民泊提供日無制限に 辰巳氏「法案前提崩れている」

2017年6月6日  
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日本共産党の辰巳孝太郎議員は6日の参院国土交通委員会で、住宅宿泊事業法(民泊新法、9日成立)について、法案の大前提が崩れていると強く批判しました。

同法案は、これまで良好な居住環境を確保する観点から、ホテルや旅館の営業を認められなかった住居専用地域でも民泊営業を可能とし、旅館業法も適用外とします。「住居の用に供する」ことが条件で、年間提供日数を180日に制限しています。

辰巳氏は、「1泊2日」が1日とカウントされるため、「日にちがかぶらなければ、年中民泊の営業ができる。法案の大前提が崩れている」と批判。「住宅として入居者募集が必要というが、どのように確認するのか」と質問しました。

観光庁の田村明比古長官は「届け出の際、広告チラシを確認する」と答弁。辰巳氏は「それでは実際に配られたかわからない。民泊は賃貸でより利回りが高く、賃貸募集するポーズだけで住宅の用に供するつもりがない事業者が跋扈(ばっこ)する」と指摘しました。

2017年6月18日付「しんぶん赤旗」より引用

議事録を読む

193-参-国土交通委員会-20号 平成29年06月06日

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
本法案では、民泊事業者が住居専用地域においても民泊事業を営むことが可能になっております。一方、旅館、ホテルというのはそういう地域には営業することはできなくなっています。
まず確認しますが、なぜ住居専用地域には旅館、ホテルは営業できないということになっているんでしょうか。

○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
都市計画に定めます用途地域のうち住居専用地域は、良好な居住の環境を保護するために市町村が定める地域でございます。ホテル、旅館につきましては、住宅を一時的に活用するものではなく年中営業が可能であること、また、地域住民とのトラブル防止措置が求められていないことから、用途規制上、住居専用地域には立地できないということにしているところでございます。

○辰巳孝太郎君 ということなんですね。住居環境に悪影響を与えるおそれのある、そういう用途の建物を制限して、良好な住居環境を保護するためにこの住居専用地域というのは設けられているわけであります。それを解禁するのが本法案で、民泊が生活の隣に入り込んでくるということであります。
現在行われている民泊はほとんど違法なものでありますが、地域からは、ごみ出しルールが守られていない、夜間の騒音がひどいなど、まさに良好な住居環境に民泊が入り込んで、迷惑施設の一つとして捉えられているということであります。
特区の民泊認定に当たっては、事前に周辺住民に適切な説明を行うということが要件とされているわけでありますが、新法は事前の説明というのは要件にされておりません。これ、なぜ事前の説明要件がないのかをお答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(田村明比古君) 住宅宿泊事業者又は管理業者につきましては、ちゃんとその標識を掲示することを義務付け、そして苦情に対して迅速かつ適切に対応する義務というものも課されているということでございます。
その上にいろいろと観光庁においてもワンストップの苦情窓口というものを設けて、都道府県あるいは関係省庁と連携して苦情の解決等に当たると、こういうようないろいろな措置というものを講じた上で、主として住宅として使われているんだけれども一時的に宿泊サービスに提供すると、こういうことで行われるということでございますので、事前の承諾までは課す必要はないと、こういうことでございます。

○辰巳孝太郎君 いや、だから、これが矛盾しているんですよ、まず、そもそも。
特区でも苦情に対する対応というのは求められていますよ。だけど、事前の説明が必要なんです。ところが、この民泊新法では、先ほど標識という話がありますけど、それ届出の後ですから。後ですから。だから、周辺住民は、ある日突然民泊の標識が出て初めて近隣あるいは隣の部屋で民泊事業が行われるということを知るということなんですね。
ありました百八十日のルール、これ議論があります。年間提供日数を百八十日に制限する理由は、住居の用に供するということが大前提にあるからであります。これ言い換えれば、百八十日以上を、ホテルや旅館ではなくて、住居の用に供することができるものにしていく必要があるということであります。そうしなければ住居専用地域にでも民泊事業を営むことができないと、こういう理屈なんですね。
確認します。百八十日の制限規制ですけれども、この要件、これ厳しくチェックするということでよろしいですね。イエスかノーかで。

