日本共産党 衆院比例 近畿ブロック たつみコータロー

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以下に議事録を掲載します

議事録を読む

193-参-決算委員会-007号 2017年05月08日(未定稿)

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
東日本大震災から六年がたちました。いまだに多くの避難者が故郷へ戻れない日々が続いております。そうした中で、横浜の件を始めとして、原発避難者に対するいじめが問題となっております。
まず、国がつかんでいるいじめの件数、背景、そしてその対策、これを述べていただけますでしょうか。

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
〔理事松下新平君退席、委員長着席〕
原子力発電所事故等により避難をしている児童生徒へのいじめにつきましては、先般、全国の各学校で確認を行いましたところ、全体で百九十九件認知されたところであります。このようないじめの背景には、周囲の大人も含め、避難を続ける方々のつらい思いに関する理解不足や放射線に関する理解不足が存在すると考えるところです。
また、文部科学省においては、先般、いじめの防止等のための基本的な方針を改定し、被災児童生徒に対するいじめの未然防止、早期発見について明記し取組の強化を求めたほか、福島県教育委員会作成の道徳教育教材の積極的な活用、放射線副読本等の活用を含む放射線に関する教育の充実を各学校に促しているところであります。
文部科学省としては、今後とも、各教育委員会に必要な指導助言を行うなど被災児童生徒に対するいじめの防止に努めてまいります。

○辰巳孝太郎君 大臣は、以前の国会答弁でも、放射線に対する理解不足や避難を続ける方々のつらい思いに関する理解不足による誤解や偏見が存在すると、こういう答弁もされております。
文科省は、放射線出前授業というのを行っております。この授業はどういうもので、目的、これはいかなるものか、お答えください。

○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
委員お尋ねの放射線に関する教職員セミナー及び出前授業実施事業についてでございますが、東日本大震災での原子力災害を受け、福島復興再生特別措置法などの関係法令において児童生徒等の放射線に関する理解を増進することが定められたことを踏まえまして、学校教育においても、児童生徒が放射線に関し科学的に理解し科学的に考え行動することが重要であることから、平成二十五年度より実施されているものでございます。
平成二十八年度につきましては、一般社団法人エネルギー・環境理科教育推進研究所にこの事業を委託しておりまして、昨年度の委託事業の実績額は約五千万となっております。

○辰巳孝太郎君 エネルギー・環境理科教育推進研究所は、二〇一四年からこの事業を委託され、しているということであります。
ところが、昨年、当エネ理研が大阪府の堺市で行ったこの出前授業で不適切な授業があったということがありまして、大問題となりました。どういうものか把握されていますか。

○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
委員御指摘の事案につきましては、昨年九月二十六日に大阪府堺市の小学校で実施したこのエネ理研による放射線出前授業におきまして、当該授業を担当した講師が、例えば野菜に含まれているカリウムの摂取と放射線カリウムを混同した発言をしたり、あるいは原子力事故時の身を守る方法として非現実的な例を挙げたりする発言を行うなど、誤解を生む発言が確認されたところでございます。
堺市の事案が発生した原因でございますが、この委託先の法人から聴取した内容を総合いたしますと、その当該授業を担当した講師が元々中学校の理科教員でございまして、小学校での授業の経験がなく、放射線出前授業の外部講師として自ら授業を行った経験も浅いなど、当該講師に対する事前の研修が不十分であったこと、また、多岐にわたる内容を一つのこまに押し込めて、詰め込んでいたことなどに課題があったものと承知をしております。

○辰巳孝太郎君 この講師は、堺市で行った授業の中で、例えば、君たちの体にも放射線がちゃんと入っている、良かったねと述べたり、何かあったときは鉄板だらけの服を着て歩いちゃう、こういう発言もあったということであります。
どういう対策をこれから講じられるつもりですか。

○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
文部科学省といたしましては、この堺市の事案については非常に重く受け止めておりまして、まず、委託先に対しまして文書及び対面による指導を行いまして、再発防止を強く求めたところでございます。さらに、この授業を担当した講師を除いたほかの外部講師についてはこのような誤解を生むような発言等がなかったこと、また、この当該授業を担当した講師につきましても、過去に授業を担当した学校においては授業の内容に誤解を生むような発言がなかったことを確認した次第でございます。
さらに、この委託先におきましては、二十八年度の出前授業の対象校全てにおわびの文書を発送いたしまして、昨年の十一月に文部科学省に提出した改善報告書に沿った改善の取組がなされた結果、この事案以降については適切に授業が実施されてきているものと認識をしている次第でございます。

○辰巳孝太郎君 対策はするんだと、しかし、この講師個人の問題であって、このエネ理研に対する問題ではないんだということだと思うんですね。
しかし、私はやはり、そもそもこの出前授業の中身ですね、私も当該問題になった授業を聞かせていただきましたけれども、例えば、やはり医療目的など必要な場合を除いて余分な被曝をしないという、これ大原則だと思うんですね。こういう原則を教える必要が私はあると思うんですよ。しかし、そういうことが言及全くされていないと。それと、避難者への理解不足、これがいじめにつながるという話、冒頭ありましたけれども、じゃ、なぜ避難せざるを得なくなったのかということについて言えば、やはりこれ事故を起こす原子力発電所を周辺に造らないということが私は必要だと思うんですね。
ちょっと一点確認したいと思うんですけれども、科学的な知識が必要だと、これは私も同意しますけれども、しかし、何より一番非科学的なものは、やはりこの原発をめぐっての私は安全神話だと思うんですよ。この授業についてもきちっと私は、大臣、安全神話の誤りについてもこれは伝えるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、いろいろ様々な問題があることを前提として、私どもとしては、この事業においては具体的な改善策を設けようということを考えております。
例えば、今年度のこの事業の公募要項におきましては、昨年の堺市の事案を受けまして、その授業の質をしっかりと担保できるように、その公募要領上に、例えば経験の浅い講師が出前授業を担当することを防ぐために講師の略歴等をきちんと事前に求めたり、さらに、講師により使用する資料や授業内容にばらつきが出ないように事前の研修の実施とかマニュアルの作成をするといったこと、さらに、出前授業の質を担保するために講師が定期的に外部有識者の立会いの下によって評価を受ける、こういったことをきちんと明記いたしまして、この点を外部有識者による審査において確認することでそのような事案がないように改善をしているという努力をしてきているところでございます。

○辰巳孝太郎君 安全神話について、誤りについて教えることについてはいかがですか。

○政府参考人(藤原誠君) 委員お尋ねの、その安全神話のお尋ねの趣旨がちょっといま一息理解できないので、ちょっと答弁差し控えたいと思います。

○辰巳孝太郎君 安全神話の誤りについては政府も認めておりますからね。これが原因でやっぱり原発避難者というのは避難せざるを得なくなっているわけですから、ここが一番非科学的なところでありますから、ここもしっかり伝えるべきだと思うんですね。
それから、講師の質の問題、経験の問題、言及されましたけれども、私は一番の問題は、それも大事なんですけれども、そうじゃないと思うんですよ。こうした講座を受託する団体、この中立性に私は問題があるんじゃないかということを今日は取り上げたいと思うんですね。この事業の選定に当たって、どのようにこの原発に関して中立性を担保されているんでしょうか。

○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
この事業の公募要領におきまして、原子力の推進又は反対に係る特定の立場によらず、中立公正に本事業を実施できる者を公募対象として記載するとともに、この選考基準においても同様の項目を掲げているところでございます。これらの記載に基づきまして、申請者が応募の際に提出する定款等やその実施しようとしている出前授業の内容などについて、外部有識者による書面審査において中立公正な事業実施が可能かどうかについてきちんと確認を行っているところでございます。

○辰巳孝太郎君 可能かどうかを確認しているということでありますが、このエネ理研の理事長である中村日出夫氏は、二〇一二年三月の十六日にエネルギー・原子力政策懇談会の発起人有志の一員として、福島からの再出発と日本の将来を支えるエネルギー政策のあり方と題する提言を政府に提出をしております。
経産省、この提言の五を紹介していただけますか。

○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
今委員御指摘のとおり、二〇一二年にこの懇談会から提言が出されておりますけれども、この提言につきましては、一団体がまとめたものでございますので政府としてコメントする立場にございませんけれども、その前提で御指摘のくだりを読み上げさせていただきます。
提言の五ポツでございますが、「停止中の原子力発電所の再稼働が全く実現しなければ、今後の電力需給は極めて厳しい。また、低廉なベース電源である原子力発電を火力で代替するにはコストが大幅アップし、産業の空洞化を加速させる恐れがある。また、化石燃料の輸入増加は我が国の貿易収支に悪影響を与えている。こうした事態を避けるためにも、ストレステストやIAEAの助言等を踏まえつつ、安全性を確認した上で、官民が協力してできるだけ早期に再稼働させるべき。このため、各原子力発電所はいかなる天変地異があろうとも冷温停止状態にもっていける危機対応能力を備えるべき。」と、このように書いてあると承知しております。

○辰巳孝太郎君 大臣、中立性、担保されていると思いますか。

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
文部科学省としては、エネルギー・環境理科教育推進研究所の定款にエネルギー・環境問題に関わる理科教育の充実を目的とあること、出前授業の講師が放射線に関する科学的知見を有していること、出前授業の実施方法が適切であり、中立公正な立場から本事業を担うものであることを踏まえ、外部有識者の書面審査を経て、事業の中立性を確保できると判断をしたものであります。

○辰巳孝太郎君 大臣の答弁でいえば、定款に書いていれば、推進と書いていなければそれでいいんだということでありますけれども、そうじゃないと思うんですね。
二〇一三年二月にも、この団体は緊急提言として、「責任ある原子力政策の再構築 原子力から逃げず、正面から向き合う」、これを発表しております。そこでは、これからの安全規制について、事故前の安全神話を振りまいた学者や専門家が新安全基準の検討や活断層の評価等の議論の場から排除されていると、これを批判して、いわゆる御用学者をもっと活用すべきだという提言をしております。
また、リスクをゼロにするという不可能な命題を目指すのではなく、どのようにリスクを軽減するのか、それぞれの対策がどの程度リスク軽減に寄与するか、全体としての安全性向上にどれだけ貢献するかを検証し、その負担について分かりやすく国民に説明し理解を求めるべきと示しており、原発依存が大前提の提言というのが行われているわけであります。
そのほかにも、地球温暖化対策における原子力発電の重要性を再確認すべきだとか、再生可能エネルギーが安価かつ安定的な電源となることは当面困難であることを認識すべきと、原発の重要性を前面に出す内容となっております。
そして、放射線についての正しい理解を可能とするための初等中等教育の充実も中長期的な課題であるとしておりまして、つまり、原発依存を前提に、経済のためだとして原発輸出を促して再エネを敵視するという、まさに原発推進政策実現を国民が受け入れるような教育を行おうと、こういう提言をしているのがこの政策懇談会なんですね。その一員となっているのが、このエネ理研の代表理事となっている中村日出夫氏であります。
これで到底中立性は私は担保できないと思うんですけど、大臣、もう一度、どうですか、定款に書いてあればそれでいいんですか。

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
委員御指摘の提言をしている懇談会は、私どもが委託をしておりますエネルギー・環境理科教育推進研究所とは別団体でございまして、私どもの委託先であるエネルギー教育、理科教育推進研究所におきましては、放射線、放射能の科学的知見を子供たちに伝えるということを目的に、中立公正な立場からこの事業を担っているというふうに考えております。

○辰巳孝太郎君 いや、ですから、原発推進の者が代表理事を務める団体が、定款で中立だ、いいんだ、これで本当にええのかと、こういう授業をさせて、受託させてええのかという問題が問われているわけなんですね。
それでは、この中村日出夫氏が実際に行った授業についても確認をしたいと思います。
二〇一五年の十月二十三日、県立熊本工業高等学校で行った授業があります。この学校のホームページには、目的・授業内容について、今日資料にもお付けしましたけれども、放射線についての、最後の部分ですが、正しい知識とともに原子力発電の必要性についても考えさせると、こういう記述があるわけであります。
大臣、これでも中立性保たれているとおっしゃいますか。

○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
委員御指摘の、このエネ理研による熊本の県立高校での出前授業についてでございますが、当該高校の生徒の多くが電力会社や関連会社に就職しているという背景から、高校側からの求めに応じて、通常使用している教材に加えまして代表理事が作成した教材を一部追加したものと聞いております。
この追加した教材も含めて、全体的に、用意された教材をスクリーンに示しながら説明を加える形で出前授業が行われており、文部科学省としては不適切な指導とは考えておりません。

○辰巳孝太郎君 ホームページを私は確認をしました。ところが、かつてはあったこの中村日出夫氏が使ったパワーポイントの資料というのが今は削除されております。私は独自に、当時掲載されていた資料を入手をいたしました。ここには、このパワーポイントの資料には、例えば、放射線による健康異常が現れるのは五百ミリシーベルト以上だと、こう書かれてあるんですよ。これは正確な記述ですか、いかがですか。

○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
委員御指摘の、以前ホームページにアップされていた資料の中にそのような記述があったことについては承知をしております。
しかしながら、エネ理研によるその説明によれば、具体的にはその放射線量の人体への影響では、被爆した日本が、長年による放射線医療の研究により健康異常が出る放射線の線量限度が詳しく研究されてきていることを説明したと。その中で、ICRP一〇三の勧告にある、一般公衆の線量限度とは別に示されている職業人に対する線量限度として、皮膚、手足に健康異常として現れる等価線量が年間で五百ミリシーベルトと言われていることを紹介したと。加えまして、福島第一原発では作業員の線量上限を二百五十ミリシーベルトとしていることにも触れたということの説明を受けております。

○辰巳孝太郎君 ちょっと待ってくださいよ。副読本に五百ミリシーベルト以上が健康異常が出る、そういう値だという記述があるんですか。どうですか。

○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。
委員御指摘の点は、副読本では記述はございません。

○辰巳孝太郎君 当たり前ですよ。百ミリシーベルト以上になると健康のリスクが増大していくというのがこれ正しい教え方でしょうが。高校生に対して五百ミリシーベルトまでは健康異常が現れないと教えるのは間違いだとはっきり言いなさいよ。

