戦争法案で質問。イラク派兵時の民間動員の実態と新手の「徴兵」計画を暴露

2015年8月26日  

 

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26日、安保特別委員会で戦争法案について質問。

当日の報道ステーションでは、民間機の武器弾薬輸送を取り上げてくれました。

イラクに行った陸自の輸送のほとんどが民間に依存していました。

アントノフ、ブリティッシュエアウェイズ、タイ国際空港、そして日本航空。日航は隊員等、それ以外の航空会社は陸自がサマワに持っていった110ミリ対戦車弾、84㍉無反動砲、12.7㍉重機関銃などを運んでいたということです。

非戦闘地域の復興支援でもこれだけ民間に依存しなければなりません。しかもこれは法案に基づいて政府行う「協力要請」ではなく、あくまで「契約」ですので、法案が規定している「安全確保」義務はありません。

自衛隊の活動範囲が広がれば危険も広がります。そして自衛隊に依存されている民間企業の危険も広がります。どの国民にも無関係な話ではありません。

 

後半は、衝撃の暴露でした。なんと防衛省は、民間企業を通じた自衛官確保策を考えていました。

民間企業が就職すぐの新入社員を2年間インターンシップで自衛隊に派遣し、2年後会社に戻すプログラム。自衛隊志願者が減る中、新手の「徴兵」です。

防衛省作成のイメージでは企業側のメリットとして、「自衛隊製『体育会系』人材を一定数確保することができる」としています。企業に従順な社員にして返します、ということでしょうか。

また、課題として「企業側に対する何らかのインセンティブ付与が不可欠」とも。すでに予備自衛官を雇った建設会社が公共事業における入札で有利になる制度があります。今回のシステムでも補助金支給などを考えていたのでしょう。

業績芳しくない企業は、公共事業や補助金欲しさに自らの社員を自衛隊に差し出すことになるかもしれません。 しかも業務命令だと断れないし「有事」になれば出動命令の対象にもなります。

防衛省は2013年に作成しもう検討はしていないと答弁していましたが、このような発想そのものが恐ろしいと言わなければなりません。

 

