日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

保・幼集約 子育てに逆行

2017年01月31日

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日本共産党の辰巳孝太郎議員は31日の参院予算委員会で、全国に広がる公立保育所・幼稚園の集約・統廃合について取り上げ、子どもの健やかな成長に逆行すると批判しました。

辰巳氏は、子ども子育て支援法の意義と目的についてただし、加藤勝信担当相は、子どもの視点に立ち、身近な地域で、量・質ともに充実させることだと答えました。

辰巳氏は、大阪府八尾市で、26ある公立保育所、幼稚園を五つの「認定こども園」(幼保一体化施設)に集約し、騒音や墜落事故が心配される自衛隊駐屯地の真横に建設する計画があることを紹介。大阪府阪南市でも公立保育所3カ所と幼稚園4カ所を一つに統廃合し、630人を詰め込む計画がいったん撤回に追い込まれた事例があることを示し、「教育上適切で、通園の際安全な環境」を求める設置基準や、「1億総活躍」にも逆行するとただしました。

加藤担当相は「設置者・認可権者が適切に判断すると認識している」と答えました。

辰巳氏は、統廃合計画が広がる背景について、集約化すれば特別な事業債を認める総務省の「公共施設等総合管理計画」があると指摘。この間、当事業債を用いて集約化された公共施設の3割が保育施設であることが明らかになりました。

辰巳氏は、「子ども子育て支援法のいう『子どもの最善の利益』はどこにいったのか」と追及。公立保育所に対する廃止された建設、運営費補助等の復活を求めました。安倍晋三首相は、「施設の配置の在り方は地域の実情に応じて、子どもの利益に合うか各地方団体で検討される」と述べ、政府の責任を棚あげしました。

2017年2月1日付「しんぶん赤旗」より引用


議事録を読む

193-参-予算委員会-2号 平成29年01月31日

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
昨年、保育園落ちたのブログがあり、今も保育難民、待機児童の問題は深刻であります。受皿整備というわけでありますが、保育士資格のない者でも条件によって保育に従事させるなどの規制緩和を行っており、保育の質が今大きく問われております。全国で広がろうとしている保育園、幼稚園の集約、統廃合問題について今日は質問をいたします。
二〇一五年に子ども・子育て支援新制度が本格的に始まりました。この意義と目標について述べてください。

○国務大臣(加藤勝信君) 子ども・子育て支援法に基づくということでございますので、その第一条において、「我が国における急速な少子化の進行並びに家庭及び地域を取り巻く環境の変化に鑑み、」、一部省略いたしますが、「子ども・子育て支援給付その他の子ども及び子どもを養育している者に必要な支援を行い、もって一人一人の子どもが健やかに成長することができる社会の実現に寄与することを目的とする。」ということを掲げているわけであります。
また、子ども・子育て支援法は、保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下、市町村を実施主体として、地域の実情に応じて幼児期の学校教育、保育、また地域の子ども・子育て支援を総合的に推進するというものであります。

○辰巳孝太郎君 それでは続けて、目的達成のための基本姿勢はどういうものでありますか。

○国務大臣(加藤勝信君) 目的達成に関しては、子ども・子育て支援法に基づく基本指針においてるる述べております。
一部を披瀝させていただきますが、子供の最善の利益が実現される社会を目指すとの考えを基本に、子供の視点に立ち、子供の生存と発達が保障されるよう、良質かつ適切な内容及び水準のものとすることが必要であること、全ての子供に対し、身近な地域において、子ども・子育て支援法に基づく給付その他の支援を可能な限り講じるとともに、一人一人の子供の健やかな育ちをひとしく保障することを目指す必要があること、また、子ども・子育てをめぐる状況に鑑みれば、行政が子ども・子育て支援を質、量共に充実させるとともに、家庭、学校、地域、職域その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員がそれぞれの役割を果たすことなどにより、家庭を築き、子供を産み育てるという人々の希望がかなえられるとともに、全ての子供が健やかに成長できる社会を実現していかなければならないことなどをその中で規定をさせていただいております。

○辰巳孝太郎君 今、子供の視点に立ち、子供の最善の利益、そして身近な地域において量だけでなく質が重要だと、こういう話でございました。
しかし、実態はどうかと。今、自治体で公立保育所や幼稚園の集約化や統廃合が住民の声を聞かないまま進められようとしております。大阪府、人口二十七万人の八尾市は、現在二十六ある公立の保育所、幼稚園をたった五つのこども園に集約するという、こういう計画が進められております。
今日資料にも付けました、一枚目でありますが、そのうちの一つは自衛隊駐屯地の真横に設置をされる予定だと。ヘリの発着時の騒音問題について保護者から大変大きな懸念が示されております。大阪府知事はこの隣にある自衛隊駐屯地にオスプレイの配備を提言したこともあり、なおさら心配の声も出されております。隣の八尾空港では、昨年三月に四名の方が亡くなる小型機の事故もありました。
認定こども園の設置基準は位置についてどのように定めておられますか。

