森友学園取得の国有地/深さ9.9メートルにゴミ「あり得ぬ」/辰巳議員質問に反響

2017年3月31日  

8億円値引きの根拠崩れた
深さ9・9㍍にゴミは存在しないのではないか―。学校法人「森友学園」(大阪市)による国有地取得をめぐる日本共産党の辰巳孝太郎参院議員の国会質問(24、27日の参院予算委員会)が、「これで8億円値引きの根拠が崩れた」と反響を呼んでいます。(渡辺健)

森友学園が取得したのは大阪府豊中市野田町の国有地約8770平方㍍。鑑定価格は9億5600万円でしたが、財務省近畿財務局は昨年6月、森友学園に1億3400万円で売却しました。隣接する国有地9492平方㍍を約14億2300万円で豊中市に公園用地として売却したことと比較しても破格の安さです。

籠池氏も「びっくり」
森友学園の籠池泰典理事長も「想定外の値下げにびっくりした」(23日の証人喚問)という、8億円を超える値引き。その理由とされたのは地下に埋設されたゴミの処理費用でした。
小学校建設予定地の一部は、かつて池や沼で、大量の廃材などが捨てられていました。森友学園が小学校建設のため9・9㍍の、くい工事を始めたところ「想定以上のゴミが埋まっていた」と財務省近畿財務局に申し立て。土地を管理していた国土交通省大阪航空局が算定したゴミ撤去費用8億1900万円などを、財務局が土地価格から差し引きました。
大阪航空局がゴミ撤去費用を8億1900万円と算定した前提は、くい掘削箇所については深さ9・9㍍まで、他は3・8㍍まで廃材等が大量に存在することです。ところが、森友学園による地盤調査(2014年12月)でも、2地点でのボーリング調査とも、深度約3㍍までは「塩ビ片や木片およびビニル片などを多量に混入している」(第1地点)、「ビニル片や木片などを多く混入」(第2地点)と記載されているものの、それより深い層からゴミは確認されていません。

研究機関の分析でも
辰巳議員が、同調査報告書をもとに国立研究開発法人「産業技術総合研究所」に地質分析を依頼したところ、「深さ3㍍までは人工的に埋め立てた埋設土からなり、それより深い部分が天然の堆積物と思われる」と判定。深度10㍍ぐらいでゴミが出てくる可能性について「あり得ません」と回答しています。
国土交通省大阪航空局の地下構造物状況調査でも裏付けられています。同局の委託調査で10年1月、68カ所の試掘を行っています。掘削深度は「地山深度(地下埋設物がなくなる深度)まで」としましたが、試掘結果として地山深度はおおむね3㍍でした。それより深いところに地下埋設物はなかったということです。
地山とは、盛り土などを行わない自然のままの地盤のことです。
森友学園の調査報告書を分析した別の建築・土木の複数の専門家も、3㍍程度の盛り土層の下には「乱されていない」粘土層、砂質土層が存在しており、「廃材が存在することは、まずあり得ない」としています。
国土交通省側は「9・9㍍付近の状況を目視で確認することはできない」としながらも、9・9㍍の、くい工事中に廃材等が出てきた事実や、掘削を終えた掘削機の先端部に絡みつくほどの廃材等が存在することが工事写真などで確認できたとして「地下9・9㍍の深さまで、廃材等が存在していると判断」したと説明しています。
これは辰巳議員が指摘したように、撤去されずに放置された深さ約3㍍までのゴミが、掘削機の先端部分に絡みついたものと考えられ、9・9㍍の深さまで廃材が存在する証明にはなりません。

航空局委託調査でも
辰巳議員の追及に石井啓一国土交通相は「ボーリング2カ所で、地層を全部代表するのは極めて困難だ」「地域によって地層が全然違う」として「9・9㍍にゴミがないというのは、無理だ」と答弁しました。
この石井答弁は、2カ所の調査結果については事実上認めた上で、反論を試みたものですが、森友学園の報告書の推定地層断面図でも地層はほぼ水平です。すぐ近くの豊中市第10中学校の建設工事のさいの調査でも、埋設物混入の地層と粘土層の境は深さ約3㍍でほぼ水平です。なにより、石井氏が大臣を務める国交省の大阪航空局が10年に委託調査した結論は、地下埋設物がなくなる地山深度はおおむね3㍍でした。この調査結果は、その後に森友学園の小学校建設予定地となった全域を5㍍間隔で地中レーダー探査をした上で、推定された異常箇所の範囲に基づいて68カ所試掘した結果です。これほど綿密な調査を「不十分な調査」といえるでしょうか。
「深さ9・9㍍からゴミが出るはずがないというのが専門家の常識。過大な見積もりで過大な値引きをしたことがはっきりした」(辰巳議員)。なぜこのような値引きが行われたのか、疑惑は深まるばかりです。
国有地払い下げをめぐって安倍首相夫人の昭恵氏の関与があったのではないか―という疑いも強まっています。「神風が吹いた」「見えない力が動いたのではないか」と籠池氏が証言する〝神風〟〝力〟の正体の解明が求められます。

森友学園取得の国有地/混入率47%にも疑義
8億円の値引きのもう一つの算定根拠となった、廃材等の混入率にも疑問が生じています。
国土交通省の説明資料では、大阪航空局が「混入率は『47・1%』と判断」した理由について、地下構造物状況調査で68カ所を地山まで試掘したところ28カ所で廃材等を確認し、その28カ所の廃材等混入率を算出したところ平均値が47・1%だったとしています。
なぜ、68カ所平均ではなく、廃材等が確認された28カ所だけの平均なのか。大阪航空局の10年調査の報告書は、68カ所の掘削結果による混入率は20・7%と記載しています。今回の見積もり対象地域44カ所の掘削結果で計算しても28・1%です。混入率47・1%は、いかにも過大です。

2017年03月31日付け赤旗( 日刊3面3頁)を転載