日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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国会会議録

スナックの不当摘発を批判 風営法の見直し迫る

2017年05月30日

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日本共産党の辰巳孝太郎議員は5月30日の参院経済産業委員会で、談笑やお酌をしただけでスナック経営者が逮捕される過度な取り締まりが頻発しているとして、実態に合わない風俗営業法見直しを迫りました。世耕弘成経産相は2015年のダンス規制見直しに触れ「時代に適合しない規制があれば見直しも必要」と答弁しました。

辰巳氏は、札幌市や京都市、神戸市などの繁華街で風営法違反として逮捕され罰金や行政処分を科される事例が相次いでいると指摘。

店側が談笑やカラオケで拍手した行為が、風営法で警察の許可が必要な「接待」とされ、警察が「解釈運用基準」を乱用して恣意(しい)的に取り締まっている実態を告発しました。

警察庁の小田部耕治審議官は、基本的人権への配慮をうたった1984年の衆参両院の「(風営法)付帯決議の趣旨を踏まえ、都道府県警察を指導していく」と答弁。辰巳氏は「『まちのオアシス』として地域経済に貢献するスナック営業を応援し、憲法が保障する営業の自由が守られるよう力を尽くすべきだ」と強調しました。

2017年6月18日付「しんぶん赤旗」より引用

議事録を読む

 

193-参-経済産業委員会-14号 平成29年05月30日

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今日は、いわゆるスナックに対する警察の取締り強化の問題を取り上げたいと思います。
〔委員長退席、理事石上俊雄君着席〕
スナック営業はいわゆる社交飲食業の一つであり、広義の飲食業、サービス産業に含まれるものであります。ママに話を聞いてもらいたいといって通うサラリーマンや、あとはカラオケに興じたいということで、ストレス発散の場でもありまして、都会のオアシスとも言われているところでございます。
まず、大臣にお聞きしたいんですけれども、大臣はスナックお好きですか。

○国務大臣(世耕弘成君) ゆうべこの質問通告を見たときは、何か変な写真でも撮られたんだろうかと一瞬どきっとしましたけれども、スナックは好きです。今でも時々、元々、私、サラリーマンをやっていたときに、会社が新橋の近くでしたから、よく上司に連れられて行ったりもしておりました。

○辰巳孝太郎君 恐らく、政治家の皆さんはスナックによく行っていろいろな話をされることもあるかと思うんですけれども、改めて、このスナックなんですが、この広義のサービス産業がGDPに占める割合、全雇用者数に占める割合、これをまずお聞きしたいと思います。

○政府参考人(竹内芳明君) お答えいたします。
我が国のGDPに占めるサービス産業の割合は、内閣府平成二十七年度国民経済計算によれば約七二%を占めており、雇用については、総務省平成二十六年度経済センサス基礎調査によると約七八%を占めております。

○辰巳孝太郎君 非常に大きな位置付けなんですね。
安倍政権も、日本再興戦略二〇一六においてサービス産業の生産性向上を掲げております。総理は、二〇一五年の三月二日、日本生産性本部主催、生産性運動六十周年記念パーティーにおきましても、我が国の経済が持続的に成長を続けていくために必要な残るピースは何か、それはサービス産業です、サービス産業は地域雇用の過半を支えており、地方創生の鍵も握っておりますと、こうスピーチをされております。
総務省にお伺いしますが、このスナックを含む社交飲食業の事業者数と従業者数はどのようになっていますでしょうか。

○政府参考人(千野雅人君) お答えいたします。
統計では、日本標準産業分類を産業区分として用いておりますが、この区分におきます酒場、ビヤホール及びバー、キャバレー、ナイトクラブの事業所につきまして、平成二十六年経済センサス基礎調査の結果から見ますと、これらの事業所数は二十三万三千百一事業所、従業者数は百六万六千百六十五人となっております。

