「残業代ゼロ」は許さない

2014年4月23日  

1926811_429312557206348_8576935833661518331_n10154427_429312570539680_412493839730486477_n24日付のしんぶん「赤旗」の記事を引用します。

デフレ脱却にも反する

残業代ゼロ政策 辰巳氏 導入に反対

日本共産党の辰巳孝太郎議員は23日の参院「デフレ脱却・財政再建に関する調査会」で、22日に安倍晋三首相が検討を表明した労働時間規制の緩和による「残業代ゼロ政策」について、「成果をあげるために際限なく残業することになる」として、導入に反対を表明しました。

辰巳氏は、1990年代後半から続く個人所得の低下が現在のデフレの主要因だと指摘し、「労働時間規制の撤廃が総人件費の抑制につながれば、デフレ脱却にはならない」と強調しました。

参考人として出席した経済財政諮問会議の民間議員である佐々木則夫東芝副会長は「給料が下がっているのはそのとおり」と述べる一方、「業種も含めてこれからの議論だ」などと言い逃れに終始しました。

辰巳氏は、この間の成果主義賃金制度が人件費抑制の道具となってきたことは明らかだと指摘。長時間労働のまん延で過労死や精神疾患が社会問題となってきたことをあげ、労働者の命を守るために企業がさらに社会的責任を果たすよう求めました。


議事録を読む(参考人部分)

○参考人(佐々木則夫君) ただいま御紹介いただきました佐々木でございます。
本日は、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
早速、御説明に入りたいと思いますので、ちょうどお手元にパワーポイントの資料があると思うんですが、それを御覧いただきたいと思います。成長戦略の課題と財政健全化、こういう題で、その次のページに目次がありますけれども、アベノミクスの成果と進捗、それから企業から見た成長戦略の重点課題、それから財政健全化に向けた道筋という、この順番で御説明を差し上げたいと思います。
次の三ページを御覧いただきたいと思うんですが、まずはアベノミクスの成果と進捗というお話ですが、既にこれは御案内のとおりでお話しするような内容ではないと思うんですが、例えますと、為替、これ二一%の円安と書いてありますが、せっかく会社の役員が来ておりますのでその視点からちょっとお話をすると、この為替の効果はダイレクトに、大体売上げで一〇%内外増えております。利益は大体二〇%内外増えていると。やはり、本当に為替の効果というのは非常に大きいかなというふうに思ってございます。実質GDP二・六ということ自身は、まだこれからどういうふうにその売上げの中で出てくるかというのはちょっと評価をしなきゃいけないんですが、悪い方向ではないと。それから、株価、ここでプラス四五%と書いてあります。当社は大体プラス五〇%内外、ちょっと日によって株価ですので違いますのでなかなかどれとは言いづらいんですが、大体五、六〇%ぐらいは上がっていると、そういうところだと思います。
消費者物価指数にしても失業率にしても、みんな基本的にはいい方向に数字としては出ておりまして、昨今のあの賃金引上げの政労使会議も含めて、当社の場合、大体妥結したのは、ベア二千円プラス、それから元々定期昇給はこれずっとやっていまして、それが大体六千二百円ありますので、大体八千二百円ほど実は賃金としては平均的には上がっていると。これ、大体二・七%ぐらい上がるという感じになります。うちの場合、賞与は業績連動ですので、多分、まだ今決まっていませんけれども、プラスの一〇%ぐらいのところで、あとは業績次第と、そういう感じになると思います。
次の四ページをお願いしたいんですが、これは内閣府の方で作成した資料ですけれども、企業業績改善の改善を通じた経済の好循環、これをどう回していくかと、そういうことだと思います。
まずは、我々産業としては、競争力を強化する、生産性を上昇させる、それから企業収益を拡大させて、更なる賃金上昇、雇用拡大をしていきたい、それで、それによって消費が拡大して投資が増加をすれば更なる企業収益の上昇という、こういう好循環を是非実現をしたいというふうに思ってございます。そういう意味では、労働市場の改革、これも必要で、政府による環境整備ですとか労使による新しい働き方、こういうものもやっぱり我々としては模索をしていく必要があるだろうと、そのように考えております。
五ページ、お願いします。
これは成長戦略実行における重要テーマということで四つほど挙げさせていただいていますが、一つは、もう言わずもがなで、産業競争力強化をしていかなきゃいけない。このためには、規制改革、法人税改革、いろいろあると思うんですが、そこに挙げた五項目、とにかくこれによって企業活動を活性化をしていくと。
それから、グローバル化、今TPPなんかいろいろ調整をしているところでございますが、外に向かって又は外から日本に向かって、やはりこの流れを活性化をしていかなきゃいけない。それから、やはり日本のマーケット、なかなか伸びにくいところもありますので、やはり海外市場そのものを取り込んでいかなきゃいけない。そういう意味ではいろいろな形でグローバル化を進めていかなければいけないと、こういうことでございます。
それから、その基礎になるのはやはり人材でございますので、人材の活躍強化というようなことで、労働市場、これを活性化しなきゃいけないし、やっぱり少子高齢化のうちの少子化、ここのところを本当にどういうふうに対応していくか。外国人材の話もありますし、女性の活躍の問題もあると思いますが、当面の労働人口を確保しているうちに出生率とかそういうものをどう上げていくかと、多分そういうことだというふうに認識してございます。