○政府参考人(藤原誠君) 先ほど御説明申し上げたのは、このエネ理研が配付した、配付したというか実際現場で配付した教材について五百ミリシーベルトという点が記述されており、その授業の中身としてエネ理研が当日説明したのは、先ほど私が申し上げた中身が授業として紹介されたということを御説明申し上げているのみでございまして、実際の副読本での授業内容は全く、その記述内容は全く先ほどの説明とは違うということでございます。

○辰巳孝太郎君 副読本に沿ってやらせるんでしょう。そういう提言を、これエネ理研やっているんでしょう。それとは全く違うことをやっているじゃないですか。副読本についてもいろいろ意見はありますよ。それからも逸脱しているやり方をエネ理研がやっているということじゃないですか。
そのほか、放射線ホルムシス、低線量の放射線放射は生物の成長、発育の促進、繁殖力の増進及び寿命の延長という効果をもたらし得る、ホルムシス効果など科学的見解も定まらない理論を紹介をしております。
原発が停止していても危険度は変わらないと、こういうパネルを用いた後に、百万キロワット級原発一基を代替するには太陽光なら山手線とほぼ同じ面積が必要と、自然エネルギーの普及は困難だという印象を与えながら、原発再稼働へ誘導する記述となっているわけであります。
大臣、こういう授業を認めたらあきませんよ。最後にどうですか。

○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。
私がその今先生の方で御指摘をされた授業の内容、転用に関して今承知をしておりませんので、内容に関して確認をさせていただきたいと思います。

○辰巳孝太郎君 大臣、確認すると言いました。
こういう当該授業を続けるということで、本年四月二十五日にも公募を進めております。こういう団体が受託することはあり得ないと、この事業そのものの妥当性が問われているということを最後に言っておきたいというふうに思います。
今日は決算委員会でありますので、森友問題についてもお聞きしておきたいと思います。
二〇一五年三月十五日に籠池氏が、ごみが出たといって、財務省国有財産審理室長の田村氏と折衝を行った中身が記録されたテープが公開をされております。今日の衆議院の予算委員会でも、田村室長はこのテープの中身を聞いた、確認をしたという答弁を佐川局長はされておりますけれども、佐川局長はこのテープ、お聞きになりましたか。

○政府参考人(佐川宣寿君) お答えいたします。
この録音、報道されているこの音声データでございますが、四月の二十八日の衆議院の財務金融委員会におきまして理事会の協議事項になりました。衆議院の財務金融委員会の御法川委員長からは、音声データが当日のやり取りを記録したものかどうかを確認するよう御指示があったものですから、私ども、国有財産審理室長に確認をさせたというところでございます。
私自身は、そういう意味では、国有財産審理室長にそのデータについての確認をさせたということで、私自身は聞いてございません。

○辰巳孝太郎君 なぜ聞かないんですか。聞くべきじゃないですか。あなた責任者でしょう。

○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
当日の模様につきましては、以前から御答弁申し上げておりますが、田村室長から当日の模様については聞いてございまして、基本的には、先方よりこれまでの経緯について説明があり、その後、新たな埋設物が発見されたので至急対応してもらいたいとの要望があり、当方から、事実を踏まえ法令等に従って対応する、引き続き現地で近畿財務局が大阪航空局と連携して対応するというふうに私ども報告を受けてございます。
それで、本人は、この面談につきましても、不明瞭な点が多いものの、当日のやり取りを記録したものと思われるとのことでありましたが、新たな地下埋設物については近畿財務局において現場で対応するものとの認識でいたこと、また、面談ではこれまでの経緯や地下埋設物についてお二人から一方的にお話をされ、趣旨がよく分からないことも多かったこともあり、相手方の発言などの詳細について記憶に残っていないということで、重要な点は先ほど申し述べたことだということでありました。
そういう意味で、私は、当方の審理室長から当日の模様は聞いておりますので、そういう意味でこの音源データについて聞いてございません。

○辰巳孝太郎君 そうじゃありません。私の質問に答えていただきたい。委員長、答えさせていただきたい。聞く気はないのか、なぜ聞かないのか。

○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
今答弁したとおりでございまして、本人、実際に会った、面会した室長が確認をしてそうだと言っておりますので、その室長に概要について私聞いてございますので、それ以上について音源データを私が聞くことにはならないというふうに思っております。

○辰巳孝太郎君 その概要、テープの中に示されていた概要についてきちっと聞いたということですね。

○政府参考人(佐川宣寿君) いえ、本人から聞いたことを御説明申し上げますと、先ほど御答弁したとおりでございまして、本人は、新たな地下埋設物について現場で対応するとの認識でおり、面談では先方からこれまでの経緯や地下埋設物についてお二人一方的にお話をされて、趣旨がよく分からないことも多かったということで、相手方の発言などについては詳細記憶していないということでございましたので、私としては、前回室長から聞いた先方の発言、そして当方からの発言ということで、三月半ばのその面談については理解しているつもりでございます。

○委員長(岡田広君) 佐川理財局長に申し上げます。
答弁は聞かれたことに簡潔にお答えください。

○辰巳孝太郎君 委員長、この委員会、委員長の名で、この当該テープ、これは存在を認めているわけであります。これ、最高責任者の佐川局長にこのテープを聞くように委員長名で指示をしていただきたい。

○委員長(岡田広君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をいたします。

○辰巳孝太郎君 当たり前の話ですよ。何が聞かないんですか。おかしいですよ。
私はこのテープも聞きました。おかしなことが二、三あります。それについて聞きます。それは、見積り合わせについてであります。
本年三月六日の予算委員会において、佐川理財局長は、見積り合わせは公共随契について行い、国は鑑定価格を、そして先方は希望価格をそれぞれ用意して、先方の希望価格が上回ればその価格で売却すると、こう答えておりました。二〇一〇年、豊中市が当該土地の隣の土地を購入した際、国の鑑定価格は九億八百万円でありました。一方、豊中市の希望価格は十四・二億円でありましたので、結局、この十四・二億円が売却価格となりました。
このように、見積り合わせというのは国有財産を一円でも高く売るために実施するものであります。ところが、森友学園との売買においてはこの見積り合わせが実施をされずに、航空局が自らごみの量を算定し、八億二千万円もの値引きを行って一億三千四百万円という販売価格を提示したわけであります。
じゃ、なぜこの見積り合わせをしなかったのか。森友側に地下埋設物を積算することが困難であるというのが佐川理財局長の答弁でありました。なぜ学園は地下埋設物を積算することが困難だと考えたんですか、この根拠を教えてください。

○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
まずは森友学園の撤去費用の見積りのお話でございますけれども、ここでも御答弁したと思いますが、三月十一日に地下埋設物が見付かったときに開校が一年後でございましたので、この撤去が、国が行って、国による原因で開校が遅れるあるいは開校できないような事態ともなりますと国はその責めを問われるおそれがあったということで、急ぎの対応が必要であったということは御答弁申し上げているところでございます。
それで、見積り合わせの話でございますが、もちろん委員おっしゃいますように、公共随契により地公体等に売却する場合、原則相手から見積書を徴求するということでございます。しかし、本件につきましては、その撤去に多額の費用を要することが想定されたため、森友学園が撤去費用を見積もることが困難であると考えられたということでございます。
具体的には、本件土地におきましては大量の地下埋設物が発見されまして、その早急な対応を求められる中、まず、大阪航空局において過去に実施した調査がございます。それから、本件土地の履歴等も大阪航空局、よく存じております。さらに、工事関係者から工事に関する話を聞いたり、工事写真、図面等の資料を入手したりもしてございます。また、航空局の方は、公共事業に適用される積算基準、いわゆる請負工事の積算基準を用いて、面積、深さ、混入率、単価等について専門的に検討を行うということもできます。さらに、国の責任を一切、国として、売主として免除されることも考慮するというような様々なことを考えて見積りを行うということでございましたので、そこは大阪航空局において依頼をして見積りを行い、森友学園側にとってはこういうものを総合的にやって見積りをするというのは難しいと考えられたところでございます。

○辰巳孝太郎君 工事関係者に聞き取りしたって、それ森友側じゃないですか。この三月十五日のテープによると、籠池氏は三月十一日にごみの存在を知って、杉本設計士が見積りをすると二億とか三億とかと、既に見積もっていることをこれ言っているじゃないですか、森友側、籠池氏は。先日の民進党のヒアリングにおいても、籠池氏は、A、Aダッシュ、B、Bダッシュという地下埋設物の撤去費用を積算して近畿財務局に示したと言っているじゃないですか。この積算、受け取っておられますね。

○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
その籠池氏の御発言はよく承知してございません。
私ども、二十八年三月に新たな埋設物が発見され、その後、大阪航空局と近畿財務局で現地に足を運んで状況の確認を行い、埋設物への対応を検討してございます。
そういう中で、近畿財務局から大阪航空局に埋設物の撤去費用の見積りを依頼して、それで、その過程において国として、森友学園あるいは工事関係者から今申し上げたような工事に関する話を伺ったり写真等の資料をいただいたりしているところではございますが、総合的には先ほど申したようなことで大阪航空局に依頼をしてございます。
我々近畿財務局としては、本件土地の処分に係るやり取りについては、最終的に集約された契約書、鑑定評価書などを適切に保存してございますので、個別のやり取りの記録とか資料等については承知してございません。

○委員長(岡田広君) 辰巳孝太郎君、時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。

○辰巳孝太郎君 聞かれたことに答えない。全く答弁が不明です。
最後、見積り合わせをしないということは、鑑定価格より高く売却できずに、それだけで国民にとって損失なんですよ。逆に、森友にとっては特例措置となるんですよ。これがまさに神風なんですよ。このことを申し上げて、引き続きこの問題を取り上げることを申し上げて、私の質問を終わります。


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193-衆-予算委員会-19号 平成29年05月08日

○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
まず、安倍内閣の災害からの復興に対する基本姿勢について伺いたいと思います。
総理は、今村前復興大臣の、大震災が東北で、あっちの方でよかったなどという暴言について、任命責任があるとお認めになりました。そこで、まず端的に総理にお伺いするんですが、今村発言の何が問題だと総理はお考えですか。

○安倍内閣総理大臣 いわば、今村大臣の発言の中において、大変な被害を受けた東北の皆様方のお気持ちを傷つける発言があったということの認識を持ったところでありまして、その中において、私からも、今村大臣がその発言を行った、懇親会とは別の会場ではありましたが、同じ会において謝罪をしたところでございます。

○宮本(岳)委員 今村前大臣の暴言は今回が初めてじゃないんです。四月の四日にも、原発事故で避難を余儀なくされている被災者が故郷に帰れないのは本人の責任、判断だ、こういう発言をいたしました。しかし、総理はそのときはかばったんですね。
ことし三月の十一日、政府主催の東日本大震災六年の追悼式典で、総理御自身がですよ、原発事故という言葉を一切お使いになりませんでした。そればかりか、犠牲となった方々の慰霊塔の前で、復興は着実に進展していると言い切りました。
総理、あなた御自身の復興に取り組む姿勢にこそ私は問題があると思いますが、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 安倍政権においては、東日本大震災からの復興を内閣の最重要課題として取り組んできたところであります。その際、現場主義を徹底していく、そして被災地の皆様のお気持ちに、心に寄り添っていく方針で復興に取り組んできたところでございます。今後とも、一つ一つ結果を出していくことによって信頼を回復していきたいと考えております。

○宮本(岳)委員 全くわかっていないと言わざるを得ません。そもそも、あなた方は人を見ていないと私は言いたいと思うんです。人数や被害額など、数字を幾ら見ていてもだめなんですね。そういうふうなところに目を奪われるから、そういう言葉になる。
東日本大震災からの復興には三つの重大問題があると私は思っております。一つは、依然としてもとの生活に戻れない多くの人々が残されているということ。二つは、その人々の心が大きく傷つけられ、決して傷は癒えていないということ。そして三つは、まさに収束しない原発事故ですよ。なぜそれに一言も触れないんですか。総理の姿勢自身が私は問われていると。これははっきりと指摘を申し上げておきたいと思います。
さて、私が二月十五日、衆議院財務金融委員会で初めて取り上げた森友学園事件は、国民の間に大きな疑念と怒りを広げ、いまだに世論調査を見ても国民の七割、八割が納得していないと答えております。
また、総理は二月の十七日、当委員会で、この学校の国有地の取得や私学の認可に私や妻、事務所は一切かかわっていない、もしかかわっていれば首相も国会議員もやめると断言をいたしました。まさに総理の進退にもかかわる重大問題だと言わなければなりません。
その後、森友学園の籠池氏の証人喚問も行われまして、次々と新たな事実が明らかになり、森友学園が新設しようとしていた小学校の名誉校長を務めてきた安倍昭恵氏がさまざまな形でこの学校に関与してきたことが明らかになってまいりました。
安倍昭恵氏は森友学園の要請に応えて三回も講演を行っておりますけれども、実はこれは安倍昭恵氏から始まった話ではありません。このパネル一を見ていただきたい、一番最初ですね。そもそも、二〇一二年九月の十六日、一番最初に森友学園での講演を予定していたのは安倍昭恵氏ではなく、総理、あなた自身だった。
それはあなたの自民党総裁選の立候補によって実現しなかったけれども、一旦はあなたは了承したわけですね。だからこそ、断る際に、みずから電話に出て言葉をかけたわけであります。
事実を確認いたします。二〇一二年九月十六日に総理自身が森友学園で講演を予定していた、これは、総理、事実ですね。

○安倍内閣総理大臣 それは事実でありますが、結果としてお断りをしたところでございます。

○宮本(岳)委員 総理は、この学校の教育内容がメディアなどで取り上げられ、国会でも問題になりますと、にわかに、この学校において行われている教育の詳細については全く承知しておりません、こう答弁をされました。しかし、行われている教育の詳細を知らずに講演を引き受けるというのは余りにも無責任な話でありまして、あなたは森友学園の教育内容を重々承知の上で、二〇一二年九月、この幼稚園での講演を引き受けたんですよ。
あなたは、妻は妻はと、あたかも安倍昭恵氏の問題であるかのようにおっしゃいますけれども、そんなことはありません。そもそも、安倍総理、あなた自身が当初からこの森友学園を支援してきたのではありませんか。