○辰巳孝太郎君 続けて、業務形態はどのようなものになっていますかね。

○政府参考人(千野雅人君) お答えいたします。
〔理事石上俊雄君退席、委員長着席〕
酒場、ビヤホール及びバー、キャバレー、ナイトクラブの事業所につきまして、まず、個人、法人などの経営組織別に見ますと、個人経営の事業所が全体の八〇・九%となっております。また、これらを従業者規模別に見ますと、従業者数が一人から四人の事業所が全体の七一・四%となっております。

○辰巳孝太郎君 圧倒的に個人経営、小さい事業所ということだと思いますね。
厚労省に確認しますが、このサービス産業のうちの一つである社交飲食業についての振興の目標というのを持っておられますよね。直面する課題と地域社会から期待される役割として、告示にはどのように規定されていますでしょうか。

○政府参考人(橋本泰宏君) お答えいたします。
御指摘の社交飲食業につきましては、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律第五十六条の二第一項に基づきまして、業界振興の指針というものを厚生労働大臣告示として示しております。
この振興指針におきましては、社交飲食業を含む飲食店の営業者の直面する課題、それから地域社会から期待される役割といたしまして、飲食店営業及び喫茶店営業の営業者は、国民生活に欠かせない位置を占めており、食生活の充実や交友、団らん等の場として大いに貢献するとともに、人的サービスの比重が高い産業として、生活者の日常生活に溶け込んで発展してきた、こうした重要な役割を引き続き担えるよう、衛生課題に適切に対応しつつ、各々の営業者の経営戦略に基づき、事業の安定と発展を図ることが求められる、このように定めているところでございます。

○辰巳孝太郎君 ですから、地域経済にとっても地域にとっても非常に重要な位置を占めているというのがこの社交飲食業でありまして、その一つがスナックであるということだということが確認されたと思います。
今日の資料にも付けておりますけれども、このスナックが再注目をされているということで、若い人も行けるような業態にしてスナックが見直されていると、こういう記事でありますけれども、お昼間にカラオケスナックとして営業する店も最近ではあるというふうにも聞いております。
さて、このスナックが今直面している具体的な問題があるわけなんですが、まずその前に、風営法におけるスナックの位置付けというのを確認したいと思います。
風営法は、第一条の「目的」において、「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、」とあります。
この風営法には、許可、届出の対象となる営業が規定をされております。風俗営業には一号営業から五号営業まであり、そのうち一号から三号までが接待飲食等営業とされております。この風俗営業にはどのようなものが含まれるのかということを簡潔にお示しいただけますか。

○政府参考人(小田部耕治君) 風俗営業は、風営適正化法第二条第一項各号のいずれかに該当する営業をいいまして、まず、第一号につきましては、キャバレー、待合、料理店、カフェーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業、第二号におきまして、喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計った営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの等の接待飲食等営業や、マージャン屋、パチンコ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業等があるところでございます。

○辰巳孝太郎君 今日は、資料にも付けましたけれども、一号営業、キャバレー、料理店、カフェー、これも風俗営業というカテゴリーになるわけなんですね。いわゆるダンスをさせるということで、二〇一五年、このダンス規制というのが改正をされまして、新たに特定遊興飲食店営業というのが二〇一五年法改正によって加わりました。深夜酒類提供飲食店営業というのは、その名のとおり、深夜にもお酒を提供できるということであります。それ以外にも、性風俗関連特殊営業というのが五類型ある、これは届出制となっていると。ここの資料にも付けましたとおり、いわゆる接待ができるのはこの一号営業しかありません。この接待の定義が今日は議論したいというふうに思っているんですね。
改めて確認しますけれども、この接待飲食等営業がありますが、これはいわゆる、今説明もありましたとおり、性に関わる部分に重きを置いて規定されているという認識でよろしいんでしょうか。