それから、新規市場、やっぱりこれは新しいところを攻めていかなきゃいけない。それには、やはりICT、あとはこれから成長産業である医療、こういうものを本当にハイブリッドにフォローしていく必要がある、そういうふうに思っております。
次の六ページを御覧いただきたいんですが、まずは規制改革ということで、これは経団連の規制改革要望というものですね。実は、経団連の百四十七社、そこから大体集めると八百件ほどの要望が集まってまいりました。これを重点分野十二分野、二百二件に取りまとめて、そこにありますような健康・医療、それから雇用・労働、それから農業、創業・IT等、貿易・投資と、こういうようなフィールドに合わせていろいろ政府の方にも要望をしているところでございます。
次の七ページを御覧いただきたいと思うんですが、今回、産業競争力も含めて企業実証特例制度を採用いただきまして、誠にありがとうございました。
早速第一号で東芝は採用させていただいて、そこの題のところに書いてありますように、半導体製造に用いるガス容器の先進的検査方法の導入ということで、従来、旧来のやり方をしていた水圧を掛けて目視で見ると、そういうものが、やはり欧米のやり方、既に導入済みの超音波を使ったいわゆる非破壊検査、こういうものを具体的に採用しているというところでございます。これ、そこの効果のところにも書いてございますが、これ従来の方法でいきますと、数週間検査に掛かる、その間、工場その他、結構いろいろ不便なことが起こるんですが、これを大体一時間ぐらいで済ませられますし、年間で一、二億ぐらいはこういうもので経費が落ちると。非常に競争力にも本当に寄与できる、そういうものだと思います。
中身は八ページに書いてございますが、現状、中身を目視で見て水圧を掛ける。それを、いわゆるガスで圧力を掛けて音波で見る、それから超音波でもって傷を見ると、こういうような方法を企業特例で認めていただいて非常にメリットが出ていると、こういう例でございます。
それから、九ページ目、御覧いただきたいと思うんですが、まずはどういう形で、企業から見た成長戦略、本当にお願いをしたいし、自分たちもやっていかなきゃいけないと、そういうことだと思うんですが、まずは持続的成長を促す労働市場、これをどう改革していくか、それから法人税、こういうものをどう改革していくかと、そういうことだと思います。
法人税的に見ますと、やはり諸外国と比べて相対的に高い法人実効税率、これは、やはり我々は戦っているのは日本の中だけではございません、海外の企業と戦っているわけですので、ここを本当にイコールフッティングに是非お願いをしたいというふうに思います。それから、労働需給、これも大分もうタイトになってまいりまして、失業率もそうですし、有効求人倍率ももう一を超えて一・〇四とか〇五とか、そういう数字になってきております。やはり今後、賃金もそれにつれて当然上がっていくと思いますし、物価も上がっていく。そういうようなときに、やはりどういうふうに労働力を確実に確保していくか、それから生産性をどう向上させていくか、このことに注力をしないと日本の産業というのは行く末が不安になると、そういうことだと思います。
労働市場そのものについては、やはりこれから先、どういう人材をどういうふうに強化をしていくか、特に生産性向上と結び付けた形で具体的にどうするか。それから、法人税の改革については、先ほど来お話をしていますように、国際競争力という観点が非常に重要だと。それから、あとは対内直接投資、日本に向けた外からの投資というのが非常に少のうございます。これは、OECD諸国から見てももう五分の一とか十分の一とか、そういうオーダーで少ない。ここを税金だけで解決できるとは私は思っておりませんが、ワン・オブ・ゼムを一つずつ取り除いていく、このことが必要だと思っております。
それから、十ページを御覧いただきたいと思うんですが、今度は人材、生産性向上に向けた人材力強化というお話なんですが、やっぱり労働市場そのものが構造変化をしているというふうに思います。非正規の問題、それから長期失業、それから高齢化と若年の失業者の問題。あとは、雇用そのものが結構ミスマッチができてきている。それから、やはり日本の場合は一つのマーケットに非常に数多い会社がいるというふうなことで再編が必要だという、よく言われるわけですがそれが遅れている。それから、サービス業、特に今第三次産業というのは全体の就労者の七割方、実際に第三次産業に就労されているわけですが、生産性がやはり低いということが挙げられております。
それから、働き方についても、やはり日本の労働慣行も含めて、システム的にはかなりフレキシビリティーが少ないのではないかというようなことで働き方の柔軟さというような話と、やはり雇用そのものについてどういう形でセーフティーネットを整備をしていくか、こういうことが大切だと思います。それから、長時間労働、これも常態化している部分は逆に生産性を下押ししているんじゃないかと。それから、男性の長時間労働が女性の就業をもう阻害しているんじゃないか。百三万円、百三十万円の壁の話ももちろんあるにしても、やはり解決をしていかなきゃいけない。
その右の方にグラフが出ておりまして、上のグラフ、これ実は若年の就業者、非常に日本、少なくなってきております。これはその次のページ、次の次のページでまた御紹介しますが、非常に年齢構成が高年齢側にシフトをしている。