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議事録を読む

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 民間会社にも大きな影響を及ぼす戦争法案の中身について質問をいたします。
 公開されたイラク復興支援活動行動史には、民間という言葉が何度も出てまいります。つまり、民間業者やその労働者が派遣活動の中に組み込まれてきたということであります。この行動史には、本派遣は総輸送力の九九%を民間輸送力に依存したとも記されております。
 大臣、これ事実ですか。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘のイラク復興支援活動行動史第一編第二章、派遣準備におきまして、本派遣では総輸送力の九九%を民間輸送力に依存をしており、本貨物機アントノフを延べ三十七機利用との記述がございます。ただし、九九%という数字につきましては、民間輸送力に大きく依存をしていたことを端的に表現をしたものでありまして、数量的な裏付けがあるものではございません。
○辰巳孝太郎君 では、どのような民間輸送力の依存があったのか、具体的に述べてください。
○国務大臣(中谷元君) イラク特措法に基づく活動に際しましては、政府専用機や自衛隊機の輸送機、輸送艦も使用いたしましたが、部隊派遣、要員の交代、撤収、これに伴う物資の輸送など、約六年間に及ぶ活動期間に必要な輸送ニーズ、これを満たすために、民間業者と契約の上、民間の航空機又は船舶を活用をいたしました。
○辰巳孝太郎君 もう少し具体的に聞きたいと思いますが、イラク復興支援時の渡航に使われた民間航空や船舶のその回数と全体の中での割合、そして民間による技術者派遣は何回行われ、延べ何人が派遣されたんでしょう。
○国務大臣(中谷元君) これは、イラク特措法に基づきまして、平成十五年十二月から平成二十一年二月までの間、イラクやクウェートに隊員を派遣をし、おおむね四か月から六か月ごとに部隊を交代をさせました。
 これに伴い必要となる要員や物資等の輸送手段につきましては、具体的な輸送先、輸送内容、緊急性等に応じて異なりますけれども、日本とクウェート間の輸送について概略申し上げれば、要員の輸送につきましては基本的に航空機より輸送しておりまして、政府専用機により延べ二十四回、民間航空機により少なくとも延べ百回輸送しております。また、物資の輸送につきましては、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」により一回のほか、少なくとも民間船舶により延べ十隻、主としてアントノフ輸送機により延べ六十三回輸送をいたしております。
○辰巳孝太郎君 民間による技術者派遣も聞いたんですけれども、何回行われ、延べ何人が技術者として派遣されているでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 民間輸送機、航空機の輸送については、アントノフ航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、タイ国際航空など民間航空機を利用しておりまして、これらの会社と契約をいたしております。また、日本航空におきましても、撤収の際に、平成十八年七月から九月までの間派遣する隊員を輸送した実績等がございます。
 これでよろしいでしょうか。
○辰巳孝太郎君 技術者派遣、何人。
○国務大臣(中谷元君) 技術者につきましては、そういった事例がございまして、平成二十一年八月時点で契約相手方からの聞き取りなどを基に可能な範囲で集計をしたところ、延べ三十九名、これが派遣されたと承知しております。
○辰巳孝太郎君 情報公開請求で開示された契約書には、大手物流会社、日本通運ですけれども、が受注して、民間航空機などを使ってクウェートに装備品などを運搬していたということでございます。答弁していただきましたけれども、そこで使われた民間航空機というのが、アントノフであったり、ブリティッシュ・エアウェイズであったり、そしてタイ国際航空であったりしたということであります。そして、日航も一度あったという答弁だったと思います。
 装備品ということがこの契約書の中にも幾つか出てくるんですけれども、この装備品と書かれているものは何なんでしょうか。
○委員長(鴻池祥肇君) 中谷大臣。(発言する者あり)中谷大臣、答弁してください。
○国務大臣(中谷元君) 人道支援物資等でございます。
○辰巳孝太郎君 武器弾薬も含まれているんじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) 含まれております。
○辰巳孝太郎君 つまり、アントノフ、ブリティッシュ・エアウェイズ、タイ航空、またJALなどがこういう武器弾薬を運んでいたということでよろしいですか。
○国務大臣(中谷元君) 民間の輸送機の、航空機の輸送につきましては、アントノフ、ブリティッシュ・エアウェイズ、タイなど民間機を利用しておりまして、武器弾薬の輸送を含め、物資の輸送につきましてはこれらの航空会社と契約をいたしておりました。
 日本航空につきましては、隊員の撤収の際に帰国する隊員を輸送した実績がありますが、武器弾薬、これは輸送をいたしておりません。
○辰巳孝太郎君 衆議院での審議では、自衛隊はサマワに百十ミリ対戦車弾、八十四ミリ無反動砲、十二・七ミリ重機関銃などを持っていったということが明らかになっていますけれども、これらの武器弾薬などもこういった民間航空会社が運んだということでよろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) 先ほどお答えをさせていただきましたけれども、民間の航空会社と契約をして輸送したということでございます。