○政府参考人(小田部耕治君) 風営適正化法は、客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業等につきまして、接待飲食等営業として所要の規制を設けているところでございます。
接待飲食等営業は、適正に営まれれば国民に健全な娯楽を提供するものとなり得る一方で、営業の行われ方いかんによっては、従業員を客の売春の相手方として引き合わせる事案や従業員に性的なサービスをさせる事案が行われたり、騒音が店舗から外に漏れたり、歓楽的、享楽的雰囲気が少年の健全育成に悪影響を及ぼしたりするなど、善良の風俗と正常な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあることから必要な規制が行われているものであると承知しております。

○辰巳孝太郎君 ですから、法の十二条において営業所の構造及び設備を維持すべき義務を負わせて、十三条では深夜における営業禁止、十四条では照度の規制、十五条では騒音及び振動の規制、十六条では広告及び宣伝の規制などが設けられているわけなんですが、いわゆるダンス規制の見直しにおいては、元々はこれ風俗営業というカテゴリーにダンスがあったわけなんですが、ダンスをさせて飲食をさせる営業というのは、これは実質的な意味においてはわいせつな行為の発生や性に関わる風俗秩序の乱れにつながることはないということで、これ風俗営業の適用対象から除外をされたと、こういうことだったと思います。
さて、このスナックなんですが、昨年、北海道のススキノのスナックで経営者が相次いで逮捕されて、業界に激震が走っております。一号営業を取っていなかった無許可営業ということなんですね。これ罰金百万円です。しかし、接待といっても、これ女性がお客さんの隣に座ってお話をしたと、こういうことなんですね。
この接待というのは、風営法第二条三項において、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことと、こういう話になっておりますが、これ、歓楽的雰囲気とは一体何なのかと、これをちょっと確認したいと思います。

○政府参考人(小田部耕治君) 接待につきましては、風営適正化法におきまして、歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいうと定義されているところでございます。
この意味は、営業者、従業者等との会話やサービスなど、慰安や歓楽を期待して来店する客の気持ちに応えるため、営業者側の積極的な行為として、相手を特定して、継続的な談笑、お酌、ゲームの実施、身体の密着等の興趣を添える会話やサービス等を行うことと解されているところでございます。

○辰巳孝太郎君 具体的なその接待の判断基準というのが解釈運用基準というもので定められておりますが、今日は資料の最後の二ページ目に付けさせていただいております。この接待の判断基準として示されている、一、談笑・お酌にはどのように記されていますでしょうか、紹介してください。

○政府参考人(小田部耕治君) 接待に当たると考えられます談笑、お酌等とは、特定少数の客の近くにはべり、継続して談笑の相手方となったり酒等の飲食物を提供したりする行為をいうと解されているところでございます。

○辰巳孝太郎君 これ、続けて私読みますね。
これに対して、お酌をしたり水割りを作るが速やかにその場を立ち去る行為、客の後方で待機をし又はカウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれらに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為は接待に当たらないと、こう書いてあるんですね。
私、ちょっと、若干の世間話程度であれば接待には当たらないんだとあるわけですね。つまり、若干の世間話以上のものは接待に当たるわけなんですね。これ、若干の世間話というのはどれぐらいのことをいうんですか。

○政府参考人(小田部耕治君) 接待に当たるか否かにつきましては、客が飲食店にいる間に行われます一連の行為の中でどのような行為が具体的に行われていたかなど個別具体の事情に応じて判断することとなるところ、一般論として言えば、接待に当たらない若干の世間話とは、特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超えない程度の会話であると考えているところでございます。