○政府参考人(田村明比古君) そのとおりでございます。

○辰巳孝太郎君 ところが、これ本会議で指摘したとおり、一泊二日、日にちが重ならなければ百八十泊三百六十日というのが可能なんですね。つまり、百八十日以上住宅の用に供することができることが民泊の前提だと言っておきながら、これ実際そうならないということなんです。これだけで私は民泊事業の前提は崩れていると思います。
また、建前は民泊だけやりますというような住居は認められておりませんが、国交省は賃貸あるいは分譲募集がされているのかを確認する必要があるとしております。これをどのように担保するのか、どのように確認するのか、これが大事ですね。これに実効性がなければ更に法律として機能はしないということになります。
そこで、この募集について質問をします。
住宅宿泊事業者が賃貸の入居者を募集していることをどのように確認するんでしょうか。

○政府参考人(田村明比古君) 家主不在型の住宅宿泊事業を行う場合の住宅につきましては、本法案第二条第一項第二号において、人の居住の用に供されていると認められるものと規定しているように、賃貸の募集等、住宅の要件を満たしていることを確認することが必要となります。
その確認につきましては、住宅宿泊事業を営む旨の届出の際にこれを証する書類等を求めて確認する予定でございますけれども、住宅宿泊事業を始めた後の賃貸の募集の確認につきましては、都道府県等が住宅宿泊事業者に対して必要に応じて報告徴収権を用いて確認することとなります。

○辰巳孝太郎君 いや、具体的にどのように確認するんですか。

○政府参考人(田村明比古君) 届出の際の証する書類というのは、例えば広告のチラシでございますとか、そういったものを実際に確認をするということだと思います。

○辰巳孝太郎君 チラシだけでそれ確認に本当になるんでしょうか。一体どこで配られたかも分からない、どこで配布されたかも分からない、そういうもので本当にそれ確認になりますか、募集の。それで確認だということであっても、例えば、法外な賃貸料を記載せずとも相場より少し高めの賃料設定をあえてして賃貸契約を結ばないことや、あるいは契約ですから、民民ですから、賃貸契約をしない自由だって住宅宿泊事業者にはあるんですね。
これ、民泊はいわゆる利回りが高いので、これだけ違法であるにもかかわらず広がっているわけです。賃貸で何年も住まわれるよりも、賃貸の契約はしないというインセンティブが事業者にはどうしても働くわけなんですね。結局、住宅としても使うように募集はしますと、それポーズだけで、結局住宅としての用を供するつもりのない事業者がばっこして民泊事業だけをやるということが、これ今おっしゃられた確認では可能になりますよ。どうですか。

○政府参考人(田村明比古君) 当然、そういう入居者というものを募集する意図というものがないような、そういうことが明白な高額な家賃等で募集をしているというような場合には、この対象にはならないということだと思います。

○辰巳孝太郎君 いや、明白だとそれは判断できないんですよ。民民の契約ですから、結局は。これ、チラシ出していても契約しなかったらいいんでしょう、それいいんでしょう、認められるんでしょう。確認しようがないじゃないですか。これだけでもこの法案のざる法が明らかだと思うんですね。
それでは、実際起こり得る別のケースを想定したいと思いますが、民泊は、基本的に寝具、家具がそろっている施設になります。これ、ホテル、旅館代わりですから当然です。一方、賃貸住宅は、多くのケースでは寝具、家具はありませんね、空っぽな住宅です。例外的に、短期貸しが前提のウイークリーやマンスリーマンションでは寝具、家具は備え付けられていると思います。
したがって、民泊の事業形態を考えたときに、民泊事業をしながら中長期の賃貸の募集をするというのは、これ契約するというのは考えられないですね。だから、民泊として寝具、家具がそろったままの状態の短期貸しをやるというのが私は想定されると思うんですよ。そうなると、ウイークリーやマンスリーが賃貸住宅なのか、賃貸なのかということが問題になると思うんですね。しかし、その境界線は曖昧であります。
どのように厚労省、判断するのか、簡潔に述べていただけますか。

