バスの安全問題で質問

2014年3月17日  

YK1_3285しんぶん「赤旗」の記事から転載します。

過労死基準超 是正を

北陸道バス事故 辰巳氏が主張

参院国交委

日本共産党の辰巳孝太郎議員は17日、参院国土交通委員会の委嘱審査で、運転手、乗客の2人が死亡した北陸自動車道バス事故(今月3日)を取り上げ、事故の再発防止には運転手の長時間労働や低賃金の是正が必要だと主張しました。

辰巳氏は、事故で亡くなった運転手の勤務実態を「11日連続勤務、2月の休みは3日のみ」と指摘。こうした過労死基準を超える長時間労働を厚労省の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)が容認していると述べ、「これで安全が守られるのか。基準を見直すべきではないか」と迫りました。

太田昭宏国交相は「安全が一番大事なので、いろいろな委員会等を通じて検討したい」と述べました。

辰巳氏は「長時間の過酷な運転をせずとも生活できる賃金を保障しなければ、事故は繰り返される」と主張。事故を起こした宮城交通で働く運転手の「公休8日のうち6日は出勤。休みは月2日。それでようやく月の手取りが23万~24万円」との訴えを紹介しました。

高木毅国交副大臣は「ご指摘の通り、他産業に比べて厳しい。効果的な対策を取りまとめ、官民が連携して実施しなければならない」と答弁しました。


議事録を読む

○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎でございます。
 まず最初に、藤巻委員の御逝去に際し、心からの哀悼の意を表しますとともに、御家族の方々へのお悔やみを申し上げます。
 私は、先週に引き続きまして、三月の三日に富山県内の自動車サービスエリアにおいて高速乗り合いバスが大型のトラックに衝突して乗客、乗員二名の方が亡くなり、二十四名の方が重軽傷を負う、この事故について質問をいたします。
 私は、今日はこの運転者の勤務実態についてまずお聞きをしたいんですね。
 十一日連続勤務、二月の休みは三日だけだった、また、昨年の十二月から今年の一月にかけては、十三日連続勤務を一日の休みを挟んで三回繰り返していたと、こういう報道がされておりますけれども、これは事実でしょうか。また、今まで監査に入って、労働基準法や改善基準告示違反は明らかにはなっていないのでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) 事故の当日の勤務状況あるいはその前の勤務状況などにつきましては、現在、監査において詳細なところを調査をしているところでございます。
 現時点で明確なその当該日にちにつきましての違反というような、法令の違反というようなことは確認はできておりませんが、これは引き続き、その前の月、その前々の月なども調査をしなくちゃいけませんので、今後しっかり調査してまいりたいと思います。
○辰已孝太郎君 重大な違反は、調査はしているけれども、なかったのではないかということであります。
 二年前の関越道のツアーバスの事故では、事故を起こした会社というのは重大な法令違反というのを繰り返しておりました。これが大変な問題にもなりました。しかし、今回、今のところ重大な法令違反は指摘をされていない、にもかかわらず事故が発生したということであります。
 私は、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準、いわゆる改善基準告示、これを守っていてもこういう事故が起こったと。この改善基準告示では十三日連続で勤務することが可能だということであります。一日の拘束時間、一か月の拘束時間、これ最大どれぐらい認めているのかということを教えていただけますか。
○政府参考人(田端浩君) 御指摘ございました拘束時間につきましては、改善基準告示におきまして、一日につき十三時間を超えないもの、延長する場合であっても最大十六時間、このようになってございます。また、この場合でも、十五時間を超える回数は一週間について二回以内とされております。
 また、四週間を平均して一週間当たり原則六十五時間を超えないと、このようにされております。ただ、これも労使協定がある場合は、五十二週間のうち十六週間までは、四週間を平均し、一週間当たり七十一・五時間まで延長することができると、このようにされております。
○辰已孝太郎君 今日お配りした資料の一枚目なんですけれども、これが公表されているパンフレットですね。