それから、その下のグラフを御覧いただきたいんですが、有効求人倍率、一・〇幾つだからいいじゃないかという話ではなくて、例えばこれ一番上の建設労働者、約三ぐらいあるわけですね、だから三倍求人の方が多いと。これが実際には復興の妨げになっているわけですので、だから本当に必要なところにミスマッチなく人材をどう投入できるか、これがこれから先の成長に結び付くというふうに考えております。
それから、十一ページを御覧いただきたいんですが、今言った人材力と働き方、どういうふうにしていくか。若者、高齢者、外国人も含めてなんですが、どう活躍を推進をしていくか、こういうところ、非常にこれからの大きな課題だと思います。それから、アンマッチ、ミスマッチ、その話も先ほど来いたしております。ただ、いろいろそのミスマッチに対応する職業訓練、これもなかなか、日本というのは公的職業訓練への支出というのはOECDの五分の一ぐらいですので、そういう意味ではやはりいろいろ解決をしていく必要があるのではないかなというふうに思います。
それから、働き方。これ、多様な正社員の普及というのでジョブ型の正社員とか短時間正社員とかいろいろ書いてございますが、単純に無制限の、無期間で無制限の働き方というよりは、やっぱりもう少し多様性を持たせた方がいいのではないかと、そういうことだと思います。
とはいいながら、長時間労働そのものは抑制をしていかなきゃいけない。そういったときに、いろいろな上限規制ですとか有給休暇を取らせるとか労働時間そのものの貯蓄制度ですとか、いろんなやり方があると思うんですが、働き過ぎそのものをどういうふうに、生産性を落とさず実現をするかと、働き過ぎを抑制することをですね、やはり課題だというふうに思ってございます。
それから、その中で海外人材の話も含めてちょっとお話をしたいのは、十二ページでございます。
これ、製造業における海外人材の活用ということをお話をしたいんですが、これ、現場技能者、非常に確保が難しくなっております。先ほど、建設のところが三倍有効求人倍率があると言ったのと同じような状況なんですが、例えば、現場技能者に比較的多い高卒の方々の人材の数は、平成四年の団塊ジュニアの時代、百八十一万人いたわけですけど、現在では百九万人ぐらいで、約四割実は減少しています。さらに、進学率が上がったということで、就職者としては六十万人いたものが十八万人にまで減っていて、これ七割減ってございます。やはりこういうところも含めてなかなか難しい。高卒の製造業への就職者数というのは十二万人減っておりまして、国内で工場、生産設備、そういうところに労働力を確実に供給するという意味でなかなか難しい環境にはなってきているというふうに思います。
そうすると、いわゆる空洞化の話とか海外での地産地消の話、それ以外にも、やはりこの労働力の問題での海外シフトというものも加速されつつあるのではないかなというふうに思ってございます。
それから、そのときに、今、製造業、海外にいろいろ工場を持っていったりしますけれども、その人数、正式な従業員の数というのは、日本企業の子会社、子工場といいますか、四百四十三万人ほど正社員でおります。これを本当にいろいろな市場の変化に合わせて活用できないかなと。
なお、この四百四十三万人というのは、二次産業、それの国内外全体の人のうちの二二・四%。だから、製造業の四分の一はもう海外工場での、海外の人員で成されている。こういうものを本当は規制緩和それから戦略特区とか、そういうようないろんな仕組みの中でフレキシブルなローテーションができると非常にいいかなというふうに私企業としては思ってございます。
それから、十三ページお願いします。
今言ったお話が、まあ技能者だけのお話だったわけですけど、もう本当は事務、営業、技術職とか技能職、生産職、そういうのも全部含めてボーダーレスなローテーションができますと、本来の補完関係もできて非常によろしいのではないかと。
処遇については、もうホームカントリー処遇にしっかり海外勤務手当と、海外というのは日本が今度は海外になりますけど、それから生計費とかハードシップも付けながら、その国である処遇に確実に合わせてやる。そのことで世界各地の拠点における人的リソースの相互活用ができればというふうに思っております。国によって生産の季節変化ありますので、そういう負荷の平準化にも役に立つというふうに認識しております。
それから、次、十四ページお願いしたいんですが、産業の活性化に資する法人税制ということで、ちょっとここで三つほど挙げさせていただいております。
一つは、やはり先ほど来ちょっとお話をしている国際競争力、これを強化と書いてありますけれども、今は実際には日本は相対的に法人税率高いのでなかなか、せめてイコールフッティングにしてほしいと、そういうことでございます。その意味では、アジア近隣諸国というのは、海外で、輸出先でもっていろいろバッティングしておりますので、そこ並みの法人税率をやっていかなきゃいけない。
それから、法人課税の中で、今課税ベースの拡大の話、もちろんしているわけですけれども、全てではないんですけれども、ネット減税を確保しないとなかなかその先難しいだろうというようなこともあります。
それから、対日直接投資、この話もありますし、あとは経済活性化の話、いろいろ賃上げですとか、そういう好循環を維持をしていくというような話も含めて成長下での税収増、これを活用していって法人減税ができればと思っております。
次に、十五ページ、御覧いただきたいと思います。
