2016年度政府提出予算に対する反対討論

2016年1月19日  
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2015年度補正予算案が19日、参院予算委員会で採決され、自民、公明などの賛成多数で可決しました。採決に先立ち、日本共産党の辰巳孝太郎議員が反対討論に立ちました。

辰巳氏は、委員会での審議を通じて、消費税増税に伴う「軽減税率」について1人当たりの「軽減額」を大きく見せる政府の誇大説明が明らかになったことにふれながら「国民を欺いて負担増を押し付けるなどもってのほかだ」と審議のやり直しを求めました。

辰巳氏は経済の「好循環」の実現には格差と貧困を縮めることこそ必要なのに、安倍内閣は貧困を加速させる消費税増税にまい進していると批判。補正を加えて5兆円を超えた大軍拡予算を批判しました。

また、農業関係者の反対を押し切って「大筋合意」した環太平洋連携協定(TPP)批准署名に断固反対を表明。TPP交渉の具体的交渉経過も国民に知らせず、国会に承認を求めるなど「言語道断だ」と強調しました。

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○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、二〇一六年度一般会計予算外二案に反対する討論を行います。
日本経済再生の要は、GDPの六割を占める個人消費を温めることです。ところが、労働者の実質賃金は下がり続け、国民に景気回復の実感はありません。一方、空前の利益を上げた大企業の内部留保は更に増加し、三百兆円を超えました。大企業がもうかれば日本の経済も暮らしも良くなるというトリクルダウン論は完全に破綻し、異次元の金融緩和を始めとするアベノミクスの失敗は明瞭です。
そして、消費税です。
我が党議員の質問に安倍総理も、家計消費が予想以上に落ち込んでいることを認めました。ならば、国民生活も経済も財政も壊す消費税増税は中止すべきです。
予算審議では、暮らしを支える社会保障の充実を求める声が噴出しました。とりわけ、保育所待機児童の問題です。政府からは保育の質を置き去りにした単なる受皿づくりの案が出ていますが、安心して預けられる認可保育所の増設や土地確保の支援、保育士の処遇の抜本的な改善などに踏み出すべきです。
また、大学の高学費、学生ローンともいうべき奨学金で苦しむ若者の問題です。
日本は、OECD諸国の中で、高学費、低補助の唯一の国となりました。生活費のため、ブラックバイトであっても辞められない学生がいます。学費を下げ、給付型奨学金創設に踏み出すべきです。
予算は、不要不急の大規模開発や軍事費の増額よりも、子育て支援や教育、医療、年金など、国民生活を支える社会保障に軸足を置くべきです。
以下、本案に対する具体的な反対理由を述べます。
第一は、格差と貧困を更に深刻にする社会保障削減を進めるものだからです。
安倍内閣は、消費税増税分八兆二千億円を全て社会保障の充実に充てると言いながら、僅か一兆三千五百億円しか充てていません。社会保障を持続させるためという説明は一体何だったのでしょうか。介護疲れからの無理心中、餓死や孤独死という悲惨な事件が次々と起こる中で、安倍政権は、この間、小泉内閣をはるかに超える年四千億円近い社会保障費の自然増削減を行ってきました。断じて許されません。
第二は、大軍拡をエスカレートさせる予算となっているからであります。
本予算案での軍事関連費は当初予算で戦後初めて五兆円を超え、その中身も、戦争法の下で米軍と一体となった自衛隊の軍事作戦を財政面で支えるものと言わざるを得ません。一千九百二十億円へと増額された思いやり予算を始めとして、在日米軍に支出する予算は三千七百四十九億円に上ります。
安倍政権が有事の際に民間船員と民間船舶を動員する計画を進めていることも重大であり、許されません。
日米同盟の強化ではなく、日本だからこそできる平和への貢献こそ求められています。本日施行された戦争法、安保法制は、日本国憲法を真っ向から踏みにじる集団的自衛権行使容認の違憲立法であり、その施行と大軍拡予算に断固反対をいたします。
第三に、国民生活に関わる予算を軒並み削減をしているからであります。
雇用の七割を支える中小企業への予算は一・七%削減、日本の未来を担う若者たちに大きく関わる文教科学振興費は前年度比四億円もの削減です。農林漁業予算は、TPP協定の発効を前提に農業の大規模化と競争力強化に偏ったものになっています。本委員会の審議でも国会決議違反が明白となったTPPからは直ちに撤退し、農林漁業の安定を図る施策を進めるべきであります。東日本大震災からの生活となりわいの再建の遅れも顕著であり、多くの避難者を追い詰めている住宅支援や賠償の打切り方針は撤回すべきです。原発の再稼働は直ちにやめ、再生可能エネルギー普及のために注力すべきであります。
今日も、この国会議事堂の周りには戦争法施行に反対する多くの国民が集まり、抗議の声を上げています。この国民の声に応えて、四野党の共同を更に発展させ、安倍政権を必ず打倒し、新しい政治の実現へ全力を尽くす決意を述べ、討論を終わります。(拍手)