新しい“安全神話”だ 九電パンフで辰巳議員

2017年4月25日  
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日本共産党の辰巳孝太郎議員は4月25日の参院経済産業委員会で、玄海原発で事故が起きても健康被害が生じないかのように描いたパンフレットを九州電力が住民に配布していることを示し、「新たな安全神話をふりまくものだ」と批判しました。

玄海原発3、4号機をめぐって佐賀県の山口祥義知事は24日に再稼働に同意を与えました。九電が住民説明会などで配布したパンフには「万が一の事故の際においても、放射性物質の放出量は、福島第一原子力発電所事故時の約2000分の1の『4・5テラベクレル(一基あたり)』」「格納容器は破損せず」などと記述しています。

「ことさらに『安全』を強調している。格納容器は破損しないと絶対に言えるのか」とただした辰巳氏に、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「水素爆発とは全く別のことが起きれば話は別」と答弁し、破損する可能性を認めました。

辰巳氏は「住民を惑わす表現を用いた公報活動は問題だ」と重ねて批判。世耕弘成経産相は「分かりやすく説明することが重要だ」と答弁しました。

2017年5月5日付「しんぶん赤旗」より引用


議事録を読む

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 早速、まず世耕大臣にお聞きします。
 大臣は、安全神話に浸ってきたことを反省するということをおっしゃっておられます。では、なぜスリーマイル、チェルノブイリなど過酷事故を見ながら、この安全神話、学ばなかったのかということだと思います。
 本会議でも聞きましたけれども、改めて聞きます。原発の危険性を語れば原発を各地に造ることができなかったから、だから国民に安全神話を振りまいたと、こういうことではないんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 先般の本会議でも辰巳委員から御質問をいただきました。政府は、安全神話を振りまいて、地震大国日本に原発を増設させてきたのではないかという御指摘をいただいたわけであります。具体的な個々の原発の建設や運営については、政府が決めたものではなく、民間事業者の判断によって進められてきたものであるという答弁をさせていただいたところであります。
 これまで各種の事故調の報告書でも指摘をされているとおり、政策当局も含め、原子力事業の関係者がいわゆる安全神話に陥って、福島第一原発のような悲惨な事故を防ぐことができなかったことへの反省はいっときたりとも忘れてはならないというふうに思っております。担当大臣として、エネルギー、原子力政策を進めていくに当たって、常にこのことを胸に刻まなくてはならないというふうに考えています。
 こうした反省に立つからこそ、逆に政府として、独立した原子力規制委員会を設置をするとともに、福島第一原発事故の教訓を踏まえて世界最高水準の新規制基準を策定をしたところであります。万が一の事故に備えた避難計画についても、実践的な避難訓練などを通じて継続的な改善に努めてまいりたいというふうに思います。
 原子力政策を担う立場からは、原発事故の教訓を忘れず、いかなる事情よりも安全を最優先する意識を徹底させていくことによって社会的な信頼の回復に努めていく責務があると考えております。
○辰巳孝太郎君 やはり私の質問には正面から答えていただけないわけなんですけれども、この安全神話から本当に決別をしたのかということなんですね。
 昨日、玄海原発三号、四号機の再稼働に知事が同意をしました。せんだって、一月には規制委員会が規制基準の合格を示す審査書を決定をしております。今日は資料にも付けておりますが、この九州電力ホームページに掲載されている玄海原発のパンフにはこう書かれているんですね。万が一の事故の際においても、放射性物質の放出量は、福島第一原子力発電所事故時の約二千分の一の四・五テラベクレル(一基当たり)であることが確認されました。これ、私が下線を引いたわけじゃなくて、元々下線がそこには引かれているわけなんですけれども、この二千分の一というのは規制委員会の使っている数字では当然ないということは確認をしておりますけれども、この福島の二千分の一である四・五テラベクレルであれば、これ健康被害というのは起こらないという、こういう理解でよろしいですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 福島で放出されたセシウム137の量に比べまして、規制基準の基本はその大体百分の一ぐらいにしようと。この趣旨は、環境を汚染してしまうと長期の避難を余儀なくされるというようなことがありますので、そういったことのないようにするということで、要求としては百テラベクレル以下ということを要求して規制をしております。