ただ、その税率だけではなくて、繰越制限、例えば欠損繰越制限みたいなもの、それから租税特別措置のようなもの、そういうようなものも全部含めて、やはり海外の、他国では本則に入っているものが例えば租特に入っているとか、海外では無期限な欠損の扱いが日本では九年だとか、やはりそういう意味でもイコールフッティングではございませんので、是非その点をお願いしたいと思います。
十六ページをお願いいたします。
今、一番下の水色の線については、これは内閣府の試算ケースなんですが、平成二十五年度の税収、経済が大分立て直ってきて、法人税収八・七兆円から今十・一兆円ぐらいのところ。さらに、その先、上振れが多分この六月ぐらいで確認されるというふうに思っております。そのおかげをもちまして、二十六年度のプライマリーバランスの改善、四兆円から五・二兆円へ行けて、新規の国債も、発行も一・六兆円削れたと、そういうことは御案内のとおりですが、それをずっと上積みしていくと茶色の線になって、それでも多分二〇二〇年のプライマリーバランス黒字化というのはなかなか難しい。やはり追加の成長戦略をしていかなきゃいけない。
そういう意味では、その幾ばくか上に上がった利益を法人税引下げその他いろいろ使っていったときに、緑色の線のように、当初は戻りが低くてもその先では更なる成長を期するというようなことで、法人税引下げで財政健全化と経済活性化、これも三つ合わせて三方一両得を実現するのが我々としてはよろしいのではないかということだと思います。
それから、十七ページを御覧いただきたいんですが、やはり今日お題いただいていますその財政健全化という意味では、中期的な目標、先ほど来ちょっとお話ししましたように、二〇年度は今の内閣府の試算でもマイナス一・九%残ってしまいますので、新たな施策をしなきゃいけない。そういう意味では、法人税改革で産業活性化もしていかなきゃいけない。それから、あとは全てを成長でやろうというのは無理ですので、歳出の重点化、効率化をしていかなきゃいけない。特に、一番伸びの大きいのはやはり社会保障ということで、ここのところをターゲットにしっかり考えながら二十七年度予算の方を是非よろしくお願いをしたいというふうに思っております。
十八ページ、お願いします。
社会保障制度改革というような意味で非常に問題になっている医療費について、その下のコラムのところに書いてあると思うんですが、これ右の表があると思うんですけれども、これ日本とスウェーデンって、医療費の支出のGDP比って、日本が九・五でスウェーデンが九・六という、ほぼGDP比では同じですので比較をしました。これ、人口千人当たりでいくと医師数は約半分ですね、これ、二・二と三・八で約四人ですので。ところが、ベッド数、五倍あります。それから、外来数、六倍。薬剤費、それについては倍ぐらいあると。それから、ここにちょっと載っていないんですが、入院している入院患者も実は六倍います。だから、半分の医者で、五倍のベッド、六倍の外来、六倍の入院、二倍の薬剤費と、そういう形でございます。やはりここは少しいろいろ考えどころかなというふうに思ってございます。
最後のページ、十九ページをお願いいたします。
とにかく財政健全化に向けた道筋としては、財政の質そのものを上げていかなきゃいけない、そのためには透明性を確保しなきゃいけないというようなことで、OECDにもいろいろ指摘されていますけど、財政ルールですとか目標の遵守状況の監視をしていく、それから中期計画をしっかり策定をした上でそれをフォロー、どういうふうにPDCA回していくかということだというふうに思っております。
そういう意味では、いろいろそれをフォローする体制の強化、そういうことも含めてこれからしっかりと諮問会議も通じてチェック機能の強化をしていこうと。若干人的なリソースについては課題があるので、これからシステム的にどういうふうに見ていくかというのはこれからの検討だというふうに認識してございます。
以上でございます。
○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。
次に、坂根参考人にお願いいたします。坂根参考人。
○参考人(坂根正弘君) 今日はお呼びいただいてありがとうございます。
私の今日の話は──手元の資料でやりますから、電気つけていただけますか。パワーポイントをやっていると時間を食っちゃいますから、手元の資料でやりたいと思いますので、電気をお願いします。
私が今日お話しする中身というのは、かなり基本的なスタンスのお話をしますので、本来なら、私が先にしゃべって佐々木参考人の方が後の方が具体策があってよかったかと思います。
私の今日の話は、デフレの原因がどの辺にあって、その結果どうなったかということと、企業の例として私どもの会社のコマツがどう取り組んできたか。それから、私は、この国はドイツに非常に似たところがあるのでドイツに学んだらどうかということをずっと主張しておりますので、この話。結果として、国としてどう取り組んだらいいか。私は産業競争力会議と国家戦略特区のメンバーをやっていますから、その中で私が主張している話を最後にしたいと思います。
まず、二ページを御覧いただきたいんですが、デフレが続いた原因は、何といっても需要サイドの社会構造が、東京一極集中がもう限界に来たと。地方は一次産業を含んで疲弊して、何をやっても無駄な投資というふうになっちゃう、少子化は東京一極集中でどんどん進む、女性の活用も進まないということだと思います。一方の供給サイドは、この国の一番大きな問題でして、どの業界もプレーヤーがいっぱいいて、かつては切磋琢磨、今やもう消耗戦であります。
