モザンビーク・プロサバンナ事業で外務大臣に質問

2016年3月22日  

日本共産党の辰巳孝太郎議員は22日の参院ODA(政府開発援助)特別委員会で、アフリカ・モザンビークで行われているプロサバンナ事業を追及しました。この中で辰巳氏は、同国政府やJICA(国際協力機構)が契約している現地コンサルタント企業であるMAJOL社の現地農民への対応がJICAの「環境社会配慮ガイドライン」に違反していると指摘しました。

同事業は日本、ブラジルの協力でモザンビークが主体となって進められている大規模農業開発計画です。

モザンビーク政府が現地の計画反対派を脅迫したり、MAJOL社が個別交渉をしたうえで本事業のマスタープラン公聴会に前向きな回答をした者だけを事業に参加させ、反対派を締め出すといった問題を指摘する声が現地NGO(非政府組織)などから上がっています。また、対話のプロセスを問題視する声明が多くの団体の連名で幾度も出されています。

岸田文雄外相はモザンビーク政府のこうした対応を把握しているとした上で、「必要ならさらなる対応も考える」と答弁しました。それを受けて辰巳氏は現地での調査を求めました。

2016年3月30日付「しんぶん赤旗」より引用

議事録を読む

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
アフリカ・モザンビーク、ナカラ回廊地域で進められようとしている農業開発、プロサバンナ事業についてお聞きします。JICAが関わるODA事業であります。当事業に関しましては、現地最大の農民組織、UNACなどを中心に、市民社会、NGOがその反民主的プロセスなどに異を唱えて、当事業の一時停止と抜本的見直しを主張するに至っております。
大臣、確認しますが、当事業において丁寧な説明、そして民主的、適切なプロセスが不可欠であるということは変わりませんね。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の事業につきまして、丁寧な説明、そして多くの関係者の理解を得るべく丁寧な努力を続けていかなければならない、御指摘はそのとおりだと考えます。
○辰巳孝太郎君 そうはいうんですが、現地市民社会、NGOからの告発が続いております。
例えば二〇一四年にも、モザンビーク当局が農民連合に、従わないと牢獄に入れると恫喝したことが指摘をされておりますし、昨年四月から六月にかけての公聴会でも、主催者から、反対意見は述べるななどの威嚇発言や、プロサバンナ事業への賛同を強要した事例などが報告をされております。
確認しますが、こういう言動がこの公聴会の場で起こっていることを政府は認識、まずされておりますでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、現地における状況の把握に平素から努めており、様々な情報に接しております。
御指摘のプロサバンナ事業ですが、モザンビーク政府として丁寧な対話を通じてマスタープランの策定をしていく、こうした方針に基づいて、二〇一二年から一三年にかけて、対象の三つの州、あるいは首都マプトで五十回以上の対話を実施し、二千五百名が参加したと承知をしております。そして、二〇一五年四月から六月にかけて、マスタープラン・ドラフト初稿に基づく公聴会、これを対象の三つの州と首都マプトにおける四十一の会場で開催し、三千人が参加をいたしました。そして、今委員からも御指摘がありましたが、その際に様々な指摘を受けております。
この公聴会等における様々な批判、例えば、会議開催通知が遅いとか資料の事前配付が遅いとか、それから議事進行に当たっても、批判的な意見を妨げる、あるいは公聴会を途中で打ち切る、こういった批判があるということについて政府としても承知をしております。
そういったことから、二〇一五年、昨年の六月ですが、JICA担当部署の責任者、農村開発部長がモザンビークに出向きまして、先方、農業大臣と会見をし、対話のやり方の改善について方針を確認いたしました。こうした確認された方針に基づいて取組を進めるということについては、政府としまして支持をしたいと考えています。
○辰巳孝太郎君 対話の改善を確認ということなんですが、ところがその後も同様のことが続いております。
例えば、二〇一五年の十二月二日、市民社会関与プロジェクトが新規に立ち上がり、これを推進するためとして、JICAは現地企業MAJOL社と契約を交わしました。このMAJOL社が行った一連の業務の進め方に対して、NGO、市民社会から深い疑念と憤りが示されております。