 それに対して、九州電力の玄海の方のいろんな対策を、いろんな重大事故を想定した場合の最大放出量というのを評価しまして、大体四・五テラベクレルぐらいということになります。四・五テラベクレルですと、その健康被害ということですけれども、大体、何もしないで外にいた場合でも、二キロぐらいのところでは一ミリシーベルト以下になると、被曝線量が。ということですから、もう基本的に何もしないでいるということではなくて、今事故が起きた場合には、その備えを、屋内退避をするとかそういったことも含めて対策を求めておりますので、はるかにそれよりも低くなるということでございます。
 ですから、健康被害は四・五テラベクレルであればないと、ないというか、確率的影響というのがいろんな評価の仕方はありますけれども、そういったことで、確率がゼロかといったら、それは、国際的にも一応影響についてはリニアモデルを使っておりますので、ゼロではないですけれども、基本的に国際的にも評価されているようなことでの健康被害はないものというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 規制委員長からそういう、まあ、ないんだ、確率的にはないんだという話を聞くと非常に違和感があるんですけれども、この資料の二枚目にはこうもあるんですね。重大事故が発生した場合でも格納容器は破損せず、放射性物質の放射量は四・五テラベクレルになることが原子力規制委員会で確認をされましたと、こういうことなんですが、この格納容器というのは、これはもう絶対に破損はしないと、こういう理解でよろしいんですか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 格納容器は、いわゆるこういった事故のときに最終的に放射能を閉じ込める最終的なとりでになるというふうに考えておりまして、福島事故の経験で、結局あれが水素の爆発によって壊れたということもありますので、水素の再結合装置を多重に備えるとか格納容器の冷却を備えるとかということで、格納容器が壊れる、格納容器から漏れないということではありませんけれども、格納容器が壊れるような事態は考えなくていいようにしてあります。
 ですから、全く特別のことが起こればまた別ですけれども、今私どもが考えているいろんな想定をした範囲内では、格納容器は壊れないように求めております。
○辰巳孝太郎君 求めているということで、本当に壊れないかどうかというのは分からないということだと思うんですね。
 この後段には、四・五テラベクレルなんだと、このため、UPZ圏内、発電所からおおむね五キロから三十キロの住民の皆様は、事故が起きてもすぐに避難する必要はなく、屋内退避していただくことになりますと、こういう記述があるんですよ。これは、四・五だから屋内退避でいいということなんですか。例えば、これが百とか二百テラベクレルであればそうじゃないということなんですか。これはどうなんですか。
○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。
 原子力災害対策指針の基本的な考え方といたしましては、原子力災害が発生した場合、まず、放射性物質が環境へ放出する前に、予防的に五キロ圏内、いわゆるPAZでございますが、については避難、三十キロ圏内、UPZは屋内退避を行うというのが基本でございます。
 これは、放出量いかんにかかわらず、基本的にこういう考え方に立っているということでございます。その上で、放射性物質が放出された場合にはモニタリングを行い、その結果に基づいて一時移転等の防護措置をとると、こういう考え方になっております。
 なお、この玄海原発の四・五テラベクレルということであれば、屋内退避で十分な防護措置がとられるというふうに考えてございます。
○辰巳孝太郎君 これ、別に四・五じゃなくて、百でも二百でも結局屋内退避なんですよ。