意外とみんな議論になっていないのが、ここに書いている、私は、この間接金融の問題、結構日本は大きくて、日本も直接金融、直接金融と言ってきたんですけれども、振り返ってみますと、デフレの期間というのは九七年のあの金融機関がおかしくなり始めた機能不全の期間と一致しているわけでして、金融機関がリスクを取れなくなった、金融機関だけではなくて、この国全体、国も民間もリスクを取らなくなった、攻めを忘れたということだと思います。
攻めというのは、自分の強みを認識しない限り絶対に攻めの戦略は取れないわけでして、自分たちに物すごく大きな強みがあるにもかかわらずその強みを忘れたということが、私どもの企業の例でお話を後でします。
それから、立法、行政の問題ですが、私ははっきり言って、総理大臣や外務大臣、財務大臣が一年のうち百二十日国会に拘束されて、毎年一回総理大臣が替わっている国がデフレ脱却できるわけはないと、私ははっきりそう申し上げたいと思います。政治の安定というのは、今日は与野党の方おられますけれども、安定というのはなかなか難しい部分ありますが、それにしても、毎年毎年総理大臣が替わっていてデフレ脱却できるのかということをあえて申し上げたいと思います。
その次に、デフレの結果がどうなったかということを、これは私のオリジナルな分析なんですが、この三ページであります。
左の二十年間というのはバブルまでの二十年間、一九七一年からです。右がバブル以降の二十年間なんですが。横軸が一人当たり総資本形成、民間投資、公共投資、あらゆる設備投資とかいろんなものを入れた総資本投資を一人当たりどれだけ使ってきたか。縦軸は、その結果、最後の年のGDPが一人当たりどうなったかということなんです。
左のグラフは見事に、ジャパンと書いてあるところを見ていただきますと、世界とほぼ同じような相関に乗っておりますが、右に行きますと、一人離れたところにおります。ノルウェーもちょっと離れていますけれども、日本が特に離れております。この差はどれだけあるかといいますと、一人当たり総資本を十万ドルたくさん使っています。その結果、GDPを二万ドル出せなかった。十万ドルというのは、一億二千七百万人だと千二百七十兆円、一ドル百円として千二百七十兆円たくさん使って二百七十兆円ぐらいGDPを出せなかったということを表しております。
この下のグラフを見ていただきますと、左がよく政府・日銀が発表する実質GDPでありますが、過去二十年間、日本は一・二一倍、ドイツ一・三二倍、アメリカ一・六三倍、あれだけのバブルを経験したこの国にとってはまあまあやっているなというふうに見えますけれども、右の名目を見ていただきますと、日本一・〇八、ドイツ一・九四、アメリカ二・五ということで、これが我々の生活実態であります。
この一・〇八が一・六とか七に本来なっていたはずなんですね。さっきの二百七十兆円というのは、GDPを五〇%、六〇%アップしてくれたわけです。ですから、私は、投資した割にGDPが出ていない、物価がデフレでこういうことになっちゃったということだと思います。
〔会長退席、理事西田昌司君着席〕
次に、企業のお話をしますと、コマツの例でありますが、何といっても我々の場合にはバブルが、最も恩恵を受けた業界であります。建設機械というのは、バブルの頃は世界の建設機械の四割がこの島国に売れておりました。それがどんどんどんどん右肩下がりで、もう今国内販売が一五パーから一七パーです。東京一極集中ですから、私が会社へ入る前から本社は東京にありました。私が経団連で会うと、月に何回石川から出てくるのと聞かれますけれども、そんなことはありません、もう東京にずっとおります。みんな東京に集まっちゃった。
もう一つが産業構造でして、この国の国内の業界再編、進みません。私どもの建設機械メーカー五社、みんなで激しく競争していますが、ほかの業界と違うのは、我々はアメリカの第二位のメーカーを買収し、ドイツも二社、イタリー、スウェーデンも買収して、海外の業界再編を自らリードしてきました。ほかの日本のメーカーもやっています。それでまあ何とか生き延びているということだと思います。
それから、私どもは日本では少なくともトップメーカーですが、私が二〇〇一年に社長になって、どれだけ値段競争しても誰もやめないのならもう値段を上げるということで、この十年間で二〇%の値上げをしてきました。一時シェアを落としましたけれども、今また復活しております。
それから、何といってもこの国はボトムアップで成り立った国で、トップダウン力がなくて、事業をやめることができない。私は、世界一位か二位になれるもの以外全部やめたという宣言をして、今売上げの半分が一位商品、二位まで入れて八八%になります。
それから、世界の競争で勝つためには、欧米の後追いでずっと来たわけですが、我々はビジネスモデルで先行するということで、ICTを使ったビジネスモデルで世界に先駆けて今走っております。ビジネスモデルで先行して現場力勝負に持ち込んだら、我々日本勢は負けないという自信を私は今持っております。
〔理事西田昌司君退席、会長着席〕
そうはいっても、二〇〇一年に私は国内二万人の人全員に手紙を送って希望退職を募りました。子会社への出向者も全部、賃金差額を払って転籍をしていただきました。雇用は物すごく大事なことです、この国にとって。というのは、労使の信頼関係があるから、二か月後からアメリカに行けと言われたら、はい分かりましたと行く、国内のこの工場に行けと言われたら行くわけですが、それをとことんまで我慢したら全員で沈没することになる。だから、私は、一回だけ雇用に手を付けさせてくれということで、一回二万人が一万八千五百に減りますが、今、日本に自信を取り戻して新工場は日本に造っています。したがって、今二万二千まで人が増えております。終身雇用はいいことがいっぱいあるんですけれども、ぎりぎりまで頑張っちゃうと全員で沈没することになる。この辺がこの国の難しいところだと。
