イラク派兵時における武器・弾薬輸送の民間航空機 空港示し追及

2015年9月10日  

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以下、しんぶん「赤旗」より転載。

2015年9月11日(金)

武器・弾薬輸送の民間航空機

利用空港示し追及

参院内閣委で辰巳議員

日本共産党の辰巳孝太郎議員は10日の参院内閣委員会で、自衛隊のイラク派兵時に民間航空会社が武器・弾薬を含む装備品を輸送していた問題について質問しました。この航空機が利用した空港(※別項)を明らかにし、成田空港(新東京国際空港)では、地域住民との合意に反して「軍事利用」していたことを追及しました。

辰巳氏は、国・千葉県、空港管理者と地域住民の間で成田空港を「軍事利用はしない」とした「取極書(とりきめしょ)」を交わしていることをあげ、「武器弾薬を運搬するのは、住民や自治体との合意に違反するのではないか」と迫りました。

左藤章防衛副大臣は「自衛隊はイラクの復興支援のために派遣された。『軍事的利用』には該当しない」と答えました。

辰巳氏は、自衛隊が作成した「イラク復興支援活動行動史」では、自ら「純然たる軍事作戦だった」と認めていることを示し、「軍事的側面があった。『取極書』に関わった住民の方々の思いを踏みにじるものだ」と批判しました。

中谷元・防衛相は、8月26日の安保法制特別委での辰巳氏の質問に、84ミリ無反動砲や110ミリ対戦車弾という強力な武器まで民間航空機が輸送していたと答えています。

この日の質疑で、これらの武器・弾薬の航空輸送に関して国交省・島村淳航空局安全部長は航空法上「原則として運べないが、大臣の承認を受けた場合は運べる」と述べつつ、大臣承認に関しては「記録もなく確認できない」と表明。違法に運搬されていた可能性が明らかになりました。

辰巳氏は「戦争法案が可決されれば、空港、港湾、民間航空機、船舶が軍事目標となる」と指摘し、戦争法案の廃案を求めました。

 武器・弾薬などを輸送した民間航空機が利用した国内空港・利用回数(2003年~06年、陸上自衛隊)

新千歳空港 41回

成田空港 5回

関西国際空港 4回

仙台空港 5回

名古屋空港 2回

 