 私が申し上げたいのは、これら九州電力が作っているパンフレットの例えば下線の引き方であるとか二千分の一であるとか、こういう作り方がどのように地域の人たちに伝わるのか、九州電力が伝えようとしているのかということだと思うんですね。
 四・五テラベクレルだからよいというものではありません。結局、これ避難をしなきゃならないわけですよ。結局、福島のような避難をこういう事故が起こればしなきゃならないということなんですね。
 世耕大臣にちょっとお聞きしますけど、世耕大臣はこういうPRの担当なんかもされていると思うんですけど、こういう書き方は、安全神話、これやめるんだというのであれば、やはり表現に気を付けるべきじゃないかと最低でも私思うんですけど、いかがですか。
○国務大臣(世耕弘成君) ちょっと、この個別のホームページ全体の書き方がどうなっているかというのはちょっと今この段階では分かりませんので、コメントは控えさせていただきますけれども、当然、分かりやすい説明を誠実に行うことが重要だというふうに考えます。
○辰巳孝太郎君 法案の中身を聞いていきたいと思うんですけれども、政府の方針は、過去に積んでおくべきだった原発事故で発生した賠償の費用を新電力の利用者からも託送料金で徴収するスキームであり、これにもう誰も納得できないと、こういう声が出ているわけですね。大臣が言うとおり、通常の取引ではなくて、原賠機構法上の条文の根拠もなく国民にツケ回しをしようとするものであります。
 政府の説明によると、福島事故前に確保されるべきであった賠償への備えは三・八兆円だと。二〇一一年から一九年までの一般負担金である一・三兆円を引いた残りの二・四兆円を二〇二〇年から託送料金に上乗せをするということですね。
 ちょっと確認したいんですけど、二〇一一年から二〇一九年の間に納められる一般負担金は、これ事故以降に、つまりこれから事故が起こったときのために備えておくべきものであって、それを今回、過去の不足分から控除するというのは、これ理屈として私はおかしいんじゃないかと。つまり、万が一、二〇二〇年までの間、それ以降でも結構ですけれども、事故が、同様の事故が起こってしまったら、この一・三兆円分というのは、これ今既に福島の方にも回っていますから、返済にも回っていますから、ないわけですね。じゃ、新たに事故起こしてしまった場合の賠償費用というのは、これどうやって工面されるんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、考え方をちょっと御説明させていただきたいと思っていますけれども、今回、福島の原発事故以前には原賠機構法が措置されていなかったものですから、いわゆる原発事故の賠償への備えが不足をしていた、これを現行の原賠機構法の一般負担金の算定方式を前提に算定をしていったということであります。
 具体的には、現行制度では、各原子力事業者が納付する一般負担金の額は各事業者が保有する原子力発電所の設備容量などを基準に決定をされていることを踏まえて、現在の一般負担金の設備容量当たりの単価を千七十円キロワットと算出した上で、これに原賠機構法成立以前の全事業者の設備容量の累計である三十五億キロワットを乗じることで、福島事故前に確保すべきであったと考えられる額の総額を三・八兆円とさせていただきました。
 その上で、現行の機構法において費用の発生が明らかになった時点で、その時点の料金原価に算入をして、全ての消費者から公平に回収するという規制料金の考え方を前提として、一般負担金というのは備えの不足分も含めたものとなっていたわけであります。
 こうした経緯も踏まえた上で、全ての消費者に負担を求めるという観点から、最も保守的な考え方に立って、託送制度を利用した回収を開始する二〇二〇年までの間、回収開始を二〇二〇年と想定をして、二〇一一年から一九年までの間に納付されると想定される一般負担金の総額一・三兆円をあえて全て備えの不足分と整理をして、それを控除して二・四兆円と算定をさせていただいたわけであります。
 二〇二〇年以降に事故が起こったらどうするのかということでありますが、そういうことはまず起こるべきではないとは思っていますが、起こった場合はこの原賠機構法に沿った対処がされることになるんだろうというふうに思っています。
