関連の学会などで講演したこともございます。そのときの何かパーティーのようなものもあったときもあるかもしれません。そのときに大勢の中におられたかもしれませんけれども、私が記憶する限り、また事務所で日程を確認、過去の日程確認した限り、個別にお会いしたり食事したことはございません。利益供与は一切ありません。
○辰巳孝太郎君 これ、きちっと出していただきたいんですよ。
我々が今このカジノの実施法の審議しているのは、元々推進法が審議せえと、作れという要請があったわけですからね。これ、廉潔性が求められると言うんだったら、推進法を提案したあなたに、大丈夫なんだと、大丈夫だと言うんだったら全部出してくださいよ、本当に。これ、西村さん以外には、岩屋さんとかたくさんの方が、細田さんもそうですけれども、献金等々受け取っているわけですから、これ重大な立法事実に関わる問題だということも言っておきたいというふうに思います。
私は大阪出身の議員です。カジノと一体的に整備する計画となっているのが、二〇二五年の大阪万博であります。今、立候補しているところですね。
大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、サブテーマは「多様で心身ともに健康な生き方」であります。我が党は万博一般に反対しているわけではありませんが、大阪万博はカジノと不可分一体であり、反対をしております。
大臣、この万博のテーマと賭博解禁は相入れないと思うんですけど、どうですか。
○国務大臣(石井啓一君) 大阪の夢洲で誘致を目指す国際博覧会は、IRと関係するものではありません。
IR区域の整備につきましては、都道府県又は政令指定都市がIR事業者と共同で区域整備計画を作成をし、国土交通大臣の認定を受けることとしております。このため、中立性、公平性の観点から、現時点で特定の自治体による個別の検討内容につきましてはコメントを差し控えさせていただきます。
〔委員長退席、理事藤川政人君着席〕
○辰巳孝太郎君 いや、まだそんなことを言っているのかなと。
資料二を御覧いただきたいと思うんですね。これ、大阪が作っている予定図なんですが、大阪のカジノ予定地は、これ夢洲という人工島なんです。この計画では、区域によって工期を三つに分けるんですね。まず一期で、二〇二四年、IR、カジノを開業させると。二期の区間で、二〇二五年、これ万博を開催する。これ、半年で万博終わりますから、その二期の跡地にカジノをやる。で、三期と拡大していく計画なんですね。
これ大阪市の当局に聞きましたけど、これ、もし万博が誘致できなければ夢洲の開発は大幅に計画変更になると言っているんですよ。もう一体やと言っているわけですね。これ、常識です。
次の資料、次の次かな、資料を見ていただきたいんですが、大阪万博のオフィシャルパートナーの企業の一覧を配付させていただきました。ピンクで囲ったところがありますが、これカジノ企業なんですよ。シーザーズ・エンターテインメント、MGMリゾーツ、メルコリゾーツ・アンド・エンターテインメント・ジャパン、ハードロック・ジャパン、これ全部カジノ企業ですね。
大臣、何でカジノ企業が万博のオフィシャルパートナーになっているんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 私は万博の直接担当ではございませんので、よく承知をしておりません。
○辰巳孝太郎君 一体やからなんです、カジノ万博ね。
シーザーズ・エンターテインメントは、これ、万博のオフィシャルパートナーとなった理由について、プレスリリース、これホームページに出ています、こう書いてあります。世界各地から観光客を呼び込むことができる世界基準のジャパニーズエンターテインメントリゾートを開設、運営するため、日本への長期にわたる投資家となり、日本のパートナーと協業していくことに尽力します。つまり、カジノのために万博を応援しますとカジノ企業があけすけにその狙い語っているんですね。これ、繰り返しますけど、サブテーマは「心身ともに健康な生き方」ですからね。これ、万博誘致をカジノ企業がこれ支援するわけなんですね。
〔理事藤川政人君退席、委員長着席〕
何でここまでカジノ業者が万博に関わるのか。それは、カジノ単体では税金を使ったインフラ整備などの大義が立たないからなんですね。だから、万博に来てもらって鉄道などの整備やってもらえれば、カジノ業者にとっても利益となると。これ、実際、大阪市の試算見てみますと、鉄道が五百四十億円、埋立てで五十億円、橋の拡幅で四十億円など、総額七百三十億円を自治体が中心となって負担すると、そういうことなんですよ。
これ、万博、日本政府として立候補しているわけなんですけど、こういう万博、カジノ万博を本当に支援していいのかということがこれ問われていると思いますよ。僕、大臣も万博とカジノは別だという認識はもう捨てていただいて、これ一体として見て考えていただきたいというふうに思うんですよ。
世界最高の規制とカジノは言っておりますけれども、それについて確認したいと思うんですね。
