海洋環境整備船の体制充実を求める

2014年6月10日  

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6月10日、海洋汚染防止法改正案の質疑に立ちました。

私は、災害時などに海洋の環境保全と安全確保に重要な役割を果たしている海洋環境整備船の体制の問題を取り上げ、不安定な非正規職員が正規職員よりも多い実態を示しつつ、職員の正規化と国が責任を持つ直轄直営運航の体制確立を求めました。

海洋環境整備船は、船舶の航行安全の確保や海洋の汚染を防除するために、全国に計12隻が配備され、日常的にごみの回収業務を行い、災害時には油回収やがれき除去等を行っています。東日本大震災でも、4隻が長期にわたり被災地に派遣され、瓦れきの回収作業を行い、大活躍しました。

ところが、全国で53人いる職員の構成は、正職員が24人、非常勤職員が29人となっています。災害時には昼夜通しての緊急の仕事も出てくるにもかかわらず、非常勤職員の中には日当7630円で働く人もあり、しかも3年で雇い止めになります。清掃や油の回収作業というのは当然技術も要求をされますし、経験の蓄積も大事です。せっかく仕事も覚えてチームワークが形成されたような時期に三年で解雇されてしまえば、技術や経験が継承されていかないという問題も起こります。

私は、こうした問題点を指摘しつつ、海路の環境や安全を守る、確保するためには、非常勤の正規職員化と体制の充実が何よりも必要だと太田昭宏国土交通大臣に迫りました。大臣は、昨年の港湾法改正で緊急確保航路が指定され、東京湾、伊勢湾、大阪湾に配備された4隻の乗員は、順次正職員化をしていると表明。それ以外の乗員については「正職員化を直ちにするということについては困難」としつつ、「円滑な職務執行が行えるように取り組んでいかなくてはならない」と答弁しました。

私は、非常時、災害時において国の役割、責任が明確になるように、誇りを持って仕事をされている方々が続けて職務を遂行できるように国の職員による直轄直営運航の体制の確立が急がれることを強調しました。