○辰巳孝太郎君 ということなんですよ。今、一般負担金というのは福島の方に回っているんですね。今、託送料金、公平性という観点からという議論ですけど、私が言っているのはそうではなくて、つまり、東電はもう原因者として特別負担金を払っていると。それのみならず、ほかの電力会社も現在、一般負担金を負担をしているわけですけど、それは全部福島に回っているわけですから、仮に万が一もう一つ事故が、同様の事故が起こった場合というのは、これ、起こした事業者は特別負担金を負担するでしょうということになりますね、機構法上。じゃ、一般負担金どうなのかと。今、一千六百三十億円のこの決め方というのは、これは機構の業務に十分であることということと、もう一つは、電力事業者が安定的な電力供給に支障がないことということで一千六百三十億円なんですよね。つまり、ここから上振れしてしまうと、これは逆に言えば、安定的な電力供給に支障が出てくる可能性があるということなんですよ。
 私が言っているのは、もし起こってしまえば、この機構法のスキームでは、一般負担金、これ取れなくなるんじゃないかということを言っているんです。これいかがですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 機構法のスキーム自体は、仮に、あってはならないことでありますけれども、仮に事故が起きた場合にも対応できるスキームだというふうに考えております。その上で、仮に、起きてはならないことでありますけれども、仮にそういった事態が起きた場合には、機構の事業に必要な資金というものを運営委員会の方で改めて判断していくことになると思いますけれども、いずれにいたしましても、そのようなことは決して起こしてはいけないということだと思います。
○辰巳孝太郎君 可能な根拠を教えていただきたい、機構法で起こっても可能な根拠を教えていただきたい。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答えさせていただきます。
 スキーム上は、この機構によって、そのスキームによって必要な賠償の資金を負担金として原子力事業者から回収することになっています。その原資は、そもそもは国が、この機構の資金の原資は交付国債によって賄われるものでございますので、この交付国債によって必要な資金は確実に国の方で手当てをした上で、その上で必要な資金を一般負担金と特別負担金という形で回収していく。その際には、先ほど、機構法の規定にあるとおり、必要な資金、それから事業者の経営に支障がないようにという観点から運営委員会が決めていくということになるということでございます。
○辰巳孝太郎君 確かに、交付国債で直接的な東電の救済のために流れていっているわけです。しかし、今回、過去分も含めて不足する分、取るべきだったものとして三・八兆円というのを徴収をしていくわけですね。ですから、これ必要なんですよ。これ、一般負担金は徴収しなければならないんです。それでもできるんだということを言うのであれば、一千六百三十億円というのがまだ低いと、もっと各電力会社は負担する能力が今でもあるということになってしまうわけですよ。そういうことなんですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 済みません、もう一度お願いします。
○辰巳孝太郎君 つまり、おっしゃっているのは、賠償や事故の処理に直接交付国債で行くわけですから、そこの部分としては確かにお金がショートすることはないかもしれません。しかし、その分というのは、特別負担金や一般負担金などで各電力事業者が、これは託送になろうが何になろうが、これは賄うんだということで今回過去分の徴収ということをやるわけですよね。これ、やって返していかなあかんわけですよ。その金額として一般負担金は一千六百三十億円という金額を設定しているわけです。
 これは、一千六百三十億円というのは電力会社にとって、安定的な電力、これ事業が継続できる、これいっぱいいっぱいなんだと、こういう話なんでしょう。そうじゃないんですか。もっと余力があるんだったらもっと負担させたらどうですか。
○国務大臣(世耕弘成君) もう一度問題を整理しておきますと、まず、起こっちゃいけない、万々が一もう一つ事故が起こった場合、その賠償に関しては交付国債できちっと担保がされるというのが原賠機構法のスキームであります。あとは、じゃ、その交付国債を事業者がどういう形で負担をしていくかという形になっていくわけであります。
 その負担の金額については、今千六百数十億円という形になっていますが、これは運営委員会がその都度、電力会社の経営状況に合わせて総合的に、さっき大きく三つの要素を申し上げましたが、それで判断をしていくということであります。ですから、そのとおりのスキーム、そんな事故はあってほしくはありませんけれども、今私が申し上げたとおりのスキームが万が一もう一つ事故が起こった場合には当てはめられるということだというふうに思っています。