○辰巳孝太郎君 イラク復興行動史にあるとおり、ほとんどの輸送が民間に依存をされてきたと、しかも、武器や弾薬まで民間航空機が運んでいたということが初めて明らかになりました。
 私が感じるのは、その復興支援で使われた民間の、民間ですよ、復興支援でさえこれだけ民間機が使われているわけですよ。武器弾薬が運ばれていると。しかし、その民間の活動をまとめていないわけですね。復興史にも詳細が出てこないわけです。二〇〇九年の七月に政府が作成したイラクでの対応措置の結果、これを報告した文書でも全く触れられていないわけでございます。
 復興支援でこれだけ民間が関わっていると。ましてや、集団的自衛権の行使や後方支援が民間の協力なしではできない。私は、政府はそういう総括もなしに今この法案の審議が、議論が行われていると、これ、前提が崩れるというふうに思うんですね。
 委員長に求めたいと思いますが、このイラク復興支援活動の中での民間協力、民間の活動の実態についての資料を求めたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) 後の理事会にて協議をいたします。
○辰巳孝太郎君 さて、これら民間協力は、イラク特措法十九条、これ国以外、つまり民間企業などに協力を求めることができるという法文があるんですけれども、この条項に基づいての協力要請なんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) このイラク特措法に基づく自衛隊の活動に際しましては、主として日本とクウェートの間の移動について民間航空機等を使用しましたが、これらの契約に際しましては、特措法第十九条、民間協力等の規定に基づき民間企業に対して協力を求めたものではございません。
○辰巳孝太郎君 そうなんですね。つまり、契約であれば、これ法に基づかなくてもできるということであります。
 イラク特措法には、復興職員及び自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならないとされていますけれども、このイラクに行った民間企業の従業員はこの安全確保の範疇の中に入るんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この九条というのは、イラクの復興支援職員と自衛隊部隊との安全確保に配慮することを規定したものでありまして、この対象に民間企業の職員は含まれませんが、自衛隊が業務を実施していく上で業務に関係する者の安全確保には万全を期すべきことは当然でございます。
○辰巳孝太郎君 この法文上の安全の確保には入らないということなんですね。
 厚労省にちょっと聞きたいと思いますが、現地に派遣された民間企業の労働者は、労働安全衛生法にはこれ適用されるんでしょうか。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 労働安全衛生法は、原則として国内においてのみ適用され、海外に派遣されて現地で作業に従事する労働者には適用がございません。
○辰巳孝太郎君 適用されないということですよ。労働者が仮に経営者からこれ派遣に行けと、イラクに行けと、そのことを拒否すれば、これ業務命令違反にもなるわけですね。
 民間航空会社始め民間の業者がイラクでの活動に深く関わっていたということが明らかになりました。そして、契約で従事した民間企業労働者は、安全確保義務の適用もなくて安衛法などの適用もないということがイラクの派遣については実態ということが分かりました。
 問題はこれからなんですね。審議中の今の法案では、国際平和支援法という新法、そして周辺事態法というのが重要影響事態法に改定をされると。つまり、自衛隊は、これまで他国の領土では活動ができなかったものが活動できるようになり、これまでの非戦闘地域から現に戦闘が行われている現場以外では後方支援活動が認められることになりました。活動範囲が広がったと、これは間違いないですね。
○国務大臣(中谷元君) 周辺事態法におきましては、政府としては我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態という極めて緊迫をした事態に際して、我が国の平和と安全を確かなものとするために、関係行政機関が協力して対応し、また地方公共団体、民間企業等に対しても必要に応じて協力を求めることが想定されておりますが、この点は重要影響事態法でも変わりはありません。
 その中で、現行の周辺事態法第九条第二項、これは国以外の者による協力について定めるものでありますが、あくまでも政府が行うのは依頼でありまして、協力の義務を課すといったものではございません。また、民間企業に協力を依頼する場合には、まず安全が十分確保されていることが当然の前提であることから、主として国内における輸送、傷病者の受入れ、施設等の貸与などの対応をしていただくことを想定しております。
 他方、具体的な個別の状況につきましては、安全が確保されていることを前提に、国外においては、例えば自衛隊の活動拠点やその近隣の空港、港湾までの物資の輸送、故障した機材の緊急の修理といった対応をしていただくことは排除をされないということでありまして、戦闘行為が発生したり、またそのおそれがあるような危険な地域において、これらの行為を民間企業に行っていただくことはあり得ません。また、本来自衛隊が行うべき米軍等への後方支援活動自体につきましても、民間企業に言わば肩代わりとして行っていただくこともあり得ません。