議事録を読む

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
早速、PFI、コンセッションについて聞きます。
現行法では、原則、公務員の身分のままで例外を除いて民間の職員として働くことはできないとなっております。これを憲法と国家公務員法ではどのように規定されているか、述べてください。
○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。
国家公務員法第九十六条、これは服務の根本基準の規定でございますけれども、この九十六条におきまして、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と、このように定められております。この全体の奉仕者性に関しましては、憲法第十五条第二項の、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」という規定に由来すると、このように解されているところでございます。
また、国家公務員法第百一条、これは、職務に専念する義務の規定でございますけれども、この規定では、法律又は命令の定める場合を除き、その勤務時間及び職務上の注意力の全てをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責めを有する職務に従事することとされているところでございます。
以上でございます。
○辰巳孝太郎君 今回のスキームは、法案は、それの例外をつくるということであります。しかし、そもそもなぜそんなことせなあかんのかということであります。
先ほど来質問でもありますとおり、実際にコンセッションを進める上で、空港を運営する企業に運営の専門的な技術そしてノウハウがない、だから公務員を出してほしいと。仙台空港では、具体的に何名の専門技術者を、公務員を出してほしい、でなければ進まない、何とかしてほしいということであります。公共インフラである空港を民営化する、そのために憲法の枠を超えて派遣しろということでありまして、ニーズがあれば、ニーズがあるんだという話がありますけれども、民間事業者からニーズがあれば何でも提供することになるじゃないか、そこに大穴を空けるじゃないかということで、今回のPFIの法案には私たちは反対をしております。
結局、民間の資金を活用するということでありますけれども、もうけにならないところには民間は資金を出すことはあり得ないわけでございまして、収益優先の民間の営利企業が運営するということになれば、安全対策が一番の懸念課題ともなってまいります。収益部分への投資が優先されて、管理運営上のコスト削減と併せて安全面や人件費を抑制するということが同時に危惧をされますので、私たちはこの法案には反対という態度で臨んでおります。
今日は、関連して、空港問題を取り上げていきたいと思うんですね。
二〇〇四年から二〇〇六年までのいわゆるイラク復興支援活動において、武器弾薬を民間航空会社を使って陸上自衛隊は輸送していたということが明らかになっております。もちろん使われたのは日本の空港であります。情報公開請求による資料が私の手元にもありますけれども、この資料によりますと、この装備品ですね、武器弾薬含む装備品を運搬した空港として、少なくとも新千歳空港が四十一回、成田空港が五回、関西国際空港が四回、仙台空港が五回、名古屋空港が二回、福岡空港二回、熊本空港三回、それぞれ最低でも利用しているということが明らかになっております。
同時に、自衛隊はイラクに、九ミリ拳銃、八九式五・五六ミリ小銃、五・五六ミリ機関銃MINIMI、十二・七ミリ機関銃等々、重武装で赴いているわけでございまして、復興支援でと非戦闘地域でのサマワに行ったはずの自衛隊がそれだけの装備をして出かけていったということであります。
国交省に確認しますけれども、これらの武器弾薬も空港から運び出したということでよろしいですね。
○副大臣(西村明宏君) 国土交通省といたしましては、今お尋ねのような事実は承知しておりません。
しかしながら、取決め書がございますので、この取決め書を含めた成田空港の建設の経緯などにつきましては、これまでも防衛省の方にしっかりとお伝えしておりますし、御理解いただいているものと考えております。
また、一般論で申し上げますと、自衛隊の活動が軍事利用か否かにつきましては、政府部内で安全保障を担います防衛省において適切に判断がされているものと認識しております。
国土交通省といたしましては、成田空港における自衛隊の活動につきましては、防衛省の判断を尊重し、同空港の適切な運用が行われているというふうに理解しております。
○辰巳孝太郎君 防衛省に確認しますけれども、武器弾薬を含む装備品をこれらの空港から運んだということでよろしいですね。
○副大臣(左藤章君) お答え申し上げます。
イラク特措法に基づく活動における民間航空会社の実績とかそういうものについては、関連文書の保存が満了して破棄をされておりますので、現時点で確定的なお答えをすることは困難でございます。
ただ、その上で申し上げれば、イラク特措法に基づき派遣された部隊、要員、各方面からの要員が派遣されており、各地域の国際線を運航している主な空港を利用しているものと認識をしております。
また、先ほどお話にあった弾薬等なんですが、この特措法では、いわゆる自己保存型の武器使用権限が認められておりますので、イラク南部のサマーワに派遣された陸上自衛隊の部隊は、先ほど御指摘もありましたけれども、部隊の安全確保のため、拳銃、小銃、機関銃、無反動砲、個人携帯対戦車弾を携行していました。そのうち、無反動砲や個人携帯対戦車弾は、例えば自動車を利用した自爆テロなどの対策の一つとして有用であることなどから、隊員の安全確保のために携行をしております。
○辰巳孝太郎君 危険なところに行くからそういうものが必要だということでありますね。
それで、成田空港の話がありましたけれども、成田空港での武器弾薬を含む装備品の輸送ということも否定はされないわけですね。資料がないから分からないという話ですけれども、それもあり得ない話なんですけれども、いずれにしろ成田で武器弾薬を運んだことを否定はできないということであります。
成田空港は、一九七二年、地域住民の代表と当時の運輸大臣、千葉県、そして空港管理者との間で軍事利用しない旨の取決め書が交わされております。
国交省に確認します。この取決め書の第三条一項を読み上げてください。
○政府参考人(和田浩一君) お答えいたします。
お尋ねの取決め書の第三条第一項においては、新東京国際空港、これ今の成田空港でございますが、純然たる民間空港であり、安保条約及びこれに基づく地位協定の存在にもかかわらず、これを軍事的に利用することは絶対に認めないとされております。
○辰巳孝太郎君 はっきり軍事利用はいけないと否定しているわけですね。
加えて、この公団が確認した覚書の中でも、この管理者である新東京国際空港公団は、新空港は純然たる民間航空のためのものであり軍事利用はさせることはならない、させることはないというふうに答えているわけであります。
この成田で武器弾薬を運搬することは、取決め書や覚書にある軍事利用に当たって、住民や自治体との合意に違反するんじゃないですか、どうですか。
○副大臣(左藤章君) 一九七二年に、当時の運輸大臣、そして空港公団、千葉県と地元の間で、御指摘のような取決めがなされたことは承知をしております。
一方、そもそもイラクに派遣された自衛隊はイラク特措法に基づきイラクの復興支援のため派遣されたものであり、かかる活動のために成田空港を利用することは、御指摘のようないわゆる軍事的利用には該当しないものと思っております。
このような考え方は、イラク派遣当初の平成十六年の三月に、国会の場において当時の石破防衛庁長官からも既に御説明をさせていただいているところでございます。