○安倍内閣総理大臣 当初から支援は全くしておりません。支援が何を意味しているのかよく承知していないんですが、例えば一旦引き受けたことを支援ということかもしれませんが、それは全く支援ではないわけであります。
我々は講演をさまざまな方から依頼されます。そこを全て承知しているわけではありませんが、今は総理大臣でありますから相当詳細に調べるわけでございますが、当時は、自民党の総裁になる前の一議員としてさまざまな方々から依頼され、いろいろなところで私も講演してまいりました。誰に頼まれたかは半分以上は覚えてもいないわけでございますが、さまざまな方々から依頼され、今、ええっという声が上がりましたが、講演の依頼が少なければそういうこともありますよ。相当の数を私も当時依頼されておりましたから、相当の場所において講演をしてきたわけでございます。
その方は既に幼稚園を経営しておられますから、それは当然ある程度のクレディビリティーにはなっていたわけでございまして、これはまさにそのときの真実を申し上げているわけでありますが、大体、知人や知人の知人から依頼された場合も講演を引き受けているわけでありますから、一々その教育内容を全て知っているということではないということははっきりと申し上げておきたいと思います。それは宮本先生もよく御承知のとおりだろう、このように思います。

○宮本(岳)委員 全ては知っていなくても、中身がわかって承諾したはずであります。
森友の小学校の名誉校長に就任する二〇一五年九月五日の講演で、安倍昭恵氏は、これらの教育方針は主人も大変すばらしいと思っている、主人も時間があれば幼稚園に行きたいと言っていると語りました。
大体、総理自身、今国会、二月十七日の衆議院予算委員会の時点では、妻から森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いているとこの場で答弁しております。あなたがこの学校をまさに支援してきた、応援してきた、否定しようのない事実であると私は思います。
では、森友学園がいかにこの国有地の貸し付けや売却で特別扱いを受けてきたか、一つ一つ事実を示して議論したいと思います。
この間、私は、森友問題で新たな二つの事実を明らかにいたしました。
一つは、森友学園の小学校設置の認可を初めて議論した二〇一四年十二月十八日の大阪府私学審議会の前日、二〇一四年十二月十七日に近畿財務局が森友学園に渡した「今後の手続きについて」という説明資料を示しました。この文書については、近畿財務局の職員が作成し、渡した事実を財務省は認めております。
皆さんのお手元に、この「今後の手続きについて」という文書を配付いたしました。三枚組でありますけれども、最終的な売買契約に至るまでの十四項目にわたる手続を懇切丁寧に説明しております。そして、この説明資料には一から八まで八種類の別添資料が添えられております。驚くべきことに、ここには既にほとんど全ての書類ができ上がっております。
例えば、配付資料の四枚目に添付資料一というものをつけておきましたけれども、見ていただいたらわかるとおり、既に所在地や面積などが書き込まれていて、あとは日にちと名前を書き入れて印鑑を押せば完成というところまで準備されております。
総理、これは余りにもおかしいと思いませんか。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘の資料でございますが、私どもが国有地の処分をするに当たりましては、処分を要望する方が国有地の取引の経験に乏しくて必要となる事務手続を承知していない場合、あるいは要望者が想定するスケジュールが国側が必要とする期間を考慮していない場合などには、要望者が国有地を取得した後に円滑な事業の進捗等に影響が生じるため、財務局の現場におきましては、要望者に対しまして、処分方針の決定前において、処理方針が確定していないということをきちんと明らかにした上で、国有財産の処分に係る制度あるいは必要となる事務手続、想定されるスケジュールなどを説明することは各財務局において一般的でございます。
それで、本件森友学園の場合、当初貸し付けで、その後に買い受ける契約を要望しておりました。さらに、国交省の調査によりまして、その土地には土壌汚染あるいは地下埋設物が存在してございまして、契約の内容や手続が複雑となることが想定されておりましたので、先方に対しまして、通達上の標準的な様式をもとにして、それまでのやりとりを踏まえた資料により、必要な手続について事前に説明したものでございます。
それで、今委員が御指摘の三枚紙の最初には次のように記載されております。
示している資料の各様式は現時点で確定したものではありません、それから、大阪府の私学審議会において本件計画が認可適当と答申され、地方審議会の本件売り払いを前提とする貸し付けが適当というふうに、後に契約が締結されると記載されておりますので、処理方針が確定していないことをきちんと明らかにした上で説明が行われたものでございます。

○宮本(岳)委員 もう質問妨害みたいなことはやめてくださいよ。
私学審議会の議論も国有財産審議会での議論も全く行われていない段階で、最終的な売買契約書に至るまでの提出書類が国の役所からほとんど書き込まれた状態で渡されるなどということはあり得ない話ですよ、そんなものは。
形式だけではないですよ、その内容も重大です。このパネル二を見ていただきたい。
これは、添付資料二として添えられていた、森友学園が近畿財務局に提出するべき要望書であります。赤い下線部、国有地の処分は売り払いが原則であることは伺っておりますが、このような事情をしんしゃくいただき、下記国有地について十年間の事業用定期借地契約と売買予約契約の締結をお願いいたしますとあります。
麻生財務大臣、ここにある国有地の処分は売り払いが原則というのは事実ですね。

○麻生国務大臣 通常、売り払いが原則であります。

○宮本(岳)委員 つまり、この要望書は、原則どおりではないことを近畿財務局にやってもらうために森友学園側が提出すべき書類なんです。ここに、事情をしんしゃくしてくれと書いてありますね。しんしゃくというのは、辞書を引きますと、相手の事情や心情を酌み取って手かげんすること、こういうふうになっております。
事もあろうに、しんしゃくをする側である財務局が、自分宛てにしんしゃくを求める森友学園の文書を模範解答のようにあらかじめ書き込んで渡してある。総理、これは余りにも中身において特別扱いだ、明瞭じゃありませんか。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今委員がおっしゃいましたが、私どもは二十五年の九月から公的取得要望を受けておりまして、そこから一年間の間議論しておりますので、当然のことながら、先ほどおっしゃられた土地とか場所とか、そんなものはもう議論しておりますし、先方は二十五年の九月から貸し付けを希望して、それで買い受けたいと言っておりましたので、もともとは貸し付けで買い受けなんです。
それから、特別なことではございません。これは、法令上、国有地は売ることもできますし、貸し付けることもできますので、法令に基づいてやっていることでございます。
したがいまして、この要望書の今御指摘の話につきましては、私どもが森友学園が期間内に買い受けを前提とする貸し付けで定期借地契約をしておりますので、期間内に買い受けできない場合には更地返還が必要となる定期借地契約とすることによりまして、買い受けの確実性を高めたいと思っておりました。したがいまして、先方がこれを承知していることを明確化、あるいは早期の国有地購入について先方に認識してもらうということで、早期購入を促すために改めて要望書の提出を求めたということでございます。(発言する者あり)

○浜田委員長 静粛に願います。

○宮本(岳)委員 そんな答弁は本当にやめてくださいよ。
森友学園の籠池前理事長は、去る四月二十八日、国会内で、メディアフルオープンの場で、二〇一四年末、近畿財務局がこのひな形を一式用意してくれたとき、このひな形どおりに手続を進めれば土地取引はスムーズに動くであろうと思い、安堵したと語っております。佐川理財局長は、これに対して、審議会の前に何らかの見通しを与えたことはない、こういう答弁を繰り返してきましたけれども、これだけ親切丁寧に書類をつくって渡してあれば、もう大丈夫だろうという見通しを与えたことになることは明瞭だと言わなければなりません。
総理、これは本当におかしい、余りにも国民から見て納得できない形になっているとお認めになりますか。

○佐川政府参考人 先ほど御答弁申し上げましたが、委員がお示しの資料には、大阪府私学審議会において本件計画が認可適当と答申され、国有財産近畿地方審議会で本件売り払いを前提とする貸し付けが適当と答申された後に契約が締結されるものと記載されてございますので、当然のことながら、先方に予断を持って処分の方針等について述べたことはございません。

○宮本(岳)委員 そんな答弁で一体誰が納得しますか。
二つ目には、私は、昨年三月十五日に財務省で行われた田村嘉啓理財局国有財産審理室長と籠池夫妻との面談について録音された音源データを明らかにいたしました。
この音源データについて、籠池氏は、私が録音機を胸ポケットに入れて録音したものだと明言しております。そして、午前中の質疑で、財務省は、田村嘉啓国有財産審理室長に確認した結果、この音源データが昨年三月十五日の財務省における田村室長と籠池夫妻の面談を録音したものであることを認めたと答弁いたしました。
音源データによりますと、面談の冒頭から、籠池夫妻は、以前私が明らかにした二〇一五年九月四日の近畿財務局九階会議室における森友側業者と近畿財務局と大阪航空局による打ち合わせ記録というものを見せて、財務局の職員がごみの埋め戻しを要請したことを強く非難し、それを差し上げますとその打ち合わせ記録を手渡した様子が録音されております。
午前中の答弁でははっきりしなかったので、これは事実だけ佐川局長に確認しますが、田村室長は九月四日の打ち合わせ記録というものを受け取った事実を認めましたか。

○佐川政府参考人 お答えします。
音声データの話につきましては、委員のおっしゃったとおりで、午前中に御答弁申し上げました。
それで、審理室長に確認をいたしました。二十八年三月に籠池御夫妻が財務省を訪問した際の面談においては、先方のお二人がこれまでの経緯や地下埋設物などについて一方的にお話をされ趣旨がよくわからないことも多かった、あるいは、お二人で同時にお話しされることもあってよくわからないことも多かったということでございまして、全体については、九月四日のメモも含めまして記憶にないということでございます。

○宮本(岳)委員 記憶にない、そう言ったんですか。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今申し上げた事情でございまして、要するに、本人は、近畿財務局から事前に聞いておりました三月十一日に出た新たな埋設物についての対応ということをずっと気にしてございまして、その点について、先方がそれについて何とかしてほしいということについて、現場で近畿財務局と大阪航空局で連携して対応するとお答えしたというのが一番重要な点であり、その点についてはきちんとした記憶を持っていますが、その他につきましては、お二人がずっと一方的にお話をされ、両人がずっと御一緒にお話をされたということであって、全体については、詳細、どんなお話があったかについて記憶を持っていないということでもございますし、今委員がおっしゃった九月四日のメモについても受け取った記憶もございませんということでございます。

○宮本(岳)委員 これは重大な食い違いですね。まさに主たる理由だというふうに冒頭から述べているわけですから、私はこれは徹底して明らかにする必要があると思うんですね。
録音を聞けば明らかですけれども、この九月四日の打ち合わせ記録は、売買契約前の土地の土壌改良工事を担当した中道組がテープから起こしたものであることを語っております。そして、籠池氏は、この打ち合わせ記録を示した上で、下から八番目の近畿財務局の発言を読み上げ、産廃土処分が通常の十倍では到底予算がつかないが、借り主との紛争も避けたいので、場内処分の方向で協力お願いします、二月の二十四日に私が読み上げたのと同じところを読み上げて指摘しております。
籠池氏は、近畿財務局が埋め戻しを指示したことや、そうしないと契約取りやめになるぞとおどすことまでしたと激しく憤っております。これまで佐川局長は否定をしてきたわけでありますけれども、場内処分、埋め戻し、こういう議論があったことは紛れもない事実ではありませんか。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘の、二十七年九月四日、近畿財務局、大阪航空局、関係業者の打ち合わせという中で、森友学園関係の建設業者が作成したとされるメモにつきましては、財務金融委員会の委員長からの御指示がございまして、私が、近畿財務局の発言として、産廃残土を場内処分の方向で協力お願いしますとの記述があるが、これは事実かと、当時の担当者の統括官に確認をいたしました。
当時の統括官は、二十七年九月当時、そうした工事内容について打ち合わせを行っていた記憶はある、ただし、業者に対して産業廃棄物の場内処理を求めるような発言を行ったことはなかったということでありまして、この点につきましては各委員会で私の方から御報告いたしているところでございます。

○宮本(岳)委員 この音源データが示す、昨年三月十五日の田村嘉啓国有財産審理室長と籠池夫妻との面談内容は極めて重大な意味を持っております。それは、この田村嘉啓国有財産審理室長こそ、その四カ月前の前年十一月に安倍昭恵夫人付だった谷査恵子氏を通じてこの国有地の借地料等々について財務省に問い合わせ、回答を得た、その当人だからであります。
田村嘉啓室長は、私の聞き取りに対して、二〇一五年十一月ごろ谷査恵子氏から電話で問い合わせがあったこと、その際、谷氏が安倍昭恵夫人付の谷査恵子である旨を名乗ったことを認め、この電話が安倍昭恵氏の関係者からの問い合わせである事実を当時認識していたと証言いたしました。そして、その問い合わせ内容は、この当時、安倍内閣が一億総活躍社会の具体策として特養などの介護施設の国有地の定期借地料を十年間減額するという政策を打ち出した、こういう新聞報道を受けまして、これを学校に適用できないのかという旨の問い合わせであったと語りました。
私が、それが森友学園のことであることはぴんときただろうと問いますと、それも認めました。当然のことであります。借地契約で国有地を学校の用地に貸し付けている案件など、当時、森友学園以外にはないからであります。
理財局長、以上のことは事実ですね。
〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
谷夫人付から新聞報道されていた介護施設に適用される定期借地の賃借料についての優遇措置等についての問い合わせがありということで、当時の田村室長に確認しまして、そこは、室長はその問い合わせに対して、学校施設は対象外であること、今後対象を拡大する予定もない旨の回答をしたということで、ゼロ回答で回答しているところでございます。

○宮本(岳)委員 聞いたことに答えていないですよ。私が言ったように、安倍昭恵氏周辺からの問い合わせであるということが認識されていたかどうか、そして、この案件が学校に適用できないかということなのだから森友以外にないということはぴんときたと認めているんだが、事実ですね。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
ちょっと質問全体の趣旨がよくわかりませんが、介護施設への優遇措置に関する簡単な問い合わせがありまして、その点についてはこういうことで今政策としてやっています、ただ、学校施設は対象外であるということで、今後対象をそこに拡大する予定もないということを言ったということでございまして、総理夫人からの何かという話については、本人はその点についてどう受けたものだか、ちょっと今、私は承知してございません。