それから、この国の最大の問題点は、雇用に手を付けられないので、コストというと全部をひっくるめてコストというんです。アメリカでは、コストは変動費、その上にキャパシティーコスト、固定費がどれだけ乗っているか。できるだけ固定費は少なくして現場はしっかりしようというのがアメリカ流ですけれども、この国はそれを丼勘定で見るものですから、本来は間接部門、本社部門が肥大なのに、工場の競争力がないかのごとく思っちゃう。私は、日本の変動費だけで見たときには競争力はあるということで、日本に自信を取り戻して、その代わり本社をスリムにし、無駄な事業を全部やめるということでやってまいりました。
結果的に、その次の五ページを見ていただきますと、二〇〇一年に私が社長になったときの、左上が固定比率、売上高に対する固定比率、下が営業利益率なんですが、この固定費が私どもがベンチマーキングしているアメリカの競争相手に比べて六ポイント高かったんです。常に六%重かったんです。その分だけ営業利益が六%少なかったんですね。
ですから、私は、固定費さえ下げれば我々は収益出せるということで取り組んできて、その後、二〇〇七年度、二〇〇六年度で私が社長を退きますけれども、ここには競争相手のデータは書いてありませんが、逆転をします。その後の、私の次の社長がその差をずっと維持しておりまして、最後の年はほぼ一緒になりましたが、一ドル七十九円であります。今の百二円ですと、彼らはもう、つい最近決算発表していますが、営業利益率において我々が五、六ポイント上回っています。
問題は、下のグラフを見てください。日本に自信を取り戻して、生産を今、日本で四八やっています。海外に逃げ出しましたが、もう一度日本に帰ってきて、今、生産四八、このうち国内に売っているのが一七、そこから出た利益が一二、日本から輸出したのが三一、出てきた利益が一一、これ一ドル七十九円です。今の百二円ですと、恐らく国内よりも圧倒的に日本からの輸出が利益がいいという状況になります。
問題は、この一七が、デフレがあと五年続いたら一桁になります。そのときに、日本の四八の生産を頑張れるか。それがノーですね。ですから、一回自信を取り戻して日本に帰ってきた私どもが、このままデフレが続いたら日本を脱出せざるを得なくなる、これが私はこの国にとっての基本問題だというふうに思います。
次に、国としての状況でありますが、私はドイツに学べと言っておりまして、あのドイツが、九〇年代、疫病神と言われた国が見事に復活した最大の理由は、あの経済圏をつくっちゃった。決してまねできませんけれども、通貨統合をした。一方、我々にはアジアというもっと大きなポテンシャルがあります。もちろん通貨統合は無理ですけれども、通貨だってもう少し安定させる方法があるんじゃないのか。
それから、産業についても、労働市場改革をドイツは思い切ってやりました。法人税の話も、同じようなことを彼らは先行してやっております。ただ、三番に書いてありますように、お金が回らなくなったと、債務超過になりそうならもう、倒産申請という部分は、これ一見して倒産件数がアメリカの倍以上、日本の五、六倍ということで、ひどいことになっているように見えるんですが、お金さえ注いだら健康体に戻れる状態で出ますから、私どももドイツの会社を買収したのはこういうときに買収しております。どちらがいいかといったら、もう長い目で考えたら答えははっきりしていると思うんですが、恐らく日本の場合には相当議論を呼ぶところだと思います。
それから、今、高付加価値商品・技術、これがドイツは産官学。国のお金で研究開発を使うときは必ず民間から三分の一お金を取れと、民間がお金を出したものには国もお金を付けてやるというようなやり方を取っております。
それから、最後まで日本がまねができないのが地方主権だと思います。あの国は、第二次世界大戦のあのヒトラーの反省から、最初から憲法は地方主権でスタートし、我々は中央集権でスタートしました。高度成長期は中央集権の方が圧倒的に効率良くて一回我々が勝ったように見えましたけれども、今になってみると、各地方都市に大きな企業の本社が点在してそれぞれの町が強くなっているあの状況というのが最後の姿なんだろうなというふうに思います。
それから衆議院、参議院の話も、彼らは参議院の方は各州政府代表で成り立っております。これはまねできるのかどうか分かりません。
いずれにしても、私はドイツから再生エネルギーも含め学んだらどうかなと。一次産業も、六〇年代は日独同じ自給率でありましたが、今や我々は四〇%、彼らは八〇%と差が付きました。森林面積も日独ほぼ同じでありながら、木材供給量は日本の三倍になっております。
次に、じゃ、国としてどういうところに取り組むべきかということでありますが、私は、自信を失ったことに対して、第一、第二のアベノミクスの矢というのは民間サイドにもう一度自信を取り戻そうよというメッセージでは非常に意味があったというふうに思いますが、何といっても、民間がリスクを取る、これがない限りデフレは脱却できません。それから、先ほども申し上げましたが、毎年政権が替わるというのは、本当に国はどんなことを考えてもうまくいかないんだろうなと。財政再建の話は、最後にちょっとお話を申し上げます。
