リニアで新たな「バラマキ」は許せない

2016年10月13日  

 

日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は13日の参院予算委員会で質問に立ちました。リニア中央新幹線建設問題を取り上げ、国民の安全や財政も無視した無責任な安倍政権の姿勢を浮き彫りにしました。

検証もせず 計画ずさん

リニア新幹線 辰巳議員が批判

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辰巳議員は、リニア中央新幹線への公的資金3兆円投入について、償還の確実性も検証しないずさんな計画だと追及し、建設認可の撤回を強く求めました。(関連記事)

政府は、国の財政投融資を活用してJR東海に総額3兆円を貸し付け、30年後から10年かけて償還させる計画です。財投は金利が固定化されるため、現状では超低金利の返済となります。辰巳氏は「JRは、市場金利より低い金利で多額の借金を借り続けられる。利益供与ではないのか」と追及しました。

安倍晋三首相は「調達金利とJR東海から返してもらう金利は同じだから、経営支援ではない」と述べ、民間企業への利益供与を金利の問題にすり替える答弁をしました。

財政投融資については、2001年の改革で事業の償還確実性の精査、政策コスト分析の導入、情報開示の徹底などを定めました。辰巳氏は、リニア計画調査時(08年)に比べ、人件費、資材価格等が急騰していると指摘。財政制度等審議会も持ち回りの説明だけで済ませている中で「償還の確実性をどう確認したのか」とただしました。

麻生太郎財務相は、JR東海は優良企業であり「赤字のリニアを抱えても十分償還が確保される」として、リニアは赤字事業だと認めながら、償還確実性については「国交省が工事費の内容などを妥当と判断した」と述べ、確認していないことを認めました。

辰巳氏は、安易な財投活用が財政負担増を招いたとする政府の資金運用審議会懇談会の報告書を示し、「大型公共事業のバラマキに財投を活用しようというのが安倍政権だ。まったく反省なしだ」と強く訴えました。