○宮本(岳)委員 本人が答えているんですから、事実に違いないんですよ。ゼロ回答じゃありません。結論的には、売却されることによって月額百万円以下にまで森友学園の土地に関する負担は下がっているんですから、それはゼロ回答じゃありません。しかし、そのやりとりのあった田村嘉啓室長と三月の十五日に会っているから、ここでどういう話し合いがされたかということが極めて大事になるわけですね。
前年十一月、安倍昭恵名誉校長を通じ、首相夫人付の谷査恵子さんを動かして、受け取ったファクスに問い合わせ先として明記されていたのが田村嘉啓国有財産審理室長であります。そして、田村嘉啓室長自身も、谷査恵子氏からの問い合わせが安倍昭恵さん関係者からの問い合わせであることがわかっているわけであります。森友学園がこの問い合わせの中身であることもわかっているわけであります。
だからこそ、この面談で何が話し合われたか、その後、証人喚問で籠池氏が私に神風が吹いたと語ったような大きな動きがこの三月十五日以降に起こって、そして八億二千万円もの値引きがなされ、わずか一億三千四百万円でこの土地が売り払われたのはなぜなのか、このことが問題になるわけですね。
音源データで田村室長は冒頭、この件の経緯が、貸し付け自体が特例だったと述べ、結論的には、本日夕方にでも理事長の携帯にお電話をして、あした近畿財務局からお伺いをして今後の土壌の処理をどう進めていくか相談したいと答えるとともに、我々としては応援の気持ちでやっている、せっかくここまで来たので相談しながらやっていくべきとまで語っておりますけれども、それは確認をいたしましたか、財務省。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどのファクスによるお問い合わせの話でございますけれども、まず、ファクスの方は冒頭で御希望に沿うことはできないというゼロ回答になっておりますし、賃料につきましては、私どもは不動産鑑定士に依頼して、それに基づいて賃料を算定しておりますので、何かそれでまけたとか、そんなことには全くなりませんので、適正に設定しているということでございます。
それから、音源データの話でございますけれども、先ほどお答え申し上げましたように、重要な点は、先方が新たな埋設物についてどうにかしてほしいと、早く対処してほしいということを聞いて、その点について田村の方からは、大阪の現場で近畿財務局と大阪航空局で連携して法令に基づいて対応するというふうに答えたというのが重要な点であるというふうにお答えしたところでございます。

○宮本(岳)委員 自分の都合のいいところだけ聞いていたらあかんのですよ。全部ちゃんと聞いてくれぬとあかんのですよ。私が指摘をした、応援の気持ちでやっているという言葉が出てきます。また、特例ということも何度も出てきます。
そして、籠池氏は、紹介者に申しわけない、あの方自身が愚弄されていると思ったから僕は来たんです、こんなことをしていたら大変なことになると思って来たとまで述べております。私が、愚弄されたら大変なことになるというあの方、このあの方とは誰かと問い合わせをしたのに対して、籠池氏御本人は安倍晋三首相のことであると明言いたしました。
総理、籠池氏が小学校建設を支援してくれた安倍総理や妻の昭恵氏の関与をにおわせて、暗に政治的圧力をかけようとしたことは明らかだと思います。総理、それは勝手にやったことだとおっしゃるかもわからないけれども、その道義的な責任について総理はどのように認識されておられますか。
〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕

○安倍内閣総理大臣 私は、今何か私が進めたかのようなことをおっしゃっていますが、一回も会ったことがないんですよ、ただの一度も。普通、一回も会ったことのない人の事業に対して応援しますか。誰が考えたって、そんなことはあり得ないんですよ。
籠池氏がいろいろなことを勝手に、どんなことをやったか、私はそれは承知しておりません。しかし、安倍晋三記念小学校という名前を使うことはやめてくれと強く言ったのにやめなかった。しかし、その後、それをうちの事務所が問い合わせたら、それはすぐにやめたと言っていた。それが一年半以上も続いていた。そういう出来事があったということを前提に考えていただきたい、このように思います。

○宮本(岳)委員 もう一度このパネルを見ていただきたい。明らかなんですが、あなたも安倍昭恵氏も決して籠池氏に利用されたというようなものでもなく、むしろ初期の段階から小学校の設置に向けた国有地の取得に積極的に関与してきたと言わなければなりません。
去る四月二十八日、籠池氏は国会内で、財務省との交渉内容について安倍昭恵氏にその都度電話で報告していたことを明らかにするとともに、昭恵夫人に名誉校長になっていただいたということで、ある時期から土地についてスピーディーに物事が動いたのではないかと述べ、安倍昭恵氏には土地の取得にかかわっていただいたと明言いたしました。
総理は、この籠池氏の証言はうそだとおっしゃるんですか。

○安倍内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、安倍晋三小学校という名前を私としては勝手に使われたんですよ。だって、お断りしたんですから。はっきりお断りしていたにもかかわらず、先ほども議論がありましたが、それを勝手にいろいろなさまざまな書類として使っていたということであれば、これはある意味では大問題ですよね。それを見て、私がそれを受けた、そういうふうに思わされることになっていくわけでありますから、これが果たして法令上どうなのかという議論だってあると思いますよ。
しかし、最初になぜ訴えないかと言われましたから、総理大臣としては、私はいわば行政府の長としては告発はしませんということを申し上げてきたとおりでありますが、それは大問題だと、誰か野党の方が指摘をされましたが、それはそういうことかもしれないと私は思うわけでございまして、そういう方がどういうことをおっしゃっているかということについては私は一々は承知をしておりません。

○宮本(岳)委員 去る二月十五日、私が財務金融委員会での質問でこの問題を取り上げて以来、政府・与党側から進んで何らかの資料が公開されたことは一度もないんです。あなた方は口をそろえて、資料を破棄した、そのような記録は存在しない、こう言い募ってきたわけです。
二〇一四年十二月十七日の「今後の手続きについて」にせよ、二〇一五年九月四日の打ち合わせ記録にせよ、十一月十七日付の谷査恵子氏からのファクスにせよ、昨年三月十五日の面談の音源データにせよ、全て私や籠池氏が提示したものであります。つまり、紙を捨てたと言い張る側が紙を提出してくる側をうそつき呼ばわりし、真面目に調べようともしないというのが、これまでの与党や政府の態度じゃありませんか。
読売の四月の世論調査では、安倍首相は森友学園への国有地売却をめぐる問題で首相や妻の昭恵さんの関与を否定しています、この説明に納得できますかという問いに六三%が納得できないと答え、朝日の世論調査でも七五%が政府の説明は不十分だと答えております。
総理、ここをちゃんと、この態度を改めないと国民の納得を得られていないこの現状は解決しない、そう思われませんか。

○安倍内閣総理大臣 詳しくは局長から答弁をこの後にさせますが、今までも答弁をしてきているとおりでございますし、たしか参議院の議論でございましたが、西田昌司氏とのやりとりにおいて詳細にこの八億円の減価についての議論があったんだろうと思う次第でございまして、今後とも国民の皆様に御理解をいただくべく答弁をさせたい。この後、佐川局長から詳細について答弁をさせたい、このように思います。

○浜田委員長 宮本君、時間が来ております。

○宮本(岳)委員 籠池氏が、うそをつけば偽証罪に問われる証人喚問の場で述べた以上、それを否定するのであれば、当然、同じ証人喚問の場で述べていただかなくてはなりません。改めて、安倍昭恵氏の証人喚問を要求したいと思います。
あわせて、今では音源データも明らかになりました。昨年三月十五日の面談の内容をただすために、田村嘉啓国有財産審理室長と森友学園の籠池泰典前理事長の当委員会への参考人招致を要求したいと思います。
委員長、ぜひ御協議をいただきたい。

○浜田委員長 理事会で協議をさせていただきます。

○宮本(岳)委員 森友学園事件の本質は、小学校の設立認可や国有地取得の最初から、安倍首相夫妻と松井大阪府知事ら大阪維新の会の勢力が籠池氏らの時代錯誤的な教育勅語教育に共鳴し、手に手をとり合って支持と支援を与えてきたことにあります。まさに総理はこれに関係したならばやめるとおっしゃったわけですから、これがはっきりすれば総理の職も国会議員としての立場も潔く辞するべきである、このことを指摘して、時間ですから、私の質問を終わります。

以下に議事録を掲載します

議事録を読む

193-衆-財務金融委員会-16号 平成29年04月28日

○宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。
質問します。
我が党も、本法案は賛成であります。
初めに、法案にかかわって、基本的な点を三点お伺いします。
一つは、フィンテック企業の電子決済等代行について、現状では、利用者保護で具体的にどんな問題が出ているのか。二つ目に、本法案では電子決済等代行業は登録制とされておりますが、EUではよりハードルの高い免許制も適用されております。なぜ登録制に落ちついたのか。三つ目に、どのレベルでの事業者規制が必要かというのは、まず登録制で始まるにしても、今後、法の運用を見ながら、実態に即してさらなる検討が必要ではないかと思います。三点、お願いします。

○池田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、第一点につきましては、少なくとも我が国におきましては、これまでのところ、大きな問題が顕在化した事例ということは承知をしておりません。他方、海外では、例えば米国で、大手銀行が、顧客情報の保護を理由に、顧客のパスワードを使用する業者のアクセスを一時的に遮断するというトラブル事例があったというようなことは承知をしております。
そういうことで、我が国では、これまでのところ、幸い、大きな問題は顕在化していないわけですが、同時に、電子決済等代行業に該当するサービスにつきましては、銀行口座に関するパスワードといった重要な認証情報が業者に取得される場合がありまして、顧客情報の漏えい、認証情報の悪用等のセキュリティー上の問題がないかとの不安があると指摘されているということを認識しております。
本法案は、そうした課題等を踏まえ、利用者保護の観点から必要な法律上の措置を講じようとするものでございます。
二番目の免許制、登録制の問題でございます。
一般に、免許制におきましては、免許の付与に際して、行政機関に一定の裁量が与えられるのに対しまして、登録制におきましては、登録拒否要件に該当しない限りにおいて、金融機関は登録を拒否することはできないものとされておりまして、一般に免許制の方が重い規制態様であるとされているかと思います。
そうしましたときに、電子決済等代行業者は、その定義上、利用者の金銭を預かることが想定されていないところでございまして、現行法制上、例えば、金銭の預託を受けることが前提とされております資金移動業者が登録制とされていることなどに鑑みますと、電子決済等代行業者について免許制とすることには慎重であるべきものと判断しているところでございます。
ただ、御指摘にありましたように、三番目の点でございますけれども、私どもとして、まずはこうした法制の整備を通じて利用者保護の確保を図っていきたいと考えておりますが、フィンテックは今後もさまざまな発展を遂げていくことが想定されるところでございまして、金融庁としましては、その動向を十分注視し、必要があれば適切に対応を検討してまいりたいというふうに考えております。

○宮本(徹)委員 法の運用の実態がどうなるかということに即して、いろいろな問題が出てきたら、その段階でまた必要な規制をしっかりとっていただきたいというふうに思います。
次に、犯罪対策について聞きます。
インターネットバンキングによる不正支払い事件というのがかなり起きているわけですが、まず近年の件数の推移、あと被害金額、これを教えていただけるでしょうか。

○遠藤政府参考人 お答え申し上げます。
全国銀行協会の公表によりますと、インターネットバンキングによる不正支払いの被害件数を平成二十三年度から順次申し上げますと、平成二十三年度百六件、二十四年度百六件、同じくです。平成二十五年度は、大きく伸びまして千七十一件、平成二十六年度千二百十五件、平成二十七年度千二百八十三件、平成二十八年度は、速報ベースでございますけれども、五百六十九件となっております。
平成二十五年度に大きく増加した後に、平成二十七年度まではほぼ横ばいで推移し、平成二十八年度は前年度比で減少している状況にございます。
金額について申し上げますと、平成二十三年度は二億三千五百万円、二十四年度は一億二千四百万円、二十五年度は十四億三千四百万円、二十六年度十六億八千万円、二十七年度十七億八千二百万円、二十八年度は八億二千四百万円といった推移でございます。

○宮本(徹)委員 二〇一三年度に急激に拡大して、一四年度、一五年度とぐっと伸びて、一六年度は若干下がったわけですけれども、かなり高どまりしている状況ということだと思います。
近年急拡大した原因と、犯罪の主な手口というのはどういうものなんでしょうか。

○遠藤政府参考人 お答え申し上げます。
まず、犯罪の主な手口から御説明させていただきたいと思います。
インターネットバンキングの不正送金の主な犯罪手口といたしましては、特定ホームページの閲覧を通じて利用者のパソコンをウイルス感染させた上で、ユーザーIDとかパスワードなどを盗み取り、犯罪集団が利用者に成り済まして不正送金する手口、犯罪集団が利用者のパソコンを乗っ取り、遠隔操作で不正送金する手口、あるいは、ウイルスがあらかじめ送金依頼データをセットし、自動的に不正送金する手口などが存在すると承知しております。
また、ウイルス以外の手口といたしましては、フィッシングサイトに利用者を誘導してユーザーIDやパスワードなどを盗み取り、犯罪集団が利用者に成り済まして不正送金する手口も存在すると承知しております。
近年、被害件数が、特に平成二十五年度に急拡大している原因でございますけれども、専門家等によって指摘されている理由については幾つかございます。
一つは、ウイルスやフィッシングサイトを作成するツールがインターネット上に安価で出回るようになったこと。一つは、海外の犯罪集団に日本語が比較的堪能な協力者が加わることによって、日本語のにせのホームページを作成することができるようになり、日本も犯罪対象にされてきたことなどが要因ではないかという指摘がございます。
また、従前は被害者の中心が個人でございましたけれども、法人にもこの被害が拡大していることなども要因の一つではないかというふうに考えられます。

○宮本(徹)委員 今回の法案というのは、こういう事件への対応は何らか抑止できるような力になるんですか。

○池田政府参考人 今回の法案は、現行の電子決済等代行業者の多くが利用者から銀行口座のパスワード等を取得し、利用者に成りかわって銀行のシステムにアクセスすることによりサービスを提供しているため、仮にこれらの情報が漏えいした場合に、利用者が不利益をこうむるおそれがあることなどを踏まえて法制の整備を図っているものでございます。
この法律案は、インターネットバンキングを利用した不正支払いの抑止自体を直接の目的とするものではございませんけれども、電子決済等代行業者に対して顧客情報をより適正に管理することを求めておりますので、顧客情報の悪用等による不正支払いの未然防止にも資するものであるというふうに考えてはおります。