それから、イコールフッティングについては、多くの要素が良くなってきております。労働規制だって悪くはなっておりません。ですけど、エネルギーがそれを全て打ち消すほど非常に大きな問題になってきているというふうに思います。
私は言いっ放しが一番嫌いなものですから、私どもは石川県の小松市出身ということで、石川にもう一回帰ろうということで、今、新工場を造ってみたり、農業、林業を手伝ってみたりやっていますが、日本には四十年以上たった古い工場が、コマツの場合には日本に全部で八十、建屋がありますが、そのうちの四十が四十年以上たっていまして、一回この工場というのを電力をどこまで削減できるかやってみようじゃないかというので、三・一一の後取り組みました結果、自信を持って今、新工場を造り始めましたが、何と電力削減九割です、九〇%減。エアコンは全部地下水、太陽光を使う、それから、四十年前の工場は七メーター置きに柱がありますけれども、今は三十二メーター置きに柱ができるので、工場内がもう本当に変わります。
多くの伝統的大企業が日本に古い工場を、償却し終わった工場でやっていますが、私どもがやってみたら、結構日本も、新しい工場でゼロからスタートしたらいけるなというふうに思いますが。実は、私どもは電力多消費型の産業じゃありません。したがってこういうことができましたけれども、電力多消費型産業は、恐らくこんなに電力料金が高くなった国にゼロから投資をするという気にはならないというふうに思います。
それから、下の方に行っていただいて、下から二つ目です。まず、業界再編の前に企業内の事業の選択と集中、これぐらいやれよというのが、私は産業競争力会議、経団連の中でも言っております。企業内の選択と集中ができない会社が業界再編できるわけないと。
それから、この後お話ししますが、社会保障費とかいろんな業務効率。会社もそうですけれども、およそ業務に掛けるコストを考えない国です。マイナンバーを導入することによっていかに業務が簡素化されるかということだと思います。
最後、私は、この国の改革のキーワードは、ここに書いておりませんが、二つだと思います。何といってもボトムアップで成り立ってきた国です。あとはトップダウンだと言われているのが民間であります。国は逆なんですね。トップダウンで来た国で、今や本当に地方がしっかりしてボトムアップをする国に、来ております。もう一つは、縦社会と自前主義、これがこの国の特色で強さだったんですが、この縦社会、自前主義は知恵の結集ができません。ですから、個々には力を持っていても、結集できないからこの国は今弱っているということだと思います。
私が産業競争力会議、国家戦略特区で強調している点をここに八つ挙げましたが、六番目を見ていただくと、私は、社会保障費も、国家予算が九十五兆円で社会保障費が百十兆円ですから、国民みんな、社会保障費、もうとんでもない金額だなとは思っていますけれども、いざ選挙になると、みんなプラスアルファを要求するのはなぜか。
私は、出身地の島根県の浜田市と石川県の小松市の社会保障費を尋ねました。おたくの市では社会保障費幾ら使っているのと。まずびっくりしたこと、データを出すのに一か月掛かりました。要するに、常時分かる仕組みになっておりません。浜田市、年間一般会計予算三百六十億に対して年金総額三百三十億、医療、介護を入れて四百五十億。小松市、一般会計予算四百六十億、年金、医療、介護を合わせると六百六十億です。
私は、そういう数値を各市町村が見せられたら、これは大変だなというふうに思うはずなんですね。ですから、私は、見える化させることで国民の意識を変えることがまず第一歩だと、急がば回れだというふうに思います。
それから、私は今少子化対策会議にも出ておりますが、私がここでつくづく思ったのは、我々はつい社会保障費の話ばかりしますが、有限な財源があって、この財源を、消費税をちょっと上げるだけでこれだけ議論を呼んでいるわけですが、財源は有限なんですよね。それを人のために使うとしたら社会保障費が圧倒的なんですが、それは中高年向けです。もう一つ、次世代のために使うお金があるじゃないですか。少子化対策、子育て、教育、このバランスがいかに大事かということを申し上げたいんですね。
スウェーデンが必ず出てきます、社会保障費になると。うちはスウェーデンの会社を買収して持っていて、日本人を何人か派遣しています。彼らは絶対にこんな国にいたくないと言っています。何だと思いますか。予防保全の、人間ドックなんかで病院に入れてもらえないんですね。がん患者も、初期なら一か月、二か月待ちは当たり前。要するに、もう命に関わることだったら徹底して面倒を見てくれるけれども、いざとなるまではそんなに面倒を見ない。一方で、少子化、子育てにはお金を使うということですよね。
ですから、私は、この国の今の財政問題の中で社会保障費だけ議論するんじゃなくて、余りにも次世代に対するお金の使い方がこんなにひどくていいのかと、どんな国も民族も次世代にお金を使わない国が発展するんでしょうか。
私は、そのことを申し上げて、終わりたいと思います。

議事録を読む(辰巳質問部分)

○辰已孝太郎君 日本共産党の辰已孝太郎です。
デフレ脱却をどうするのかということでいいますと、私はやはり、九〇年代後半の日本の人件費、給料ですね、給料ピークにしたときからやはり七十万円ほど下がっていると、一人一人の個人所得が引き下げられてきたことそのものがやはりデフレを、物が買う力がなくなった、デフレが続いてきたという一番大きな要因だと思っております。それが出発点になってきたという認識なんですね。