財政投融資:国債の一種である財投債の発行などで調達した資金をもとにした国による投融資制度。長期・固定・低利の資金供給を行います。

2016年10月14日付「しんぶん赤旗」より引用

議事録を読む

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今日は、リニア中央新幹線についてお聞きします。
今世紀最大のプロジェクトと言われているのがリニア新幹線であります。時速五百キロ、東京―大阪間を六十七分で結ぶ夢の超特急だと言われております。バラ色のように描いておりますけれども、しかし、事業そのものの必要性、採算性などに大きな疑問があります。私は国会で何度もこのリニアの問題を取り上げてまいりました。
かつて、英仏共同開発でマッハ二という超音速機コンコルドが巨額の費用をもって開発をされたことがありましたけれども、これは結局頓挫いたしました。ドイツにもリニア計画はありましたけれども、結局、経済性や環境への影響を無視できずに議会が英断をして中止をいたしました。日本のリニアも同様、電気消費量が東海道新幹線の三倍以上、リニア単体ではペイしないとJR東海自身が認めているほど採算性に乏しいわけであります。
また、安全面での不安も大きくて、南アルプスという日本有数の山岳地帯に穴を空け、都市間の移動時間を短縮するためだけに、例えば糸魚川―静岡構造線など、マグニチュード七を引き起こす活断層帯を七つも回避せずに突っ切るというものであります。
こういった懸念は私だけではありません。(資料提示)環境大臣は、二〇一四年にこのJR東海の環境アセスを審査し、意見を国交大臣に送付をしております。環境大臣、主なもの、水量や電力消費も含めてどういったものか述べてください。
○国務大臣(山本公一君) 平成二十六年六月に提出した環境影響評価書に係る環境大臣意見では、本事業は、その事業規模の大きさから、本事業の工事及び供用時に生じる環境影響を最大限回避、低減するとしても、なお相当な環境負荷が生じることは否めない。本事業により、地下水がトンネル湧水として発生し、地下水位の低下、河川流量の減少及び枯渇を招き、ひいては河川の生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高い。現在我が国があらゆる政策手段を講じて地球温暖化対策に取り組んでいる状況下、これほどのエネルギー需要が増加することは看過できないことなどに触れて、これらについて十分な環境保全措置を求めています。
○辰巳孝太郎君 このほかにも、環境大臣は、発生残土、希少動植物の生息地、大気汚染、騒音・振動対策等、本事業の実施に伴う環境影響は枚挙にいとまがないと、ここまで言い切っているわけであります。これがリニア新幹線の持つ顔だということで、私たち日本共産党はリニア建設そのものに反対をしてきたわけであります。
さて、そもそも新幹線というのは、通常ですと、国のプロジェクトとして整備をされてきました。しかし、この中央新幹線は、事業主体は国ではなくてJR東海となりました。
国交大臣に確認をいたします。国が中央新幹線の整備計画を決定できなかった理由、そしてリニアは全てJR東海が自己資金で建設することが条件で認可をされた、これを確認したいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) これまでの新幹線整備につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして昭和四十八年に整備計画が決定をされました整備新幹線につきまして、政府・与党の申合せに基づき順次進めてまいりました。現在も北海道新幹線、北陸新幹線、九州新幹線西九州ルートの三区間の整備を行っておりまして、また北陸新幹線、敦賀―大阪間の整備も課題として残されております。
一方、中央新幹線につきましては、山陰新幹線や四国新幹線などの路線とともに、昭和四十八年に基本計画路線として位置付けられた路線であります。整備計画路線を確実に整備することが最優先の課題であることから、これらの基本計画路線についてはその後の議論とされておりました。
そういった状況の下で、中央新幹線の整備につきましては、平成十九年十二月にJR東海が今後は自己負担を前提に手続等を進めると表明したことを踏まえまして、整備計画に向けた手続が進められることになりました。
具体的には、平成二十二年に交通政策審議会に対して中央新幹線の営業主体及び建設主体の指名並びに整備計画の決定についての諮問を行いまして、二十回にわたる審議会での議論を経て、平成二十三年に答申が取りまとめられ、これに基づき、JR東海に対し建設主体、営業主体の指名を行うとともに、整備計画の決定及び建設の指示を行ったものでございます。
○辰巳孝太郎君 要するに、元々国は中央新幹線はお金を入れて造る気はなかったということであります。そして、国はJR東海には資金援助はせずに、そしてJR東海もその資金援助は求めることなくと小委員会に対して資料を提出して、JR東海が自己資金で貫徹をするからこそ認可をされた、これがリニア新幹線であります。
ところが、政府は今リニア新幹線に三兆円もの財政投融資という公的資金の投入を進めようとしております。これ、明らかな支援ではないですか。
総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、このリニア中央新幹線については、現下の低金利環境を生かした財投の活用によって、大阪までの全線開業を最大八年間前倒しをして整備効果を早期に発現させていくことを目的としているわけでございます。