○大臣政務官(馬場成志君) お答えします。
厚労省所管の旅館業法上におきましては、施設の管理や経営形態を総体的に見て、施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められる場合や、宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないことを原則として営業している場合には旅館業に該当するものと整理しておるところであります。

○辰巳孝太郎君 結局、しかし、それも個別の事案ごとに判断されるということなんですね、うなずいていただいておりますけれども。
国交省、これどのように実態把握しますか。

○政府参考人(田村明比古君) これは、定期、不定期の立入検査、報告徴収等によりまして確認をするということになると思います。

○辰巳孝太郎君 立入検査って、そんなしょっちゅうできるんですか。そんな人員ありますか。これ報告もさせるんでしょう、当然。そういうことですね、報告もさせるということ。

○政府参考人(田村明比古君) 定期、不定期に必要に応じて報告徴収権の行使を行うということはあると思います。

○辰巳孝太郎君 私が言っているのは、百八十日に来ました、それ以降は民泊はできません、ですよね。だけれども、実態として民泊でやられているのに、これは賃貸なんですと言い逃れができるとすると、実態としては民泊ですから、ずっと百八十日以降できるじゃないかと。そこのきちんと検査をする、確認をする、ここの実効性がなければ、これ、冒頭に言われた百八十日の規制は守らせます、厳格にやりますと、ここと矛盾するんですよ、整合性が取れなくなるんですよ。
これ賃貸であれば、宅建業法上は宅地建物取引士が重要事項の説明しなきゃならないということになっています。これ少なくとも定期的に報告させるということをおっしゃっていますから、賃貸と言ってきた場合はそれぐらいは確認するということは言ってくださいよ。

○政府参考人(田村明比古君) そういうことも含めて検討したいと思います。

○辰巳孝太郎君 当然ですよ。当然ですよ。そうしなければ百八十日守られないんですから。これ、きちんと確認したいと思います。
それと、仮に民泊新法が成立すれば、投資型の民泊マンション、アパートというのが想定されます。これは大臣、投資型の民泊マンション、アパートは認められないということでよろしいですね。

○国務大臣(石井啓一君) 本法案は住宅を用いた宿泊事業を可能とするものでありますが、本法案における住宅とは、現に人の生活の本拠として使用されている家屋、従前の入居者の賃貸借の期間の満了後新たな入居者の募集が行われている家屋など、人の居住の用に供されていると認められるものとして国土交通省令、厚生労働省令で定めるものをいいます。
専ら民泊のために新築されるマンションについては、入居者の募集が行われているものではなく、人の居住の用に供されていると認められるものではないことから、本法案における住宅の要件に該当せず、当該マンション、また当該アパートで人を宿泊させる事業を行う場合は、旅館業法の許可を要するものであると考えられます。

○辰巳孝太郎君 ですから、これ、大臣おっしゃっている入居の募集が行われないマンションというのは、すなわち不動産業者が民泊として活用するケースの話なんですよ。しかし、想定されるケースというのは、投資型のマンションを造りました、そのそれぞれの住居を使用して投資するオーナーを募集することなんですよ。これが入居者の募集ということになるんですよ。そして、購入したオーナーがこれ民泊施設として使用するのは自由ですから、これ何の歯止めにもならないんですね。民泊のオーナーを募集することが入居の募集ということになるんですよ。つまり、実質民泊専用の建物が建って、民泊事業を投資の対象として捉える人がマンション購入して民泊やるんです。
何度も繰り返しますけど、住居専用地域に民泊専用のアパートが建つんですよ。これ、住宅の用に供するという法案の大前提もぼろぼろだし、既に特区民泊を始めて、大手ディベロッパーが民泊マンションの建設に動いています。民泊できれば、結局、さきにあったように百八十日のルールは有名無実で、一年中民泊事業が行われることになります。
こういう民泊事業は認められないということを申し述べて、木曜日の質問に続けたいと思います。