デフレ調査会で意見表明

2014年5月21日  

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以下は、日本共産党を代表して私が行った意見表明です。

(2014年5月21日 参議院デフレ脱却及び国民生活に関する調査会)

日本共産党の辰已孝太郎です。
いわゆるアベノミクスによる金融緩和等によって、為替は円高から円安に推移しました。この円安の影響や消費税増税に伴う駆け込み需要などで、消費者物価というのは上昇の傾向にあると。しかし、国民の所得はどうかと。所定内給与は、今年の三月まで二十四か月連続で減少いたしました。つまり、物価は上がるけれども賃金は上がらないと。これでは、本当の経済の好循環というのはつくれないと思います。
また、消費税の増税というのは景気を更に冷え込ませます。内閣府の景気ウオッチャー調査では、ある乗用車販売店の方から、消費税増税前の駆け込み需要は大きな動きがあったと、しかし反動減は過去にあったエコカー補助金以上の規模だと、予想どおり全ての指標が大きく悪化していると答えております。
アベノミクスの誤算というのはまだあります。円安になっても輸出が伸びなかったことであります。これは、既に大企業の海外の現地生産が進んでいるということを示しているのではないでしょうか。国際協力銀行の調査によりますと、仮にこの水準の円安が定着した場合でも、海外にある生産の拠点や機能を国内に移すと答えた企業は全体の七・八%にすぎませんでした。日本の産業空洞化が深刻化しているわけであります。
また、経済産業省の調査によりますと、二〇一一年、企業の海外投資決定の理由のトップは、現地の製品需要が旺盛又はこの後の需要が見込まれるからというもので、これが七三%を占めております。同じ調査では、税制融資等の優遇措置があると答えた企業というのは一割もありませんでした。つまり、今、日本の法人税が高いから企業は海外に流出していくということではなくて、むしろ日本の内需の冷え込み、これが企業を海外投資に向かわせているということではないでしょうか。
よって、この企業の海外流出をストップ、食い止めるためには、法人税を引き下げるということではなくて、ましてや消費税や社会保障の負担増などで国民に負担を求めて法人税の引下げの穴埋めにするというような身勝手は私は間違っていると思います。やはり、働く人の賃金、所得を増やしてデフレの脱却というのを図っていくべきだと私は思います。
大企業はこの間、内部留保を増大させてきました。資本金十億円以上の企業では、内部留保が前年度比で五兆円増の二百七十二兆円、これは二〇一二年度、になっております。大企業が内部留保を着実に積み増す一方で、民間企業労働者の年間平均賃金はピーク時に比べて六十万円も減っております。内部留保の一部でも労働者の賃金に回っていればここまでの深刻なデフレになっていたでしょうか。
最後に、新自由主義の名の下に労働法制の規制緩和が非正規雇用の増大、ワーキングプアを増やして、格差と賃金を広げました。社会保障が改悪され、年金が下がり、医療費や社会保険料は負担増になりました。そして、労働者にはこれから更に残業代ゼロ法などが導入されようとしております。賃金を更に引き下げる政策というのは、私はデフレ脱却に逆行すると思っております。非正規雇用、非正規労働を減らす政策、最低賃金を抜本的に引き上げる政策が必要で、内需を温めること、また、貧困層を増大させるんじゃなくて、税金を納めることができる労働者を増やす政策を取ることでデフレの脱却と財政再建にも道筋が見えてくるということを主張して、終わります。