かつてはこんな低金利ではないわけでありますから、JR東海としてはそれはもう自己資金でいきますよということを考えていたわけでございますが、公的な融資といえども今よりは金利が高かったわけであります。しかし、現在はこの低金利の状況が出現をし、かつ八年間前倒しをすれば、今申し上げましたように、その効果が出てくると。これは利便性がはるかに高まり、経済の生産性を高めていく効果もあるだろうと、このように思うわけでありますし、全線が開業されれば、三大都市圏が一時間で結ばれて、人口七千万人、巨大な都市圏が形成されるわけでありまして、国土構造が大きく変革されまして、成長力の全国への波及により日本経済全体を発展させていくものだと、このように考えているわけであります。
○辰巳孝太郎君 総理は私の質問には答えておりません。
このリニアの事業認可というのは、そもそもがJR東海が全て自己負担で貫徹する、これで認可をされたわけでありますけれども、三兆円もの財政投融資は支援ではないか、このことにははっきりとお答えはしなかったわけであります。
これ、JR東海のメリット、これ今回の財政投融資で大層なものになると思いますけれども、国交大臣、どういうメリットがありますか。
○国務大臣(石井啓一君) その前に、前のちょっと御質問に補足して申し上げたいと思いますけれども、今般の財投活用は、交通政策審議会において確認をされましたJR東海の自己負担での事業遂行能力を前提としつつ、総理から答弁申し上げましたとおり、現下の低金利状況を生かして、財政投融資を用いることによりリニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しをするものでありまして、開業効果を早期に発現させるということを政策目的として貸付けを行うものであります。
貸し付けた財投資金はJR東海より利払いもされ、元金も全額償還されるものでございますので、全額自己負担の前提が変わるものではございません。すなわち、JR東海の経営支援を目的とするものではないということでございます。
冒頭申し上げましたように、これによりJR東海は、品川―名古屋間開業後、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することとしておりまして、大阪までの全線開業を前倒しをする、このことが最大のメリットだというふうに思っております。
○辰巳孝太郎君 今回の融資の条件というのは、これ四十年の財投債なんです。しかも、そのうち三十年間は返済の猶予がされるという、これ破格の条件なんですね。
これ総理、ちょっと聞きたいんですけれども、超低金利だといいます。しかし、この四十年債を三十年間据置きで、しかも低金利の固定金利、固定でやると。これがどういった意味を持つのか。これ、もし景気が良くなっていけば、安倍政権の下ではいつになるのか分かりませんが、金利は上昇するでしょう。そうなれば政府が払う財投債の金利も上がるでしょう。しかし、JR東海は、これ四十年固定金利ですから、超低金利のままであります。もらう利息より支払う利息が多くなり、結局その穴埋めが国民負担になるおそれがあります。また、裏を返せば、JR東海にとっては、そのときの市場金利より低い金利で多額の資金を借り続けられることになるわけであります。
総理、そうなれば、これはもう利益供与じゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的なところが少し、インプットが少し違っておられるんだと思いますが、今般の経済対策においていわゆる総額約三兆円という、リニアに対してのいわゆる貸付総額約三兆円というのを考えておりまして、一・五兆円は二十八年度の補正において貸し付けることといたしております。
貸付期間については四十年以内、据置期間は三十年以内としておりまして、その後十年掛けて元本を均等に償還していくことになっておりますので、財投の貸付金利は実際の貸付日によって適用される金利は異なりますから、当然のこととして現時点で決まっているわけではありませんが、仮に十月十三日以降に適用されます金利水準を基に、今般のリニア中央新幹線に貸し付ける貸付けにおいて適用される金利を算出すると〇・六ぐらいになるんだと思いますが、これはずっと固定されておりますので、変動するわけではございません。
○辰巳孝太郎君 ですから、答えていないわけですよ。それは分かっているんです。
麻生大臣、今おっしゃいましたけれども、〇・六という数値がありました。それが一体どれぐらいの数値になっていくのか、これがもし金利がどれぐらい上がれば国民負担としてどうなっていくのかという資料を改めて要求したいと思います。
これ、財政投融資改革というのがありました。この財政投融資は、赤字国債や建設国債とは違って、これバランスシートに載ってきません。かつて第二の予算とも呼ばれ、九〇年代には社会保障費の二倍にも膨らみました。不要不急の大型開発などに使われ、国民からのばらまきだなどとの批判もあり、財投改革と称して縮小されてきた経緯があるわけであります。
この財投改革、これ、財投は事業の償還確実性の精査、政策コスト分析の導入、情報開示の徹底などを行うことが大前提だと思いますけれども、大臣、どうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げますが、調達金利が固定されておりますので、三十年債も四十年債も金利がどうたらって変わるということはないという前提でちょっと話を聞いておいていただかないと話が、何となく逆転するかのごとき話を、話をあおらんどいてください。
財政投融資につきましては、平成十三年度に抜本的な改革が実施をされたのは御存じのとおりです。具体的には、御指摘のとおり、郵便貯金、年金積立金の預託義務の廃止、償還確実性の精査、民業補完を踏まえ、必要とされる資金を財投債により調達、政策コスト分析の導入や財投機関を含めた情報開示の徹底などが実施されたと。御存じのとおりです。