○辰巳孝太郎君 いや、それがよく分からないんですよ、どこまでが若干の世間話か。それ以上となると、これ一号営業の許可もらわなあかんということになるんですね、接待をやっているということで。
私、世間話ということですから、天気の話するのは、これは世間話だと思うんですよ。しかし、そこにパーソナルな個人的な話をし出したら、これは世間話にはならないんじゃないかと、こうなるんではないかと私は個人的に思ったりするわけなんですね。
例えば、職場で給料が上がったとか下がったとか、こういう話はパーソナルな話になると思うんですけど、例えば、ここに景気の動向を挟みながら話すと、これ世間話になるんじゃないかと。例えば、景気が悪いなと単に言うだけであればこれ世間話だけれども、景気が悪くて息子が就職できへんわと、こういうパーソナルな話になったらこれは接待になるとか、これ結局、解釈がいかようにもできる、恣意的な解釈ができるということだと思うんですよ。
これ、私が不思議に思うのは、例えば三、歌唱等についてというのも次のページに出ております。ここを私読みますが、ここには、特定少数の客の近くにはべり、その客に対し歌うことを勧奨し、若しくはその客の歌に手拍子を取り、拍手をし、若しくは褒めはやす行為又は客と一緒に歌う行為は接待に当たると。これに対して、客の近くに位置せず、不特定の客に対し歌うことを勧奨し、又は不特定の客の歌に対し拍手をし、若しくは褒めはやす行為、不特定の客からカラオケの準備の依頼を受ける行為又は歌の伴奏のために楽器を演奏する行為等は接待に当たらないと、こういうことだと思うんですね。
つまり、いわゆるスナックでボックス席の横で手拍子や拍手、褒めるということはいけないんだけれども、カウンターの中にいてるママさんが手拍子や拍手、褒めること、これはいいのかと、こういうことになっていくわけなんですね。
この解釈運用基準では、特定少数の客にという、特定少数という言葉も出てくるんですね。継続して談笑の相手になることが接待に当たり得るということになります。
しかし、例えば特定の客ってどういうことなのかと。お客さんが一人や二人しかいない場合、これを想定してほしいんですよ。そのお客さんにカラオケどうですかと勧めることは、これ不特定ですか、特定になりますか。たくさんのお客さんがいる中で誰かカラオケ歌ってよというんだったら不特定かもしれませんが、お客さん一人か二人しかいないと、それをカラオケ勧めるとかになったら特定のお客になるということになるんですね。こうなると、これ接待ということになりまして、これ風俗営業一号の許可をもらってくださいと、こういうことになるわけであります。こういう恣意的な判断ができると。
しかし、こういうカラオケを勧めるとかお酌をするとか談笑の相手になるということがそもそも風営法による許可の対象にされているということが私は問題なんですよ。
しかも、冒頭に申し上げたとおり、今申し上げたような行為と正常な風俗環境の保持、私は、この関連性を見出すことは、これはもうかなり困難だと思うんですね。カラオケに拍手することとか、あとは談笑することがわいせつな行為の発生を招くということ、性風俗の秩序の乱れになるということは、これはもう明らかにおかしい、明確性に欠け、立法趣旨にも私は反するというふうに思うんですね。
談笑やお酌、あと拍手、これは社会通念上もう当然の行為として私は認めるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(小田部耕治君) 接待に当たるか否かにつきましては、客が飲食店にいる間に行われる一連の行為の中で個別具体の事情に応じて判断するところでございますけれども、拍手や談笑についても、特定の客又は客のグループに対して単なる飲食行為に通常伴う役務の提供を超える程度の会話やサービス行為等に当たるものは、歓楽的雰囲気を醸し出し、そうした行為を伴う営業は善良の風俗と正常な風俗環境を害するなどのおそれがあることから、引き続き規制の対象とする必要があると考えているところでございます。