 これ見ますと、例の一では、これ全部拘束時間を合計しますと七十五時間になります。月曜日は、朝の八時から、そして夜の二十四時までの十六時間拘束されると。翌日の火曜日は、朝の八時から二十四時まで。水曜日も、朝の八時から夜は二十三時まで。木曜日も同様であります。金曜日は、朝八時から二十一時までと。月曜日、火曜日は、仕事が終わってから次の出勤まで八時間しかありません。水曜、木曜は九時間ということであります。
 改善基準告示を守ればいいというんですけれども、しかし、その改善基準告示でもこれほどまでの長時間労働というのが認められているわけであります。
 大臣、本当にこれで安全が守られるのかどうかと。私はもうこの基準そのものを見直すべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(田端浩君) 委員御指摘の改善告示でございますけれど、これは旧労働省の委員会におきまして関係労使の同意を得て策定されたものでございまして、自動車運送事業の実情を踏まえたものとなっているものと認識しております。厚生労働省と連携をして、事業者への指導とか、あるいは悪質事業者の重点的な監査なども実施をしているところでございます。
 この関係の改善告示に関しましては、私どもといたしましては、引き続き、この事業の実態を、きちっとした労務管理がなされる、あるいは運転者の健康状態の把握というものをきちっと実行していくということを含めて、適切にこの基準の実効性を担保していくことを努めていきたいと考えております。
○辰已孝太郎君 労務管理を幾らしても、この基準そのものが長時間労働を認めているわけですから、この基準そのものを見直す、そこに踏み出さなきゃいけないというのはもう明らかだと思うんですね。
 勤務が終わってから次の勤務まで、この資料にもありますが、これ休息時間八時間以上設けなさいということになっていますが、しかし、行き帰りの通勤時間、そして帰ってからの食事の時間、入浴の時間などを除くと実質睡眠時間というのは八時間取れないわけですよ、四時間、五時間というのがざらになってくる。そうなると、睡眠不足が常態化する、眠気に耐えて運転する、信号待ちになって寝てしまったとか居眠り運転を何度もしたというふうに私は何人もの労働者から聞きました。
 せめて、この休息時間について、今は八時間あればいいということになっていますが、休息時間を最低十一時間、これぐらいは取ろうじゃないかというふうに私やっぱり変えていかなきゃいけないと思うんですが、その点についてどうですか。
○政府参考人(田端浩君) 委員御指摘の改善告示の関係、厚生労働省において定められております自動車運転者の実態に合わせた基準でございます。
 事業の実態あるいは勤務のいろいろな実情などは私どもも引き続き実態の把握に努めてまいりたいと思いますが、いずれにいたしましても、この休息の時間がきちっと取られること、ひいては、それに基づいて安全な運行が実施されること、これを私どもとして実効性が上がるためのいろいろな対策を取ってまいりたいと考えております。
○辰已孝太郎君 いや、ですから、その休息、八時間あればいいという休息そのものが短過ぎるということを私申し上げているわけですね。ここに踏み込まないと私駄目だと思うんですよ。
 この拘束時間の中では全てが運転時間じゃないと、こういう話もあるんですが、休憩も挟むということですけれども、しかし本当にこれでちゃんと休息を取れるのかと。途中、中間解放という休憩時間を挟んで夕方から深夜まで働くケースもあります。しかし、家が近ければ家に帰ることもできるかもしれませんが、しかし遠い人は家に帰れずに会社の休憩室で過ごしていると。いずれにせよ、夕方から乗務しなければならないので、本当にそれで休めるわけではありません。
 さらに、私問題だと思うのは、この中間解放の時間、これが八時間を超えますと休息時間とみなされると。休息時間というのは拘束時間には入りませんから、結局、拘束時間のカウントがまたゼロからリセットされるわけであります。
 例えば、バスの業態の特徴として朝のラッシュ時間と夕方―夜というのがありますから、朝の六時から出勤して九時まで三時間の拘束があると、中間解放の八時間、休息時間ですね、これを挟んで夕方の五時から二十二時までの五時間の拘束という勤務の場合、実際には朝の六時から夜の二十二時まで十六時間拘束されているのに拘束時間としてカウントされるのは八時間と、こういう話になるわけなんですね。
 ですから、私はやっぱりこの休息時間の八時間というのは余りにも短過ぎると思いますし、ILOの勧告では、休息時間というのは十一時間以上というふうになっております。やっぱり、私はここの部分での改善基準告示は改善するべきだというふうに思いますけれども、是非、大臣か副大臣の御見解を聞かせてください。
○委員長(藤本祐司君) 大臣、副大臣、よろしいですか。
 じゃ、取りあえず田端局長、まずは。
