タワーマンション購入予定の方は管理規約に注意「お金持ち」により大きな発言権

2016年5月31日  

 

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日本共産党の辰巳孝太郎議員は、5月31日の参院国土交通委員会で、新たなマンション標準管理規約(3月改定)に関連し、議決権割合の設定、外部専門家の活用などの問題点について国交省の見解をただしました。

標準管理規約は、マンションが管理規約を制定する際の参考資料として、同省が作成・周知するもの。改定後の同規約では、外部専門家を区分所有法上の管理者として選任し理事会を廃止する「外部管理者総会監督型」が盛り込まれました。由木文彦住宅局長は「高齢化が進み役員のなり手のいない小規模なマンションでの例外的なケース」と説明。辰巳氏は「理事のなり手がないマンションが総会であれば監督できるとは考えられない」と疑問を投げかけました。

辰巳氏は、新たな標準管理規約が専有部分の階数や方角、日照などの恣意(しい)的判断基準による価値割合を基礎に議決権の割合を決められるとしたのは、「例えば1階の区分所有者は1票、最上階の人は10票となる(ようなものだ)。これで(建て替えなどの)円滑な合意形成が図られるのか。総会は『株主総会』ではない。マンションには人間の生活がある」と主張しました。

また辰巳氏は、同規約からコミュニティ条項が削減され、夏祭りなどに管理組合が協力できなくなるのではと困惑が広がっていると指摘。由木局長は「居住環境の維持及び向上に資する活動で、組合員の合意があればこれまで通り可能」と答弁しました。