 いずれにしましても、民間企業による物資の輸送等につきましては、法的に義務を課すということはなくて、あくまでも民間企業自らの判断で政府と契約を結ぶなどして対応をしていただければよくて、これは現行法においても同様でございます。
○辰巳孝太郎君 大臣、まだ聞いていないことに答えていただかなくて結構なんですよ。
 それで、範囲は広がるんですよ。自衛隊が行けるところが民間業者の行けるところになるわけですね。どういうところに行ってきたか、これ非戦闘地域ですね。しかし、自衛隊が駐留したサマワでは、これ非戦闘地域とされましたが、そこも危険な地域だったということが様々な開示請求資料でも分かっております。
 先ほどの運搬したものの中には車両搭載対策機材というのがあるんですけれども、これはIED、つまり即席爆発装置の遠隔操作を妨害する電波だと、発するものだということも言われております。実際、二〇〇六年の五月三十一日には、陸上自衛隊車両とともに行動していたオーストラリア軍がこのIEDによる攻撃に遭っているということであります。九条の話をされましたけれども、九条によらなくても自衛隊が民間会社とこれ契約をすれば、これはどこまででも行けるということであります。
 この後方支援活動でも使われた、復興支援活動でも使われた民間航空機についても少し聞きたいと思うんですね。
 国際民間航空条約、シカゴ条約は、民間機の保護のため、軍事利用というのを原則禁止をしております。同条約は民間航空機のみに適用されて、軍の業務に用いる航空機は国の航空機とみなされて、同条約が適用されません。軍事利用は、民間航空の至上命題の安全輸送の理念に反するからだというのがこの条約の理念であります。
 外務大臣に聞きますけれども、自衛隊や米軍がチャーターをした民間機が自衛隊員や武器弾薬を輸送した場合、この条約における三条(b)の軍の業務に用いる航空機に当たるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の国際民間航空条約、シカゴ条約ですが、その中の第三条(b)に、軍の業務に用いる航空機、これは国の航空機とみなすとされています。これに該当するかという質問ですが、これ、チャーターされた民間航空機の使用形態、使用目的等に照らして、個々のケースごと、総合的に判断するということでございます。
 ですから、例えば平成四年から五年に自衛隊が日本航空の民間機を使ってカンボジアに人員を送った際には、これは日本航空と、政府が日本航空と民事上のチャーター契約を締結したものであるとして、これは民間航空機として扱われています。一方、平成九年、これ、米軍が全日空をチャーターしたケースがあります。これは地位協定第五条に基づくとされ、米軍の管理の下に運航されると判断されて、これは国の航空機とみなされる、このように政府として判断しています。
 このように、航空形態等によって、個々のケース、判断されるものと考えます。
○辰巳孝太郎君 武器弾薬の輸送は軍の業務に用いるということでよろしいですか。この条約における三条(b)における軍の業務。武器弾薬の輸送。
○国務大臣(岸田文雄君) このシカゴ条約三条においては、そういったことは規定されていないと承知いたします。そもそも、このシカゴ条約は民間航空機のルールを定めるものであります。御指摘の点につきましては、この条約の中には何か規定はされているものではないと考えます。
○辰巳孝太郎君 私は、この日本政府の判断基準というものが、大臣おっしゃられたように、所有形態、使用形態、使用目的等に照らして総合的に判断されると、こういう話なんですね。
 しかし、どういう武器を運べばこれは国とみなすのかというような基準は、これはっきり明示しておられないんですよ、外務省として。私はそれ、基準をはっきり明示するべきだというふうに思いますけれども、大臣、どうでしょう。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の基準につきましては、条約の中には何も明記されていません。そして、政府の判断は先ほど説明いたしました。そして、国際民間航空機関、ICAOという国際機関がありますが、この国際機関の場においても統一的な解釈は成立していないと考えます。
 我が国の判断のみならず、国際機関等におきましても、航空機の所有形態ですとか使用形態ですとかあるいは使用目的等に照らして個々のケースごと、総合的に判断すると考えます。
○辰巳孝太郎君 国か民間機かという判別というのは、私は重大だと思うんですね。しかし、それの判別する基準というものをまだこれ明示されていないわけですよ。
 外務省に聞きますと、その担当者担当者ごとが判断していますという話なんですけれども、しかし、担当者が替われば、この担当者が判断したのは国の航空機だと、また別の担当者が判断すれば民間機だということになるのは私はおかしいと、統一基準を作るべきだということを申し上げたい、求めたいというふうに思います。
 ですから、相手国からすれば、兵員や武器弾薬を輸送しているこういう民間機、これが国となれば軍事目標となってまいります。そもそも、日本の航空法では軍需品輸送を規定していない。これは憲法九条がそもそも歯止めになっているからであります。
 かつて世界に路線網を張り巡らされた米国のパンナム航空は、戦争を続ける米国の象徴とされて、テロの標的になり、ついに破綻をいたしました。これを反面教師にすべきですよ。日本の航空機は軍事目標にされない、この土台を掘り崩すことになるのが今回の法案だと言っておきたいというふうに思います。