例えば、個別協議の問題があります。このMAJOL社は、各市民社会との個別協議を行った上で、その後の集団協議、準備会合は当社が事前に前向きであるとした者にしか行われず、結局、昨年の十二月十八日には準備会合が開催をされ、対話メカニズム立ち上げのための会議が一月十一日から十二日に実施されることが決まりました。このことによって、全国農民連合、UNACや各州の農民連合がこの準備プロセスから排除されるということになったわけでございます。
大臣、こういうやり方は民主的プロセスとは言えないと思うんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) MAJOL社ですが、これは、関係者による対話を促進するための環境整備を行うためにJICAが契約したコンサルタント会社であります。同社は、モザンビークにおいて、開発事業における事業者とステークホルダーの対話促進に従事した経験を有するモザンビークのコンサルタント会社であります。そして、企画競争によって選定をされたということも報告を受けております。
このMAJOL社において何か暴力的な言動があったというような指摘があったということは承知をしておりますが、MAJOL社自身からもこうした事実はないという説明を受けており、また、この会議に同席していた複数の市民社会組織からも確認を行いました。そうした確認の中からも、MAJOL社が何か暴力的な言動を行ったという事実はないという報告を受けているところであります。
○辰巳孝太郎君 それでは、大臣、この準備会合などに、最大の農民組織であるUNACなどが排除された、結果的に参加することができなかったということはお認めになりますか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、マスタープランの策定につきましては、一義的にはこのサバンナ事業の事業主体であるモザンビーク政府が市民社会関係者等と話し合って決めていく、こういったものであると考えています。その中で、日本政府としましては、丁寧かつ遅滞のない対話を通じて、可能な限り多くの関係者から賛同を得た形でマスタープランが策定されることが望ましいと考えております。
農民組織の参加について御指摘がありましたが、対話のための門戸は引き続き開かれております。是非、このUNAC、全国農民連合を始めとする多くの関係者の参加も引き続き期待をしたいと考えています。
○辰巳孝太郎君 参加を期待というんですけれども、それを、そもそも門戸を閉ざしたのが、JICAと契約しているコンサル会社であるMAJOL社の拙速なプロセスだという指摘があるわけですね。
このUNACを始めとする九つの市民社会組織は本年二月十九日に、プロサバンナ事業における対話の在り方、進め方に不正があったと指摘をし、声明を発表しております。ここでは、プロサバンナ事業に好意的な姿勢を見せた市民社会組織だけが参加を可能とされ、その他の組織は準備段階からも排除されたこと、排除された組織がこの会合を知ったのは開催直前の新聞紙上での告知記事であったこと、準備、実施、事後における意思決定が、各種レベルのプラットフォームの全体を代表しておらず、少数の幹部のみで意思決定を行ったと断罪をしているわけですね。
JICAの環境社会配慮ガイドラインには、現場に即した環境社会配慮の実施と適切な合意形成のために、ステークホルダーの意味ある参加を確保し、ステークホルダーの意見を意思決定に十分反映するとあるわけでありますけれども、今指摘をされていること、また今起こっていることはまさにこの当ガイドラインに反することじゃないですか、大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) マスタープラン策定に係る公聴会のありようについては、我が国としまして、実情を把握するためにしっかり努力は続けております。そして、把握した上で、改善すべき点につきましては、先ほど申し上げましたような形で改善の方針を確認するなど、働きかけを続けているところであります。先ほど申し上げましたように、現状につきましても様々な報告を受けておりますし、指摘についても承知をしておりますが、必要であれば更なる対応も考えていくべきであると考えます。
いずれにしましても、このマスタープラン策定については、事業主体でありますモザンビーク政府がしっかりと話合いを行っていくことが重要であると考えています。
○辰巳孝太郎君 更なる対応ということであれば、是非調査をしていただきたいというふうに思います。
この問題、更に続けてまた追及していきたいと思います。ありがとうございました。