先ほども話がありましたが、昨日、経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議において、労働時間の規制を撤廃する制度導入への検討を求める文書、これが提出をされました。私も文書を読みましたけれども、本当に、何といいますか、戦慄を覚えるほどの内容になっておりまして、マスコミなどでは残業代ゼロというふうにも言われておりますけれども、やはり私は、働く人の労働時間をきちんと、先ほど坂根参考人の方からもありましたけれども、企業が把握をすること、余りにも日本では、特別条項付きの三六協定があればどれだけでも働かせることができると。労働時間の短縮という方向に向かわなければならないにもかかわらず、こういうものが導入されてしまうと、結局成果を上げるためにどれだけでも残業するということになるわけで、しかもそれは企業の責任の範疇外だということになるわけで、これはやはり導入するべきではないという立場であります。
冒頭に、デフレの原因がやはり人件費の抑制ということに、これが原因だとするならば、今回の残業代ゼロということが結局総人件費の抑制ということにつながるのであれば、これはデフレの脱却にはならないと私は思うんですが、このことを佐々木参考人にお聞きしたいと思います。
○参考人(佐々木則夫君) 給料が下がっているという、マクロでいうとおっしゃるとおりだというふうに思います。
日本の産業界の構造変更というのがたしかあったと思うんですが、例えば一九六〇年代ぐらいだとすると、実は一次産業、二次産業、三次産業というのは大体三〇%ずつで三分の一ずつあったわけですが、昨今でいきますと、一次産業従事者というのが四%ぐらい、二次産業はいいところ二五%ぐらいですかね、三次産業が七一%ぐらいですかね。
だから、こういう実際の業種のシフトがこの五十年の間に起こった中で、結果的に、例えば製造業に勤めている人たちというのはベースアップもあれば定期昇給もあって、そこに働いている人は実は給料は下がっていないんですね。ところが、比較的相対的に高い給料を払っている製造業から第三次産業の方のサービス業に移ったときに相場が下がっている。なおかつ、第三次産業に七一%もいても、かなりの範囲が非正規だったりするわけですね。
だから、そういう意味で、本来はパートの給料もこの数十年の中ではちゃんと上がってはいるんですが、全体のサービス産業の生産性の低さも含めて高く給料が払えない。それから、そういうところでパートで働いている方というのは、例の百三万円とか百三十万円の壁も含めてある制限を持って働いていますので、マクロでいって下がっていることと個別に相応に維持又は上がっていることは若干違うかなというふうに思ってございます。
それから、あと、労働時間制限の撤廃の話、確かに昨日合同会議の中で出ているわけですが、ちょっと、産業競争力会議の方から出ていますので、私は諮問会議ですので、若干、何といいますか、いろいろポジションが違うんですが、彼らが言っているAタイプ、Bタイプというのがあって、例えばBタイプだと、もう一千万円以上の給料をもらうような方々でかなり自律的な仕事をされている、自己責任で基本的にはペイ・フォー・パフォーマンスという形で頑張ると、そういう言い方のところ、これは比較的海外でもどこでもそういう感じだと思います。
それから、あともう一つはAタイプというのがあって、ここはなかなか会議の中でも議論があったんですけど、ある職種について、お互いに上長とすり合わせをした上で目標を決めて、その目標を達成するに当たって、ある時間の上限制限はちゃんとある中で働いていくという、そういうたしか説明だったと思います。
だから、そういう意味ではまだまだ、それがすぐシステム化されるという以前に、例えばそういう業種はそういうことで本当に具体的にどうなるのかというようなことも含めてこれからの議論だと思いますので、即あしたからどうのという話ではございませんので、その点、是非よろしくお願い申し上げたい。
○辰已孝太郎君 この間、長時間労働ということでいえば過労死を生み、また、最近では労災認定で精神疾患の増加というのが見られてきておりますし、産業界の中で成果主義賃金というのがもてはやされた時期がありましたけれども、しかし、結局、成果主義賃金で何が起こったかといえば賃金の抑制というのが行われたわけで、賃下げの道具に使われてきたということは私はもう周知の事実だと思います。
過労死が社会的な問題となって、今、国会でも超党派で過労死防止法、防止基本法の制定の動きというのもありますので、私は、やはり日本の経済、成長の軌道に乗せるためには、やはり雇用を守る、日本型の雇用を守るやり方であるとか、非正規、これが増えていますから、これをなくして安定した働き方、先ほど坂根参考人の方もありましたけれども、少子化をなくしていくということを考えない限り、先ほど法人税の話がありましたけれども、大企業にとっては法人税下げてほしいと、だけど、私は実際は日本の大企業というのは法人税というのはさほど負担していないと思っていますけれども、人件費を抑制すると、海外に逃げていく、逃げていくというわけですよね。
私は、本当に日本の企業の社会的責任って何なんだと、本当にそれで社会的責任果たせているのかというふうにも思いますので、是非、働く人の命を守る、そういう方向でなければデフレは脱却できないというふうに一言申し付けて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。