2016年6月3日付「しんぶん赤旗」より引用

議事録を読む

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
本法案のうち、都市再開発法の改正は、住宅団地の再生のためとして、住宅団地の建て替えを第一種市街地再開発事業で行う際の要件を、全員合意から三分の二以上の合意に緩和するものであります。マンションの建て替えが社会的な課題であるということは事実であります。しかし、現行法では、区分所有法で五分の四以上の賛成が必要でありますけれども、それよりも要件の緩い三分の二で建て替えができるようになるというのが本法案であります。
まず大臣にお聞きしたいと思うんですが、これで建て替えをしようとする、また想定されている団地というのはどこに当たるんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 市街地再開発事業の活用につきましては、地方公共団体が再開発事業による団地再生の必要性を判断し、法律上の施行区域の要件を満たす場合に都市計画決定を経て行われることになります。本事業の活用の可能性につきましては、地方公共団体等から具体的な相談が複数寄せられておりますけれども、区分所有者間の合意形成等の問題がございますので、現段階で具体的な団地名をお答えすることはできません。
一般的に申し上げれば、市街地再開発事業は土地の高度利用及び都市機能の更新を図るとの公益性の観点から行われるものでありまして、特に、介護や子育てなど必要な都市機能が少ないため、地域の再生の拠点として整備することが必要な団地で実施されることが想定されるものと考えております。
○辰巳孝太郎君 今大臣答弁されたように、これは元々住民からの発意ではなくて、この再開発事業という別のスキームからの建て替えだということなんですね。都市再開発法第三条には、都市計画に定めるべき施行区域として十分な公共施設がないとか、土地の利用の細分化がされているとか、土地利用状況が著しく不健全だということでありますから、全く別のスキームの建て替えなんですね。
本法案が想定している第一種市街地再開発事業における権利の変換、これ基本的に等価交換ということになっております。つまり、従前資産がもう大分目減りをしているわけですね、普通であれば。そういうマンションであれば、残存価値は少なくなっております。同程度の部屋を確保するためには、自ら資金の調達をして床を買い増す必要があるわけですね。それができない、年金生活の高齢者などはもう高齢化していますから、追い出される危険があるということであります。そういう状況に追い込まれる権利者が、今までだったら五分の四ですから、二〇%、二割を超えていれば建て替えしないということになったわけですが、このスキームでは三三%の人が建て替えに反対をしても建て替えやるという、これが今回のスキームなんですね。
今申し上げました第一種、第二種。第二種の市街地再開発事業であれば、これ主に地方自治体がやる事業ですけれども、都市計画法の七十四条で生活再建措置というのが適用されます。住宅や店舗の取得のあっせんから職業の紹介のあっせんまで、施行者である自治体が責任を持って住民を保護する、そういう規定があるわけですね。
今回想定されている第一種、国交省、聞きますけれども、この生活再建措置、七十四条は適用されるんでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
都市計画法第七十四条の規定は、都市計画事業の施行に必要な土地等を提供したため生活の基礎を失うこととなる者に対する生活再建のための措置でございます。
お話ございました第一種市街地再開発事業につきましては、権利変換によりまして再開発後の建築物への入居が保証されていることから、同条の規定が適用除外とされているものでございます。今回の団地再生は第一種市街地再開発事業を用いた建て替えでございますので、都市計画法第七十四条の適用はございません。
○辰巳孝太郎君 ということなんですね。適用除外なんですよ。建て替えに反対しても追い出されてしまうという人を増やすわけなんですね。生活再建措置を私は適用すべきだと思うんです。
こういう区分所有者に更なるより多くの分断を持ち込むやり方では、団地の再生は進まずに、私は合意形成が逆に遠のくんじゃないかと考えております。真の団地再生のためには、マンションの維持や管理に対する公的な支援を充実するということや、安全、快適、長もちするマンションを目指す取組、管理組合団体などの自主的な助け合いの取組への公的支援、行政の相談体制の整備など、そういう体制を充実することが何より必要だと言っておきたいというふうに思います。
このマンションの管理に関わって、国交省は三月の十四日、マンション管理適正化指針と標準管理規約を改正をいたしました。これに対して、関係者から大きな戸惑いと怒りの声が上がっております。
まず、この地域コミュニティーづくりについてお聞きをします。
まず、ちょっと大臣にお聞きしたいんですけれども、大臣、地域の夏祭りとか盆踊りとか参加されますか。
○国務大臣(石井啓一君) 私の住んでいる地域のみならず、選挙区内の幅広い地域の活動に参加をするようにしております。
○辰巳孝太郎君 恐らくここにいらっしゃる委員ほぼ全てがそういう行事に参加されていると思うんですね。
今回のこの改正、これ三十二条で、地域コミュニティーにも配慮した居住者間のコミュニティー形成というのがありましたが、これが標準管理規約から削除されました。このことが関係者から大きな戸惑いが出て、批判も出ております。例えば、今ありましたとおり、地域のお祭りや盆踊りなどに管理組合が協力できないんじゃないかという意見が出されたわけですけれども、国交省、確認しますが、これ、今までどおりできるということでよろしいですね。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
御指摘のコミュニティー活動につきましては、その重要性が指摘される一方で、先ほどもちょっと御説明いたしましたけれども、強制徴収の管理費から任意負担の自治会費等への支出をしたことをめぐりまして裁判において管理組合が敗訴したことを踏まえまして、今回は、マンション管理適正化法に基づく指針においてコミュニティー活動を積極的に取り組むことが望ましい旨位置付けるとともに、マンション標準管理規約につきましては、従来のコミュニティー条項など関係規定の再整理を行いました。マンション及び周辺を含めた防災、防犯、美化などの居住環境の維持向上に資するコミュニティー活動は可能であると明記したところでございます。
管理組合によります地域のお祭りや盆踊り等への協力については、今申し上げましたように、マンション及び周辺の居住環境の維持向上に資する活動として行うことについて、管理組合での合意が形成された場合には実施することができるものと考えております。
○辰巳孝太郎君 基本的に合意は当然必要なんですけれども、できるということでありました。整理というのは、普通分かりやすくするためにするものなんですけれども、非常に混乱がもたらされているということで、何のための整理だったのかなというふうに言わなければならないと思います。