○政府参考人(西崎文平君) お答えいたします。
幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準の第十四条におきまして、「幼稚園設置基準第七条の規定は、幼保連携型認定こども園について準用する。この場合において、同条第一項中「幼児の教育上」とあるのは「その運営上」と、同条第二項中「施設及び設備」とあるのは「設備」と読み替えるものとする。」と規定されております。
その幼稚園設置基準第七条でございますが、幼稚園の位置は、幼児教育上適切で、通園の際安全な環境にこれを定めなければならない、また、幼稚園の施設及び設備は、指導上、保健衛生上、安全上及び管理上適切なものでなければならないと規定しているところでございます。

○辰巳孝太郎君 総理、今ありましたけれども、認定保育園、幼稚園もそうですが、施設及び設備は安全上適切なものでなければならない。こういうところの施設は不適切ではないですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 今、規定について説明をさせていただきましたけれども、幼保連携型認定こども園の、どこに設置するかということについては、運営上適切で、かつ通園、運営上適切、すなわち園児の道徳教育上、保健衛生上、害がない、また、通園の際の交通上の安全も考慮して定めるというふうになっているわけであります。ただ、最終的にはそれぞれの地域において設置者及び認可権者が適切に判断されるものと認識しております。

○辰巳孝太郎君 これだけじゃないんですね、問題は。大規模化もあるわけです。
大阪府阪南市の計画、人口五万四千人の自治体で、市内の市立保育所三か所と幼稚園四か所を一つの総合こども園に統廃合するという計画であります。家電量販店ヤマダ電機の建物を改修して、六百三十人もの子供を一か所に集めて保育するものであります。これでは日常生活圏での子育てが不可能になると保護者からは猛烈な反対の声が出され、この計画は一旦撤回に追い込まれております。
確認しますが、保育所を選んだ理由として一番多いものはどういうものがありますか。

○国務大臣(塩崎恭久君) これ、平成二十四年地域児童福祉事業等調査というのがございまして、そこで、調査によりますと、保育園を利用している世帯が現在利用している保育園を選んだ理由としては、一番が、自宅から近いが六二・五%と最も多くなっております。

○辰巳孝太郎君 それは家に近い保育園、幼稚園選ぶのは当然なんですね。しかし、集約化で、ある方は自転車で三十分掛けて施設に送らなければならなくなったと、もうこういう声が出ているわけです。総理、距離が遠くなる、通園時間が長くなる、これは一億総活躍、女性の活躍妨げるものになるんじゃないですか。

○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど御説明いたしましたように、基本的にはそれぞれの地域において、その実情に応じて、また適切な教育、保育のニーズが満たせるよう、それぞれの自治体が判断されるということでありまして、政府としてもそうした整備が円滑に進むよう自治体と連携して取り組んでいるところであります。

○辰巳孝太郎君 この集約、統廃合の背景には、総務省が進める公共施設等総合管理計画があります。どのようなものか、何のために行うのか、説明してください。

○国務大臣(高市早苗君) 過去に建設された公共施設などがこれから大量に更新時期を迎えます。一方で、地方公共団体の財政は依然として厳しい状況にございます。また、公共施設などの更新に合わせて、人口減少などによる今後の利用需要の変化に対応した公共施設等の適正配置を実現する必要がございます。それらを踏まえまして、各地方公共団体が公共施設などの全体を把握して、長期的視点に立って公共施設等の総合的かつ計画的な管理を行うことで、維持管理、更新などに係る財政負担の軽減、平準化、また施設配置の最適化を図るということが重要です。
そのために、総務省では、平成二十六年四月に各地方団体に対して公共施設等総合管理計画の策定を要請し、現在、平成二十八年度末までの策定に向けて各団体が取り組んでいるというものでございます。

○辰巳孝太郎君 具体的な財政支援、どういうものですか。

○国務大臣(高市早苗君) 総務省では、この施設配置の最適化を後押しするために、平成二十七年度に公共施設最適化事業債を創設しました。公共施設最適化事業債は、事業費の九〇%に充当することができまして、その元利償還金の五〇%について交付税措置を講じるものでございます。

○辰巳孝太郎君 では、この事業債の活用実績をお答えください。

○国務大臣(高市早苗君) 平成二十七年度においては、全体で二十五団体、三十三件です。うち保育所や幼稚園の集約化、複合化分は九団体、十件です。平成二十八年度は、一月三十一日現在ということになりますが、全体で三十九団体、四十八件です。そのうち保育所や幼稚園に関しましては十四団体、十六件となっております。