○辰巳孝太郎君 ということは、もう一度確認しますが、万が一事故が起こったとき、この一般負担金というのは増えると考えるのか、同じだと考えるのか、どうですか。
○国務大臣(世耕弘成君) これは、ですから、運営委員会で決めていただく問題だというふうに思っています。千六百三十億円がもう本当に電力会社の事業運営上支障が生じるということであれば、それは、もうそれが限界値ということであれば、そのファクターで判断をされるというふうに思っています。
○辰巳孝太郎君 結局はっきりそれは言わないわけですね。
 はっきり分かったことは、万が一事故が次に起こっても、これは国の税金で全部見ていくということなんですよ、交付国債で。これは返済がいつになるか分からないということなんです。千六百億、じゃ、これどれぐらい期間掛かるか分からないわけですよね。そういう原発は事業だということなんですよ。それがはっきりしたと思います。
 続けて、解体引当金についてお聞きしたいと思うんですね。
 解体引当金は、廃炉に必要な費用を積み立てるものであって、これ総見積額というのを算定した上で二〇一三年までは各原子炉、発電実績に応じて積み上げられてきたわけであります。電力システム改革貫徹のための政策小委員会中間とりまとめでは、この未引き当て分について廃炉会計制度の対象とすると、こういう記述があるわけですけれども、これは、つまり不足する分を、廃炉のために必要なお金、不足する分を託送料金に乗せるということで、こういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘の解体引当金の未引き当て分については、現在、解体引当金省令に基づいて原子力事業者が原則五十年掛けて自ら積み立てる、引き当てるという形になっているわけであります。小売部門の規制料金が撤廃をされた場合は、廃炉を決めた時点で、廃炉時点で引き当てが完了していない分、すなわち未引き当て分ということになりますが、これを一括して費用認識する必要が出てきます。
 ただ、こういった費用認識が生じることによって、事業者が、それだったら、本来はもう廃炉をしたいんだけれども廃炉はやめておこうかなというようなことで判断がゆがむ可能性がある、円滑な廃炉に支障を来すことがあり得る、これは我々も原発依存度を下げていくという政策を持っているわけですから、適切ではないということで、一括で費用認識を求められる未引き当て分に限定して託送制度を利用して回収することで費用を分割して計上する仕組みとしたわけであります。託送を使うということは、みんなで負担するのが適当だということでありますが、これはやはり廃炉を、しっかりと適切な廃炉判断を事業者に行わせるという公益上の明確な理由があると考えております。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、発電部門で徴収すべきものをなぜ託送でやるのかという、これ根本の問題なんですね。
 もう一つ問題は、この各原発は運転期間を基本は四十年、設備利用量を七六%としてこれまで廃炉費用を見積もってまいりました。この制度の改変の前においても、二〇一三年、これ四十年原則にすると、こういう前においても、これは運転期間が四十年経過した時点で未引当金が存在する原発というのがあるわけなんですね。
 つまり、それは制度改変由来の未積立金ではなくて、原発事業者自身の責任によってこれは生まれた未積立金だと、こう言えると思うんですね。それを今回託送に乗せるということは、これ原発と無関係の新電力にもこれを負担させるということになるんじゃないですか。これどうですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 少しちょっと考え方が違うかなというふうに思います。
 まず説明をさせていただきますと、解体引当金については、二〇一三年に制度改正をしたわけでございます。そのときに、そもそもは運転期間四十年、設備利用率七六%を前提としておりました。この生産高比例法に基づいて、事業者はこのルールに基づいて引き当てを行ってきたわけです。
 ただし、その制度改正の中でこのルールが変わったということでございまして、事業者はこのルールに沿って引き当てをしてきたものですから、そのルールの変更によって生じたものというふうに解釈します。