問題はそれだけじゃないんですね。これまでマンションの標準管理規約では、理事長を含む理事及び監事について区分所有者に限定をしていたわけですね。これを今回、外部の専門家を役員として選任できるようにいたしました。外部の専門家を区分所有法上の管理者として選任し、そして理事会を廃止することができるということも選択肢として出てきたわけですね。理事長は区分所有法上の管理者とする規定を撤廃すると。理事長、理事会に関わる業務、権限を外部の者に委ねると。そして、区分所有者は、この外部の人が管理業務が適正に行われているかどうかを総会で監督をするということにしたわけですね。
これまでの外部からの助言というのはもちろんできるわけです。だけれども、言ってみればお金の管理はさせなかったわけですね。それをもうこれ外部の人にさせることができるようにする、総会で後は監督するだけということなんですけれども、そもそも、これ、監督できるんですか、問題起こりませんか、国交省。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
外部の専門家の活用につきましては、特にマンションが古くなる高経年化に伴いまして、区分所有者の高年齢化、あるいは空き室の増加、あるいは賃貸化が進みまして、区分所有者のうちからは役員のなり手がないといった役員不足の問題に直面していることが多々見られるようになっております。こうした状況に鑑みまして、必要に応じ外部専門家の活用が行えるということにしようとするものでございます。
今回の改正におきましては、基本的なパターンといたしましては外部専門家が理事会の役員に就任をするという方式を可能となるように、その場合の規定を、選択的にこういう規定にできるということを整備したものでございます。また、今の委員の御指摘は、参考資料としてほかの二つのパターンを示しております。一つは、外部の専門家が理事会の外部に置かれる管理者となりまして、理事会がこの管理者を監督するという方式、それからもう一つは、理事会は設けずに、外部の専門家が管理者となりまして、総会がその管理者を管理するという方式、この二つを参考としてお示しをしているものでございます。
今御指摘いただいたのはこの三番目のパターンだというふうに思っておりますが、この方式につきましては、例えば経年に伴いまして賃貸化がどんどん進んでまいりましたような小規模なマンションで、区分所有者の利益の最大化のニーズは高いんですが、理事長等の役員のなり手がいないようなケースを想定しております。まさに例外的なケースを想定しているものでございます。
この方式におきましては、その参考資料におきまして、総会による外部専門家の監督が重要であるということに加えまして、他の方式とは異なる監査法人等による外部監査も義務付けるというようなことを想定した形にしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 ですから、今もあったように、高齢化なんでしょう、理事会も月一回のがなかなか参加できない、理事長なり手いない、そういうところが何で監督できるのかというふうに聞いているわけなんですね。これなかなか、問題起きることだと思いますよ。
それだけじゃありません。今回、議決権割合の設定というものもあります。従来、共有部分の共有持分の割合を基礎としつつ、住戸一戸につき一票の議決権で対応するというケースがほとんどでありました。
ところが、改定された標準規約では、住戸の価値に大きな差がある場合においては、単に共用部分の共有持分の割合によるものではなくて、専有部分の階数、眺望、日照等を考慮した価値の違いに基づく価値割合を基礎として議決権の割合を決めるということが考えられるとしたわけですね。つまり、十倍の価値があるところは一票に対して十票持てばいいと。
これ、誰が求めているんですか、意図は何なんですか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
管理組合の議決権割合は、区分所有法の第三十八条によりまして、専有部分の床面積割合に応じて設定することが原則となっております。あわせて、規約によりこれとは別段の定めをすることもできるというふうに規定されております。
本来、共有物の管理に関する議決権の割合につきましては、民法二百五十二条によりますと、共有持分の価格によることとなります。しかしながら、区分所有法の制定当時、これ昭和三十七年当時でございますけれども、ここで想定をしておりました区分所有マンションは住戸が均質で価値に差が余りないというものを想定しておりましたので、価値割合に近くかつ算定のしやすい専有部分の床面積割合が採用されたというものでございます。
これに対しまして、近年は、制定当初には想定されていなかったような例えば超高層マンション等の出現によりまして、同じ面積でも各住戸の価値に大きな差が出る場合が生じてきております。こうしたことから、私どもの方で規約の在り方について検討をお願いしておりました検討会、有識者会議でございますが、ここにおきましても、こうした状況の変化に合わせた議決権の設定方法として、民法本来の原則である価値の割合による議決権の設定についても、区分所有者が選択をすればそういうこともできるようにすべきではないかという問題提起がなされて、そういう報告書がまとめられました。
こうした議論を受けまして、今回、区分所有者の選択によっては価値割合に応じた設定もあり得るという考え方を示したものでございます。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、誰が求めているのかということなんですけど、検討会といいますけど、検討会にマンションの管理者は誰もいませんからね。私、マンションの一階に住んでいますけど、上の方と価値が違ってくるということなんですよね、要は。私一票、あなた十票という話でしょう。
この国交省のコメントがけしからぬですよ。こう書いてあるんですよ。これ、何でやるか。大規模改修や建て替え等を行う旨を決定する場合、建て替え前のマンションの専有部分の価値等を考慮して建て替え後の再建マンションの専有部分を配分する場合等における合意形成の円滑化が期待できると言っているんですよ。つまり、建て替えするときに、後の部屋の配分について、より価値が高い組合員を優先することにすれば建て替えの合意が得やすくなるだろうと、こういう話をしているんですね。
私、これ、マンションというのは株主総会じゃないと思うんですよ。マンションは人間が住んでいるわけです。管理組合というのは財産の管理だけじゃないわけですよ。そこに人間の生活があるということを忘れたらあかんと思います。
最後に一点だけ、イエスかノーかだけ。この規約ですけれども、新規約でなくて旧の規約でもそのまま適用してもいいということでよろしいですね。イエスかノーかで。
○政府参考人(由木文彦君) マンションの標準管理規約は、一般の分譲の住居専用のマンション等を想定いたしまして、個別の管理組合が管理規約を制定、変更する際の参考として作成をするものでございます。したがって、標準管理規約の解説でも、マンションの規模、居住形態等それぞれのマンションの個別の事情を考慮して、必要に応じて、合理的に修正して活用することが望ましいというふうにしているところでございます。
したがいまして、どのような管理規約を使用するかについては、それぞれの管理組合の判断によるものというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 そのままでいけるということですので、私の質問を終わります。