議事録を読む

○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
 今法案は、一定の船舶からの有害なバラスト水の排出を禁止し、また、船舶所有者等に対し技術基準に適合する有害なバラスト水の処理設備の設置を義務付けるもので、我が党としては賛成でございます。
 今日は、関連して、海洋の環境や安全を確保するための施策について質問をいたします。
 一九九七年の一月、ロシア籍のタンカー、ナホトカ号が、隠岐島付近の沖合で船首が折れ、船尾部が沈没し、六千二百四十キロリットルもの重油が流れ出すという深刻な油濁災害がありました。流出した重油は島根から新潟の海岸に漂着をいたしまして、一府八県に被害を及ぼし、被害総額は三百六十億円にも及びました。また一方で、百万人とも言われるボランティアの方々も活躍したと言われている事故でございます。
 国交省に聞きますけれども、このナホトカ号の事故では油回収船清龍丸も駆け付けたと、こういうふうにも聞いておりますけれども、国交省の油回収の体制についての教訓は、この事故以降、どのように生かされているんでしょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、平成九年に発生いたしましたナホトカ号油流出事故におきましては、当時、唯一の大型しゅんせつ兼油回収船でございました名古屋港配備の清龍丸が出動いたしまして、流出油の回収に当たったところでございますけれども、太平洋側から日本海側の現場へ到着するまで若干時間を要したということもございました。
 この事故を契機といたしまして、出動後おおむね四十八時間以内で我が国周辺海域の現場へ到着できるように、新たに二隻の大型しゅんせつ兼油回収船を増強いたしまして、名古屋港に加えまして北九州港と新潟港にも配備いたしたところでございます。
 また、これらの船舶は、国内の防災訓練に参加するとともに、日本とロシア、日ロ合同油防除訓練、NOWPAPと申しますが、これにも参加するなど、他機関と連携した実践的な訓練を行っているところでございます。
 さらに、設備面では、油の回収に応じまして粘性の低い場合と高い場合の二種類の油回収装置を搭載するなど、油防除体制の強化を行っているところでございます。
 以上です。
○辰已孝太郎君 海難事故が起きますと当然海洋汚染が生じると。ナホトカ号のときでも、重油といわゆる海水が混じってエマルジョン化して、なかなか回収も大変だったというふうに聞いております。ですから、当初は日本海側には船が設置されていなかったけれども、名古屋だけだったけれども、新潟にも設置をしたと、こういうことでありました。
 大きな事故でなくても、廃棄物等が故意に投棄をされたり、海洋保全の必要性というのは私は常にあるというふうに思っております。海上保安庁の調べによりますと、二〇一三年における海洋汚染発生確認件数は、油で二百五十七件、廃棄物で百八十七件、有害液体物質で三件、またその他八件で、合わせて四百五十五件もあったということであります。
 そこで、このような事態に際して海上保安庁の船舶と協力し、そして重要な役割を担っているのが海洋環境整備船であります。
 国交省にお尋ねいたしますけれども、海洋環境整備船とはどのような船で、そしてどのような役割を果たし、そしてこの海洋環境整備船の配備の状況はどのようになっているのでしょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 海洋環境整備船でございますけれども、船舶の航行安全の確保や海洋の汚染を防除するために、現在、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明海、八代海の海域に計十二隻を配備いたしまして、当該海域の海面の清掃業務、いわゆるごみの回収業務を行っております。
 また、船舶等からの油流出事故が発生した場合には、海上保安庁からの要請に基づきまして、流出油の回収作業も行っているところです。最近では、先月の二十九日ですけれども、姫路港沖で発生いたしました、タンカー聖幸丸が爆発、炎上いたしまして燃料油等が流出した事案におきましては、近畿地方整備局の保有する海洋環境整備船二隻が出動いたしまして、流出した油の回収や放水拡散を実施したところでございます。
 以上です。
○辰已孝太郎君 非常に重要な役割を果たしていると。
 続けて聞きますけれども、それでは大規模災害時にはどのような役割を果たしているんでしょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 東日本大震災のケースでございますけれども、海洋環境整備船四隻が被災地に派遣、四隻を派遣いたしまして、仙台湾及び三陸沿岸海域におきまして漂流瓦れきの回収作業を行っております。
 この東日本大震災を踏まえまして、昨年、平成二十五年度でございますが、港湾法の改正を行いまして、緊急確保航路及び開発保全航路におけます航路啓開作業を国として行うというふうにしたところでございます。大規模災害時におきましては、海洋環境整備船の業務といたしまして、この緊急確保航路等におけます障害物の除去、啓開作業の指揮等の航路啓開作業を担うものとしております。
 以上です。
○辰已孝太郎君 この油の流出事故は、油が海岸線に、先ほどもありましたが、漂着する前に対応することが非常に大事で、取り返しの付かなくなる前により早く対応するということが重要だと私も思っております。
 日本だけではなくて海外でも、二〇〇七年、ソウル南西約百キロの泰安におきまして、これは香港船籍のヘベイ・スピリット号の事故が発生をいたしました。事故発生後十三時間で流出した原油が海岸線に漂着し、その後十日間のうちに百五十キロメートルを超える海岸線がこの流出をした原油の汚染を受けることになったということであります。