○辰巳孝太郎君 そうなりますかね。
大体、談笑もない、カラオケに対する拍手もない、私、こういうスナックが繁盛するとは到底思えないんですね。カラオケでお酌したりとか、当然おもてなしだと私は思うんですね。警察の拡大解釈による取締りということがあるわけです。
兵庫県警が料飲業者に示している確認書というのがありまして、その確認書というのを見ますと、おしぼりを手渡すことが、この解釈運用基準にはそれ書いていないんですよ、おしぼり手渡すということが。それがこのリストの中に入っておりまして、それは接待になるよと、こう取られかねないものが書いてあるわけですね。おしぼり手渡さずに、じゃ、投げろというのかと、私はこういうことだと思うんですよ。こういうことがやられていたら、私は、事業者としては萎縮するばかりだし、この確認書が恣意的解釈が行われ得る可能性を示唆していると、証明しているというふうに私は思うんですね。
許可を受けないで接待行為に及んだ場合は、これ重いんです。二年以下の懲役刑か二百万円の罰金が科されることになる、五年間許可を得ることができないわけであります。行政処分の対象にもなりまして、六か月以内の営業停止処分と、こういうことになります。こうなれば廃業せざるを得なくなるわけであります。悪質でも何でもない、単におもてなし、これを行ったことで店を畳まなくてはならないということだと思うんです。
私はスナックのママさんに話を聞く機会がありました。三宮でスナックを営んでいる女性は、営業中に二十人の警察官、私服の警察官が店になだれ込んできた挙げ句に逮捕されて手錠を掛けられたと。無許可での風俗営業、これが逮捕理由なんですが、何と二十日間の、二十日間の勾留の末、起訴されて五十万円の罰金、それで六か月の営業停止処分ですね。これ、単にお酌をして談笑してカラオケしていただけなんですよ。先ほどのススキノのスナックも、無許可営業で逮捕、罰金百万です。
指摘しなきゃならないのは、これ、注意も指導もなく突然逮捕されているわけですね。八四年の風営法の改正でも、今私が述べたような懸念が指摘をされて、衆参共に附帯決議が付きました。決議では、いきなり逮捕、処罰ということを厳しく戒めております。
この一九八四年七月五日の風営法改正の際の衆議院の附帯決議、二、三、十、十の1、十の3を紹介していただけますか。

○政府参考人(小田部耕治君) 昭和五十九年、衆議院における風俗営業等取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議では、本法の運用に当たっては、表現の自由、営業の自由等憲法で保障されている基本的人権を侵害することのないよう慎重に配慮すること。風俗営業者への指導に当たっては、営業の自由を最大限尊重するとともに、管理者制度が営業の自主性を損なうことのないよう特に慎重に運用すること。警察職員の立入りに当たっては、次の点に留意して、いやしくも職権の濫用や正当に営業している者に無用の負担を掛けることのないよう適正に運用すべきであり、その旨都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底すること。報告又は資料の提出によってできる限り済ませるものとするとともに、報告又は提出書類等については、法の趣旨に照らし必要最小限のものに限定すること。本法の運用に関係のない経理帳簿等を提出させ、見ることのないようにすること等が決議されております。

○辰巳孝太郎君 確認しますが、この風営法に基づく立入りというのは、今御紹介いただいた国会決議を踏まえて、これ指導を旨として過度な取締りはしないということで確認したいと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(小田部耕治君) 立入りにつきましては、御指摘の附帯決議の趣旨を踏まえまして、昭和六十年に解釈運用基準を都道府県警察に発出し、国民の基本的人権を不当に侵害することのないよう、その具体的な手続及び方法等について定め、都道府県警察を指導しているところでございます。
今後とも、風営適正化法が適正に運用されるよう、都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

○辰巳孝太郎君 決議では、営業の自由が侵されてはならないと、こうも記されているんですね。しかし、罰金二百万円とか営業停止六か月となれば、これ廃業は必至だと思うんですよ。余りにも量刑が重過ぎる。おしぼりを渡してカラオケに拍手して談笑して二十日間も勾留というのもやっぱりおかしいと思うんです。
解釈運用基準の中にも、報告又は資料の提出の要求と立入りの関係として、立入りは直接営業所内に入るものであるため営業者にとって負担が大きいので、報告又は資料の提出で行政目的が十分に達せられるものについてはそれで済まされるものとして、この場合には立入りは行わないと、こういうことだと思いますので、これ、立法の趣旨、決議の趣旨にきちんと沿ってしていただきたいと思うんですね。
同時に、警察の主張にも少し私苦言を呈しなければならないと思っております。
様々な証言から分かることは、このスナックに警察官だと思われる人が、もちろん当時は分からないんですが、いずれもお客さんとして訪れて、従業員の女性と密着した写真を撮ることをお願いする、証拠写真みたいなことをしておとり捜査を行ったという可能性、私、これも指摘しなければならないと思うんですね。無用なものは絶対するべきじゃないということを確認したいと思います。
この解釈運用基準ですけれども、これは法律じゃありません。警察庁が決めております。確認しますが、これも警察庁の判断でこの運用基準は変えられるということでよろしいですね。