○辰巳孝太郎君 つまり、これ、集約、統廃合されている三割は保育施設なんですよ。集約することと延べ床面積が減少することが条件になっていますから、これ、財政支援も国が後押ししてこういう統廃合を進めているということであります。
これ、支援法の子供の最大の利益、全くないんじゃないですか。総理、どうですか。

○国務大臣(高市早苗君) この公共施設等総合管理計画を策定して今最適配置を進めていただいているというのは、この施設の集約化や複合化を行う場合につきましては公共施設最適化事業債が活用はできますけれども、これは認定こども園や保育所といった特定の施設の廃止や統合を進めようとするものではございません。
各地方公共団体において、認定こども園を始めとする子育て施設について、それをどのように配置することが子供さんや保護者の利益にかなうのかということも含めて、議会や住民の方々と御議論を行いながら十分検討していただきたいと存じます。

○辰巳孝太郎君 いや、そうじゃなくて、この間、国は建設や改修、運営費、補助費の廃止や一般財源化を進めてきたわけですよ。だから、自治体はこういうものに飛び付かざるを得なくなっているわけですね。
この幼保一体化の難しさ、私はここも一つ指摘をしたいと思うんですね。現場でどういう声が出ているか。例えば、幼稚園の子供たちが二時に帰ってしまう。その後残った子供たち、保育の子供たちははさみを使った保育はやらないんだと、帰った子供たちの差ができるからだと、そのやりたい気持ちをあしたに回そうと、こういうことが出てきているわけですね。十月の運動会に間に合わせるために竹馬の練習しなきゃならない。だけど、幼稚園の子供は夏休みいないから、これ九月にできなくなる……

○委員長(山本一太君) 辰巳君、時間終了していますから、短くまとめてください。

○辰巳孝太郎君 これ、こういうことが現場で起こっているんです、総理。これどう考えますか。

○委員長(山本一太君) 加藤大臣。──じゃ、総理。最後に短く簡潔にお願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の園の配置の在り方については、それぞれの地域の実情に応じて、子供の利益にかなうかどうかを含め、各地方団体において検討されるべきものと、このように考えております。

○委員長(山本一太君) おしまいですから。

○辰巳孝太郎君 はい。終わります。

第3次補正予算案反対討論を読む

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎です。
私は、日本共産党を代表して、二〇一六年度第三次補正予算に対する反対討論を行います。
本補正予算における北海道、東北地方における台風災害や熊本地震の復旧の災害対策費は緊急かつ必要な支出であり、賛成をいたします。しかし、第三次補正の防衛費予算一千七百六十九億円の六五%を占める一千百十二億円は、歳出費前倒しとして、P1対潜水艦哨戒機二十機三百六十二億円、F35A戦闘機八機六十八億円、F15戦闘機の近代化改修八機十八億円ほかを支払うもので、安倍首相が進める戦争する国づくりを進める補正予算となっております。
財政法の第二十九条一号にある「法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」の規定にも逸脱するものであります。
また、本補正予算は、安倍政権の進めるアベノミクスが破綻し、景気悪化が進行していることを示したものとも言えます。
本年度の税収は当初見積りを大幅に下回る見通しで、所得税、法人税、消費税などがマイナスという厳しい財政状況を示し、結局、一兆七千五百十二億円の特例公債と千十四億円の建設国債を発行して財政不足を補うものであります。年度途中の税収見積り減額と赤字国債の追加発行という事態は、実に七年ぶりであります。
安倍首相は、施政方針演説で、全国津々浦々で確実に経済の好循環が生まれていると述べました。しかし、我が党が明らかにしたように、大企業の経常利益はこの三年間で一・五倍近くに増え、内部留保は五十二兆円増、過去最高の三百八十六兆円余りに膨らむ一方、大企業の正社員労働者の給与、賞与は一・四%の伸びにすぎず、消費税の増税で実質マイナスです。中小企業や非正規も含めた全労働者では、安倍政権発足前と比べ、実質賃金で実に年収で十九万円ものマイナスです。家計消費も十五か月連続で前年比マイナスを続けています。これでは全国津々浦々で確実な好循環が生まれているとは到底言えません。アベノミクスの破綻を認めて、こうしたゆがんだ社会を立て直す政策に転換することが必要です。
そのためには、第一に、消費税増税をやめて、富裕層や大企業への優遇を正し、能力に応じて負担する公正公平な税制を実現すること。
第二に、軍事予算や大規模開発にメスを入れること。社会保障や教育、子育て支援を進め、格差是正の予算を増やしていくこと。
第三に、長時間労働を規制し、非正規から正社員が当たり前の社会をつくること。最低賃金を時給千五百円にすること。そして、八時間働けば普通に暮らせる社会をつくること。
第四に、中小企業を基幹産業に据え、支援し、農林水産業の抜本的充実を図ることなど、国民の生活を第一にする政治に転換することを求め、反対討論といたします。(拍手)


以下、配布資料です