 素早い対応のためには、海洋環境整備船そのものを増やしていくということも必要ではあると思いますが、これはもちろんのことなんですが、同時に、そこで職務に当たる職員の体制がどうなっているのかということも大事だと思っております。
 確認しますけれども、この海洋環境整備船の職員の配置の状況はどうなっているのでしょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 先ほど説明いたしました大型しゅんせつ兼油回収船、全国で三隻ございますが、これにつきましては全国で八十三名の職員が配置されているところでございます。それから、海洋環境整備船でございますが、これにつきましては全国で五十三名の職員が配置されているところでございます。
○辰已孝太郎君 続いて聞きますけれども、そのうち正規職員は何人で、非常勤の職員は何人でしょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 海洋環境整備船の職員でございますけれども、構成は、職員五十三名のうち正職員が二十四名、非常勤職員が二十九名となっております。
○辰已孝太郎君 ですから、海洋環境整備船で働く職員の方々というのは、非常勤の職員の方が正規の職員よりも多いということであります。
 続けて聞きますけれども、その非常勤の職員の契約年数と平均の年収というのは一体幾らになるのでしょうか。
○政府参考人(山縣宣彦君) お答えいたします。
 海洋環境整備船の非常勤職員の日当でございますけれども、最大のもので一万二千四百七十円、最少のもので七千六百三十円、平均で一万九百七十円となってございます。
 雇用期間でございますけれども、一会計年度を任期としているところでございます。
 以上です。
○辰已孝太郎君 この海洋環境整備船は日常の業務と同時に緊急の対応が必要な仕事でもありまして、災害時には昼夜通しての仕事も出てくると。先ほどの東日本大震災のときにも大活躍をしました。震災の翌日から大型ドラグしゅんせつ兼油回収船の三隻は被災地にも向かったと、災害支援物資も詰め込んだと。そして、この海洋環境整備船の四隻も同様に、被災地の港湾機能の復旧のために、海上を浮遊する瓦れきなど障害物の除去も行ったと。これは一か月にも及ぶ長期の派遣がされたというふうにも聞いておりますし、これにはやはり正規も非正規もなく、彼らは復旧のために働いたと聞いております。
 一方で、そういう人たちの中に、日当七千六百三十円で働いて、しかも三年で雇い止めをされるというふうにも聞いております。清掃や油の回収作業というのは当然技術も要求をされるでしょうし、経験の蓄積も大事です。せっかく仕事も覚えてチームワークが形成されたような時期に三年で解雇されてしまう、上限で解雇されてしまうというのは、私は作業効率の面からもマイナスだと思いますし、このようなことでは技術や経験というのが継承されていかないということにもなるのじゃないかと思っております。
 最後、大臣にお聞きをしたいんですが、やはり海路の環境や安全を守る、確保するためには、非常勤ではなく正社員、正規の職員で職務に当たってもらうことが必要だと思いますし、やはり体制の充実というのが何よりも必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(太田昭宏君) 全国には海洋環境整備船が十二隻あって、三隻が運航委託を実施をしていて、それ以外の九隻が正職員二十四名と非常勤の職員二十九名で構成されていると。
 この九隻のうちに、港湾法を昨年改正させていただきましたものですから、緊急確保航路等、これが指定されまして、東京湾、伊勢湾、大阪湾に配備された四隻の乗員は、業務内容を勘案して順次正職員化をしているという状況にございます。これは非常災害時に、発生した直後に出動して、緊急確保航路等において公権力の行使を伴う障害物の除去等に従事するということも勘案されているということです。
 それ以外の五隻の乗員につきましては、国家公務員の定員、なかなか定員をめぐる状況が厳しいという全体の状況がありまして、正職員化を直ちにするということについては困難な状況にあることは事実です。しかし、いずれにしましても円滑な職務執行が行えるように取り組んでいかなくてはならないというふうに思っております。
○辰已孝太郎君 大臣からもやはり円滑な職務の執行と。この三大港湾については非常に公権力の行使が必要になってくるということもあるので、緊急確保航路ということで正規職員を順次入れていくということでありました。
 緊急災害というのは、私は、やはり東京で起こるのか、大阪で起こるのか、名古屋で起こるのか分からないわけですし、実際、東日本の大震災ではこの三港に所属する船以外も駆け付けて、物資の運搬など復旧の作業にも当たってもらいました。
 二〇一二年には災害対策基本法も改正されたと。同年の防災基本計画でも、災害の応急対策において、自治体からの要請を待たずに、国が必要な物資又は資材の供給を開始するとしております。やはり真に必要な場合というのは、まさにこういう災害対策こそ私は真に必要な場合であると思いますし、そこでの人員の補充というのが何よりも大事だと思っております。
 言うまでもなく、海はつながっておりますし、南海トラフのことを考えれば、先ほど緊急確保航路ということがありましたが、三大港だけではなくて、瀬戸内海や、また関門海峡なども重要な航路となってくるだろうと思います。
 残念ながら一部は運航委託もされているという話もありましたけれども、このような非常時、災害時において国の役割、責任が明確になるように、私は直轄直営体制というのが大事だと思いますし、何よりも、誇りを持って仕事をされている方々が続けて職務を遂行できるように国の職員による直轄直営運航の体制の確立が急がれる、求められるということを求めて、私の質問を終わります。