○辰巳孝太郎君 平成十六年三月には、これは軍事ではない、あくまで復興支援だという話を石破大臣がしたということですね。これ、十年以上前の話でございます。
しかし、実際のイラクの特措法に基づく復興支援活動はどうだったのかということであります。陸上幕僚監部が作成したイラク復興支援活動行動史というのが、当初は黒塗りで提出されていたものが先日黒塗りが全部取っ払われて、このイラクの復興支援なるものがどういったものだったかというのが明らかになっております。左藤副大臣、この支援活動行動史、お読みになりましたか。
○副大臣(左藤章君) 直接は見ておりません。報告はいただきました。
○辰巳孝太郎君 是非見ていただきたい。十年以上前の話と、実際に行われたイラクの活動が全く違うということがお分かりになると思います。
あくまで軍事利用ではないと言いますけれども、このイラク復興支援活動行動史によりますと、サマワでは、迫撃砲弾やロケット弾による宿営地に対する攻撃は合計十回以上発生したと記述をされております。宿営地内に着弾したケースもあり、被害も発生したと。そして、武器の使用に関しては、指揮官は、最終的に危ないと思ったら撃てと、そう指揮した指揮官が多かったということも明らかになっております。そして、この陸上自衛隊の活動は純然たる軍事作戦だったと、この陸上幕僚監部が作成したものにははっきりと書かれているわけであります。
平成十六年の話ではなくて、今この復興行動史を見て、左藤副大臣、この活動は軍事的側面もあったということをお認めになりますね。
○副大臣(左藤章君) 今お話ありましたけれども、イラク特措法に基づいて、当時は、人道復興支援、安全確保に取り組みながら活動した、いわゆる非戦闘地域の要件を満たしたものと当時は認識しておりました。
その上で申し上げれば、イラクにおける治安状況は全体として予断を許さない状況であり、テロ等の可能性も否定できなかったことから、派遣された部隊や隊員は様々な状況を想定して、現地の治安状況等についての情報収集、必要な装備、教育訓練など、隊員の安全確保に細心の注意を払いながら緊張感を持って任務を遂行したわけでございます。
こうした様々な取組の結果、自衛隊に人的被害はなく、また、我が国は国際社会の一員としてイラクの再建に貢献し、イラクや国際社会から高い評価を得ることができたと認識をしております。
○辰巳孝太郎君 再建に貢献したと言いますけれども、アメリカ軍がイラクをぼろぼろにしたことに賛成しておいて、再建も何もないと私は思うんですね。そもそも、非戦闘地域なるものは危険だったということはもうこれ常識なんですよ。
そのような一連の活動、作戦の一環として装備品を運んだ空港として成田空港、これが、分かっているだけでも五回も使用されているわけであります。二〇〇四年一月の十六日、陸上自衛隊の先遣隊が成田空港からクウェートに向けて出国した際に、これバスで成田空港に向かっている、しかし、空港近くで自衛官はスーツに着替えて、わざわざ、飛行機に乗り込んだんですよ。それだけ後ろめたいという気持ちがあったからであります。
国交省並びに防衛省の立場は、成田空港の成り立ち、歴史、取決め書に関わった住民の方々の思いを踏みにじるものだと私は言わなければなりません。取決め書の第四条に従って再協議をすべきだということを申し上げたいと思います。
さて、自衛隊がこのイラクに持っていった武器弾薬は、そもそも、そもそも民間航空機で運ぶことが許されているものだったのかということについて聞きたいと思います。
弾薬となると、これは爆発物でございます。航空法第八十六条で輸送は禁止をされております。ただし、航空法施行規則百九十四条第二項において、容器又は包装が告示で定める安全に関する基準に適合しているなどとすればこれは除外されるということであります。
国交省に確認しますが、具体的にどういう基準でありますか。
○政府参考人(島村淳君) お答えいたします。
航空法施行規則第百九十四条第二項においては、航空法第八十六条で輸送が禁止される物件から除外されるものが規定されております。具体的には、除外される物件として、告示で定める物件であって、所定の容器又は包装等の告示で定める技術上の基準に従って輸送される物件、また、航空機の運航、航空機内の人命の安全の保持その他告示で定める目的のために輸送される物件、搭乗者が身に着け、携帯し、又は携行する物件で告示で定めるもの、航空機以外の輸送手段を用いることが不可能又は不適当である場合において、国土交通大臣の承認を受けて輸送する物件などが定められております。
○辰巳孝太郎君 国連の危険物輸送に関する勧告のお話はありませんか。
○政府参考人(島村淳君) ここの、航空法の施行規則、第二項の中では国連の勧告に基づくものは入っていないと承知をしております。
○辰巳孝太郎君 その八十六条に基づいて容器や包装という話と、どういう包装にすればいいのかという詳しいものがICAO条約に基づくIATA基準というのがあるはずなんですね。このIATA基準の区分と国連基準に照らして、今回、自衛隊がイラク・サマワに持っていった八十四ミリ無反動砲の弾薬、百十ミリ個人携帯対戦車弾は、これそもそも航空で輸送できるんでしょうか。
○政府参考人(島村淳君) IATAの基準というものと同等のものが告示で定められておりまして、その中に御質問の物件、それの国連区分でございますが、先ほど申し上げましたとおり、国連が定めているいわゆる国連区分の一・一のE、またその中のさらに国連番号一〇八一番及び〇〇〇六番に該当するものが先生御指摘の砲弾であります。
これらについては、先ほど告示で定める物件には該当しない、除外する物件には該当しないものですが、先ほど申し上げましたように、航空機以外の輸送手段を用いることが不可能又は不適当である場合においては、国交大臣の承認を受けた場合には輸送することができるということになっております。
○辰巳孝太郎君 原則運べないということでよろしいですね。原則運べない、飛行機では運べないということでよろしいですね。
○政府参考人(島村淳君) そのとおりでありまして、まず原則としては運べない、承認を受けた場合には運べると。
今の答弁の中で国連番号一〇八一番というのは、〇一八一番の間違えでしたので、訂正させていただきます。
○辰巳孝太郎君 国土交通大臣の承認を受ければということですね。
国交省、承認はあったんですか、承認申請はあったんですか。
○政府参考人(島村淳君) 今申し上げているのは一般論の航空法のルールを申し上げておりまして、ここで議論になっているその弾薬の輸送については、国交省として御指摘のような輸送が行われていたかについては記録もなく確認できておりません。
○辰巳孝太郎君 今申し上げたのは、幾ら包装しても幾ら頑丈な容器に入れても余りにも危険な弾薬、火薬などは、これは国連基準に照らして航空機では運ぶことができないということなんですね。自衛隊が航空機で運んだ、これ中谷防衛大臣が私の質問に対して、八十四ミリ無反動砲の弾薬、百十ミリ個人携帯対戦車弾は航空機で運んだと言っているんですよ、答弁しているんですよ。これは運べないということですね。運んじゃ駄目なものを運んだということですね。
○委員長(大島九州男君) 島村航空局安全部長、時間ですから簡潔に。
○政府参考人(島村淳君) はい。
再度申し上げますが、先ほど申し上げましたように、原則は禁止でございますが、国土交通大臣の承認があれば輸送の可能なものとなっております。ただし、先ほど申し上げましたように、その記録は確認されておりません。
○辰巳孝太郎君 むちゃくちゃな話ですよ。もう、どんだけずさんなんだと。
戦争法案が可決となれば、軍事利用される空港や港湾、兵たん活動を行う民間航空機、船舶が軍事目標となる。運んじゃいけないこういう弾薬も運んだと、それが分からない、確認できないということが明らかになりました。
この施設の平和利用を求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