財投改革以降、資産、負債の圧縮を図るとともに、民業補完の原則の下、対象事業の重点化、効率化に取り組んできたのは御存じのとおりでして、その結果、フローで見ますと、改革前の平成十二年度の三十七・五兆円から二十八年度では十三・五兆円に減ってきております、財投計画規模。ストックで見ましても、平成十二年度では四百十八兆円から平成二十七年度末には百五十四兆円まで縮小をいたしております。
そういった意味でありますし、また、いわゆる償還ということに関して言わせていただければ、少なくとも、JR東海の財政収入等々を見ますと、経常利益で見ましても年間四千九百億円の経常利益が平成二十七年度で出されておりますので、少なくとも、JR東海が赤字のリニアモーターを抱えても、私どもが貸し付けます三兆円の金に関しまして、その四千九百億の中から十分に調達可能、返還できるだけの、償還されるだけのものが確保されていると理解していただけてよろしいんじゃないでしょうか。
○辰巳孝太郎君 大臣、今、リニアの事業そのものは赤字になるということをお認めになったと思いますね。
じゃ、償還の確実性がどのように精査されたのか。財投に当たっては、この事業費の規模こそが私は問題だと、重要だと思います。
JR東海は、リニアの建設費を名古屋までが五・五兆円としております。大阪まで合わせますと九兆円。これがこの償還の確実性の前提になります。しかし、本当にそれで済むのか。過小な見積りで進めたこれまで数多くの公共事業や大型開発が失敗をしております。二〇二〇年東京オリンピックに向けた国立競技場などは典型であります。
パネルを示しましたけれども、過去の新幹線事業でも認可時と、最終額はこれ跳ね上がっているわけであります。リニア新幹線の積算額は妥当なものなのか、公的資金を投入するというなら政府は確認をする必要があります。
ところが、驚くべきことに、本村伸子衆議院議員の先日の質問で、この採算性や事業費の見積りの妥当性、償還の確実性を、通常の財政審、財政制度等審議会を二度開催して意見を聞いて確認するプロセスはやらずに、政府は持ち回りの説明だけで済ませていたということが明らかになりました。これでは償還確実性を精査したことにはなりません。
大臣、本当に名古屋までで五・五兆円で済むということをどうやって確認したんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 今パネルでお示しをいただいておりますけれども、例えば上越新幹線の場合は工事実施計画認可時点と比べて最終的に三・五倍に大きくなっていますが、これは昭和四十六年当時なんですね、工事実施計画というのが。その後、昭和四十八年、五十四年と二度のオイルショックによる物価高騰がございました。それが、増加した要因の約半分はそういった要因でございます。
そのほか、トンネルの地質不良による工法変更等々がございますけれども、必ずしも全部の新幹線が実施計画認可時点で、最終額が増えているというわけではございませんで、例えば直近の事例で申し上げますと、東北新幹線の中でも八戸―新青森間、これは平成十年に認可をして開業が二十二年でございますが、当初事業費は四千七百億円でございましたが、最終額は四千五百四十七億円、最終額の方が減ってございます。
また、九州新幹線、新八代―鹿児島中央間、これは平成三年に認可をいたしまして平成十六年に開業いたしました。当初事業費は六千四百一億円でしたが、最終額は六千二百九十億円ということでございまして、必ずしも整備新幹線が当初の事業費と比べて高額になるということではございません。
品川―名古屋間につきましては、工事費につきましては、これ工事実施計画認可時点で私どもの方が審査をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 質問に大臣、答えていただきたいんです。
二〇一四年の工事認可計画、この認可で確認をしたと言っております。それでは、この認可計画、一体幾らになる、そして整備計画の決定のときには名古屋まで幾らになる。それぞれお答えください。
○国務大臣(石井啓一君) 工事費として認可をいたしましたのが、合計、これは品川―名古屋間の二百八十五キロですが、これが四兆百五十億ということでございます。これが工事費ということでありまして、参考で、そのほか車両費等々を含めて五兆五千二百三十五億ということがJR東海から示されているところでございます。
○辰巳孝太郎君 これ奇妙なことに、二〇一一年と二〇一四年の段階で工事費の積算、予算額というのは、これほとんど変わっていないんですよ。五・五兆円なんです。この二〇一一年に計算したときの基となるデータというのは、これ二〇〇八年のものなんですね。仮にこの二〇〇八年の積算の金額が二〇一四年の認可のときに使われていたとすれば、私はこれほどずさんな計算はないと思いますよ。
実際、今日パネルに持ってきましたけれども、二〇〇八年と現在、二〇一六年ですから、比べますと、公共工事設計労務単価、いわゆる人件費ですね、これは三三%も値上がりをしているんです。二〇一一年の東日本大震災によって日本全国の公共事業が、工事単価、これはもう値上がりをしているというのは、これはもう常識なんですね。
財務省、これちゃんと確認したんですか。二〇一六年、この財投の投資の段階で、決定をする段階で、本当に名古屋まで五・五兆円で済むのかどうか、全体九兆円で済むのかどうか。これ財務省、確認したんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) あの品川―名古屋間の工事計画の認可に際しましては、これは国交省において工事費の内容や考え方について確認し、妥当であると判断をしておられるということだと思っております。
また、現時点において工事費の増加が予想される状況が生じているというのは聞いておりませんので、JR東海によって着実に整備が進められていくものと考えていると、国交省からさように聞いております。