○政府参考人(田端浩君) ただいま先生御指摘の拘束時間の中では休憩時間というものも含まれ、それで労働時間というのがございます。この休息時間は八時間きちっと前後取ると、このようになっているところについての御指摘というふうに認識をいたします。
 先生御指摘ありました運輸事業の勤務の実情、私ども、安全運行が何よりも重要な点ということを認識をしておりますので、事業の実態などについては、引き続き委員会その他の場なども活用して実態の調査には努めてまいりたいと思っております。
○国務大臣(太田昭宏君) 長時間労働、しかも緊張してと。また、遠距離は二人体制とか様々なものでは配慮したりして安全ということについてこの一年間で相当変えて、仕組みも実は二年前の四月二十九日のあの関越道の事故の体制とはまたこれ全然変えて改善をしてきたところでありますけれども、また、今自動車局長答弁したように、こうしたこと、安全ということは一番大事でありますので、いろいろ委員会等を通じて検討するというふうにしたいというふうに思っています。
○辰已孝太郎君 もう是非検討していただいて、改善基準告示の改定、八時間じゃない、十一時間、延ばすということをするべきだということを改めて訴えたいと思います。
 この改善基準告示というのは最低限の基準のはずであります。ところが、実際には、多くのバスの事業所では、ここまでは働かせることができるということで、この告示限度ぎりぎりのシフトを組んでいるという問題があります。これが長時間労働を助長するという基準になってしまっているわけであります。
 ある路線バス会社では、本来自由に休めるはずの公休日まで最初から出勤する前提で組まれていると。労働者も人手不足から断りにくいという状況があり、あるいは賃金が低いためにできるだけたくさん働いて残業代稼ぎたいと、こういう労働者も多いわけですね。
 ですから、こういう構造の中で、バスの運転手の二〇一二年の労働時間というのは、資料の三にありますが、二千五百四十四時間であります。全産業平均の、三百六十時間も多いという結果になっているわけですね。拘束時間というのは、結局、先ほどの八時間の休息がありましたから、実際にはもっと長いと、こういうことになるわけであります。ですから、運転中意識が遠のいて冷やりとした経験があると現役の運転手も証言をしております。たくさん聞きました。私は、実態をつかんでということが先ほど何度もありましたけれども、バス、タクシーなどの旅客運転手の労災認定率、これは脳・心臓疾患で全産業の四・八倍あるんですよ。これは政府の統計ですから。私は、この事実、実態からやっぱり出発する必要があると思うんですね。
 もう一つ、賃金の問題、ここも重要であります。バスの運転手の長時間過労運転の原因には、賃金が低過ぎる問題、これですね。賃金が低いから長時間働く、勤務が過酷なのに賃金が低いので運転者が不足するという悪循環が私は続いていると言わなければいけないと思います。
 宮城交通の労働者の話を聞きました。五十代の運転手です。公休は八日のうち六日は出勤する、休みは二日のみ、それでようやく給料は手取りで二十三万から四万、若い人はもっと少ないと、こう言っているんですね。
 最後に、大臣、聞きたいんです。労働者が長時間の過酷な運転をしないで生活できる賃金を保障しなければ、私は事故は繰り返されると思います。低過ぎる賃金を引き上げる対策、これが必要だと思いますけれども、どう考えますか。
○副大臣(高木毅君) 今、委員の提出していただきました資料三、このような現状であるということでございます。
 運転者の賃金や労働条件につきましては、基本的には労働法規や安全規制の下で労使の合意によって決定されるべきものでございますが、今の御指摘のとおり、これらについて他産業との比較で厳しい状況が続いているということで、今後、職業としての魅力の向上を図ることで将来にわたり安定的に確保できるようにしていくことが喫緊の課題になっているというふうに考えているところでございます。
 このため、昨年十二月には、学識経験者、バス事業者、労働組合等に御参加をいただきまして、運転者の安定的な確保に向けた課題や対策を検討するための検討会を自動車局に設置したところでございまして、現在、事業者や運転者の、まさに委員よく御指摘なさいますけれども、現場の実情というものをきめ細かく把握をいたしながら検討を進めているところでございまして、現場の声にも十分配慮しながら効果的な対策を取りまとめた上で、官民が連携して実施していかなければならない、このように考えているところでございます。
○委員長(藤本祐司君) 辰已孝太郎君、申合せの時間が来ていますので、まとめてください。
○辰已孝太郎君 公共交通機関として公的に支える、労働者が安全運転で生活できる賃金、労働時間を保障する仕組みが必要不可欠だということを最後に述べて、私の質問を終わります。