もう既にカジノ資本の要求を、はっきり言って、のみまくっています。本法案では、取りまとめで示されていたカジノ行為区画面積の上限一万五千平米は削除されました。なぜか。これ、漠然とした理由じゃなくて、具体的な一万五千平米が上限にしてもらっては困る理由があるからなんですね。
資料を付けさせていただきました。これ、一枚目ですね。シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズのゲーミング区域は、これちょうど一万五千平米ぐらいなんです。ここにテーブル数六百、スロットマシン二千五百台が設置をされております。初期投資額は約五十億ドルです。これ、初期投資額は莫大なんですが、カジノの利益率はすさまじく、数年で初期投資が回収できると言われております。
中川さん、確認します。初期投資は何年で回収できるんですか。
○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
まだ日本のどこにどういう大きさの、あるいはどういうことを内容とするIR施設ができるかということがまだ現段階では分かりませんので……(発言する者あり)シンガポールについてでございますか。
このマリーナ・ベイ・サンズは、御指摘のとおり、五十億ドルの投資がなされていると。そのうち、その相当のものがデットを発行することで、言わば借受けで行われたと。この返済については我々明確には把握してございませんけれども、マリーナ・ベイ・サンズの開示情報などに基づきますと、仮に毎年の収益、IR事業全体の収益を仮に借りたお金の返済に全部充てたというふうにすれば、たしか五年ぐらいの期間でこの回収が可能になるような、そういうことだったと思います。でも、実際のこの返済は、債務をローリングオーバーしていって、もっと長期にわたっているものというふうに理解をしてございます。
○辰巳孝太郎君 すさまじい利益率やと思うんですよ。五十億ドル、単純計算で一ドル百円として五千億円初期投資して、これ五年で回収するというわけでしょう、その分については。これ、すごいですね。まあ逆に言うと、それだけ収奪するということなんですけれどもね。
これ、五十億ドルの投資を五年で回収するためには、これカジノがほとんどの収益ということですから、先ほど言いましたテーブル六百、スロット二千五百台が必要であり、そういうビジネスモデルだということでもあるんですよ。
さて、大阪では、マリーナ・ベイ・サンズのタナシェビッチ専務は、大阪の夢洲に百億ドルを投資すると、一兆円ね、大体、言っていますね。MGMリゾーツ・インターナショナルも百億ドルと言っております。これ、マリーナ・ベイ・サンズのちょうど二倍ですわね。
これ、結局、カジノの面積が一万五千平米では、これカジノ企業が求めている投資の回収が遅れるからということなんじゃないんですか。だから、これ撤廃したんじゃないですか。
○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
このカジノの規模規制、面積規制につきましては、これまでもこの場も含めて再々御答弁申し上げておりますように、現時点で日本のどこにどういう大きさのIR施設ができるのか分からない時点では、専らカジノ行為に供する部分の面積を絶対値で規制することになりますと、カジノ以外、ゲーミング以外の言わば九七%の部分が、日本を国際観光先進国に引き上げていくための、言わばそれを公益として追求する機能に対する制約要因になりかねないと、そういう考え方の整理で今御提案申し上げているような法案を準備している次第でございます。
○辰巳孝太郎君 質問に答えておりません。
仮にシンガポールのこのゲーミング区域一万五千、そしてビジネスモデルが五年で回収、これ、一万五千平米、上限を設けて、一兆円の投資額が五年で回収できますか、計算上。
○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
先ほど辰巳委員からは、この五十億ドルの借金、まあ借金が全部だとすればですけれども、それを回収するためのテーブル数が約六百台、スロットマシンの数が二千五百台と、こういうビジネスモデルなんだろうという御指摘ございましたけれども、我々事務局といたしましてそういうビジネスモデルを検証しているわけではございませんので、もちろん、これをビジネスモデルとして検証した上で、御指摘のようにこの絶対値規制のことについて考察を加えたということは一切ございません。
○辰巳孝太郎君 そうですか。聞き方変えましょう。
今回、区域整備計画がありますね。一旦これが、整備計画が認定をされた後は、これ十年後にもう一回議会の同意を得るということになっていますね。これ、何で十年にしたんですか。
○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
この区域整備計画を一定期間の有効の期間を、認定が有効である期間を法律で定めているといいますのは、この区域整備計画が有効である期間の中にこのIR制度が法律に基づいて発揮してもらう、公益を追求の効果を出してもらうためにこういう制度にしているものでございます。