○政府参考人(小田部耕治君) 一般論といたしましてでございますけれども、風俗営業の実態等に応じまして、解釈運用基準を見直す必要があれば見直すこともあり得るところであると考えております。
しかしながら、現に、現行の解釈運用基準で接待に当たる行為を行っている接待飲食等営業におきましては、従業員を客の売春の相手方として引き合わせていた事案や、十八歳未満の者に接待をさせていた事案が起こっているところでありまして、また、接待に関する解釈運用基準については、警察庁のウエブサイトでも公表しており実務上も定着していることから、現行の解釈運用基準を引き続き維持することが適切であると考えているところでございます。

○辰巳孝太郎君 いや、定着というんですけど、それでは駄目だと思うんですよ、これはもう社会通念上おかしくなっているわけですから。それは文言が定着しているだけの話であって、変えられていないだけの話であって、実態としてはもうこれ乖離をしているというのがこの解釈運用基準ですから、変えるべきだと思うんですね。
全国商工団体連合会が去年行った料飲街アンケートでは、約七割の方がこれ接待基準を見直すべきだと答えております。料飲店の果たす役割についても、地域住民の憩いの場だ、地域での催事の打ち上げなどに利用している、お客にとってはストレス発散の場だと、お客さんにあしたへの活力を取り戻してもらえるという仕事や地域貢献に対する誇りを持って商売をされております。
大臣、最後にお聞きしたいんですが、大体、おしぼりを渡すとかカラオケに拍手をするとかお酌をするとか、こういうことがそもそも警察の許可が要ることなのかということだと私は思うんです。この解釈運用基準が余りにも古くて、拡大解釈もこれ可能となっています。私は、これ不合理やと思うんですね。地域経済、地域の発展、経済産業大臣として、こういう不合理な規制、これは変えるべきやと思うんですけど、どうですか。

○国務大臣(世耕弘成君) 今日は本当に勉強になりました。次、スナックへ行くときは、若干の世間話は逸脱しないように、また、近くにはべって褒めはやされないように気を付けながら飲まなきゃいけないなと思ったわけであります。
委員御指摘のスナック営業に係る規制というのは、これは経産省の所管ではないので残念ながらお答えする立場にはありませんし、また個別の事案についてもお答えはできないわけでありますが、その上で、一般論として申し上げれば、経済活性化に向けては、経済社会情勢の変化や技術の進展を踏まえて、時代に適合しなくなった規制があればそれを合理的なものにしていくということは必要だと思いますし、現に、風営法においても、クールジャパンとか外国人客をもっと集客するという観点から、クラブ営業については改正をされて、深夜営業が、一定の明るさの下ということになりますが認められたわけでありますから、経済情勢に合わせてそういったことは不断に見直していくことが必要だというふうに思います。

○辰巳孝太郎君 我々、こういう規制緩和であれば大賛成をしたいというふうに思うんですね。
ママからも話をたくさん聞きました。やっぱりスナックが風俗営業とカテゴライズされていること、これに疑問を感じるとか、接待したとして長期間勾留されて、麻薬絡みちゃうかといううわさを流されたり、本当に悔しい思いという声も聞きました。
地方創生や地方活性化だというのであれば、こういう頑張っている町のオアシスを応援すること、地域経済、商業の振興に責任のある、大臣、立場ですから、是非、政府の立場として、これ営業が、憲法が保障する営業の自由が守られるように是非力を尽くしていただきたい。私もそのために力を尽くす決意を申し上げて、質問を終わります。