○宮本(徹)委員 中国ではフィンテックが物すごい勢いで拡大しているようで、雑誌で見ましたら、ネット人口は七億人を超え、九割以上がモバイルを使っている、スマホ決済もばんばんやられていると。驚いたのは、ことしのお正月に四百六十億件ものお年玉がスマホ決済で送られているという話でした。銀行に行かなくても送金できるというのは非常に便利なわけですけれども、安全性という点では疑問もつくわけですね。
中国では、スマホ決済を利用した犯罪や不正送金というのはどういう状況なんでしょうか。

○池田政府参考人 お答え申し上げます。
中国におけますスマートフォン決済に係る犯罪等の実態について、その詳細を具体的に把握しているものではございませんけれども、中国におきましては、御指摘のように、IT関連企業が提供します決済サービスが急速に拡大しておりまして、そうした中で、顧客の情報を不正に取得し、送金を行う等の事案が発生しているとの報道があるということは、報道ベースでございますが、承知をしているところでございます。

○宮本(徹)委員 不正が中国でも起きているということであります。
日本でも、フィンテックはさらにぐっと普及していくということを考えたら、いろいろなことが想定されるわけですけれども、きょうは全銀協がつくっている振り込め詐欺の警戒を呼びかけるチラシをお配りしましたが、振り込め詐欺にスマホ決済も利用されるのではないかという懸念もあるのではないかと思います。
今は、これに出ているように、携帯電話で高齢者に指示してATMに振り込ませるということになるわけですけれども、仮にスマホ決済が普及すれば、ATMに行かなくても、家でスマホを使って送金させられる、こういうおそれがあるわけですよね。そうすると、今、ATMの前で声をかけてとめようというのもできなくなるわけですよね。
フィンテックの普及によってふえそうな犯罪の抑止について、どのような対策を考えているのか、お答えいただきたいと思います。

○池田政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の問題は、必ずしも電子決済等代行業者の問題ではなく、インターネットバンキング全般にかかわる問題であろうかとは考えますが、スマホ決済等の利用が広がっていく中で、そうした動きに乗じた不正送金等の問題についてもきちんと考慮していくべきことは御指摘のとおりかと思います。
金融庁におきましては、これまでも関係省庁あるいは関係団体と連携して振り込め詐欺被害等の未然防止に向けた取り組みを行ってきたところでございますが、こういう状況を踏まえ、振り込め詐欺被害等への注意をより強く呼びかける等、リーフレットの作成、政府広報等、そうしたものの実施に一層の工夫をしていくということが求められようかと考えております。
引き続き、関係省庁、業界団体等と連携して、振り込め詐欺あるいは不正送金等の未然防止に全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。

○宮本(徹)委員 より強く呼びかけていくというのは当然必要なことなんですけれども、もっと技術的に対応できるようなことがないのかということも含めて検討していく必要があるんじゃないかというふうに思いますので、その点の検討もお願いしたいと思います。
それから、きょうは、証券等監視委員会にも来ていただきました。
最新の報告書を見ますと、「(AI)による投資アドバイスや資産運用、プログラムによる高速取引等、FinTechの進展に伴う最先端の金融技術・手法の動向について、証券監視委内横断的に外部の市場関係者等から情報収集を行い、証券市場や市場仲介者等への潜在的な影響等について調査を行っている。」という記載がありましたけれども、この調査の着眼点というのは何なんでしょうか。結果はまとまったら国民に対して公表されるんでしょうか。

○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。
証券監視委におきましては、市場の公正性、透明性確保の観点から、フィンテック等のIT技術の進展等に伴いまして生じます新たな取引形態、商品などに着目いたしまして、現在の監視システムや手法で十分な監視が行えるか、また、そのためにどのようなシステムを構築すべきかといったことにつきまして、外部の市場関係者等から情報収集を行うなど、検討を進めているところでございます。
今後、調査結果を踏まえまして必要な監視システムや手法の構築に努めまして、必要に応じて今後の監視委員会の活動方針などに盛り込んでいくなど、適切な対応を行ってまいりたいと考えております。

○宮本(徹)委員 方針に盛り込むと同時に、調査結果についても国民に対してぜひ公表していただきたいというふうに思います。それでこそ国民の側も安心、安定ということになっていくと思いますので、お願いしたいと思います。
次に、異次元の金融緩和、それから、マイナス金利政策の銀行への影響についてお伺いしたいというふうに思います。
まず初めにお伺いしたいのは、この間、金融機関の収益の源泉である預貸金の金利の利ざやが縮小しているわけですけれども、これは異次元金融緩和導入前と現時点では具体的にどうなっているでしょう。
〔委員長退席、藤丸委員長代理着席〕

○宮野谷参考人 お答え申し上げます。
金融機関の預貸し金利ざやは趨勢的に低下しております。
具体的に申し上げますと、量的・質的金融緩和導入前の大手行では、二〇一二年度の預貸し金利ざやは一・一七%でございましたが、二〇一六年度の上期は〇・八八%となっております。また、地域銀行の二〇一二年度の預貸し金利ざやは一・五六%でありましたが、二〇一六年度上期は一・二二%となっておりまして、いずれも低下しております。

○宮本(徹)委員 この利ざや縮小について、ことし四月のIMFのレポートも分析しております。こう言っています。「長短金利の差は平たん化しています。一般的にいって」、「銀行にとってそれは収入が減ることを意味します。また、銀行が預金金利をマイナスに引き下げるのは通常難しいことなので、金利低下は利ザヤを縮小させがちです。そして人口の高齢化と成長が減速したままであれば家計からの需要が減退しやすいため、融資量の増加による低利ザヤを補うことができなくなります。」こうした上で、「対照的に」銀行の「手数料ベースの売買サービスが増加する」というふうに書いております。
日本銀行にお伺いしますが、日本のメガバンクというのは、手数料収益の増大の傾向というのはどう出ているんでしょうか。

○宮野谷参考人 お答え申し上げます。
日本の大手行の手数料収益の推移を見ますと、基調的には、海外のシンジケートローンの関連手数料などを中心に緩やかに増加傾向にあると認識しております。

○宮本(徹)委員 緩やかに増加傾向とありますけれども、例えば、住友三井トラストのホームページを見ましたら、手数料ビジネスの拡大というのをどんと書いてあるわけですよね。こう銘打って、この間、手数料ビジネスからの収益は二七%増加、手数料収益比率は五〇%を超過ということを言って、そこに走っているわけですね。
もう一点お伺いしますが、近年、日本のメガバンクは、海外向け与信を増加させて国内減少分をカバーしている傾向というのは見られるんでしょうか。

○宮野谷参考人 お答え申し上げます。
日本の大手行につきましては、海外向け貸し出しの伸びが国内向け貸し出しの伸びを上回っております。ただ、国内向け貸し出しも伸びてはおります。
具体的に申し上げますと、大手行の海外向け貸し出しは、前年に対してプラス一割程度の高目の伸びを続けております一方、大手行の国内向け貸し出しにつきましては、伸びてはおりますけれども、その伸びは前年比一から二%程度の伸びとなっております。

○宮本(徹)委員 つまり、今、低金利政策のもとで、手数料ビジネス、そして海外での貸し出し、こういうことになっているわけですよね。そういうのが広がっているわけです。
一方、資本規模の小さい地方銀行は、低金利政策で経営体力を奪われております。
地方銀行の資産構成の変化がどうなっているのか、地方銀行の資産の有価証券の種類別の内訳、異次元金融緩和の導入前と現在を比較したらどうなのか、報告していただけるでしょうか。

○宮野谷参考人 お答え申し上げます。
地方銀行と第二地方銀行における有価証券保有残高を見ますと、国債につきましては、量的・質的金融緩和導入前の二〇一二年十二月末が四十三・〇兆円でありましたが、これが二〇一六年十二月末は三十二・二兆円となっておりまして、この間で十・七兆円の減少となっております。
一方、外国証券につきましては、二〇一二年十二月末の七・六兆円から二〇一六年十二月末の十五・一兆円まで、七・五兆円の増加となっております。
また、その他有価証券につきましては、二〇一二年十二月末の三十七・七兆円から二〇一六年十二月末の四十六・六兆円まで、この間、八・九兆円の増加となっております。

○宮本(徹)委員 今お話がありましたように、国債は減って、外国証券、その他有価証券がふえているわけですよね。地方銀行が、より高い利回りを求めて、リスク性資産に資金をシフトしているというのは明らかだというふうに思います。
あと、もう一点、地方銀行の企業向け貸出金について、規模別では中小企業向け、業種別では不動産業向け、これについて、異次元金融緩和導入前と現在、比較すればどうなるでしょうか。

○宮野谷参考人 お答え申し上げます。
地域銀行における中小企業向け貸出残高を見ますと、量的・質的金融緩和導入前の二〇一二年十二月末は八十八・七兆円でございましたが、二〇一六年十二月末は百二・二兆円となっておりまして、この間で十三・五兆円の増加となっております。
次に、地域銀行の不動産業向け貸出残高につきましては、二〇一二年十二月末の二十六・七兆円から二〇一六年十二月末の三十四・六兆円となっておりまして、この間で七・九兆円の増加となっております。

○宮本(徹)委員 不動産向けの融資が大きくふえているわけですけれども、この間、相続税の引き上げがありましたから、私も地元を回っていましたら、特に農家の皆さんなんかは、相続税対策で、宅建会社がどんどんやってきて、アパートを建ててくれ、こういう話があるというのを幾つも聞いているわけです。
これは大臣にお伺いします。
アパートローンの実態をどう把握しておられるのか、不良債権化するリスクというのはどう見ているのか、そしてどう対応されているのか、お伺いしたいと思います。

○麻生国務大臣 足元で、アパートローンを含めまして不動産業向けの貸し付けというものの伸びというのを見ますと、残高の伸び自体は、これまでの拡大局面と比較しての話ですけれども、必ずしも高くはありませんが、新規融資額は、二〇一六年におきましては、通期での比較においては過去最高ということになっております。ちなみに、額でいえば、二〇一六年でいきますと、十二兆二千八百六億円、前年比で一五・二%でありますので、そういった意味では最高ということになりましたが。
金融システムの健全性という点からいきますと、アパートローンなどにつきましては、これはデフォルトという意味でいきましたら、その率というものでは極めて低位で推移をしておりますし、また、担保によって債権は保全されているというように我々としては認識をいたしております。したがって、足元で金融機関全体の健全性を懸念しているという状況ではありません。
ただ、先生おっしゃるように、アパートローンというものにつきましては、これは不動産業者による持ち込みで持ってこられる話がほとんどですから、いわゆる家主、ローンの借り手ということになりますけれども、家主は、アパートがいいぞとかいう話で乗せられる話はよくある話なんだと思いますが、アパートというのは、借りてくれる人がいて初めて金が入ってくるわけなので、そういった意味では、空き室とか賃貸料とか、そういったいろいろなものを考えにゃいけませんので。そういったリスクを十分に理解していないおじさんなんというのはいっぱいいますよ。私どものところにもいっぱいいましたから。別に驚く話じゃないのであって、どこでもそういった話は、おいしい話というのはそういうものがついて回るのは当たり前の話なんですけれども。
そういったものに対しては、金融機関に対して、金融の貸す方としては、今後、貸している金利の上昇が考えられますよとか、また、賃料というものは低下するという面もあるわけなので、そういったリスクについて、融資を審査する際に、じいちゃんとかばあちゃんにちゃんと教えてやらぬと、極めて難しい、不親切ということにもなりましょうし、わかりやすく借り手に伝えているなどというのは、銀行の人たちは忙しかったりなんかすると、それはよく読んでおけばわかりますなんていったって、読むのに虫眼鏡がなきゃ読めぬようなおじいちゃん、おばあちゃんというのはいっぱいいるわけですから、そういったものに対して、こういった貸出業務を運営するに当たっては、ちゃんと丁寧にやって、きちんとそういったリスクの話もするような指導をしてやるべきということは、我々の方から申しているところであります。

○宮本(徹)委員 だまされたという話もこの手の問題ではたくさん聞くわけですので、しっかり対策をお願いしたいと思います。
あと、きょうは国交省の藤井政務官にも来ていただきました。
住宅政策としても、今空き家がどんどんふえている、そういう中で、相続税対策ですよということでアパートをどんどん建てられているという状況があって、空き室の率もずっと高まっているという報道もあるわけですが、今これは率直に言って供給過剰になっているんじゃないかというふうに思いますが、国交省は現状をどう認識されて、どう対策を打とうとしているんでしょうか。

○藤井大臣政務官 宮本委員にお答えいたします。
平成二十八年の貸し家の着工戸数は、四十一・九万戸、前年比一〇・五%増と、平成二十年以来の高い水準となっております。この増加の要因といたしましては、平成二十七年一月の相続税の課税強化に伴います節税目的での建設や低金利継続による影響といった見方がございます。
賃貸住宅につきましては、地域によっては空室率の上昇や賃料の低下といった状況も見られることから、今後、こうした市場の動向等を注意深く見守ってまいりたいと考えております。