 これは、航空だけではない、港湾もそうなんですね。
 本年四月の日米新ガイドラインでは、これ平時からの協力措置、施設の使用の項目の中に、民間の空港及び港湾を含む実地調査の実施に当たって協力すると初めて明記をされました。
 防衛大臣、今回なぜ初めてこれが盛り込まれたのでしょうか。実地調査の実施に当たっての協力というのはどういうことでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘の新ガイドラインにつきましては、平素からの措置として、民間の空港及び港湾を含む施設の実地調査の実施に当たって協力するとされております。
 自衛隊と米軍は、これまでも、日米安保体制の抑止力の維持向上の観点から、平素から効率的な運用を確保するために相互に協力をし、我が国の平和と安定に関わる緊急事態における日米の共同対処能力の向上に努めてきております。この点、これまでの2プラス2の共同発表においても、日米双方による空港、港湾の調査について確認されており、実際に、空港、港湾に係る調査を実施をしてきております。
 しかしながら、個別の調査の内容及びその実施状況、今後の予定など詳細につきましては、緊急事態における我が国及び米国の対応ぶりに関わるものでありまして、事柄の性質上、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○辰巳孝太郎君 調査をしているということはお認めになりました。
 二〇一一年、ウィキリークスの公表した秘密公電で明らかになった文書では、二〇〇八年、米国は日米共同概念計画五〇五五のため、日本国内の二十三の港湾、空港の調査を日本側に要求したということが分かりました。
 この中で米側は、現在の計画の最も重大なリスクは、日本の空港と港湾への早期のアクセス計画がないことだと発言をしております。文書には、二〇〇八年の時点で二空港、二港湾の調査が終了していることが示されております。この文書の中では、次は下関港をやると、こういうことも記されております。
 同時に、日本側からは調査の難しさを必死に説明をしております。例えば長崎、これは被爆地、歴史的な理由がある。また、野党が強いところ、これも難しい。調査の目的を公にできないことが調査が進まないという理由に挙げております。それでもアメリカは、この五〇五五の更新期限を二〇〇九年九月と定めて、それまでに調査を終えることを強く求めております。
 これ間違いないですか。
○国務大臣(中谷元君) 日本政府といたしましては、ウィキリークスのように不正に入手され公表された文書につきましてコメントを差し控えるという立場でありますところ、本件についても、個別のことにつきましてコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
○辰巳孝太郎君 統幕の監部は、代表はそのことに合意したと、こういうふうに発言をしているわけですね。
 この調査の対象となるであろう港湾労働者で組織する全国港湾労働組合連合会は、この戦争法案に強い懸念を示しておりまして、廃案を求める決議の中でこう述べております。
 戦争は、前線も後方支援も兵たん基地も一体で進められ、兵たん基地が攻撃の対象となることは必定で、港湾労働者は戦争の被害者となる。それは、さきのイラク戦争でイラク南部の港湾都市ウムカッスル港への砲撃で戦端が開かれたことを見れば明らかである。私たち港湾労働者は、戦争の加害者にも被害者にもならないと、ここで述べているわけであります。
 その内容すらも明らかにされないということであります。
 委員長、求めたいと思いますけれども、この内容を、実地調査とは何なのか、どこまで進んでいるのか、これを公表することを求めていただきたいと思います。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの件につきましては、後の理事会において諮ることといたします。
○辰巳孝太郎君 今、様々な民間企業というのがイラク復興支援などでも関与をしていたということが明らかになりました。一般企業を通じた戦争人員の確保策というのも今狙われております。
 防衛省は、若者をターゲットにした自衛官獲得方策、こういうのを考えているということが明らかになりました。
 かつて、奨学金の返済に苦しむ青年を対象に防衛省のインターンシップをというような提起があったということも、本委員会でも議論をされたことがありましたけれども、それだけではありませんでした。(資料提示)ここに示しているのが防衛省の作った「長期 自衛隊インターンシップ・プログラム」、「企業と提携した人材確保育成プログラム」のイメージというものであります。「有意な人材の「民―官―民 循環プログラム」」としてここには書かれております。
 防衛大臣に聞きますけれども、これは、いつ、何の目的で、どの範囲で提案したものですか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省では、前原氏に対して、企業が新規採用者を二年間自衛隊に実習生として派遣するとのプログラムのイメージについてお示しをしたことがございます。
 これは、自衛隊のインターンシップ受入れにつきまして前原氏側から関心が示されたことを受けまして、防衛省の任期制自衛官制度に当てはめた場合のプログラムのイメージの一案につきまして、課題も含めて、平成二十五年七月に、経済同友会において前原氏側にお示しをしたものと承知をいたしております。