反対討論を読む

○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。
 反対する第一の理由は、一九九九年PFI法制定後の四回にわたる改定で、民間営利企業が利用しやすくなっただけでなく、事業における安全性や公共性を確保する公的な責任を曖昧にするものとなったからです。
 現在、この法改定に基づいて仙台空港でのコンセッション事業が進められており、これまで空港で働いてきた専門知識、技術などのノウハウを持つ公務員を引き続き民間の営利事業者に提供することは認められません。
 我が党は、国管理空港等をコンセッション事業の対象とする二〇一三年の民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案に対して、空港施設運営権の売却は、民間資本のもうけ、利潤獲得のために国民の共有財産である空港を利用、活用させようとするものとして反対しました。
 民間が公務より効率的な経営ができるというのがPFIの理念のはずですが、仙台空港のコンセッション事業が示しているのは、公務員のノウハウなしにPFI事業が進められないという事実です。そもそも民間のシンクタンク調べでも、仙台空港はPFI事業として成り立たないとの指摘もあるように、公共性や安全性を後退させるコンセッション方式の追求はやめるべきです。
 第二の理由は、公務員を一旦退職させた上で民間の営利企業への派遣を可能とすることが、憲法第十五条二項にある「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」との憲法の精神に反するものだからです。
 本法案は、退職派遣という手法でこの原則に穴を空け、民間の営利企業であるコンセッション事業者のもうけのために公務員のノウハウを差し出させるようにする改定であり、認めることはできません。
 以上、反対討論といたします。