以下、反対討論の会議録を掲載します。

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎です。
私は、日本共産党を代表して、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
反対する第一の理由は、都市再開発法改正案が市街地再開発事業で住宅団地を建て替える際の合意要件を緩和するものだからです。
本来、団地、マンションの建て替えは住民全員の合意を得て進めるべきですが、区分所有法に基づく建て替えは、区分所有者の五分の四以上の合意で建て替えが可能です。本改正案は、この要件を三分の二以上に緩和します。しかも、第一種市街地再開発事業が想定されているため、都市計画法の生活再建措置が適用除外となります。これでは、建て替えに同意できないなどにより財産権が縮小、侵害される居住者が増加するおそれがあります。
反対する第二の理由は、都市再生特別措置法改正案で期限が延長される民間都市再生事業が、大手ディベロッパーやゼネコンなどの開発大企業を優遇し、住民追い出しや環境破壊、町壊しを一層促進するものだからであります。民間都市再生事業計画はこれまで九十一件認定されています。容積率の緩和に加え、最近五年間で百四十二億円を超える税金の軽減まで行っており、不当な大企業優遇と言わざるを得ません。
以上の理由から反対とする旨を述べ、討論といたします。
○吉田忠智君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
今回の改正案には、防災対策の強化に資する面があることや、既存ストックの活用による地域の身の丈に合った規模の市街地整備を可能とする手法の創出、にぎわいの創設に寄与する観光案内所やサイクルポート等の都市公園の占用許可対象への追加、空き地、空き店舗の有効活用など、コンパクトでにぎわいのあるまちづくりを進めるなど評価すべき点もあります。しかし、大企業優遇で住民不在の都市再生を進め、住民追い出しにつながりかねないものとなっていることから賛成できません。
以下、反対の理由を申し上げます。
第一に、民間都市再生事業計画の大臣認定の申請期限の延長や民都機構の金融支援の対象の拡大、大臣認定処理期間の短縮、道路上空利用の都市再生緊急整備地域への拡充などが、国際競争力強化を名目に激化する国際都市間、特にアジア間競争に勝ち抜き、世界中から人、物、金、情報を呼び込むアジアの拠点、世界のイノベーションセンターとなることを目指すとする大都市イノベーション創出戦略に基づくものであり、容積率の緩和、税負担の軽減などと相まって大企業優遇を進めるものとなっている点です。
政府が進める都市再生は、ビッグプロジェクトやインフラ整備を強行するお膳立てをつくり、国際競争力の強化と不動産市場の再構築が柱となり都市開発を利権の対象とし、都市生活空間を住民から取り上げ民間事業者に譲り渡そうとする一方、本来の都市住民の生活の向上や住民のための住みよいまちづくりの推進、良好な都市環境の保全に逆行するものとなりかねません。
第二に、住宅団地の建て替えについて合意要件を居住者の五分の四から三分の二に緩和する点です。
もちろん、マンションや団地の老朽化対策は必要です。しかし、本来、マンションや団地の建て替えは住民全員の合意を得て進めるべきです。建て替えに必要な住民合意の基準の緩和によって、反対住民の追い出しや居住権、財産権の侵害につながりはしないのかとの懸念が残ります。
以上で反対討論を終わります。