○辰巳孝太郎君 前原氏って誰ですか。
○国務大臣(中谷元君) 前原金一氏でございます。
○辰巳孝太郎君 前原金一氏というのは、経済同友会でもあったメンバーの方でありますけれども、一民間企業の方にこういうイメージを示したということですね。これ、どこでこういうイメージを示されたんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) これは、会合がございまして、平成二十五年五月に内閣府から防衛省に対しまして、経済同友会の前原専務理事当時が自衛隊でインターンシップの受入れについて関心を有している旨情報提供を受けまして、平成二十五年の六月、内閣府から防衛省に対してこのインターンシップの受入れについて情報提供がございまして、平成二十五年の七月に防衛省側から前原氏に対してそのイメージを示したということで、平成二十六年の五月に、文科省の有識者会議、学生への経済的支援の在り方に関する検討会におきまして、委員である前原氏がこのインターンシップ等につきまして関心を持たれたということでございます。
○辰巳孝太郎君 大臣、どこで示したのかという質問をしたんですけれども、これは、防衛省の一官僚が前原氏の会社まで出かけていって示したということを聞いております。
 これ、中身見てびっくりしますよ。どういうものか。企業側で新規採用者を二年間自衛隊に実習生として派遣をする、一任期限定の任期制士として受け入れる、自衛隊は自衛官として勤務させて一定の資格も取得をさせる、二年間たちますと企業に戻って社員として勤務をすると、自衛隊での受入れの期間中の給与等は官側の負担とすると書かれているわけでございます。企業側のメリットとして、自衛隊で鍛えられた自衛隊製体育会系人材を毎年一定数確保することが可能だと、こう書いてあるわけですね。
 大臣、なぜ体育会系人材を毎年一定確保することが企業側にとってのメリットだと防衛省は考えたんですか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省が示しました企業が新規採用者を二年間自衛隊に実習生として派遣するとのプログラムのイメージにつきまして、前原氏側がどのように受け止めたのかは定かではございませんが、このプログラムのイメージには、実習生の身分、給与、採用選考など様々な点でまだ課題が多数ありまして、防衛省では、これ以降、これにつきましての具体的な検討は行っておらず、また今後も検討を行う予定もないということでございますが、イメージを提供したというのは事実でございます。
○辰巳孝太郎君 大臣、質問に答えていただきたいんですね。
 体育会系人材、これを得られれば企業のメリットとなると、そういう人材を自衛隊では育成しているということだと思うんですね。企業のトップに従順な人間をつくるということではないかと、これがウイン・ウインの関係かというふうに勘ぐることもできなくはないというふうに思います。
 そのほか様々書いておりますね。将来的には予備自衛官としての活用も視野と、こういう話もあります。
 大臣、大臣は元自衛官ですから、仮にこの二年間の任期制士として受け入れられた場合、その期間のうちに仮に有事が起こった際、これは防衛出動ということになるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛出動に際しましては、正式に自衛隊員にならなければ拘束はできないわけでございまして、このような場合におきましては、研修のプログラムでございまして、自衛官ではございませんので、そのような防衛の場合の招集の対象者になることはないということでございます。
○辰巳孝太郎君 大臣、レクの段階では、任期制自衛官は既に招集されており、有事の際には当然防衛出動の対象になるというふうに聞いておりますけれども、どうなんですか。一般的にですよ、一般的に。
○国務大臣(中谷元君) 先ほど説明いたしましたが、このプログラムのイメージは、実習生の身分とか給与とか選考の内容などは課題が多々あって、その後検討は行っていないということでございます。その内容については全く決定もしていないし、その後、検討も行う予定もないということでございます。
○辰巳孝太郎君 一般的な質問で私は聞いているわけですけれども、答えないということであります。
 仮にこれがやられたときに、自衛官として有事が起こった際には、これは防衛出動の対象になるということであります。とんでもない、こういうことを考えることすら非常におぞましいと言わなければならないと思います。これ、予備自衛官とか志願者が減少する中で、民間企業を通じてそれらの確保を考えていると、考えていたことがあったということで、私は大問題だと言わなければなりません。
 防衛省側のメリットとしても、再就職のいわゆる援護、これが不要だとか、若者、優秀な人材、取り合い回避でウイン・ウインになると、そして、先ほど申し上げたとおり、将来的には予備自衛官としての活用も視野に入れると、防衛省の狙いが赤裸々に書かれているわけでございます。
 この集団的自衛権の行使を認める戦争法案というのは、これ、米国の無法な戦争に日本が加担をするものであります。戦地に行かされるのはまさにこういった若者であります。今日、傍聴にもたくさんの若い人たちが来てくれていますけれども、これだけ多くの若者がこの法案の本質を見抜いて、この法案の成立反対、廃案に立ち上がっております。そういう若者に、企業を通じて戦地に送るようなシステムを一経営者に提案をする、私はその発想そのものが恐ろしいと言わなければならないと思います。
 このような戦争法案は廃案にするべきだと求めて、私の質問を終わります。