○宮本(徹)委員 見守るだけじゃなくて、住宅政策としてどうするのかというのは、やはり検討が必要だと思います。一方で空き家対策、空き家対策と言っているのに、どんどん野方図にアパートがふえて建っていくというのは、これでいいのかというのをぜひ御検討いただきたいというふうに思います。
いずれにしても、長期化している低金利政策は、銀行の経営ももちろんそうですけれども、日本社会全体にいろいろなひずみを広げてきているというふうに思います。異次元の金融緩和路線は改めるべきだということを強く申し上げておきたいというふうに思います。
次のテーマに移りますので、ここで、日銀、国交省、それから証券取引等監視委員会は御退席していただいて結構でございます。
続きまして、私も森友学園の問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
二〇一六年三月十五日に籠池氏が財務省に来て理財局と面談した際の音声データ、録音、これが今報道されております。私どものところにもあるということで公表しておりますけれども、籠池氏がみずから録音したものということです。なぜ八億二千万円もの値引きが行われたのか真相を明らかにしていく上で、極めて重要な交渉の録音記録だというふうに思います。
この記録によりますと、理財局との面談の目的について、籠池氏はこう言っているんですね。今回お邪魔した主たる目的というのは何かというと、財務省の近畿財務局の方が、殻とか有害物質が入っている土を、もうそのまま埋め戻してほしい、運ばないで場内に埋め戻してほしいなんということが発生したと。これが三月十五日に籠池氏が財務局までやってきた目的だということをはっきりおっしゃっています。つまり、二〇一五年九月四日のあのペーパーですよ、財務省職員の指示で埋め戻された廃材等のごみについて、どうしてくれるんだ、これで来たわけですよね。その中で、籠池さんの奧さんからも、何でこんなので借地料を払わなきゃいけないんだという話も出されているわけであります。
この問題については、今週二十五日に同僚の宮本岳志議員が質問いたしました。この面談で財務省職員の埋め戻し発言について籠池氏側からクレームがあったのではないかと聞いたところ、佐川理財局長はこう答弁されました。本人の記憶では、新たに発見された埋設物への早急な対応についてそこでやりとりしたということで、そのほかにつきましては、具体的な内容等については記憶していないと。記憶していないということだったわけですね。
今までは、田村室長の記憶がないということで国会への説明というのは済まされてきたわけですけれども、しかし、この記憶を補う記録というのが今や明るみに出てまいりました。もう個人の記憶頼みではなく、真相究明できる段階に入ったんだというように思います。
まず、佐川局長に確認したいんですが、報道されている音声データが本物の記録かどうか、田村室長や同席した職員なりに確認されましたか。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
報道されていることにつきましては承知してございます。ただ、その音声の記録とされるものが実際どのようなものなのか私どもは承知していませんので、そういう音声の記録等につきまして、報道につきましてはコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
その上で、三月十五日の面談の御質問でございますので、ここについてお答え申し上げますと、私ども、籠池氏が昨年三月、財務省を訪問した際の面談の内容につきましては、実際に面会をしました、この審理室長に聞いてございます。それで、先方より、これまでの経緯についての説明があり、その後、新たな埋設物が発見されたので至急対応してもらいたい旨の要望がありまして、当方からは、事実を踏まえ法令等に従って対応する、引き続き、現地で近畿財務局が大阪航空局と連携して対応する旨対応したというふうに聞いてございます。
それ以外に、先日も宮本先生の方からありましたので、先方のこれまでの経緯についての説明の中で、地下埋設物の撤去に係る有益費の関係などにつきましても先方は言及されたかもしれないけれども、大きな話として、新たな埋設物の話についてそういうやりとりをしたということで、その他についての詳細、具体的な内容については記憶をしていないというような話でございました。

○宮本(徹)委員 コメントを差し控えたいという話じゃないんですよね。新たに音声データがこれだけ報道されているわけですよ。音声を聞かれましたよね、報道ステーションだとかメディアで流れた音声を、理財局長も。聞かれていないんですか。
〔藤丸委員長代理退席、委員長着席〕

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
複数のメディアで報道されていることは承知してございますが、私もニュースで少し流れているのは聞いてございますけれども、音声も余りはっきりもしておりませんし、現実にそういう音声の記録というものがどういうふうに録音されて、どういうものなのかというのは私どもよくわかりませんので、各局が多分同じものを録音されているので、複数やっているだろうとおっしゃいましても、それは同じものをやっているんでしょうけれども、どういうものなのか承知してございませんので、報道、音声そのものについてはコメントを差し控えたいというふうに思います。
ただ、先生が先ほど御指摘になりました九月四日の記録について、埋め戻しがあったのではないかというようなことを、今、宮本先生御指摘になりましたので、その点について御答弁させていただきますと、その話につきましては、先般この委員会でも委員長の方から御指示いただきまして、近畿財務局の職員に私は自分で確認をしてございます。それで、産業廃棄物の場内処理を求めるような発言についての確認をしようということで私がしまして、近畿財務局の当事者に確認をして、そういう発言を行ったことはなかったということで、この委員会でもお答えをさせていただいている、こういうことでございます。

○宮本(徹)委員 報道を理財局長は聞かれたということですよね。
田村室長の声もはっきり流れていたわけですけれども、田村室長の声でしたよね。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
本人かどうかは全く私はわかりません。

○宮本(徹)委員 驚きの答弁ですね。
それで、本人には、この報道が流れて以降、確認したんですか。田村室長や同席した職員の方々に、何人も同席されているようですけれども、報道があった後、どうですか。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
三月十何日ですか、その三月の半ばの籠池氏が財務省に訪問した際の面談の内容については、ここで何度も御答弁申し上げますが、私は審理室長の方に確認をしてございます。
そういう意味で、先ほど答弁したとおり、室長の方から、先方から新たな埋設物が発見されたので対応してもらいたいと、当方からは法令に従って対応する、引き続き現地で近畿財務局と大阪航空局と連携して対応する、こう対応したというふうに聞いていると、ここで何度も御答弁させていただいているところでございます。

○宮本(徹)委員 全く説明になっていないですね。
今までの確認は記憶に基づくもので詳細はわからないというのをずっと、今週の火曜日まで、理財局長は答弁されていたわけじゃないですか。記憶以外のところは出てこなかったわけですよ、理財局長の答弁から。だから、もっと確認が必要じゃないかということを私たちはずっと質問してきたわけですよ。そして、記録が出てきた。
これは本人に、田村室長に聞けば、これが本物かどうかというのはすぐにできる話じゃないですか。なぜ確認しないんですか。

○佐川政府参考人 御答弁申し上げます。
委員の御指摘は、報道されております音声の記録そのものについて、それが事実であって、そういうものを確認すべきだということの御指摘なのかもしれませんが、私どもは、そういう音声記録がどういうものなのか、どういうふうにでき上がっているものなのか、承知をしてございませんので、それについて確認をせよと言われても、ちょっとそういう確認は控えさせていただきたいというふうに申し上げております。

○宮本(徹)委員 そんなおかしな答弁はないでしょう。
同じことがありましたよ。九月四日の建設会社、業者がつくった打ち合わせ記録のペーパーがありましたよね。当時、理財局長は、同じような、どういう筋合いのものかわからないから私たちは確認しないというふうに言われていましたけれども、最終的には、委員長の指示で確認されるということになったわけですよね。
委員長から指示が出れば、では、報道されている音声データ、これは本物かどうか、田村室長や職員にちゃんと確認されるということでいいわけですね。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
委員長の指示というお話であれば、もう私が答弁する立場にはございませんので、そこは控えさせていただきます。

○宮本(徹)委員 委員長、九月四日のペーパーと同じ話ですよ。それよりももっと生々しいですよね。九月四日のペーパーは、音源はあるけれども、それを起こしたものですよ。今回は音源そのものですよ。メディアでもこれだけ流れているわけですから。
委員長、指示していただけますか、理財局長に。田村室長や三月十五日の会議に同席していた職員の皆さんに、本物かどうか、確認していただく指示を出してください。よろしくお願いいたします。

○御法川委員長 この件については、後ほど理事会で協議をいたします。

○宮本(徹)委員 本当に、委員長から指示が出るまで調べようともしないというのは、私は公務員の姿勢としてどうかと思いますよ。
理財局長、当然、憲法を読まれたことはありますよね。私たち特別公務員も皆さんも、一部の奉仕者ではなくて全体の奉仕者なんですよ。全体の奉仕者の立場に立って、これだけ国民が疑念を持っていて、ここまで明らかになっているのに調べようともしないというのは、公務員になったときの初心に照らしてどうなのかということを真剣に考えていただきたいというふうに思います。
その上で、今回、表に出てきた音源というのは、佐川局長のこの間の答弁にもかかわってくるわけですよね。
二〇一五年九月四日の業者が作成した打ち合わせ記録について、この間の佐川局長の答弁は、全く承知していないということをおっしゃっておられました。しかし、音声記録は、三月十五日に籠池氏が田村室長に、この九月四日の打ち合わせ記録を渡して見せながら読み上げているんですね。映像はないですけれども、報道されている音源だけでもはっきりしていますよ。
改めて確認したいと思いますが、三月十五日の面談でも、この業者が作成した打ち合わせ記録というのは財務省側には渡されていない、手元にもない、全く承知していない、これが今でも理財局の認識なんですか。
〔委員長退席、藤丸委員長代理着席〕

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
何度も答弁をさせていただいておりますが、私は、昨年の三月に籠池理事長夫妻がお見えになって、うちの国有財産の審理室長に面会をし、会ったということをきちんと確認して、御答弁はしているところでございます。
その上で、その先方と当方のやりとり以外についても、先方からこれまでの経緯についてるる説明があったということについて、そこについても御答弁をさせていただいてございます。
そういう中で、今おっしゃった、その業者が作成されたとするメモ等につきましては、そういうことに関することも含め、具体的にどういう内容だったかについて本人に聞いてみたところ、詳細な記憶を持っていないということを御答弁しているということでございます。

○宮本(徹)委員 記憶を持っていないと本人は言ったわけですね、九月四日のメモについて。
ですけれども、音源記録を見たら、記憶がないどころか、渡されているのは確かですし、この間の理財局長の答弁というのは、九月四日のペーパーについては承知していないという答弁を繰り返してきましたよね。承知していないということを繰り返してきたわけですよ。承知していないどころか、渡されて、一緒になって読んでいるわけですよ。
籠池さんの音源、テレビでも流れていましたけれども、どういう意味かというと、そこに書いてありますよ。下から一、二、三、四、五、六、七、八、財務局。この打ち合わせ記録も、一、二、三、四、五、六、七、八、財務局。そのとおりですよ。そして、確かにこの八番目のところには、財務局の側が、場内処分の方向でお願いしますというふうに書いてあるわけですよ。
あの報道を見たら、これまでの理財局長の承知していない、財務省としてこのペーパーを承知していないというのは、全くのうそ偽りの虚偽答弁になったということじゃないですか。

○佐川政府参考人 御答弁申し上げます。
先日、宮本岳志先生の方にも御答弁申し上げましたが、先方からの説明で、これまでの経緯についての説明の中で、地下埋設物の撤去に係る有益費の関係などについても言及されたかもしれないが、具体的な内容については記憶をしていないというのが室長の話でございました。
したがいまして、その九月四日の業者の打ち合わせのメモというものについて、そういうものに基づいて先方はお話ししたのかもしれません、その有益費の関係について。
しかし、そういうことも含めて、その中身について詳細については本人は記憶していないということでございます。

○宮本(徹)委員 だから、はっきりさせてほしいんですけれども、今、手元にない、記録は渡されていないということは、もはや全否定はできないということでいいわけですね。かもしれないとか記憶にないとかと言いますけれども、音源を見る限り、はっきり渡されていますよ。これは、手元にある可能性もあるということでいいわけですね。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
二十七年の九月のその業者が作成したとされるメモにつきましては、私ども、参議院と衆議院の財金の委員長から御指示を受けまして確認しておりますので、そういう意味では、当然、私ども、そのメモにつきましては見てございます。
ただ、その場で、その三月の時点で、籠池理事長御夫妻がお見えになったときに、うちの室長たちが向こうとの間で面会、会話をした中で、そういうメモについて、どういうふうに取り扱われたかについて、本人たちも詳細を覚えていない、こういうことを申し上げてございます。
〔藤丸委員長代理退席、委員長着席〕

○宮本(徹)委員 結局、覚えていないとか記憶にないというので、言い逃れしてきただけの話じゃないですか。
今までの国会の説明と違う話になってきているわけですよ。覚えていないというだけで、実際はあったというのが、渡されているというのも、音源データではっきりしているわけですよ。
委員長の指示を持たずに、自分のこれまでの国会の説明にもかかわる、矛盾する話なんですから、みずから調べようという思いを持たないんですか。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
先ほども御答弁申し上げましたが、その業者のつくったメモにつきましては、そういう意味では、委員長の方から御指示を受けて、私ども確認をしてございますので、もうその存在は当然知ってございます。
ただ、その三月のところでそういうメモがどう取り扱われたかについては、本人たちが覚えていない、こう申しているわけでございます。

○宮本(徹)委員 どこまで調べようとしないのかというのは、本当に国民の皆さんに対して、申しわけないという思いを持たないですか。
委員長、この点も、九月四日の面談記録を、二〇一六年三月十五日、籠池氏が財務局とお会いした際に渡しているというのは、音源データからもはっきりしています。これは渡されているかどうかというのもはっきり確認するように指示を出していただけるでしょうか。

○御法川委員長 理事会で後刻協議いたします。

○宮本(徹)委員 もう一点、お伺いしたいと思います。
音声データを聞いていますと、特例という言葉が何度も出てまいります。財務省の側からの発言でも、この件の経緯がね、貸し付けするってことが特例だったものでと言っているんですよね。籠池氏の側も、特例にしていただいたことは非常にありがたいことというふうに応じております。
確認しますけれども、森友学園への土地の貸し付けというのは、財務省としては特例だったという認識でよろしいんですね。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
その音声記録についてのコメントは差し控えさせていただきますが、今おっしゃった特例処理のお話でございますが、説明をさせていただきます。
私ども、個別の普通財産の管理、処分につきましては、当然、国有財産法等に基づきまして、各財務局に分掌されているわけでございます。それで、各財務局におきましては、国有財産関連の法令あるいは通達に基づきまして、事案に応じて、もちろん適切に財産の管理、処分を行っているわけですが、案件によりましては、その法令、通達の適用に関しまして、各財務局から、私ども本省も相談を受けます、それは当然だと思いますが。
そういう中で、個別の事案、事情に応じましては、本省の承認を得て処理します特例処理という規定が通達上に定められてございます。したがって、その事案に応じて、通達に基づきまして、各財務局から本省に特例処理の承認申請を行って、その承認を得た上で処理を行っているということもございます。
それで、今御指摘の本件でございますが、本件は、通達上、貸付期間というのは通例三年以内というふうになってございますが、ただ、これは、通例の貸し付けでございますと、借地借家法上、借り主は貸し付けを継続するというのは可能でございます。したがいまして、貸付期間が延びていく可能性があるわけでございますので、私ども、この森友学園に対しましては、貸付期間中に確実に買い受けをしてもらおう、こう思ってございまして、そういう意味では、期間満了後に更地返還が必要になります事業用の定期借地とするのが適当だと考えてございました。
それで、借地借家法上、定期借地というのは、これは最短期間十年でございますので、そういう意味では、通達上、通例三年となっております貸付期間を、必ず十年後には更地で返してもらうという定期借地にするためには、通達上、特例処理という項目に沿って本省の承認が必要になりますので、本件の土地の処分につきましては、十年間の定期借地の契約とするということを、私ども本省において承認をしたというのを特例というふうに表現しているということでございます。

