民意無視 党略極まる 安倍内閣 被災地おきざり

2018年7月18日  

自民、公明の与党は18日、参院内閣委員会で刑法が禁じる賭博を解禁するカジノ実施法案の採決強行を狙いました。野党の反対で同日のカジノ法案の採決は断念したものの、19日には採決する構えで、安倍内閣の民意無視の暴走が極まっています。


野党が問責、解任案に賛成討論

写真

日本共産党、国民民主党、立憲民主党、希望の会(自由・社民)は、西日本豪雨災害への対応よりもカジノ法案の強行にまい進する政府・与党の姿勢を厳しく批判。17日に4野党・会派が提出した石井啓一カジノ担当相の問責決議案に続き、18日には柘植芳文内閣委員長(自民)の解任決議案を共同提出しました。

参院本会議で、日本共産党の辰巳孝太郎議員が石井カジノ担当相の問責決議案、田村智子議員が柘植内閣委員長の解任決議案への賛成討論をそれぞれ行いました。共産、国民、立民の各党と希望の会、沖縄の風は両案に賛成しましたが、自民、公明、維新などの反対で否決されました。

辰巳氏は、石井国交相(カジノ担当相)が豪雨災害に万全の対策を政府に求めた全会一致の国会決議に反し、賭博の解禁に血道をあげたとして、「問責は当然だ」と指摘。カジノ法案は、賭博の違法性を阻却する明確な根拠もなく、依存症対策よりもカジノ資本のもうけを優先させるなど問題だらけで「こんな法案を推進する大臣に、大臣たる資格はない」と指摘しました。また、石井国交相が森友事件の真相解明に背を向けている点も厳しく批判しました。