また、いわゆる鉄運機構につきましても、これは毎年定期的にモニタリングを実施しておられますので、事業の進捗状況やその把握を行っておられるのであって、必要に応じてJR東海に対して指導、助言等は行っていきたいとは考えております。
○辰巳孝太郎君 結局、確認していないということですよ。工事費の高騰の状況は生まれていないと言いますけど、これはもう本当に常識とは懸け離れていると思います。
既にJR東海は昨年から今年にかけて幾つかの工事区間の発注を済ませてゼネコンと契約をしております。認可前の算定がおよそ正しいものなのか、それとも甘いものなのか、今となっては甘いものなのか、それぞれ一体幾らで契約したかを確認すれば分かります。
国交省、それぞれ幾らですか、金額公表できますか。
○国務大臣(石井啓一君) 公共工事の場合は、工事の入札や契約等に関する情報は関係法令に従って公表することとされておりますが、民間企業であるJR東海が行う工事は公共工事には該当しないため、JR東海は工事の契約金額を公表しておりません。
なお、JR東海によれば、個別の工事の予定価格が推定されると今後の契約に影響があるため、契約金額については公開していないとのことでございます。
○辰巳孝太郎君 三兆円もの公的資金入れるのに公表しないなんてあり得ないじゃないですか。それこそが問題なんですよ。
二〇一五年、品川駅の本体工事が入札不調となりました。これJR東海が示した金額よりもゼネコンの応札金額が高かったからではないかと言われております。一鉄道事業に三兆円というのはかつてない規模であります。公的資金である財投を入れる以上、本当に五・五兆、名古屋まで、済むのか、全体九兆円で済むのか、お金を貸す方が、財務省が、政府がこれちゃんと精査するのは当然であります。将来金利上昇となれば国民負担のおそれも出てくる。これが財投であります。これでは償還の確実性の検証もなく、融資を決定したのも同然であります。
一九九七年、財投の抜本的改革について資金運用審議会懇談会がまとめた文章が財務省のホームページにも掲載をされております。財政規律の問題としてこう書かれております。
政策コストを十分に分析しないままに融資という手法が用いられたため、結果として後年度の負担の増大を招いたと考えられる。今後、財政投融資が景気対策などのために安易に利用されることがあってはならず、また、このことは、将来の財政負担を抑制し、財政の健全性を確保するという点からも重要である。
総理、今回、景気対策、成長戦略という名の下に、大型公共事業のばらまきに財政投融資を活用しようというのが安倍政権じゃないですか。全く反省ないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、このJR東海の経営支援を目的とするものでは全くないということは最初に申し上げたとおりでございます。
そして、財投を投入することによって、何かこれは財政負担が国民の中に生じるかのごとくの御議論をされておられますが、先ほど麻生総理から説明をさせていただいたように、三十年債、四十年債の調達金利と、それも固定でですね、その調達金利とJR東海からもらう金利は同じですから、将来金利が変わっていって、将来金利が変わっていって、その分が我々が負担になって差額が出るのであれば、確かにおっしゃるとおりでありますが、それはそうではなくて、調達金利と彼らから返してもらう金利は同じだということでございますから、これはまさに、我々が申し上げておりますように、経営支援をするものではなく、JR東海がしっかりと償還をしていただければ、これはその八年前倒しで発現される経済効果によって、これはまさに経済成長によって、例えば税収が上がっていく、国民活動が盛んになっていく、経済活動が盛んになっていくということによって、まさに経済が上がり、そして賃金が上がっていくという成長に寄与するものであると、このように考えるわけでございます。
そして、基本的に、先ほど麻生大臣が答弁をいたしましたように、JR東海の収益力は極めて高いわけでありました。経常利益が年間四千九百億円というのはこれ相当の額が出ているわけでございまして、このリニアと一体の経営でございますから、我々はそこは確実に償還されるものと考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 総理、過去の財政、財務諸表がどうであれ、かつてのJAL、日本航空見てくださいよ。優秀企業であったにもかかわらず破綻をしたわけですよ。財投、公的資金投入するんだったら、じゃ、この企業がどういう収益持つのか、リニア大丈夫なのか、これ精査するのは当たり前じゃないですか。大体、自民党の参議院の公約では、経済再生の項目で、今後五年間で三十兆円の財投と掲げております。過去の反省なく、無秩序な融資に道を開くものだと言わなければなりません。
既にこの財投を活用しての大型開発の旗が自治体から振られようとしております。八月二日付けの中日新聞では、中部国際空港の二本目の滑走路の早期整備を目指す期成同盟会が、リニア新幹線で用いようとしているこの手法をこの滑走路建設でも使ってくれという要望を政府に行い、稲田朋美当時政調会長は成長戦略に資するプロジェクトと理解を示しました。
JR東海がそこまで利益を上げている会社であるなら、今やるべきは、東海道新幹線の老朽化対策、在来線では一つもないホームドアの設置、そして無人駅の拡大をやめて安全、安心の人員配置を進めることではありませんか。
今日の質問で、リニア建設は……
○委員長(山本一太君) 辰巳君、時間が終わっておりますので、まとめてください。
○辰巳孝太郎君 自己負担原則の事業認可の大前提が崩れたと私は思います。過去の反省もなく財政の投入をしようとする安倍政権の姿勢もあらわになりました。
リニア建設の認可の取消しを求めて、質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)