○宮本(徹)委員 時間が参りましたので、もっとたくさん質問したいことがあったわけですけれども、特例中の特例でやりとりをしていたというのは、この間の経緯を見てもはっきりしているわけですよね。特例的なものは我々のところにも相談が来ます、こういう事実を踏まえてどうしたらいいのか、これはちゃんと検討しますとかいうことでやっているわけですよ。
しかも、音声記録では、繰り返し籠池さんの側からは、昭恵夫人の方からも、たしかここも聞いてもらったこともあると思いますけどと、自分のバックには安倍総理夫人がいることも何度も示唆している、そうやって交渉しているわけですよね。
ところが、この間の同僚議員の質問に対して、総理夫人の話を出されたんじゃないかと聞いても、田村室長に聞いたけれども、記憶にないと言っていると。およそ信じられないですよ。
結局、バックにそういう方がいるんだということをそんたくして、八・二億円引きという特例をしていったということなのではないかというふうにますます疑念が深まらざるを得ないわけです。
当委員会にて、田村室長及び籠池前理事長に話していただかなきゃいけないというふうに思いますので、委員長、参考人招致を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

○御法川委員長 後刻理事会で協議をいたします。
時間が来ておりますので。

○宮本(徹)委員 質問を終わります。ありがとうございました。

議事録が確定次第掲載します

以下に議事録を掲載します

議事録を読む

193-衆-国土交通委員会-11号 平成29年04月21日

○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。
森友学園に対する国有地売却問題について質問いたします。
まず、森友学園への国有地売却結果について、石井大臣の評価をお聞きしたいんですね。
これまで、政府は、私たちの質問に対して、財務省も国交省も国有地売却の手続には問題はないとの答弁を繰り返してまいりました。しかし、国民は全く納得しておりませんし、適正だったとは思っておりません。
時事通信の四月の世論調査でも、国有地売却問題をめぐる説明について、納得していないが六八・三%と七割近くに上っております。納得しているというのはわずか一二・三%にとどまっております。
大臣にお伺いしますけれども、国民がまだ納得していない、このことはお認めになりますね。

○石井国務大臣 各種世論調査によりますと、まだまだ御理解が広がっていないのかなというふうに考えております。
国土交通省といたしましては、引き続きわかりやすい説明に努めてまいりたいと考えております。

○宮本(岳)委員 何といっても国民が納得できないのは、先ほども議論がありました八億二千万円にも上る大幅値引きの根拠とその説明なんですね。不動産鑑定価格九億五千六百万円の国有地が、地下埋設物撤去費用として八億二千万円も値引きをされたわけであります。
売買以前の昨年四月六日には、森友学園があらかじめ行った汚染土壌やコンクリート殻の撤去費用として、有益費一億三千二百万円が空港整備勘定から支払われました。そして、その二カ月余り後の昨年六月二十日には約一億三千四百万円で土地を売却したのでありますから、差し引き、わずか二百万円でこの八千七百七十平米もの国有地が売り払われたことになります。
大臣は、この事実をどう評価されておりますか。

○石井国務大臣 有益費と差し引いてというふうに今おっしゃったんでしょうか。有益費は実費を提供しておりますから、それと差し引いて考えるのは適切ではないんじゃないかと思っています。

○宮本(岳)委員 では、一つ別のことを聞きます。
そもそもこの土地は、伊丹空港の騒音被害対策のために大阪航空局が買い上げた移転補償跡地でありますけれども、これは航空局に聞きますが、幾らで買いましたか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
本件土地は、伊丹空港周辺の騒音対策の一環として、公共用飛行場周辺における航空機の騒音による障害の防止に関する法律に基づき、騒音対策区域内の住民の求めに応じて、大阪航空局が昭和五十年より順次買い入れを行ったものであります。
一方で、航空機の低騒音化の進展によりまして、平成元年に当該土地が属する騒音対策区域が解除されたことを踏まえまして、行政財産から普通財産に組みかえを行っております。
その後、平成八年に豊中市による土地区画整理事業の事業計画決定が行われまして、平成十七年の豊中市から大阪航空局への換地処分によりまして、本件土地を取得したというものでございます。
このため、本件土地は、騒音対策区域内の住民の求めに応じて大阪航空局が買い入れました土地と同一のものではなく、一対一の関係にございませんので、本件土地の換地前の買収額は不明だということでございます。

○宮本(岳)委員 わからないんですね。
財務省の佐川理財局長は、二月二十二日の財務金融委員会で、私の、なぜ今回の土地を豊中市に無償貸し付けしなかったのかとの質問に、国土交通省大阪航空局より豊中市に対して時価で売り払ってほしいという事務委任を受けたからだと答弁されました。
なるほど、二〇一〇年の豊中市への公園用地売却が審議された第百十六回国有財産近畿地方審議会の議事録というものを見ますと、当時の和田管財部長が、今回お諮りした国有地は大阪航空局が行政目的で買い上げをしたという経緯があり、空港整備のための歳出予算となるという歳出歳入のバランス関係にある、このため、大阪航空局が買い上げた移転補償跡地については時価売り払いを原則とする、この国有財産審議会でそう答えております。
航空局長に聞くんですけれども、この移転補償跡地を大阪航空局が幾らで買い上げたのかがわかりもしないで、歳出歳入のバランス関係など論じられないのではありませんか。このときの議論はうそだったということですか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
まず、先ほども申し上げましたように、本件土地は、伊丹空港周辺の騒音対策の一環として、住民の求めに応じて買い入れを行ったということでございまして、そのときのある種の支出というのは、騒音対策としてなされた支出ということになります。
これは、その時点におきましてこの土地が行政財産であったということでございますので、そういう意味では、行政財産であるときのこの土地に関する歳入と歳出、あるいはその効果という点からすると、騒音対策に対してお金を支出したということで、これは、そこで一旦、ある種閉じられているというふうに私どもは評価をしてございます。
その後、先ほども申し上げましたように、騒音対策区域が解除されましたので、行政財産として保有し続ける意味がなくなったものですから、普通財産に組みかえをしたということでございます。
そこから後につきましては、普通財産になったものの売り払いについては全て財務局に委任をしているわけでございますけれども、その後については、時価で売るという考え方でやっていただいているということでございます。

○宮本(岳)委員 それだったら、豊中市の土地も全く同じ性格の土地ですから、このときの説明というのはつじつまが合わないということになると思うんですね。
有益費と土地売却代金とは性格が違うと大臣が御答弁になりました。
有益費一億三千二百万円は、国土交通省が所管する自動車安全特別会計の空港整備勘定から出たはずであります。また、この土地の売却代金一億三千四百万円も空港整備勘定に入るはずであります。これは、航空局長、間違いないですよね。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
ちょっと範囲が広くなるかもしれませんが、まず、本件土地の有償貸付契約に係る貸付料それから売買契約に係る即納金は、自動車安全特別会計の空港整備勘定に係る収入であり、有償貸付契約に係る有益費は、同勘定に係る支出ということでございます。

○宮本(岳)委員 売却したときの土地の代金はどうなりますか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
売却をしたときの土地の代金につきましても、空港整備勘定の収入ということになります。

○宮本(岳)委員 昨年四月六日、空港整備勘定から森友学園側に、紛れもなく有益費一億三千二百万円弱が支払われました。
昨年六月二十日の売買契約によって、この豊中の国有地は一億三千四百万円で森友学園に売却されました。しかし、この売却金額の支払いの方は即金ではありません。
国交省に確認いたしますけれども、これも局長に確認しますが、現時点で土地の売却代金は幾ら受け取っておりますか。

○西銘委員長 速記をとめてください。
〔速記中止〕

○西銘委員長 速記を起こしてください。
佐藤航空局長。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
平成二十八年六月に森友学園と売買契約を締結いたしまして、平成二十八年度中に収納した額は二千七百八十七万円でございます。

○宮本(岳)委員 大臣、空港整備勘定の出入りだけを見れば、有益費一億三千二百万が既に出ていって、入ってくるべき売却代金は、まだ頭金の二千七百八十七万円のみであります。差し引き一億円以上のマイナスに現時点でなっているというのは疑いのない事実であります。それでもこの売買の評価は変わりませんか、大臣。

○石井国務大臣 それは、適切に評価をした、あるいは適切に取引をした結果であるというふうに考えています。

○宮本(岳)委員 この土地は、そもそも豊中市が、隣の同規模の国有地とあわせて、防災公園用地として取得を希望しておりました。豊中市に売却しておれば、土壌改良のみで、このような膨大な埋設物の撤去は必要なかったんです。無駄な支出も必要なかったと思います。
なぜ今回のような売却になったのか、大臣、今後のために分析し、反省することは当然じゃないですか。いかがですか、大臣。

○石井国務大臣 今回、いろいろこの件について取り上げられておりますから、それについては、私どもは適切に行っているというふうに思っておりますけれども、なかなか国民の皆様の御理解も広がっていないという状況は、今後の我々の行政の進め方の糧にはなるかなというふうに考えています。

○宮本(岳)委員 ぜひ、しっかりと総括、反省をしていただきたいと思います。
次に、私が二月二十四日、衆議院予算委員会で示した、二〇一五年九月四日の近畿財務局九階会議室における打ち合わせメモについて聞きます。
財務省は、衆議院財務金融委員長の指示を受けて、この文書に名前が出ている近畿財務局池田統括官に確認し、その結果を文書で財務金融委員会に報告いたしました。
昨日確認したところでは、国土交通省も、二〇一五年九月四日の打ち合わせなどに関する記録は既に廃棄したということでありましたけれども、これを廃棄したのはいつですか。

○佐藤政府参考人 お答えを申し上げます。
事案終了時ということでございますので、有益費の支払いが行われた後かと考えております。

○宮本(岳)委員 全然違うでしょう。事案の終了時というのは六月二十日じゃないんですか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
委員の御指摘は、平成二十七年九月四日の打ち合わせの関係でございますけれども、当時の担当に確認をいたしましたところ、平成二十七年九月当時は、まさにこの有益費の方の関係で、低深度の土壌汚染等の除去工事が実施されていたところであり、貸付契約上、その費用は国が有益費として償還することとされておりましたので、九月ごろに近畿財務局とともに関係業者と工事内容等について打ち合わせを行った記憶はあるということでございました。
すなわち、当時の担当者は、この九月四日は有益費に関する打ち合わせをしていたということを言っておるわけでございまして、有益費につきましては、平成二十八年四月六日に支払われておりますので、先ほど私が答弁したのは、そういうことでございます。

○宮本(岳)委員 では、四月六日に破棄したんですね、国交省については。
その担当者は、では、その会議、そういう打ち合わせがやられた相手側、森友側から誰が出席していたか、どういうところから出席があったかということはおっしゃっていましたか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
当時の担当者に確認をしたところ、関係業者と工事内容等について打ち合わせを行った記憶はあるということでございますけれども、その関係業者の詳細についてまでは、当時の担当者から回答はなかったということでございます。

○宮本(岳)委員 きのうもそう聞いたんですよ。これは奇怪な話ですよ。森友学園側の工事関係者というものは、この当時、キアラ設計と中道組、この二つしかありません。わからぬとか忘れるとか、本気でそんなことをおっしゃっているのかと、極めて奇異な御答弁だというふうに思いました。
では、ちょっと関連して聞くんですけれども、証人喚問で籠池証人は、昨年一月に、有益費の支払いについて、稲田防衛大臣の夫の弁護士事務所で、近畿財務局及び大阪航空局の担当者と会って話し合ったと証言をいたしました。さらに、籠池氏は、私に対して、その担当者について、近畿財務局は池田統括官、航空局は安地氏だったと証言しましたけれども、当時、大阪航空局に安地という職員はおりましたか。また、稲田弁護士の事務所に行った事実は確認いたしましたか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
その前に、先ほど私、九月四日の件に言及いたしましたけれども、当時の担当に確認したところ、九月四日という確定の日にちについての記憶はございませんで、平成二十七年九月当時に近畿財務局とともに関係業者と工事内容等について打ち合わせを行った記憶があるということでございました。
それから、今御指摘の方でございますけれども、本件土地につきましては、森友学園において有益費に関する工事が行われました平成二十七年七月から十二月にかけてと、その後、有益費の支払いについて森友学園、近畿財務局、大阪航空局の三者で合意した平成二十八年三月三十日にかけまして、大阪航空局は、近畿財務局とともに、工事関係者などと、現地確認のほか、工事内容の確認等、有益費の支払いに必要なやりとりを行っております。
したがいまして、御指摘の時期の前後におきまして、有益費の支払いに必要なやりとりを森友学園関係者と近畿財務局、大阪航空局の間で行っている可能性はございます。
今御指摘の安地でございますが、当時、大阪航空局空港部の補償課に在籍をしてございました。が、今申し上げましたように、その時期の前後におきまして森友学園関係者とやりとりを行っている可能性はございますけれども、個別具体的に担当者に確認は行っておりません。

○宮本(岳)委員 個別具体的に確認していないということであります。
この日時も含めて、ちょっと僕は奇異に思うのは、弁護士事務所でそういう打ち合わせをするというのは日常的にやられていることなんでしょうかね。余りそういうことは多くはないと思うんですが、そういうことを日常的にやっているんですか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
私どもの理解では、大阪航空局は、近畿財務局とともに、工事関係者など、森友学園の関係者と必要なやりとりを行っているというふうに認識をしているということでございます。

○宮本(岳)委員 ちょっと要領を得ませんね。
委員長にお願いいたします。
この九月四日の打ち合わせ記録に出席者として記載されている大阪航空局高見調整係に対して、会議の開催の有無や会議の内容について確認し、当委員会に報告するよう、委員長の名前で御指示をいただきたい。
同時に、証人喚問で指摘された大阪航空局安地氏についても、国土交通省から直接御本人に確認していただいて、御報告を文書で提出していただきたい。
ぜひとも理事会で御協議をいただきたいと思います。

○西銘委員長 理事会で協議します。

○宮本(岳)委員 高見調整係のパソコンや報告などの公文書の保存はどのようなシステムになっているのか。これは財務省とこの間私はやってきましたけれども、財務省のように、職員が手作業で消去して、消去した過去のデータは二週間で消え、復元できないシステムになっているんですか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
行政文書につきましては、電子データにつきましても、公文書管理法及び国土交通省文書管理規則に基づき、事務及び事業の性質、内容等に応じた一定の期間保存されるとともに、保存期間満了後には廃棄等の措置をとることとされております。
その際、これら廃棄された電子データにつきましては、システム上に一定期間残存いたしますが、当省のシステムでは、大阪航空局の場合、一カ月で、システムの負担軽減のため、システム上からも消去され、復元できなくなっております。

