ODA特別委員会でNGO代表、専門家に対して参考人質疑

2016年4月13日  
議事録を読む

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
先ほど来、国際連帯税であるとかタックスヘイブンの話もありましたし、参考人の中からは、いわゆる租税回避の措置、これを取り組んでいけばいわゆるSDGsの資金、タックスヘイブン、これをなくしていけば賄えるという試算もあるというような話を興味深く聞かせていただきました。
それで、まず今田参考人にお聞きしたいと思うんですが、今回はSDGsということで、例えば再生可能エネルギーの普及であるとか、あと食品廃棄物の半減であるとか、あと海洋資源の保護など、先進国にも当事者としての取組を求めていくと、こういうことになったということなんですが、MDGsのときは貧困の削減など我々がどう働きかけていくかということだったのが、先進国に取組を求めていかなければならないとなった最大の理由といいますか、市民社会からのどういう意見というのがあったのかということをお聞かせいただければと思います。
○参考人(今田克司君) 御質問ありがとうございます。
もう既に私の発表の中で、どういった今世界の状況で、いわゆる慢性的な危機的状況というのが到来しているかということは、一つの世界観として御紹介申し上げました。
国連というシステムにおいても、あるいはほかの国際社会のシステムにおいても、例えば二〇〇五年、私どもも市民社会として、イギリスでグレンイーグルズ・サミットがあったときに、まさに援助、債務、貿易という三本柱で大変強力なキャンペーンを全世界で推し進めました。その頃は、やはり国際社会は先進国に働きかければ物事が動くという理解があったと思いますけれども、その後、いわゆる新興国の台頭等が国連等でもありまして、やはり国際社会、先進国に任せていてこんなになっちゃったんじゃないのみたいな意識があります。
そこで、ある程度、そういった新興国ないし途上国、まさにそこは多種多様な存在なわけですけれども、の一部と市民社会の言っていることがある程度合致してきたようなここ十年間の流れがありまして、その中で問題なのは、いわゆる貧しい途上国を助けるという構図ではもはやなくて、やはり世界的な危機であり、その責任は先進国が負っている部分も多いという言い方をするようになってきました。気候変動なんかにおいても、やはり先進国が例えば企業、消費者等の活動を通して世界に影響を及ぼしていることで、その被害を最も受けやすいのが貧しい国の貧しい人々であるという構図ですよね。
ですから、そういった中で、先進国ということで安穏としているわけではないわけですけれども、それが世界に与える影響が、非常にネガティブな影響も大きくなってきているということを国際社会全体として気付き始めてきたというここ十年ぐらいの動きがあるんではないかなというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 ありがとうございます。
併せてお聞きしたいんですが、今回のSDGsというのは、いわゆる市民社会からのいろんな意見を取り入れた結果、十七のゴールということで、以前の八つから拡大したということだったと思うんですけど、それでもなお、これを盛り込んだ方がよかったんじゃないかと、これが盛り込まれなかったなというのがあれば、もし今田参考人の御意見であればどうぞ。
○参考人(今田克司君) 例えば障害者の権利擁護をやっている方々、もちろん障害者の権利ということでこれに全く言及されていないわけではありませんけれども、十七のゴールという形で一つには挙がっていないわけですね。やはり十七のうちの一つというふうに、一つのゴールとして挙がることによってそこの重要性が国際社会でも認識されるということがあると思いますので、やはりそういったもので残されたものはあるかなというふうには感じています。
逆に、例えば女性というのは五ですけれども、じゃ、女性は五でいいのかという話もありまして、つまり一つのゴールに落とし込むことによってそれが矮小化されてしまう可能性もあって、例えば女性とかいうことに関しては、仕事のこととか生産のこととかエネルギーのこととか、いろんなゴールに横断的なものであるという理解もありましたので、やはりそこでもいろいろな議論があったのは事実です。
○辰巳孝太郎君 ありがとうございました。
続けて、大野参考人にお聞きしたいと思います。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジということで、日本は国民皆保険ということでUHCの先進国だと言われていますけれども、おっしゃったように、実態としてはどうなのかと。一部負担金もありますし、いわゆる格差と貧困が広がる中で本当に医療が必要な人に届いていないケースもあるし、あと保険証の問題でいえば、保険料などの滞納で保険証を持たない子供がいたりとか、様々な問題が日本にもあるということを私も非常に合意をしたいと思うんですけれども。
そこで、日本のODAの在り方、ODAの二国間の協力の中で、とりわけ、アフリカでもいいんですけれども、いわゆるどういう分野に援助を向けていくかということについてですが、大野参考人はこのUHCということが重要だということで今日は発言していただきましたけれども、例えば、従来からある批判といいますか、日本のODAの割合で経済インフラというのが偏っているんじゃないかと。私もちょっと見てみますと、二〇一四年でいわゆる経済インフラというのが約半分ぐらい、四九%ぐらいになっております。逆に社会インフラが一七%で、そのうちの保健分野で見ますと、社会インフラの中の保健分野で見ますと三%ほどしかないということになっております。
このことについて大野参考人がどのように考えておられるのか。また、保健分野で必要なところでいえば具体的にどういうところに、病院の施設なのか何なのかは分かりませんが、どういうところに必要だというふうにお考えか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(大野容子君) 御質問ありがとうございます。
最初の質問に関してですけれども、やはり基本的には社会インフラの方にODAの金額を拡充していただきたいというふうに市民社会としては切望しております。ただ、例えば社会インフラの中で保健が必要だから保健にお金をと、もちろんそういうふうに申し上げてはいるんですが、それが教育に対するODAを取ってしまって、保健に、どっちが競争というのも、確かにそこも問題であるかと思います。基本的には、全体として質のいいODAをきっちり教育にも保健にも拡大してほしいと、要するに質と量と両方とも社会開発に更に拡大をしていただきたいというのがあります。
インフラに関しましても、今、日本政府の方で質の高いインフラをやっていくということを様々なところで表明してくださっていますけれども、やはり持続可能性の観点、誰一人残さないSDGの原則の観点から、やはり質の高いインフラ、単に何年たっても壊れないというものではなくて、本当に人間の安全保障の観点からも人々の生活に資する経済インフラというものにもやはり力を入れていただきたいというふうに思っております。
二点目のUHCに関して言いますと、じゃ病院がとか、じゃ保健ワーカーがとか、具体的にこういうことにお金をというよりは、やはりコミュニティーの人々ときっちり対話をするということに焦点を置いていただきたい。特に、私どもNGOはコミュニティーで活動しておりますが、特に、例えば日本のODAをやっていただく過程において、私どもNGOの、コミュニティーで活動するNGOやNPO、CSOと是非対話を持って、そこの経験、知見の方を是非生かしていただいた上で、では必要な保健の援助というものをその地域、国に合った形でやっていただきたいと思っております。
○辰巳孝太郎君 時間が来たので終わります。
ありがとうございました。