○辰巳孝太郎君 違います。
 つまり、二〇一三年の制度改変その時点で例えば四十年を過ぎた、美浜原発一号機だったらそうですね、四十年を過ぎた原発で未積立金が存在する原発もあるでしょう。それは事業者の責任なんですよ。制度が変わったから未積立金があるんじゃないんです。その前から、四十年過ぎた段階で未積立金があるんですよ。それを何で今回新電力にも負担させないといけないのかって言っているんですよ。考え方の話なんです。どうですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) そもそも、この制度の趣旨でございますけれども、自由化が進む中で事業者に合理的な廃炉判断をしてもらう、合理的な廃炉判断がゆがまないように制度措置をするということで、解体引当金については、引き当てが完了していない分につきましては、この未引き当て分に限定をして当該費用を分割して計上する措置ということを講じているわけでございます。
 本制度は、規制料金により費用が着実に回収されることを前提としたものでございまして、小売の規制料金が撤廃された場合には制度が成り立たなくなるわけでございます。したがいまして、この制度を措置しなければこの制度の趣旨が果たせないということで措置するものでございますというのが趣旨でございます。
○辰巳孝太郎君 それは私への明確な反論になっていないわけですけれども、結局、これ原発への優遇になっちゃうわけなんですね。
 貫徹小委員会の委員からは、過去に事業者がこの未積立金の上振れのリスクを事業者は否定していたじゃないかと、こういう経緯もあるんだから、こういうスキームはおかしいじゃないかという疑念の声も出されております。それと、ワタミファーム・アンド・エナジーの方、創業者おられますけど、こうおっしゃっているんですよ。風力やソーラー事業を行う際、金融機関から融資を受けるけれども、これ最後の事業廃止の際に掛かる費用まで見込んで用意するんだ、なぜ原発だけ前もって廃炉費用を見込んでおらず、今から廃炉費用を託送に転嫁するのかと、こうおっしゃっているんですよ。これ私、当然の主張やというふうに思うんですね。
 次の質問に行きたいと思うんですけど、原発の解体に必要な費用の総額ですね、総見積額。さきにあったように、解体引当金というのはこれ一定の算定式に基づいて算出をされております。じゃ、この総額が上振れした場合はどうなるのかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 まず、先ほどの点について申し上げますと、廃炉作業に要する費用は、これはやはり原則として原子力事業者が負担すべきものという考え方に立っております。したがいまして、前倒しで廃炉を判断するということがなければ、原子力事業者がこの引当金ルールに沿って期間の中で引き当てをしていくということになっているわけでございます。そのような中で、廃炉の判断にゆがみを与えてはいけないということで措置をするのがこの廃炉に伴う措置でございます。
 その上で、今御質問の点でございますけれども、現行の解体引当金は、過去の審議会において技術的に検討された算定式に基づいて個別ごとに算出したものでございまして、現時点で合理的に見積もることができる費用が不足なく含まれているものと考えております。
 他方で、今後の廃炉作業の進展等に伴って新たに得られる知見などを考慮しました場合に、発電所や原子炉ごとの個別の事情により総見積額の見直しが必要となる可能性も確かに否定はできないところでございます。
 御指摘の措置は、こうした事態が生じた場合でも、廃炉作業に要する費用が適切に確保できるように、個別の事象が明らかになった時点で速やかにこの総見積額に反映できるように措置するということになっているところでございます。仮にこの仕組みを活用して総見積額が増加した場合も、残された引き当て期間で事業者が引き当てるということになりますものですから、その費用は発電部門の費用として事業者が小売料金で回収すると、こういうことが原則となっているところでございます。
○辰巳孝太郎君 時間が来ましたので最後一問だけにしますが、廃炉の過程で、三十年、四十年ですね、実際の費用が総見積額を超過する場合でも、これは託送ではなくて発電部門で徴収するということでよろしいですね。これ確認、大臣。
○国務大臣(世耕弘成君) そういうことで結構でございます。
○辰巳孝太郎君 原発やめましょうということで、私の質問は終わりたいと思います。