したがいまして、最初になぜ十年になっているのかというところについては、国土交通大臣が区域整備計画を認定してから初めてこの工事などに着工できますので、その工事期間などを考慮して最初の認定の有効期間は十年としていると、そういう整理でございます。
○辰巳孝太郎君 ですから、なぜ十年なんですか。工事期間が何年と見て、それにプラス何年したのが十年なんでしょう。これ、どういうことですか。
○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
この工事期間についても、日本のどこにどういう工事単価でどういうIR施設がどれぐらいの規模でできるかということが分かりませんので、確たることを申し上げることはできないと思っておりますけれども、委員が再々御指摘のマリーナ・ベイ・サンズですとか、あるいはリゾート・ワールド・セントーサ、シンガポールの例でいきますと、工事に着工してから開業するまでの期間がおおむね三年から四年になっているというふうには理解をしてございます。
○辰巳孝太郎君 事務方ははっきり言っているんですよ。三年から四年の建設でしょう。で、その後に開業するわけでしょう。で、初期投資を回収できるのが五年、六年だから十年の区域整備計画の間隔を空けましたって、はっきり言っているんですよ。そうじゃないんですか。
つまり、初期投資を回収されるまでに万が一議会で否決された場合は回収できなくなるわけですよ。だから、回収してからもう一度議会で認定してもらう、同意してもらうと、それが十年と言っているんです。そうでしょう、そういうことなんでしょう、おおむね。
○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
そういうことではございません。もちろん、これまでも再々この場でも御答弁申し上げましたように、政府といたしましてはこのIRの整備を通じて日本を国際観光先進国にしていくということが継続的に長期にわたって取り組むべきことと考えておりますので、これまでもほかの委員からの御指摘、御質問については、この区域整備計画の実施のためのベースになります実施協定の中ではより長期の、場合によっては三十年、四十年という実施協定の有効期間を定めることができるというふうにも御答弁を申し上げている次第でございます。
○辰巳孝太郎君 聞いていないことを答えないでいただきたいんですけどね。もう事務方はそう言っているんですよ。結果的にはカジノ企業の要求を受け入れているということになっているんですね。
一万五千平米は撤廃されましたが、三%ですね、敷地面積、IRの、言っていますね。これ法律に書かれていないんですけど、何で三%って書かなかったんですか。入場料金六千円は書いていますわな。
○国務大臣(石井啓一君) IR整備法案におきましては、カジノ施設のカジノ行為区画のうち専らカジノ行為の用に供される部分の床面積の合計を制限することとしておりまして、その上限面積については、カジノ行為への依存防止等の観点から、カジノ施設の規模を適切に制限しつつ、IRによる観光及び地域経済の振興の効果を最大限に発揮させることを考慮する必要があると考えております。
上限面積はこのような規模規制の趣旨を踏まえた専門的な検討により定められるべき性格のものであり、また、IRを構成するカジノ施設以外の各中核施設の基準等については政令等で定めることとしていることを踏まえ、上限面積については政令で定めることが適切であると考えております。
この政令におきましては、我が国と同様に厳格なカジノ規制の下で公共政策としてカジノを含むIRを整備をし一定の効果を上げているシンガポールにおける実例も踏まえ、上限面積をIR施設全体の延べ床面積の三%とすることを想定をしております。
○委員長(柘植芳文君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○辰巳孝太郎君 時間が来ているのは承知しています。
私はきちんと質問しました。なぜ三%を法律に書き入れなかったのかということです。今の答弁、全部分かっているんです、そんなもの。
○委員長(柘植芳文君) 時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○政府参考人(中川真君) 承知いたしました。
御答弁申し上げます。
ただいま石井国務大臣から御答弁ございましたように、このIR施設の延べ床面積を分母とするということでございますので、その中核施設などの基準についてはこれは政令で定めることとしておりますので、そういうより専門的な検討により定められるべき内容のものであるから、この両方とも政令で定めるという整理をしているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(柘植芳文君) 時間が来ていますので、済みません。(発言する者あり)いや、時間です。済みません。