議事録を読む
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎です。
まず、西日本豪雨で亡くなられた方々に哀悼の意を、そして被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。
私は、会派を代表して、石井啓一カジノ担当大臣に対する問責決議案に断固賛成の立場で討論をいたします。
賛成する第一の理由は、国土交通大臣として、この度発災した西日本豪雨災害の陣頭指揮を最優先せずに、賭博解禁法たるカジノ実施法の成立のために邁進する姿勢を最後までかたくなに変えなかったからであります。
死者二百名を超える大災害となった西日本豪雨災害では、河川の氾濫や堤防の決壊、土砂災害など、被害が広範に及び、何よりも迅速な対応が必要でした。ところが、大臣が被災地に赴いたのは、発災から一週間以上経過した七月の十四日でした。熊本地震の際には地震発生の翌日に現場に駆け付けたことと比較すると、対応の遅れは明白です。
また、驚いたことに、大臣は、十日の内閣委員会の審議において、広島県府中町の榎川の氾濫についてお昼のニュースで知ったと答弁をしました。大臣が被災地の現場の状況をお茶の間と同じタイミングで知るという信じられない事態でありました。
このように、カジノの審議を継続することが災害対応に当たる大臣としての職責を果たせなくすることは明白でありました。ところが、大臣は、十二日の審議で、我が党の議員が委員会を退出し災害対応に専念することを促した際にも、答弁席から動かず、カジノの審議を続けたのです。
七月十一日、全会一致で採択された国会決議は、政府として、人命救助に全力を傾注するとともに、国の総力を挙げて災害対応に当たるよう求めています。石井大臣は、この国会決議を踏みにじり、賭博の解禁に血道を上げた大臣として、問責は当然であります。
賛成理由の二つ目は、石井大臣の下、提出されたカジノ法案が問題だらけだからであります。
まず、カジノ実施法案は日本の歴史上初めて民営賭博の解禁を狙ったものですが、賭博の違法性が阻却されるという明確な理由が全く示されていません。法務省が示してきた違法性阻却の八要件がどのように阻却されたのか、何度聞いても、推進会議でよく話し合ったからとしか答弁は返ってきません。本法案は、強い違法性があるからこそ禁じられてきた民営賭博を違法性はそのままに解禁しようとするものであり、到底認めるわけにはまいりません。
これまでの公営ギャンブルは、利益の使い道を公的なものに限ってきました。しかし、カジノでは、利益の三割を納付金として国と自治体に納めれば、あとは全て民営企業のものとなります。賭博によって多くの日本国民から搾り取ったお金は海外企業の懐に入る。まさに究極の売国法案ではありませんか。
大臣は、賭博解禁に当たって世界最高水準の依存症対策を施すと繰り返しました。日本人のカジノ利用は週三回まで、月十回までというものでありました。ところが、二十四時間単位で一回と算定するため、仮に日をまたいでも半日ずつの利用であれば一回とみなします。つまり、一年の三分の二をカジノに通うことが可能なのであります。これの一体どこが依存対策になるんでしょうか。
大臣は、シンガポールを手本にしていると言ってきました。しかし、シンガポールは、NCPGという国立の第三者機関が頻繁なカジノ利用者をリストアップし、家計の状況を審査し、ギャンブルによって家計に困難が生じていれば強制的に回数制限を課すシステムであります。
日本の場合は、入場制限などの依存対策を行うのはカジノ企業です。射幸性を高め、ギャンブル依存症が増えれば増えるほどもうかるカジノ企業が本気で依存対策などできるはずがないじゃありませんか。
法案では、元々、依存対策としてカジノ推進本部が提言に盛り込んでいた一万五千平米というカジノ区画面積の上限が撤廃をされました。シンガポールにあるIRのカジノ区画は一万五千平米であり、初期投資の五十億ドルを五年で回収したとしております。ラスベガス・サンズやMGMが大阪のカジノ計画で示している初期投資額はその倍の百億ドルです。まさに、カジノ面積が一万五千平米ではカジノ企業が求めている投資の回収ができないからこそ、面積上限が撤廃されたのです。依存対策よりもカジノ資本のもうけが優先されたわけであります。
胴元であるカジノ事業者がギャンブル資金を貸し付ける制度も大問題です。多重債務問題の教訓から、貸金業法に盛り込まれた年収三分の一の要件も当てはめず、貸せる上限を判断するのはあくまでカジノ事業者です。収入だけではなく、預貯金、国債、有価証券、土地や建物などの資産を考慮に貸し付けることができます。この貸付制度がなければカジノビジネスは成り立たないとカジノ資本が求めてきたものが実現をするわけであります。利用者の身ぐるみを剥がしてこそ成り立つビジネスの何が公益性か。人の不幸の上に成り立つカジノを推進する石井大臣への問責は至極当然ではないでしょうか。
法案審議の過程で立法事実に関わる重大問題が明らかになりました。大手カジノ企業が、カジノ推進法の提案者である自民党や維新の会の議員に対してパーティー券購入の形で事実上の献金を行っていた問題です。
大手カジノ企業とコンサル契約を締結したあるコンサル会社は、元経産省の職員、元国会議員秘書、維新の会の元議員二名や自民党の比例代表の候補であった方がスタッフとして在籍をしております。まさに政界工作のための人選です。そのような企業から利益供与を受けていたとすればまさに立法事実に関わる重大問題ですが、石井大臣はカジノ法案の審議を推し進めているわけであります。
大阪で進められている万博とカジノは一体です。政府が立候補した二〇二五年大阪万博のオフィシャルパートナーには、ラスベガス・サンズ、MGM、シーザーズ、メルコリゾーツ、ハードロック・ジャパンなど、海外のカジノ資本が並んでいます。カジノ企業がなぜ万博に関わるのか。それは、カジノ単体では税金を使ったインフラ整備の大義が立たないからです。また、万博に来た客をカジノに呼び込むことも狙っています。大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、サブテーマは「多様で心身共に健康な生き方」です。健康長寿をうたう万博をもうけの道具にしようとしているカジノを推進する大臣に、その資格はありません。
結局、カジノ法案は、海外観光客を呼び込むといいながら、ターゲットの多くは日本人です。国や地方の財政に寄与するといいながら、その試算もしておりません。そして、日本人の資産が参入してきたカジノ海外事業者へ流れていく。全く国民のためにならない法案であり、こんな法案を推進する大臣に大臣たる資格がないのは当然ではありませんか。
賛成理由の三つ目は、森友事件の真相解明に背を向けて蓋をする石井大臣には大臣の資格が欠落しているからです。
我が党は、昨年の九月七日に国土交通省航空局長と財務省理財局長などが、会計検査院報告書原案にあった地中ごみの積算金額を削除させようと会計検査院への介入を相談した際のメモを明らかにいたしました。国交省は、同日の会合はしたと認めたものの、メモは削除したとしてごまかそうとしています。
また、六月の十八日、我が党が独自に入手した国交省が作成したと思われる別の文書を私は決算委員会で取り上げました。財務省と国交省が交渉記録の提出についてすり合わせた文書であります。そこには、近畿財務局と理財局とのやり取りについては最高裁まで争う覚悟で非開示とするとあり、また、大阪地検の刑事処分については、官邸も早くということで法務省に巻きを入れているなどと書かれています。
これらが事実とすれば、法治国家としての前提を掘り崩すものであり、国会での真相究明が不可欠です。にもかかわらず、石井大臣はこの文書について省内で確認すら拒否をして、とうとう予算委員長が異例の要請を行うに至りました。ところが、大臣はいまだに調査も確認もしておりません。立法府からの求めに何ら対応する姿勢さえ取らない大臣、今や国会に責任を負うべき閣僚としての資格も、議会人としての資格もありません。
森友事件は、安倍昭恵氏が関与し、森友学園に国有地がただ同然で売却されたことを隠すために公文書が改ざんされた前代未聞の事件です。会計検査院は、ごみの捏造について、国交省も含めて調査を継続をしております。
この期に及んで自ら真相を明らかにせず隠蔽を続ける大臣は、今すぐに大臣の職を解かれて当然であるということを申し上げて、石井大臣に対する問責決議案に賛成の討論を終わります。(拍手)