○宮本(岳)委員 本当にそういう答弁が続くんですね。これはハードディスクの容量上限まで利用していると言っているようなもので、ちょっと理解に苦しむんです。
財務省とのやりとりで、専門業者に依頼するなど、復元の方法があるはずだという私の指摘に、佐川理財局長は、専門の部局に再度確認すると答弁されましたけれども、これは、財務省、結果はどうでしたか。

○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
近畿財務局のシステムにおきましては、職員が公文書管理法等の規定に基づいて、保存期間が満了したものにつきましては、電子データにつきましても削除するわけでございますが、システム上、削除された電子データは、基本的には復元できない状況になります。
ただ一方、システム上、障害が仮に生じた際の復旧を目的といたしまして、十四日間の期間であれば、バックアップ機能により、システムの専門家が作業をすれば復元が可能というシステムになっております。
したがいまして、電子データを削除した後でございましても、このバックアップ期間の十四日間であれば復元が可能でございますが、この期間を経過すれば、このシステムの運営を業務委託しております運営会社の専門家でありましても、データの復元はできないとのことでございました。

○宮本(岳)委員 犯罪捜査でも国税調査でもデータの復元というのはやられているわけで、これを完璧に消去するには、誰かがやったように、ハードディスクをドリルで破壊するというようなことをやらなきゃならないんですね。
財務省や国土交通省の個々の職員のパソコンが、ハードディスクの容量上限まで利用しており、その全てが日々大量のデータで上書きされているというのは、荒唐無稽な話だと言わなければなりません。
財務省の佐川理財局長は、日付までは特定できないが、二〇一五年九月上旬の時期に業者を交えた打ち合わせが行われたことについては認めております。先ほど国土交通省も、そういう時期にそういうことがやられてきたことは認めておられました。
後に有益費として支払われることになる土壌改良や埋設物の撤去について、コンクリートやアスファルトなどの大きな殻の撤去と土壌改良にとどめた理由は何なのか。そういう打ち合わせがあらかじめあったんじゃないですか。

○佐藤政府参考人 先ほども御答弁いたしましたけれども、当時の担当者に確認をしたところ、九月ごろに、近畿財務局とともに、関係業者と工事内容等について打ち合わせを行った記憶はあるということでございました。

○宮本(岳)委員 その打ち合わせで、コンクリート殻そして土壌改良にとどめようということは、あらかじめ打ち合わせで決めていたということですね。
もう一つ航空局長に聞きます。
森友学園から、二〇一五年度内に有益費を支払ってほしいとの要望を、航空局は受け取ったことがありませんか。

○佐藤政府参考人 まず、先ほど私の答弁した中で、具体的な有益費の対象となる工事の内容について打ち合わせを行ったということと委員はおっしゃいましたけれども、そうではなくて、例えば、有益費の工事でどこまで地下埋設物を撤去するかということにつきましては、それはあくまでも借り主の判断でございますので、それをあらかじめ、こちらの方とそれについて何か事前に合意したということはないというふうに考えてございます。
それからもう一つ、森友学園側から、有益費について、平成二十七年度、二〇一五年度の予算で払ってほしいという要望を受けたかどうかということでございますけれども、そもそも、平成二十七年度の七月から工事が始まったわけでございまして、私どもといたしましては、その時点で、平成二十七年度の予算の中にそういった有益費をお支払いするような予算は計上しておりませんし、そういった平成二十七年度に支払ってほしいというようなことを仮に言われましても、それは対応ができないというふうに認識をしてございます。(宮本(岳)委員「イエスかノーで。言われたのか」と呼ぶ)

○西銘委員長 要望があったかという質問です。
ちょっと速記をとめてください。
〔速記中止〕

○西銘委員長 速記を起こしてください。
佐藤航空局長。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
要望があったかどうかということは実は確認できておりませんけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたような事実関係でございますので、平成二十七年度予算で有益費をお支払いするということを私どもの方から申し上げたことはないということでございます。

○宮本(岳)委員 確認してください。
では、地下埋設物撤去費用の試算の三・八メートルと九・九メートル、先ほども議論がありました、これについて聞きます。
改めて聞きますけれども、九・九メートルまでごみがあることを確認したのはいつですか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
九・九メートルを、見積もりの際にくい掘削箇所の深さとして用いているわけでございますけれども、どういった根拠に基づいてそういったことをしているのかということでございますけれども、まず、平成二十七年三月十四日に工事関係者から、その三月十四日の前の三月十一日に九・九メートルのくい掘削工事において廃材等のごみが発見されたという連絡が近畿財務局にあったということで、これを受けて、三月十四日に現地に確認をしてございます。この際には、実際に廃材等を含む土砂が積み上がっていることをみずからの目で確認しているということでございます。
また、この三月十四日につきましては、工事関係者からヒアリングを行っているということでございます。また、掘削中の様子を示す工事写真も入手いたしまして、これは、その後日でありますけれども、確認をしてございます。
さらには、本件土地がかつて池や沼であった、昭和四十年代初頭まで池や沼であり、地下の深い層から浅い層にかけて廃材等を含む相当量のごみが蓄積していると考えられることを踏まえまして、見積もりに当たりましては、深さを地下九・九メートルと、これはくい掘削箇所でございますけれども、設定をして見積もりを行うことが合理的であると判断したものでございます。

○宮本(岳)委員 では、九・九メートルまでごみがあるということをそこまでしっかりと確認しておきながら、その後、大阪航空局は試掘を二回やっておりますけれども、なぜ、九・九メートルまでごみがあるかどうかを確認しなかったのか、三・八メートルでやめたのか。いかがですか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘の、さらに二度試掘を行ったということでございますけれども、それは大阪航空局が行った試掘ではございません。
九・九メートルのくい掘削工事において新たな地下埋設物が発見されたことを受けまして、くい掘削工事箇所以外の部分にも地下埋設物がないかどうかということを確認するために、施工業者が三月に二度試掘を行ったというふうに聞いております。

○宮本(岳)委員 では、それでもいいですよ。
九・九メートルまであるということを三月十四日に確認しながら、その後は三・八メートルでなぜやめたんですか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
九・九メートルというのはくい掘削箇所についてのことでございまして、先ほど答弁をいたしました、その九・九メートルのくい掘削工事箇所において新たな地下埋設物が発見されたことを受けて、それ以外の部分にも地下埋設物がないかということを施工業者が試掘をすることによって調べたところ、三・八メートルの深さまで地下埋設物が確認をされたということでございます。

○宮本(岳)委員 三・八メーター掘ったから三・八メーターまで確認されたわけでしょう。
では、端的に聞きましょう。
くい打ちでない部分は、三・八メートルより深いところにごみはあるんですか、ないんですか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
本件見積もりなんですけれども、その考え方でございますが、これは、本件土地の売買契約において、将来にわたって本件土地が抱える一切の瑕疵について売り主である国の責任を免除する特約が付されることを前提として、土地の価値を算定するに当たって想定しておくべき地下埋設物の撤去、処分費用を見積もったということでございます。
その中で、具体的に、くい掘削箇所については、九・九メートルまでごみがあると想定して費用を見積もりましたし、それ以外の場所については、三・八メートルまでごみがあるということを想定して費用を見積もったということでございます。

○宮本(岳)委員 だから、その三・八メートルの根拠が全く定かでないわけですね。
そこで、そのリスクについて聞きましょう、将来埋設物が出てくるリスク。
例えば、籠池氏は、将来的に小学校の用地に中学校を建てたい、そのために校舎を八階建てにしたいと何度も言っておりましたけれども、将来埋設物が出てくるリスクに、建てかえ工事の際に出てくるリスクも想定されておりますか。

○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。
地下埋設物の撤去、処分費用の見積もりに当たりましては、本件土地の売買契約におきまして、売り主の瑕疵担保責任を免除する特約を付すということを前提といたしまして、当該土地に係る過去の調査結果、職員による現地確認、工事関係者からのヒアリングや工事写真など、検証可能なあらゆる材料を用いまして、校舎や児童の生活の安全性の確保の観点も踏まえて、将来にわたってリスクとなる地下埋設物の存在範囲を設定したということでございます。
その結果が、くい掘削場所の深さにつきましては九・九メートル、その他の深さについては三・八メートルと設定をしたということでございます。

○宮本(岳)委員 全く納得できる答弁じゃないんですね。
最後に、きょうは理財局に来ていただいていますから、佐川理財局長に聞きたいと思います。
事前にお渡ししてありますけれども、私が森友側関係者から入手した資料で「今後の手続きについて」と題されたものがございます。平成二十六年十二月十七日時点における今後の手続の説明資料ですとあり、その後の詳細な手続が記されております。私は、籠池氏の手帳で、この十二月十七日午後一時、近畿財務局と会っている事実を確認いたしました。例えば、平成二十七年二月に予定されている国有財産近畿地方審議会で売り払いを前提とする貸し付けが適当と答申され、その後、見積もり合わせにより貸付料が決定した後に借地契約は締結される、そう具体的に書かれております。
平成二十六年十二月十七日といえば、森友学園の小学校設置申請が継続審議となった大阪府私学審議会の前日、つまり、平成二十七年二月十日に開催された第百二十三回国有財産近畿地方審議会の二カ月近くも前であります。
これは、近畿財務局が森友側に渡した資料に間違いないですね。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今、宮本委員の方から御指摘をいただきました、あるいは、この前の玉木先生の方からも御指摘をいただいておりますし、昨日、辰巳先生の方からも御指摘をいただいてございますが、その近畿財務局から森友学園に渡したとされる資料につきまして、近畿財務局からの説明資料ということでございましたので、近畿財務局に聞きましたところ、当時の担当者は、そうした資料を森友学園側に渡した記憶はあるということでございました。
それで、この資料は国有地の処分の手続についてという説明資料でありますので、これについて申し上げますと、国有地の処分に当たりましては、要望者が国有財産の取引の経験に乏しく、必要となる事務手続を承知していない場合、あるいは、要望者が想定するスケジュールが国側が必要とする期間を考慮していない場合などには、要望者が国有地を取得した後に、円滑な事業の進捗に影響が生じることとなりますので、必要となります手続あるいはスケジュール等につきまして、相手方が理解した上で事務を進めることが不可欠でございます。
したがいまして、財務局から要望者に対しましては、処分方針の決定前におきまして、処理方針が確定していないということを明らかにしました上で、国有財産の処分に係る制度、あるいは必要となる事務手続、想定されるスケジュールなどを説明するということは、各財務局におきまして一般的に行われているところでございます。
本件に当たりましても、今の先生の御指摘は二十六年十二月ということでございますが、一年前の二十五年九月に相手方から取得等要望書が提出されておりますので、その間、先方との間で、もともと先方は貸し付けをとってから買い受けをするという希望でございましたので、近畿財務局から、処理方針を確定していないということを明らかにした上で、このような説明を行ったというふうに聞いてございます。

○宮本(岳)委員 本当に、質問妨害みたいなことはやめてくださいね。
この資料に別添されている別添資料がここにあります。この別添資料を見ますと、有償貸付合意書や売買契約書まで、既にほとんどでき上がっていますよ。ここには所在地や面積が既に書き込まれて、あとは日にちと名前を書き入れて印鑑を押せば契約完了というところまで準備しているじゃないですか。
こういうものをつくって私学審議会の前に籠池氏に渡していた。事実なんですね。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
土地の面積等はそもそもわかっているわけでございますし、公的取得要望が出ているわけですから、貸し付けをしてから買い受けをしたいというのも全部わかっているわけでございます。
それから、今申し上げましたように、一年前からこういう議論を向こうとしているわけで、今先生御指摘のように私学審の前でございますので、いずれにしましても、私学審が通って、それからその後に、私学審の了解を前提として国有審で仮に適当と答申されれば、こういうような契約書が締結されることになりますという前置きをした上で、事務手続が円滑に進むように、先方に対して参考となるものを渡している、こういうことでございます。

○宮本(岳)委員 いやいや、そんな甘いものじゃないですよ。単なるひな形じゃないんです。例えば有償貸付合意書の第五条と六条には、土壌汚染及び地下埋設物、いわゆる有益費の支払いについて、この間、当該土地について行われた埋設物の調査について列挙した上で、第六条において、それらの除去費用の扱い、つまり有益費について定めております。まさに個別具体的な森友との契約書そのものなんですよ。
こんなものは近畿財務局以外につくれるわけがないし、私学審の前にはっきり示されているじゃないですか。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
冒頭申し上げましたように、この資料を森友学園に渡した記憶はあると担当者は答えているわけでございますが、いずれにしても、私学審の前にこういう資料を先方とつくって、それから、今、有益費のお話をされましたが、もともとここに埋設物があることはわかっておったわけですから、そういう有益費の議論もしていただろうというふうに思いますので、そういう意味では、何ら不自然なことはないだろうというふうに思ってございます。

○宮本(岳)委員 二〇一四年十二月の大阪私学審の前日には、翌日には認可適当の判断が出ることを前提に、ここまで手はずが整っておりました。だからこそ、この間発表された大阪府の検証報告書によれば、二〇一四年十二月十八日、私学審で、財務に不安があるとして継続審議となった直後に、近畿財務局は、大阪府に対して、継続審議となった理由を問い合わせ、私学審の結論を出す時期など、ある程度事務局でコントロールすることはできるのではないか、こういう趣旨の発言さえ行い、このシナリオどおりに進めようとしたんですよ。
もちろん、大阪府だって決して被害者ではありません。規制緩和を行い、国と二人三脚でやってきたんです。契約書の中身まで事前に伝え、森友の認可のために、認可がおりる前からせっせと準備を整えて、スケジュールがおくれそうになれば汗をかいて規定路線に戻す、そんなことまで財務省はやってきた。
佐川理財局長は、私に対して、府私立学校審議会の前に、財務省近畿財務局から森友学園に対して、予断を持って国有地売却等の是非について申し上げた事実はございませんなどと繰り返し答弁してきました。この答弁はうそだったということですね。

○西銘委員長 時間ですので、佐川理財局長、簡潔に答弁ください。

○佐川政府参考人 お答え申し上げます。
今までの答弁どおり、予断を持って処分の方針等について向こうに伝えたことはございません。

○宮本(岳)委員 断じて納得できません。
引き続き追及することを申し上げて、質問を終わります。